小説 - 中公文庫作品一覧

  • ビショップ氏殺人事件 曽野綾子ミステリ傑作選
    3.5
    作家・曽野綾子の知られざる真価を示す、ミステリ作品集。殺人、犯罪、事件を題材とし、謎解き、犯人捜しの要素を含みつつも、人間心理、人生や運命の綾、明暗、日常に潜む恐怖を描く。いずれも1960年前後に集中的に書かれた作品群である。表題作は、『宝石』誌の編集に携わった江戸川乱歩がみずから依頼した経緯があり、しかも本格物。乱歩は本作を掲載できたことを「いささか自慢していいのではないかと思っている」と自讃している。 (収録作品) ビショップ氏殺人事件 華やかな手 消えない航跡 競売 人生の定年 佳人薄命
  • 片隅の人たち
    3.5
    翻訳者はみんな変っていて、それに貧乏だった――。直木賞受賞作『遠いアメリカ』と同時期を背景に、出版界の片隅でたくましく生きる個性豊かな面々を、憧れに満ちた青年のまなざしからとらえた自伝的連作集。巻末にエッセイ「二十代の終わりごろ」他一篇を付す。〈解説〉青山 南 【目次】 翻訳の名人/若葉町の夕/線路ぎわの住人/四月の雨/初夏のババロワ/黒眼鏡の先生/喫茶店の老人/新しい友人/夜明けの道/引越し/夏の一日  * 〔エッセイ〕昔のアパート/二十代の終わりごろ
  • もちじゅわ 中華まんの奇跡 ひぐまのキッチン
    3.5
    学業優秀なリケジョだったが、融通がきかず就活を連敗していた「ひぐま」こと樋口まりあ。そんな彼女が秘書として食品商社「コメヘン」に入社して2年目の冬――。持ち前の生真面目さが愛され、徐々に周囲の協力も得られるようになった。10歳年下のイケメンバーテンダーと結婚していて、妙に鋭い総務部の山本梢や、かわいいのになぜかモテない営業部の野島樹実香と食べる弁当ランチも楽しい。本業の秘書業務に加え、社長の来客にふるまう手料理にも、少しずつだが自信をつけてゆく。そして、「奇跡の小麦粉」と呼ばれるキタノカオリで調理するうちに、初めての恋の予感も!? ほっこりおいしい、だけじゃない。名作『100年たったら』の著者が贈る心癒やすごほうび小説。 【目次】 小松菜の元気なきな粉和え ボルシチは祖母の味 恋と起業のにんじんケーキ 米良し、水良し、出会い良し イケメンシェフの和風ニョッキ もちじゅわ 中華まんの奇跡
  • 捨てきらなくてもいいじゃない?
    3.5
    思い切ってモノ減らし!でも捨てられない?心と体の変化によりモノに向き合い、ポスト・ミニマリズムの立場から持ちつつも小さく暮らせるスタイルを提案。
  • スティル・ライフ
    3.5
    しなやかな感性と端正な成熟が生み出した唯一無二の世界。 生きることにほんの少し惑うとき、 何度でもひもときたい永遠の青春小説。芥川賞受賞作品。
  • CAGE 警察庁科学警察研究所特別捜査室
    3.5
    この中の誰かが刑事、誰かが犯人。 そして、誰かが存在しない。 連続殺人犯が逃走中のある日。相良と琴平は男に車で連れ去られそうになっていた女子大生・菜実を助ける。安心する菜実をよそに、相良は男に囁きかける。「君がいつもやってることを、僕たちに見せて」。豹変した相良の様子に恐怖する菜実。それを見て、男たちは笑みを浮かべる――。驚愕のラストが待ち受ける連作ミステリー。
  • 生きる歓び
    3.5
    死のぎりぎりの瀬戸際で「生」に目覚めた子猫。その命の輝きをまのあたりにした「生きる歓び」。小説家・田中小実昌への想いを言葉を尽くして描いた「小実昌さんのこと」。瑞々しい感性で生と死の実感に寄り添う短篇二作を収録。〈解説〉伊藤比呂美
  • 葛飾土産
    3.5
    1巻1,100円 (税込)
    麻布・偏奇館から終の棲家となる市川へ。「戦後はただこの一篇」と石川淳が評した表題作ほか、「東京風俗ばなし」などの随筆、短篇小説「にぎり飯」「畦道」、戯曲「停電の夜の出来事」など十九編を収めた戦後最初の作品集。巻末に久保田万太郎翻案による戯曲「葛飾土産」、石川淳「敗荷落日」を併録する。〈巻末エッセイ〉石川美子 【目次】 にぎり飯/心づくし/秋の女/買出し/人妻/羊羹/腕時計/或夜/噂ばなし/ ■付録 葛飾土産(久保田万太郎)/敗荷落日(石川淳)
  • ネットリンチ 悪意の凝縮 (『「電脳マジョガリ」狩り』改題)
    3.5
    そのツイート、大丈夫? あなたも訴えられますよ。 大学生の翼が巻き込まれた、現代の《魔女狩り》裁判の行方は? 「魔女狩り板」それはあるネット掲示板の通称。目的は、マスコミが実名報道しない未成年犯罪者や違法行為をした匿名ユーザーを吊し上げることだ。大学生YouTuberの翼は、オフ会で知り合った謎の女性・香織に脅され、掲示板の中枢四人の正体を暴くことに。香織の目的は? その憎悪の原因とは――?『「電脳マジョガリ」狩り』改題
  • 吾輩はライ麦畑の青い鳥 名作うしろ読み<『名作うしろ読みプレミアム』を改題>
    3.5
    名作の“急所”はラストにあり。「へそをなでています」「南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。難有い難有い。」――意外と知らない唐突、納得、爆笑!? な終わりの一文。『西遊記』『吾輩は猫である』から『ライ麦畑でつかまえて』まで、世界の名著一三七冊をうしろから味わう型破りなブックガイド。 『名作うしろ読み プレミアム』を改題。
  • ひぐまのキッチン
    3.5
    「ひぐま」こと樋口まりあは23歳。学業優秀だったにもかかわらず、人見知りの性格が災いしてか、就活をことごとく失敗し、冴えない日々を過ごしていた。 そんなある日、祖母の紹介で、商社の面接を受けることに。そこは、米、粉、砂糖などを扱う、「コメヘン」という小さな食品商社だった。食品商社なら、大学で学んだ応用化学の知識を生かせるのではないかと意気込むまりあだったが、採用はよもやの社長秘書。 入社したまりあは、通常の秘書業務に加え、ときに取引相手に、ときに社長の友人に、料理をふるまうことになる――。 数々の児童文学賞を受賞した著者が贈る、心にも「おいしい」お仕事小説。 【目次】 商社コメヘン 引き継ぎのお好み焼き 苦しまぎれのTKG 愛しのオムライス つめたいおにぎり ふるさとの鬼まんじゅう
  • クランI 警視庁捜査一課・晴山旭の密命
    3.5
    1~6巻748~814円 (税込)
    渋谷の片隅で警察関係者の遺体が見つかった。明らかな他殺体を自殺と断定した鑑識課の検視官・綾織美音。疑念を抱いた捜査一課上層部は、晴山旭警部補に内偵を命じる。彼女の目的とは一体? 真実を明らかにした晴山の前に現れたのは、警察内に潜む巨大な闇の存在だった――。 文庫書き下ろし
  • 2030年の旅
    3.5
    東京オリンピックからさらに十年後。仕事は、恋愛は、科学は、そしてこの国はどのように変わっているのだろう。空間を超えて他人と認知を共有できる新技術「RR」。意識上で集った三人が奇妙な事件に挑む「逍遙」(恩田陸)など八つの短編を収録。それぞれジャンルの異なる豪華作家陣が紡ぎだす、日本の明るい未来!
  • リンクス
    3.5
    1~3巻594~836円 (税込)
    東京臨海中央署の日向太一は、地域課の巡査部長ながら、その驚異的な身体能力が認められ、ある特命を下される。ひょんなことから知り合った天才科学者・嶺藤亮の協力を得て、日向は巨大な陰謀が蠢くレインボーテレビへ潜入する! 最強タッグが暴れ回る高速アクションシリーズ、遂に始動。書き下ろし。

