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大学卒業のとき恩賜の銀時計を貰ったほどの秀才小野。彼の心は、傲慢で虚栄心の強い美しい女性藤尾と、古風でもの静かな恩師の娘小夜子との間で激しく揺れ動く。彼は、貧しさからぬけ出すために、いったんは小夜子との縁談を断わるが……。やがて、小野の抱いた打算は、藤尾を悲劇に導く。東京帝大講師をやめて朝日新聞に入社し、職業的作家になる道を選んだ夏目漱石の最初の作品。(解説・柄谷行人)
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Posted by ブクログ
人名の呼称がコロコロ変わって場面を追うのが難しく、文章が少し難解で文量も多かったため読むのに時間がかかったが徐々に小野の煮え切らない性格のせいでどうしようもない袋小路に突き進んでいく様子は読んでて心が痛んだ。相手の気持ちを想像しすぎるあまり優柔不断になるのはよく分かる。道義が大切。
苦慮して作り上げた文体は正直なところ意味を掴めないが、美しさは伝わってくる。西洋的なハイカラな思想が昔ながらの考えにぶつかる、そこで起きる波紋というのも一つのテーマとして感じる。藤尾は美しく傲慢な女として描かれているが、こんな人は現実に実際いそうだ。自分の美しさを把握しているから、人に対して小悪魔に...続きを読む振る舞ったりする。その我儘さが美しさに拍手をかける。みたいな。まぁ、こんな人には敵わない。なんだかんだで結局美しさに敵うものはないのではないか。と勝手に思ったりもする。 藤尾だけではなくて、この小説に出てくる人は皆現実にいそうだと感じる。それぞれが自立した性格を持っていて、そのもつれの中で結末を迎える。この小説の登場人物の内面が外界に働きかけることで小説が歯車のように回って、動いていく様は、少し離れたところで精巧で大きな機械仕掛けの時計を見ているような気持ちになる。 どう考えても、自他共に認める失敗作には思えなかった。
久しぶりの漱石先生。恋愛感情や人間関係の表現の巧みさ、情景描写の美しさがたまらない。夏目漱石の世界に浸れます。 漱石先生が持つ当時の社会や人に対する批判、信条と言ったものがそれぞれの登場人物を通して伺えます。勧善懲悪的な結末で驚きもありましたが、漱石先生の作品の中でもかなり上位に入ると言ってもいい面...続きを読む白さではないでしょうか。
面白い! 明治の知識人階級の男女の四角(五角?六角?)関係であり、家や財産の相続、親の介護、若者特有のプライド、職業的マウンティング、恋愛と結婚、自我と世間体、本音と建前などなど、話自体はまあ渡る世間とかその辺のベタなホームドラマとそれほど変わらないはずなのに、なぜこれほどまでにスリリングでリアル...続きを読むなのか!?と考えるに、ストーリーテリングとしての純粋な面白さに加えて、普遍的な人間心理に対する漱石の鋭すぎる洞察と描写。それに尽きる。 特にそれまでずっと表面上は穏やかに行儀よく、しかし水面下ではハイコンテクストな湾曲表現による高速パンチと寝技の応酬を繰り広げていた人たちが、クライマックスで突然全員がベタ足で本音をぶちまけ始めるあたりのカタルシスが尋常ではない。例えるなら「8マイル」ラストのラップバトル。 表層的には「義理を立てるか、我を通すか」で悩む近代日本人だったりするのだけれど、もちろんそう単純な二項対立で済むわけもなく、最終的には「生きるか死ぬか、ぎりぎりの淵に立つ自己存在」みたいな場所まで行きついてしまうのが漱石の恐ろしいところ。 どうしても気になるのはこの物語のその後で、小野さんと小夜子がこの後一緒になってお互い幸せになれるとはどうしても思えないし、糸子は甲野さんの良き理解者には違いないけれども、甲野さんの方に愛はあるんか?そもそもこんな泥沼を経たあとにあの義母と同じ屋根の下でうまくやっていけるのか?と考えるに、唯一明るい未来が想像できるのはザ・体育会系男子の宗近さんくらいだったりする。 これが100年以上前の小説って、本当に信じられない。漱石は代表作くらいしか読んだことなかったけど、ちょっと今から地道に過去作ディグるわ…
