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阿片に溺れた友人の謎、遺書が語る恋と殺人、妻への妄執が生む惨劇――。江戸川乱歩が「大正期文壇の一角に燃え上がった、かくの如き犯罪と怪奇への情熱」と評した幻のミステリ特集号、「中央公論」秘密と開放号(大正七年七月臨時増刊)を現代に復刻。七編の創作と佐藤・乱歩の随筆を収録したアンソロジー。〈解説〉北村 薫
◆目次
・一般文壇と探偵小説/江戸川乱歩
・指紋/佐藤春夫
・開化の殺人/芥川龍之介
・刑事の家/里見弴
・肉屋/中村吉蔵
・別筵/久米正雄
・Nの水死/田山花袋
・叔母さん/正宗白鳥
・「指紋」の頃/佐藤春夫
・解説 大正七年 滝田樗陰と作家たち/北村 薫
Posted by ブクログ 2022年03月28日
乱歩の評論で、探偵小説隆盛前、一般文壇において谷崎、芥川、佐藤春夫らが探偵趣味の小説を書いていて、それに刺激を受けたということは読んだ記憶があった。
そこで取り上げられていたのが、大正7年夏に発行された、中央公論臨時増刊「秘密と開放号」。
本書は、増刊号掲載の創作8作から、谷崎の「二人の芸術家の...続きを読む
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