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  • オン・ザ・ロード
    3.5
    家族を失い、絶望していた元刑事の村越は、雪の山中で中国人の梨花と出会う。外国人研修生として来日した彼女は、派遣先の農家で過酷な労働と辱めを強いられ逃げてきたのだ。その背後に迫る残虐な刺客――なぜ梨花は命を狙われるのか。研修制度に潜む闇とは? 孤独な魂を持つ者たちの決死の逃避行が始まる!
  • 点線のスリル
    3.5
    ぼくが養護施設の前に捨てられていたのは、医者の見立てによると二歳になるかどうかの年だったらしい。「あやと」と名前だけ書いた紙しか置いてなかったのは、ぼくは親にではなく、誘拐犯にでも捨てられたからなのか。――中学校でも異物扱いのぼくは、卒業を前にして、十三年前のあの日を探し始める。今日までの点線の道を塗りつぶすために。ぼくの自分探しの結末は?
  • 望月青果店
    3.5
    夫の誠一郎、愛犬の茶々とともにアメリカで暮らす鈴子。病に倒れた母を見舞うため、日本への里帰りを決めた矢先、雪嵐で停電に……。雪に覆われた闇のなかで甦るのは、甘酸っぱい約束か、青く苦い思い出か。色とりどりの記憶のなかから、鈴子が見出した光とは? 恋愛小説の名手があたたかく切なく描く家族の物語。

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  • 黄金色の祈り
    3.5
    母校の天井裏で見つかった、盗まれたはずのアルトサックスと、天才プレイヤーの白骨死体。僕は旧友の不審死を題材に小説を書き、人生の一発逆転を狙うが……。成功者に憧れ、理想と現実の間をさすらい続けた末に僕が見出す、最も知りたくなかった真犯人とは? 自意識の闇を精緻なトリックに昇華させた、極上の青春ミステリー。〈解説〉佳多山大地

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  • 不眠刑事と探偵の朝 - キャップ・嶋野康平
    3.5
    1~3巻607~754円 (税込)
    ある事件を機に警視庁捜査一課の刑事を辞め、妻の転勤について神戸へ来た嶋野康平。ハローワークへ行くはずが強引に探偵事務所へ誘われ、そのまま浮気調査の張り込みに。初めての関西、個性的な調査員たち。はたして彼の「転職」はうまくいくのか? そして彼が刑事を辞めた真の理由とは? 乱歩賞作家による神戸人情ミステリー開幕!

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  • 沈黙の檻
    3.5
    十七年前の殺人事件で犯人と目された男・末松は、自らの無実を証明しようともせず、沈黙を守り続けていた。ある日、末松が何者かに襲われ、警護を命じられた刑事の氷室は、彼が何かを隠していると確信し、独自に調べ始める。そして、末松の共犯だという男が殺された――。「容疑者」に甘んじる男の心の謎をめぐる物語。

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  • 闇夜 警視庁失踪課・高城賢吾
    3.5
    娘・綾奈と悲劇の再会からふたたび酒浸りの生活に戻り、無断欠勤を続けていた高城。失踪した七歳の少女の捜索に引きずり出されるが、少女は絞殺体で見つかり、事件の担当は失踪課から捜査一課に移ってしまう。娘を失った両親に自身を重ねた高城は犯人を捜し出すことを誓い、わずかな証言を元に執念の捜査を続けるが……。書き下ろし長篇第九弾

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  • 東京アクアリウム
    3.5
    夜の闇に沈むカフェ。かつて愛した男の霊を見たと親友が話しはじめ……(「東京アクアリウム」)。施設に入居する母が実家で過ごす最後の夜(「猫別れ」)。最終の新幹線で会いに行く、父に似たあの人に(「父の手・父の声」)。出会いと別れが日常に波紋を起こし、遠い過去の記憶が裡から静かにあふれだす。珠玉の作品集。

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  • 鋏の記憶
    3.5
    物に触れると所有者の記憶を読み取ることができる「サイコメトリー」能力を持った、女子高生の桐生紫。その力を生かして、周囲で起こった四つの怪事件の捜査を手助けすることに。殺人、失踪、家族の秘密……「物」だけが真実を知っている! 傑作ミステリー。

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  • その妻
    3.5
    私はいまから人を殺しに行く――。貞淑な妻はなぜ変貌したか? 鬼となった女の大胆不敵な罠。予期せぬラストから、あなたは目をそらせない!

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  • マルセル・エメ傑作短編集
    3.5
    不意に成長を始めるサーカス団のこびと、独軍占領下のパリの夜を行く闇屋、裏社会に身を投じる青年、場末の街路をさまよう浮浪者、上流階級の偽善、農婦が語る飼い犬たちの思い出……ユーモアとリアリズムとファンタジーによって〈良識〉を反転させる異貌の語り部エメの奇妙な魅力に満ちた世界を味わうための七つの短編。

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  • 遮断 警視庁失踪課・高城賢吾
    3.5
    厚労省高級官僚である六条舞の父親が失踪した。事件性はないと思われたが、一億円の身代金要求が届き様相は一変する。現金を用意して引き渡しに挑むものの、あえなく失敗に終わる。同時期にくせ者新メンバー田口はインド人技術者の失踪事件を調べていた。鍵は外国人労働者の就労斡旋なのか。二つの事件の関係は?書き下ろし長篇第七弾。

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  • 他殺の効用
    3.5
    生命保険加入丸一年まで、わずか二日を残し会社社長が自殺した。当然保険金は支払われない。自殺のはずがないと、調査を依頼しに来た会社重役の話に、疑念を抱いた浅見光彦は、事件解明に乗り出すが、そこには驚きの真相が……!? 浅見光彦シリーズ二話を含む、全五話を収録した傑作短編集!