幾度と無く挫折してきた虞美人草。初めて読み切った感想は「私は大人になった」。少なくとも難しい言葉に惑わされることなく表現の意味するところと文脈を読み取れる程度には。漢文と日本文化の素養に溢れた流麗な言葉遣い素晴らしいですね。 舞姫やこころと同じく、頭が良いけれど優柔不断な男が八方美人をして思いを断...続きを読むち切るのを躊躇っているうちに、周りの人間が可哀想な思いをする(もしかしたら当時の人は高慢な女に降った罰に拍手喝采なのかもしれないが今は自立して美しく賢い藤尾の何が悪い)ので、小野を許すことはできないですが、女性に象徴される「文明」と「伝統」の間で揺れ動く文明人として小野くんは苦悩していたのでしょう(小野に憤慨しないだけでも大人になった)。 男が3人、女が3人、それでも決してハッピーエンドにはならない、この結末は、皆が自分で考え始めたこの時代から始まる。それにしても18節の宗近と糸の立派さ!「真面目になれる」「お迎えに参りました」漱石の本でこんなに胸が熱くなるとは思わなかった。自由恋愛で先進的な男女のこの小説でも古い道義とか誠実さとかが勝つんだなぁ。良くも悪くも。 「此処では喜劇ばかりが流行る」
2017.8.11 とてもよかった。さすが夏目漱石、読むだけで日本画や歴史、言葉遣いも勉強になる。 登場人物のだれもがリアルで、いろんな視点で語られるので性格が細かく描写されていてとてもおもしろい。家族の関係、兄妹、師弟、恋の駆け引き…それぞれの想いが見えてどうなるんだろうと読み進めれば、宗近君がす...続きを読むべてまっすぐにまとめてゆく。 結婚となると恋愛ほど単純ではなく、両家の関係や今までの義理、相続など、いろいろな思惑が絡んでくるのがよくわかった。男性陣が27,28、女性陣が24くらいで、ちょうど同世代であるから余計に感情移入したのかもしれない。 結婚前のわたしにこれを渡したのは父親の計らいなんだろうか…笑
漱石の時代と現代とで、人間はこんなにも変わらないものなのかと読みながらとにかく驚かされたし、自分自身の醜い部分を時代を超えて見透かされているような気分になってドキっとしました。 今の自分に喝を入れてくれる様な話で、読むことが出来て良かった。 真面目にならなければ。
難解な中にもこの時代の美しい文体を楽しむことができる。 宗近の云う「真面目になること」は自分の心に備え置いてきたことと重なり合う。 「真面目になれる程、自信力の出る事はない。真面目になれる程、腰が据わる事はない。真面目になれる程、精神の存在を自覚する事はない。天地の前に自分が厳存していると云う観念...続きを読むは、真面目になって初めて得られる自覚だ。真面目とはね、君、真剣勝負の意味だよ。遣っ付ける意味だよ。遣っ付けなくちゃいられない意味だよ。人間全体が活動する意味だよ。口が巧者に働いたり、手が小器用に働いたりするのは、いくら働いたって真面目じゃない。頭の中を遺憾なく世の中へ敲きつけて始めて真面目になった気持ちになる。安心する・・・」
職業作家として初の作品だつたからなのか、かなり力の入ったものに感じた。表現の脚色が煩雑に思えるほど多い。 登場人物の正体をあえて分かりにくくしているのも、読者の気を引くためだろうか。 冒頭の京旅行から布石があって、ラストは大逆転。藤尾が可哀想なくらい。 でも、会話は「明暗」を思わせる。テンポが良くて...続きを読むリアリティが感じられる。 読み物としては、十分楽しめた。
「愛嬌と云うのはね、自分より強いものを斃す柔かい武器だよ」「それじゃ無愛想は自分より弱いものを、扱き使う鋭利なる武器だろう」 小野さんは自分と遠ざかるために変わったと同然である。 わが悪戯が、己れと掛け離れた別人の頭の上に落した迷惑はともかくも、この迷惑が反響して自分の頭ががんと鳴るのが気味が悪い...続きを読む。 雷の嫌なものが、雷を封じた雲の峯の前へ出ると、少しく逡巡するのと一般である。只の気の毒とは余程趣が違う。けれども小野さんはこれを称して気の毒と云っている。 真面目と云うのはね、僕に云わせると、つまり実行の二字に帰着するのだ。口だけで真面目になるのは、口だけが真面目になるので、人間が真面目になったんじゃない。君と云う一個の人間が真面目になったと主張するなら、主張するだけの証拠を実地に見せなけりゃ何にもならない。•・・ 時代背景や価値観が違うから、全てを共感はできないけど、この行き場のなさはわかる気がする。高慢で魅力的な女は退場させられた。そんな時代。恋愛に限らないけど、恋愛の板挟みって神経すり減らす。まぁここでの板挟みは愛とか恋とかそんなのに拘うものではないのだけれど。 再読で、そう昔のことじゃないと思うんだけど全く覚えてなかった。漱石文学は展開に入るまでが難解だけど、いざ入ったらどことなく俗っぽくてすらすら読める。
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