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家族を失い、絶望していた元刑事の村越は、雪の山中で中国人の梨花と出会う。外国人研修生として来日した彼女は、派遣先の農家で過酷な労働と辱めを強いられ逃げてきたのだ。その背後に迫る残虐な刺客――なぜ梨花は命を狙われるのか。研修制度に潜む闇とは? 孤独な魂を持つ者たちの決死の逃避行が始まる!
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Posted by ブクログ
文庫書き下ろしピカレスク冒険小説。久しぶりに手に汗握り、血湧き肉躍るような物語に出逢った。登場人物の背景と人物造形、巧みなストーリー展開、そして、爽やかなラストと、非常に面白い作品だった。 東日本大震災の津波被害で家族を失い、死に場所を求めて流離う元刑事の村越謙作は、冬の長野の山中で中国人女性の張...続きを読む梨花と出会う。外国人研修生として過酷な労働と性的虐待を受けていた梨花は犬と共に逃亡を続けていた。梨花を救うべく村越は… 梨花を執拗に追う阿久津、柳のサイコパスとも言うべき冷酷なヤクザとその運転手の元お笑い芸人の田浦、村越と梨花を助けるペンション経営者の高野夫妻と獣医の三枝美緒、フリージャーナリストの沢井一磨と妻の麻由子と登場人物の造形が明確であり、それ故に面白いストーリーがより際立たせている。
面白い。 登場人物ごとに、別れる3つの話が、 進むごとにまとまっていく。 まとまればまとまるほど、話にひきこまれました。 それにしても、イカレタアウトロー。 どうしようもないけれど、魅力的です。
家族を東日本大震災の津波で失い、絶望を背負いながら流浪している元刑事の村越。強制労働の末に人を殺して逃げていた中国人少女に出会い、彼女と逃避行を始めたことで、自らの生きる希望を見出す。 70歳の御老人とは思えないほどのハードアクション。生きる希望を見つけた時からの村越がまるで水を得た魚のようなハツ...続きを読むラツっぷりで、格好良かった。御都合的な展開ながらも、サポートする仲間が現れ、ここぞというピンチを切り抜けていく様は読んでいて痛快。敵側が悪役に振り切れているからこそ、余計にそう思わせられる。最後までスピード感があって、一気読みでした。
樋口明雄 といえば「ハルカの空」 山岳救助犬を描いた、その清々しい世界を想像していた。 たとえ、それが殺人事件をきっかけに始まる物語だったとしても..... 場面はいきなり転換し、強烈なヤクザが登場。 後は、もう、汚職、殺害、暴力、陵辱、ノンストップで凄惨な現場が展開していく。 そして、なんとか迎...続きを読むえる最後のシーン。 唯一の救いは、途中で展開される暴力がすべて回収されていくこと。 もう、新しい被害者は出ないということ。 しかし、傷付き、死んでいった人々は、還らない。
裏表紙のあらすじから、外国人研修生制度問題を題材にした社会派作品かと思いました。が、読後の印象としては社会派色は薄く、前半はサスペンス色が、後半はアクション性が高い小説という印象が強かったです。 個人的には敵と味方の絶望的なほどの戦力差があった点が惹き込まれたポイント。元刑事とはいえ、齢70のおじ...続きを読むいさんとその他数名の女性+一匹の犬に対し、相手は武闘派ヤクザ集団に加え、黒幕として政治家が控えているという… 普通に考えたら勝ち目がほぼなさそうな状況をいかに覆すかが気になって、惹き込まれた次第です。 結果としては…その状況を覆す手段が主人公達の知恵や機転によるものより、強運によるものが多かったような気がして、ちょっと残念でした。まぁ、現実的に考えたらこれほどの戦力差をはねのけるには、運が無いと到底無理なんでしょうけど。
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