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  • 波紋 警視庁失踪課・高城賢吾
    3.5
    ある事件で昇進の道を絶たれた阿比留は、法月の異動を止めようとせず、失踪課内部には亀裂が広がりつつあった。腐る高城に法月は五年前に交通事故現場から消えた男に関する事件の解決を託す。高城の調査が始まった直後、男が勤めていた会社で爆発事件が発生。犯行声明には失踪した男の署名が記されていた! 緊迫の書き下ろし長篇第六弾

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  • 長き雨の烙印
    3.5
    汐灘の海岸で起きた幼女殺害未遂事件。容疑者として浮上したのは、二十年前に同様の犯行を自供し、服役した過去を持つ庄司だった。その庄司が、再審請求に向け動き出した矢先の事件。予断に満ちた捜査で犯行のシナリオを描こうとするベテラン刑事に対し、庄司のかつての親友で刑事となった伊達は、独自の調べを始める。

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  • 邂逅 警視庁失踪課・高城賢吾
    3.5
    大学理事長が失踪したと捜索願が出された。しかし捜査を始めると母親の態度は一変、非協力的に。大学関係者も言を左右し、状況は遅々として掴めない。一方、女性の遺体が仙台で見つかり、法月の担当していた大学職員の失踪者だと判明した。胸に爆弾を抱えながら、自分を苛めるように捜査する法月を気遣う高城だが……。

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  • 帽子
    3.5
    1巻649円 (税込)
    末期癌に冒された妻の最後の願いとは……。妻を優しく励ます夫の切ない心情を描いた表題作。かつて自らの家に住み込み、家事見習いをしていた女性と再会した医師の心の揺れを描いた「買い物籠」など、日常生活に潜む〈非日常〉を精緻な文体で描いた珠玉の九篇。

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  • 漂泊 警視庁失踪課・高城賢吾
    3.5
    ビル火災のバックドラフトに巻き込まれ負傷した明神。鎮火後の現場からは、殺しの痕跡のある身元不明の二遺体が出た。犯人による隠蔽目的の放火だったのか。傷つけられた仲間のため、高城は被害者の身元を洗う決意をする。調査の中で、ひとりは捜索願の出されていた作家ではないかとわかり、事態は思わぬ方向に進んでいく。書き下ろし長篇第四弾

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  • 相剋 警視庁失踪課・高城賢吾
    3.5
    捜査一課から失踪課に来た協力要請。情報提供して消えた目撃者捜しだという。筋違いと主張する高城を制し、阿比留は法月と明神に捜査を命じる。時を同じくして、少女が失踪。友人が訴え出るものの、中学生からの捜索願は受理できない。だが、少女の家族の態度に違和感を感じた高城は、醍醐と共に非公式に調べ始めるが……。

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  • 少女Aの殺人
    3.5
    深夜の人気ラジオで読まれた手紙は、ある少女が養父からの性的虐待を訴えたものだった。その直後、三人の該当者のうちひとりの養父が刺殺され……。

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  • ぼくが愛したゴウスト
    3.5
    臆病で生真面目だけど、十一歳のごく普通の少年・田之上翔太。生まれてはじめて、ひとりで行った人気ロックバンドのコンサートの帰り、翔太は駅で人身事故発生の瞬間に居あわせてしまう。それを境に彼は、この世界に微かな違和感を抱きはじめるのだが――。残酷で理不尽な世界に立ち向かう少年の、愛と恐怖の旅立ちの物語。

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  • ひなのころ
    3.5
    お雛様や、お人形とも話せた幼い日々、病弱な弟を抱える家族の中で、ひとり孤独を感じていた頃、将来が見えず惑い苛立った思春期。少女・風美にめぐる季節を切り取り、誰もが、心のなかに大事に持っている“あのころ”の物語を描き出す。期待の新鋭、初の文庫化!

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  • 11月そして12月
    3.5
    高校も大学も中退したぼくは、カメラを手に都会の生き物を撮り歩いている。退屈な人と言われ続けた二十二年の人生は、明夜と出会った頃から変わりはじめた。父親の不倫、姉の自殺未遂、そして「明夜とは二度と関わるな」という男の出現。事件と真実に触れ、苦しくても確かな一歩を踏み出していく姿を鮮やかに描く傑作青春小説。

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  • 幸せの条件 新装版
    3.4
    理化学実験用ガラス器機メーカーの「役立たず社員」瀬野梢恵・二四歳に、まさかの社命が下された! それは、単身長野に赴き、新燃料と注目されるバイオエタノール用米栽培の協力農家の獲得だった。行く先々で断れ続け、なりゆきで農業見習いを始める梢恵。だが多くの出会いが、恋も仕事も中途半端だった彼女を変えてゆく――。〈解説〉田中昌義
  • エリカ
    3.4
    急逝した親友の告別式の夜、その不倫相手と二人で飲んだのをきっかけに、エリカはいつしか彼との恋愛にのめり込んでいく。逢瀬を重ねていった先には何が……。 高ぶるほど空虚、充たされるほど孤独。現代の愛の不毛に迫る長篇。
  • 屋根裏博物館の事件簿
    3.4
    1巻748円 (税込)
    渋沢栄一の孫・敬三が作った私設博物館では民具の蒐集、研究と「日本民俗学」の研究が新たに進められていた。山形の奇妙な婚礼絵馬、南伊豆の不穏な正月行事を調査するのは、幼い頃、敬三に拾われた記憶喪失の少女・あづみ。相棒の林常彦とともにこの博物館に持ち込まれる謎を解く中で、あづみ自身の封印された記憶が蘇る――。
  • この色を閉じ込める
    3.4
    恐怖度&驚愕度No.1 『ため息に溺れる』大幅超えのラストがあなたを待ち受ける。 立川署の刑事である薫と赤川は、管轄内で死亡した神田歩美の日記を見つける。そこに記されていたのは我が子の成長記録。歩美の息子・春樹は、日記が書かれる十年前に死んだはずなのに――。不審に思った二人は、歩美が暮らしていた二荘村を訪れる。だが滞在中、村内で殺人事件が発生。住人たちからは「犯人は春樹だ」という声が……。
  • から揚げの秘密 ひぐまのキッチン
    3.4
    人見知りの性格が災いしてか、就活をことごとく失敗していた「ひぐま」こと樋口まりあが、米、粉、砂糖などを扱う小さな食品商社「コメヘン」に入社して9か月――。 大学で学んだ応用化学とはまったく結びつかない社長秘書の仕事に四苦八苦。加えて、ろくにキッチンに立ったことなどなかったのに、社長を訪ねてくる友人や取引先を相手に、料理をふるまわなければならないこともあり……。 「はいよ」が口癖の社長・米田をはじめ、自称「倉庫番」の管理部長・安藤、嫁ぎ先からときどき電話をかけてくる元先輩秘書の吉沢など、心温かな人々に囲まれ順調な日々を送りつつ、「自分にはなにか足りない」とも感じていたまりあの頭のなかで、あるアイデアがふくらんでいく。 新人キマジメ秘書が奮戦する、ほっこり美味しいお仕事小説。 【目次】 筍はいちはやく 一一一個のフォーチュンクッキー 恋と野心とギムレット 冷やし葛うどんにあったか赤飯 そばのおいしい時期 から揚げの秘密
  • 名作うしろ読み
    3.4
    名作は“お尻”を知っても面白い!「神に栄えあれ」「下痢はとうとう止まらず、汽車に乗ってからも続いていた」――さて、この二つの文章は何という作品のラストでしょう?『雪国』『ゼロの焦点』から『赤毛のアン』まで、古今東西の名作一三二冊を最後の一文から読み解く、丸わかり文学案内。文豪たちの意外なエンディングのセンスをご覧あれ。
  • イデアの影 The shadow of Ideas
    3.4
    1巻704円 (税込)
    この世は、すべて幻なのです。現実なんてものはない。ただ、映っている影だけが見える。そうではありませんか?――主人と家政婦との三人で薔薇のパーゴラのある家に暮らす「彼女」。彼女の庭を訪れては去っていく男たち。知覚と幻想のあわいに現れる物語を繊細かつリリカルに描く衝撃作。
  • ただいま家事見習い中 ハウスワーク代行・亜美の日記
    3.4
    大学生の樋口亜美は、ひょんなことから家事代行会社でアルバイトをすることになった。初仕事は犬の散歩。当日の朝、時計が止まってしまい遅刻をする亜美だったが、誠実な人柄から依頼主の信頼を勝ち取り事なきを得る。しかし後日、亜美が散歩をさせた犬が近所の子供に噛み付き、近隣トラブルに発展しているとの苦情が寄せられた。噛み付いたりしていないと確信する亜美は、このトラブルを解決できるのか――。他二篇。見た目とは違う鋭い推理力の持ち主・亜美が、今日も派遣先で大活躍!
  • テミスの求刑
    3.4
    手には大型ナイフ、血まみれの着衣。殺人現場付近の監視カメラは敏腕検事・田島の衝撃の姿を捉えていた。絶対的な証拠が揃う中、田島は無実を訴えたきり口を閉ざす。田島の下で働いていた検察事務官・星利菜は、真相を明らかにするために彼と法廷で対峙するが……。島は本当に罪を犯したのか? 過去の冤罪事件に隠された、悲しき真実とは? リーガルミステリーの傑作、ついに電子化。
  • 宿敵
    3.4
    尽くし続ける女が鬼になる瞬間。誰にもかえりみられぬ女がほくそ笑む理由。美貌と富に恵まれた貞淑な妻の素顔――社会の狭間で生き抜く女たちは、今日もしたたかに、密やかに闘い続ける。『汝の名』『女神』の明野照葉がスリリングに描く五つの物語。

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  • フェイスレス - 警視庁墨田署刑事課特命担当・一柳美結
    3.4
    1~4巻792~796円 (税込)
    外国人留学生から評判の悪い教授が、大学の研究室で爆殺された。捜査本部が設置され、墨田署刑事課の一柳美結巡査も捜査に加わった。現場近くにいた講師の佐々木忠輔と留学生たちに事情聴取をする美結だが、第二の爆破事件が起きてしまう。一方、捜査本部では、国際的サイバー犯罪者“C”の名前が被疑者として浮上していた。

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  • 幸せのコイン
    3.4
    会社を継がせようとする父親と対立し、自分の夢を実現するために、家を出た社長令嬢。父娘喧嘩の際、煤けてしまった五百円玉が、人々のポケットを渡り歩き、それぞれの人生の岐路に立ち会う。そして最後に辿り着いたのは……。一枚のコインが紡ぐ、ハートウォーミングで、ちょっと不思議な七つの物語。

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  • もぐら
    3.4
    1~8巻691~859円 (税込)
    かつて警視庁組織犯罪対策部に属していた影野竜司。彼はある事件で相棒と愛する妻、娘を失い表社会から姿を消した――。十年後、竜司は闇社会で“もぐら”と恐れられるようになる。警察には相談できぬ事件を請け負い、暴力を厭わず、超法規的に過激な手段で解決するトラブルシューターとして。悪を憎む孤独なヒーロー、ここに誕生! シリーズ第一弾。

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  • ベイ・ドリーム
    3.4
    ミミズの研究一筋に生きて数十年、女性とは全く縁のなかった柿本書彦の前に、謎の美女・紗十子が現れた。一方、東京湾岸の埋立地には奇形のミミズが出現。折りしも東京都の一大建設プロジェクトが持ち上がり、汚染された土地の利権をめぐって政治家やゼネコンが暗躍、都政を揺るがす大スキャンダルに発展していく……。

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  • 卍の殺人
    3.4
    荻原亮子は恋人の安東匠とともに彼の実家を訪れた。その旧家は二つの棟で卍形を構成する異形の館。住人も老婆を頂点とした二つの家族に分かれ、微妙な関係を保っていた。匠はこの家との訣別を宣言するために戻ってきたのだが、次々に怪死事件が起こり……。 謎にみちた邸がおこす惨劇は、思いがけない展開をみせる!著者のデビュー作。

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  • 苦い雨
    3.4
    かつて追い出された会社のトラブルに首を突っ込んだ零細業界誌の編集長・高梨。カギを握る女は忽然と姿を消し、その行方を追ううちに、会社乗っ取りの策略が浮かび上がってくる。ついには高梨の家族にも危害が及んでしまい――。幻のハードボイルドミステリー。

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  • 幸せな家族 そしてその頃はやった唄
    3.3
    「これからつぶやくひとふしは とても悲しい物語……」 保険会社のコマーシャル・キャンペーン《幸せな家族》のモデルに選ばれた中道家。しかし撮影はなかなか進まず、やがて不気味な唄の歌詞にあわせたかのように、次々と家族が死んでゆく―― 刊行以来、全国各地の少年少女に衝撃を与えてきた伝説のジュヴナイル・ミステリ長篇、奇跡の復刊。 〈解説〉松井和翠
  • だまされ屋さん
    3.3
    1巻1,078円 (税込)
    夏川秋代は、夫を亡くして公団住宅にひとり暮らし。ある日、「(長女の巴と)家族になろうとしている」と語る若い男が突然やって来た。戸惑う秋代をよそに家に上がり込む謎めいた男。彼は本当に娘の婚約者なのか、それとも新手の詐欺なのか――。  秋代には実は、長女だけでなく、二人の息子にも男の来訪について相談できない理由があった。アメリカで未婚のまま娘を産んだ長女、男らしさの抑圧に悩み在日韓国人のパートナーとうまくいかない長男、借金を重ねて妻子に出て行かれた次男……こじれた家族の関係は修復できるのか。  現代文学の最前線を走る作家が、家族のあり方や人々のつながり方を問う渾身の長編。 〈解説〉大前粟生
  • 漱石先生と私たち
    3.3
    1巻1,100円 (税込)
    その時分の私たちというのが、なんでも先生の真似をして見ようという、随分馬鹿気きっていた時分なのである。――師・夏目漱石をはじめ、寺田寅彦、鈴木三重吉、森田草平から芥川龍之介まで。漱石山房で、ともに文学談義を交わし、酒を呑み、気焔を上げた人々を、第一の弟子が回想する。文庫オリジナル 〈コミックエッセイ〉香日ゆら 目次より 夏目漱石  休息している漱石/漱石二十三回忌/漱石と恋愛/漱石二題/漱石と読書/漱石と画/漱石と烟草/偽物/注釈/「漱石発狂」の報告者/漱石文庫/漱石半身像/漱石のうちの猫/修善寺日記 寺田寅彦と松根東洋城  『漱石・寅彦・三重吉』序/「寅彦全集」/「破門」/『回想の寺田寅彦』序/漱石と寅彦/寅彦と死相/寅彦と俳諧/寅彦と羽子板/「御髭」/松根東洋城のこと 鈴木三重吉 三重吉の思い出/鈴木三重吉/三重吉のこと/青春記/写真 安倍能成 安倍のこと/眼鏡/アンシュリアム 森田草平と内田百閒 森田草平/『実説草平記』/誤植/誤伝の経路/チョッキのまぼろし/白髪 野上豊一郎 野上の死/野上のこと 芥川龍之介 芥川龍之介の死/一挿話
  • 青天 包判官事件簿
    3.3
    宋代、瑞州の新任知事・包希仁は、二十代で科挙に合格した秀才ながら、どこか抜けた青年。その資質を疑問視する世話係・孫懐徳であったが、州内で起きた「生きた牛の舌が切り取られる」事件をきっかけに――(「雪冤記」)。清廉潔白、裁きは公平、晴れ渡った空の如し。中華小説の名手・井上祐美子が、中国史上屈指の人気を誇る名判官「包青天」の活躍を描く中華ミステリ短篇集。待望の文庫化! ◆目次 ・雪冤記 ・赤心 ・紅恋記 ・黒白 ・青天記 ・文庫あとがき ※本書収録の「黒白」は、『C★NOVELS Mini - 黒白 - 包青天事件録』に加筆修正を加えたものです。
  • よその島
    3.3
    長く人生を共に歩んでも、一緒には辿り着けない場所がある。 人は、自分にだって嘘を吐くのだから―― 七十代で離島へ移住を決めた芳朗と蕗子夫妻。友人の野呂と三人の共同生活は順調に滑り出すが……。 「たとえ殺人者でも、僕は妻を愛している」「そう、彼はおかしな顔で私を見ていた」 それぞれが抱える秘密、溶け合う過去と現実、倒錯する疑心と慈愛。 この島で彼らは何を目にし、何を知ることになるのか?  やがて謎が解けたとき、景色はがらりと反転する。 ミステリアスに展開する長編小説。
  • 狩場の悲劇
    3.3
    「五月の朝に詩的な《赤いワンピースの娘》に出会って以来、おびただしい数の犠牲者が、人生の暗い波間に、永久に姿を消し去った」……モスクワの新聞社へ持ち込まれた、ある殺人事件をめぐる小説原稿。そのテクストの裏に隠された「おそろしい秘密」、そして読み終えてなお残り続ける「もう一つの謎」とは何か? 近代ロシア文学を代表する作家が若き日に書いた唯一の長篇小説にして、世界ミステリ史上に残る大トリックを駆使した恋愛心理物語の古典。巻末に、江戸川乱歩による評論を収録。 江戸川乱歩――「チェーホフともあろう作家の、こういう作品を知らなかったのだから、われわれの全く気づかない面白い探偵小説が、まだどれほど残っているかと思うと楽しくなる。……探偵小説のトリックの歴史から考えても、相当大きな意味を持つ」。 解説・佐々木敦
  • 人魚の嘆き・魔術師
    3.3
    南京に住む憂愁の貴公子が、北国の冷艶にして水中の妖魔たる人魚に激しい恋をする「人魚の嘆き」、妖麗な魔術師に魅せられ欲望のままに半羊神と化す「魔術師」。大正期の耽美的な幻想譚二編。水島爾保布による美麗な挿画二十余点、カラー口絵二葉を完全収載。 〈註解〉明里千章〈解説〉中井英夫/前田恭二「水島爾保布小伝」
  • エミリーに薔薇を
    3.3
    名家の老嬢エミリーの死後、閉ざされた部屋に残されていたのは……。短篇ミステリの古典にも数えられる表題作ほか、「あの夕陽」「ウォッシュ」など七篇を収録。架空の町ジェファソンを舞台にした《ヨクナパトウファ・サーガ》の全体像を望見しうる短篇集。巻末に中上健次の講演「フォークナー衝撃」他一篇を収録。     【目次】 赤い葉/正義/エミリーに薔薇を/あの夕陽/ウォッシュ/女王ありき/過去/デルタの秋/解説(高橋正雄) 《巻末付録》  中上健次、フォークナーを語る(フォークナー、繁茂する南/フォークナー衝撃)
  • 開化の殺人 大正文豪ミステリ事始
    3.3
    阿片に溺れた友人の謎、遺書が語る恋と殺人、妻への妄執が生む惨劇――。江戸川乱歩が「大正期文壇の一角に燃え上がった、かくの如き犯罪と怪奇への情熱」と評した幻のミステリ特集号、「中央公論」秘密と開放号(大正七年七月臨時増刊)を現代に復刻。七編の創作と佐藤・乱歩の随筆を収録したアンソロジー。〈解説〉北村 薫 ◆目次  ・一般文壇と探偵小説/江戸川乱歩 ・指紋/佐藤春夫 ・開化の殺人/芥川龍之介  ・刑事の家/里見弴 ・肉屋/中村吉蔵  ・別筵/久米正雄  ・Nの水死/田山花袋 ・叔母さん/正宗白鳥   ・「指紋」の頃/佐藤春夫 ・解説 大正七年 滝田樗陰と作家たち/北村 薫
  • 竹ノ御所鞠子
    3.3
    修善寺で討たれた鎌倉幕府二代将軍・源頼家の子として生まれた姫・鞠子。人里離れた竹ノ御所で母とともに慎ましくも安らかに暮らし、人がみとれるほどに匂やかで、涼やかな声の持ち主へと成長していく。 異母兄弟は政争に巻き込まれ、儚い命を散らすなか、鞠子は女であるがゆえに難を逃れたと思われた。しかし、尼御台政子から書状が届き、北条氏らが繰り広げる非情な権力抗争の波に弄ばされる。 悲運の姫の数奇な運命を描く歴史長篇。 〈解説〉末國善己
  • 少年は死になさい…美しく
    3.3
    妊娠中の妻と2歳の娘を少年たちに凌辱の末惨殺された恭介は、犯人の少年たちを切り刻み、それを撮影したDVDを犯人宅に送りつけた。しかしそれは復讐ではなかった。妻子の殺され方が美しくないことへの憤りだった。恭介にとって人間の死体は至福の「芸術品」であるべきなのだ。23年前、キスした姿の少年と少女の生首写真が被害者宅に届けられる事件があった。ご丁寧にもその写真には「ファースト・キス」というタイトルまで付けられていた。事件は迷宮入りし、警視庁の名倉警部は今でもその屈辱を胸に抱いているが、その犯人こそ当時中学生の恭介であった……。
  • ピース 新装版
    3.3
    埼玉の山中で起きた連続バラバラ殺人事件。最初の被害者は歯科医師。二人目は、元警察官のマスターと寡黙な青年が切り盛りするスナック「ラザロ」のピアニスト。捜査は難航し、とうとう三人目の犠牲者が。「犯人は何でわざわざ、こんな面倒なことをするのかねえ……」ベテラン刑事が気づいた、遺体の特徴――それが悲劇の断片(ピース)だった。<解説>郷原宏
  • 増補版 ぐっとくる題名
    3.3
    ●第1章 ロジック篇  【助詞の使い方】「ゲゲゲの鬼太郎」「無能の人」「僕が泣く」 【韻とリズム】「ヤング島耕作」「勝訴ストリップ」「噂の刑事トミーとマツ」 【言葉と言葉の距離(二物衝撃)】「天才えりちゃん金魚を食べた」「部屋とYシャツと私」 【題名自体が物語である】「脳手術の失敗」「お勢登場」「海へ出るつもりじゃなかった」 【濁音と意味不明な単語】「しだらでん」「少年アシベ」「ディグダグ」 【アルファベット混じりの題名】「D坂の殺人事件」「M色のS景」 【古めかしい言い方で】「ツァラトストラかく語りき」「されど孤にあらず」 【命令してみる】「大工よ、屋根の梁を高く上げよ」「メシ喰うな」 【パロディの題名】「長めのいい部屋」「百年の誤読」 【関係性をいわない】「隠し砦の三悪人」「11人いる!」 ●第2章 マインド篇  【先入観から逸脱する】「淋しいのはお前だけじゃな」「サーキットの娘」 【日本語+カタカナの題名】「少年ケニヤ」「三人ガリデブ」 【いいかけでやめてみる】「光ってみえるもの、あれは」「飼い犬が手を噛むので」 【いいきってしまう】「これからはあるくのだ」「幸せではないが、もういい」 【長い題名】「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」「おそうじをおぼえたがらないリスのゲルランゲ」「あの娘ぼくがロングシュート決めたらどんな顔するだろう」 【題名同士が会話する】「今夜わかる」シリーズ「買ってみた。」「それが本当なら」 【洒落の題名】「屁で空中ウクライナ」「ザ・先生ション!」 【人気歌人に学ぶ】「どうして長嶋有さんは枡野浩一なんかとつきあってるの?」「日本ゴロン」「世界音痴」「にょっ記」
  • ウマし
    3.3
    ウマし、マズしと味わって、咀嚼し、ハマる、懐かしむ。 うなぎ、スナック菓子、エナジードリンク。チーズ、きのこ、マーマイト、山椒。あんこの甘さ、地ビールの苦み。 食の記憶、異文化の味。そして、卵へのただならぬ愛着。 「あたしは、カリフォルニアロールである」。 海をまたいだ往来の果て、母/妻/娘の役目をいよいよ終えて、詩人の言葉がほとばしる。 胃の腑をゆさぶる本能を賞味すべし。滋養あふるる偏愛のエッセイ。
  • アクセス
    3.3
    親友の自殺は自分のせい。悲しみに暮れる可奈子の携帯が着信した。悪意に満ちた声が言う、「お前が殺したんだよ」と――。すべての始まりは、誰かを勧誘すれば無料となるプロバイダ「2mb.net」。登録した高校生たちに襲いかかる殺人の連鎖。仮想現実を支配する「極限の悪意」を相手に、生き残りを賭けた壮絶な戦いが始まった!
  • 芝浜の天女 高座のホームズ
    3.3
    天女のように美しく、質素で健気な若い妻。その完璧な笑顔の裏に隠された秘密とは!? テレビやラジオで落語が大人気だった、賑やかなりし昭和五十年代。女に金に、そして芸の道に悩める噺家たちが、今日も探偵・林家正蔵(のちの彦六)の住む長屋へとやってくる。笑いと人情にあふれた無類の落語ミステリー第四弾。文庫書き下ろし〈解説〉広瀬和生
  • スケープゴート 金融担当大臣・三崎皓子
    3.3
    テレビの経済コメンテーターとしても活躍する大学教授の三崎皓子51歳は、「昔の男」矢木沢からの20年ぶりの電話をきっかけに、政界へ入ることになる。民間人として金融担当大臣に就き、地方銀行の取り付け騒動を鮮やかに解決した後、故郷・京都で選挙を戦って参議院議員にトップ当選。そして山城総理から官房長官に抜擢される。しかし、この活躍を快く思わない古老たちが裏で結託し、皓子を陥れようと暗躍する。選挙活動中に死去した父との因縁に思いをはせる皓子に、矢木沢の不可解な行動が影を落とす。そしてある日、山城総理が倒れてしまう。権力、欲望、嫉妬が渦巻く永田町。日本初の女性総理大臣の期待が掛かる皓子は〝生贄〟となってしまうのか、それとも〝ジャンヌ・ダルク〟になれるのか?
  • 新装版 膠着 スナマチ株式会社奮闘記
    3.3
    1巻726円 (税込)
    老舗の糊メーカー・スナマチ株式会社は創業以来の大ピンチ。社運をかけて新製品開発を行うも、できあがったのはなんと“くっつかない糊”!? そんなもの売れるのかと頭を抱える新入社員の啓太と、「俺に売れない物はない」と豪語するベテラン社員の本庄。窮地に陥った会社を救うべく、ふたりの営業マンの闘いが始まった! 今野敏が贈る、ユーモアたっぷりのサラリーマン応援小説。 ※本作は、『膠着』(2010年10月刊、中公文庫)にサブタイトルをつけた新装版です。
  • 出張料亭おりおり堂 月下美人とホイコーロー
    3.3
    「おりおり堂」に仁が戻り、山田澄香はまさかの「喪女」卒業か――と思われたが、今度はおじゃま虫が現れた。仁の弟で橘グループ総帥候補・孝だ。会社へ戻るよう仁を説得するため「料理を教えてほしい」と店に乗り込んできたのだ。しかしこの男、全く料理をしたことがなくて……。 孝&虎之介の料理修業開始!?
  • 猫がかわいくなかったら
    3.3
    1巻748円 (税込)
    定年まで、あと四年――。長らく会社の花形部門で働いてきた吉岡だが、ここ数年はデータ管理の閑職についている。年齢なりに、体調ははっきりと怪しくなってきた。娘が就職して家を出た今となっては、妻の多恵子と共に静かに老いていくだけの毎日だ。ところが、近所に住む望月夫妻が二人とも入院したことから、状況が一変。彼らが飼っている老猫をどうするかを巡って、町内は大騒ぎとなる。望月夫妻が住むアパートの大家も、警官も救急隊員も生活支援課も、救いの手を差し伸べようとはしない。ある理由から、この猫を引き取ることができない吉岡と多恵子の選択は……。 誰もが身につまされること間違いなしの、ユーモアと愛情に満ちた人間ドラマ。 【目次】 日曜日に (その1)/他生の縁/望月盛衰史/日曜日に (その2)/吉岡家の猫/猫に通う/祇園精舎の鐘の声/里親さがし/最後に見た姿/奇特な人/深き淵より/静かな夜のために
  • 黄金餅殺人事件 昭和稲荷町らくご探偵
    3.3
    時は昭和五十年代、八代目林家正蔵(のちの彦六)の住む長屋には、密かに難事件の相談が持ち込まれていた……。「やかん」「中村仲蔵」「伽羅の下駄」など、正蔵十八番の名作落語の数々が現実の事件と複雑に絡み合う。落語界の大看板にして名探偵・正蔵が謎に挑む、痛快無比の異色落語ミステリー第二弾! 〈目次〉より エピローグ 第一話 黄金餅「殺人」事件 幕間 第二話 広い世間に プロローグ 特別鼎談 父・林家正蔵の流儀(藤澤多加子・林家正雀・愛川晶)
  • 雨の鎮魂歌
    3.3
    北の小さな田舎町。中学校の生徒会長・一村が遺体で見つかった。警察の捜査が難航する中、同級生の徹也は友人の古館の様子がおかしいことに気づく。やがて異常な事件が続発。徹也と仲間たちは隠された真実を探す。喪失と絶望、疑心と対立、目眩と希望――。激しい雨に降られた十五歳の夏。少年少女はただ一度の季節を走り抜ける。 重松清氏、松浦理英子氏、栗澤順一氏(さわや書店)の各氏大絶賛! 累計18万部突破の「クラン」シリーズ著者が放つ傑作青春ミステリー。
  • 亀と観覧車
    3.3
    ホテルの清掃員として働きながら夜間高校に通う涼子、16歳。家には、怪我で働けなくなった父、鬱病になった母がいて、生活保護を受けている。ある日、クラスメイトからセレブばかりが集う「クラブ」に行かないかと誘われる。守らねばならないものなど何もなく、家にも帰りたくない。ちょっとだけ人生を変えてみようと足を踏み入れた「クラブ」には、小説家だという初老の男がいた。生きることを放棄しかけている親を受け入れ、人と関わらず生きる日々を夢見てきた涼子は、自らの人生に希望を見出すことができるのだろうか――。33万部超のヒットとなった『ピース』の著者が、原点に戻って描き上げた、一筋縄ではいかない一気読み「純愛」物語! 彼女は何をしたのか――このラスト、あなたならどう読む?
  • 下戸は勘定に入れません
    3.3
    条件が揃うと、酒の相手を道連れに時間をさかのぼってしまう古徳先生。昔の恋人を奪っていった旧友・早稲本と偶然呑むことになり、酔った二人は二十八年前の思い出の晩へと戻ってゆく。果たして古徳は、失った恋の秘密を解き明かせるか? 精緻なロジックが驚きの読書体験へと誘う、極上のタイムスリップ本格ミステリ。
  • 檻の中の鼓動
    3.3
    スキャンダルで警官を辞めた蘭子は、過去を秘めデリヘル嬢の送迎係をしている。ある日、担当チームのアキナが接客中に出産。すぐ闇医者へ搬送したが、残った指紋から警察が動き出した。七年前の嬰児産み捨て事件で採取されたものと一致したというのだ。かつてアキナを襲った悲劇とは何だったのか? 蘭子は母子を救うため、真相を探り始める。

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  • SOSの猿
    3.3
    三百億円の損害を出した株の誤発注事件を追う「猿の話」。ひきこもりを悪魔祓いで治そうとする男の「私の話」。やがて交差する二つの話を孫悟空が自在に飛び回り、「SOS」をめぐる問いかけが物語を深化する。世界最強の猿からユングまでを召還し、小説の可能性に挑戦した、著者入魂の記念碑的長篇!

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  • cc: カーボンコピー
    3.3
    広告代理店で働く香純41歳。年下の恋人とともに、生保の不払い問題に対処する広告プロジェクトを手がけるが、思わぬ波紋が広がり、脅迫状まで――。

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  • 禁断
    3.3
    惨殺された親友の元恋人は、名前も住まいも偽っていた正体不明の人物だった。一体その女は何者なのか。親友の死と関わっているのか。謎を追ううち、邦彦はいつしか女に惹かれていく。その危険な愛の先にあるものは……!? 渾身の長篇サスペンス。

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  • 廃墟のとき
    3.3
    不毛な人生に倦み疲れた美砂は、自殺を決意する。ただし、死ぬまでの10ヶ月を可能なかぎり飾り立て、人々の羨望を浴びながら死ぬのだ。美人起業家への見せかけの転身は成功、偽りのショーは順調に始まったが……。明野ワールド全開のサスペンス長篇。『砂の花』改題

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  • 繭の密室 警視庁捜査一課・貴島柊志
    3.3
    日比野功一の妹・ゆかりは帰宅途中に何者かに誘拐された。同時期に、チェーンのかかった密室状態のマンション一室からの転落死事件が発生。捜査にあたった貴島刑事は六年前のある事件に辿り着く。事件の真相は、そして誘拐の行方は……? 傑作本格ミステリシリーズ第四作。

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  • 予告探偵 西郷家の謎
    3.3
    それは大戦の傷跡がまだ深く残る一九五〇年十二月、三百年以上続く由緒ある旧家、西郷家に届いた一通の手紙から始まった。便せんに書かれた“すべての事件の謎は我が解く”の一文。それが意味する「謎」とは――。本格推理の名手が“難攻不落のトリック”をひっさげて読者に挑む、新しいエンターテインメント意欲作!

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  • 夢は枯れ野をかけめぐる
    3.3
    四八歳、独身。早期退職をして静かな余生を送る羽村祐太のもとには、なぜか不思議な相談や謎が寄せられる。「老い」にまつわる人間模様を、シニカルな語り口と精緻なロジックで本格ミステリに昇華させた、西澤ワールドの一つの到達点。

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  • ロビンソンの家
    3.3
    ぼくは彼女を順子さんと呼ぶ――母の失踪への情熱、性的な身体の記憶……。大藪春彦賞受賞作家がおくる、甘美でせつないミステリ。
  • 魔性ホテル
    3.3
    ホテル内部に精通する著者による自選ホテル・ミステリ傑作集。 「本書は、ホテルという巨大な屋根の下に人々が残していった人生の破片を拾い集めたものである」(著者あとがきより) 表題作のほか、「単位の情熱」「社員廃棄院」「殺人花壇」「密閉島」の珠玉の五編を収録。

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  • 切り札 トランプ・フォース
    3.3
    超国家的対テロ用特殊部隊「トランプ・フォース」。国際的なテロの増加を受けて極秘に結成されたこの部隊に、一人の日本人が加わった。佐竹竜、拳法の達人である。実直な商社マンだった彼が、なぜ、いかにしてこのような生き方を選んだか。男の覚悟と決心を描く重量級バトル・アクション小説、第一弾!『トランプ・フォース 切り札部隊』改題

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  • 神戸殺人事件
    3.3
    芦屋の海運会社社長邸を訪ねた東京の画廊社員が殺害され呑吐ダムで発見された。彼と最後に会話した令嬢・小野田亜希は、信じていた一家の幸せもが崩れていくのを予感するのだった……。同じ頃、神戸取材中の浅見光彦は、郷土史家の元船長と意気投合するが、翌日彼は死体で発見され、殺害嫌疑が浅見にかかる。神戸の闇に事件が交差する……!!

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  • ポー名作集
    3.3
    理性と夢幻、不安と狂気が妖しく綾なす美の世界をつくりだす短篇の名手ポーの代表的傑作(「モルグ街の殺人」「盗まれた手紙」「マリー・ロジェの謎」「お前が犯人だ」「黄金虫」「スフィンクス」「黒猫」「アシャー館の崩壊」)の8篇を、格調の高さで定評のある訳文で収める。

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  • SRO8 名前のない馬たち
    3.2
    その嘶きは、不吉な予告―― 関東近県で、乗馬クラブオーナーの死が相次ぐ。 いずれも死因に不審な点は見られないものの、 SRO(広域捜査専任特別調査室)室長・山根新九郎は奇妙な符合を見出す。 人間の死と同時に、必ず馬が一頭、逝っているのだ。 独自捜査を始めたSROの面々は、やがて北海道のある牧場にたどり着く……。 彼らは、馬たちのダイイング・メッセージを読み解けるのか!? そして、最凶キラー・近藤房子の調教ゲームも新たな段階に。 【警視庁のワケあり部署が活躍する、大ヒットシリーズ最新作!】
  • 出張料亭おりおり堂 夏の終わりのいなりずし
    3.2
    「必ず戻る」その言葉を残し、仁が京都へと旅立ってから一年半。彼を待ち続けた山田澄香はついに仁を探しに行くことを決意する。だが仁は京都ではなく大阪、それもなぜか大衆演劇一座の賄いを作っていた!? 澄香は仁を「おりおり堂」に連れ帰ることができるのか。謎の新キャラも登場し、シリーズは新章突入へ。
  • ため息に溺れる
    3.2
    「ため息に溺れてしまいました。ご迷惑をおかけします」立川市の蔵元医院で、蔵元家の婿養子・指月の遺体が発見された。本人筆跡の遺書が残っていることから警察は自殺と判断。だが患者や同僚からも慕われていた彼がなぜ? 女刑事・羽木薫の捜査で見えてきたのは、権力を巡る開業医一族の闇。そして指月が胸に秘めた、悲しき過去の記憶だった――。優しき医師は自殺か、他殺か。見えていた世界が一変する、衝撃のクライマックス!
  • 誤断
    3.2
    長原製薬の広報部員・槙田は、副社長から極秘任務を命じられる。相次ぐ転落死亡事故に自社製品が関わっている可能性があり、被害者家族の口を金で封じろというのだ。外資企業と合併交渉中の会社にとって、この時期の不祥事は致命的だ。同時に過去の公害事件にも直面した槙田は、激しく動揺する。社会正義と企業利益の間で揺れ動く男たちの物語!
  • 楽園
    3.2
    南太平洋上の島国に、大量のプラスチック爆弾が持ち込まれた疑いが生じる。その直後、反政府主義者の男が衆人環視のなかで爆死した……。余命半年の大統領とその後継者争い、CIAの干渉。あふれる光と限りない時間、そして永遠に繰り返されるはずだった“平穏”な生活から、人々はなにを得てなにを失ったというのか。

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  • 春の魔法のおすそわけ
    3.2
    ある朝、作家・鈴木小夜子は桜の舞う歩道橋の上にいた。ひどい二日酔いに見舞われ、昨晩の記憶はない。手には札束が入った見知らぬバッグ、そして現れる不思議な美青年……。謎と酒に酔いしれる、一夜限りのファンタジックなミステリ。

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  • 約束の河
    3.2
    法律事務所長・北見貴秋は、ドラッグ依存症による二ヵ月の入院療養から戻ったその日、幼馴染みの作家・今川が謎の死を遂げたことを知る。自殺か、事故か、それとも……。死の真相を探ろうとする北見の前に、ドラッグによって失われた記憶の壁が立ちはだかる。

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  • 星降る楽園でおやすみ
    3.2
    午後六時十分、横浜にある無認可保育室に二人組の男が押し入り、園長の早紀とともに五人の子どもが人質に取られてしまう。身代金は一人五百万円、期限は夜中の十二時。早紀は共謀者の存在に疑心暗鬼になり、人質家族はそれぞれの手段で我が子救出を試みるが、事態は思わぬ方向に展開していく。家族の絆を問う緊迫の六時間!

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  • たのしきわが家
    3.2
    浮気、近所づきあい、姑問題……夫婦のあいだは、いつの世もすっきりとはいかないもの。それでも、互いの英知とやさしさが、男女を長年月にわたって結びつける。田辺聖子があたたかくユーモラスに描き出す、さまざまな夫婦のかたち。『貞女の日記』改題

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  • ストロベリー・フィールズ
    3.1
    「僕が今、女を感じてるのは、夏子先生だけです」  出版社社長・月川の後妻となった夏子は、夫の連れ子・りえの継母として、そして自らもクリニックを開業する女医として、七年余りの月日を平穏に過ごしてきた。しかし、りえの友人でロック・バーでバイトをする青年・旬と出会い、その危険なまでの若さに触れた夏子は、目を背けてきた己の渇きに気づかされてゆく……。  ひとりの女性の陶酔と孤独を描く傑作長篇。  〈解説〉稲葉真弓 〔著者のことば〕  誰もが、あからさまに「家族」の大切さを叫ぶ時代になって久しい。「家族」は人間にとって、最小単位の砦であり、「家族愛」ほど、愛の深さにおいて意味のある、健全で価値の高いものはないと見なされている。  とてつもなく嬉しいことが起こる。真っ先に誰に知らせたいですか、と聞かれる。誰もが「両親」「夫」もしくは「妻」「子供」と答える。  その健全さは微笑ましく、未来永劫、消えることはないかのように思われて、しかし、同時に、その健全な場所でこそ、人は苛立ったり、憎んだり、絶望したり、孤独の淵をさまよったりするのである。そこに「家族」がはらむ「魔」の部分がある。  (読売新聞2009年1月13日付、連載完結インタビューより抜粋)

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