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標高3,193mを誇る北岳の警備派出所に着任した、南アルプス山岳救助隊の星野夏実は、救助犬メイと過酷な任務に明け暮れていた。苦楽を分かち合う仲間にすら吐露できない、深い心の疵に悩みながら──。やがて、登山ルートの周りで不可解な出来事が続けざまに起こりはじめた……。招かれざるひとりの登山者に迫る危機に気づいた夏実は、荒れ狂う嵐の中、メイとともに救助へ向かった! 【解説】細谷正充
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Posted by ブクログ
山を舞台に描かれるヒーリングストーリー 人間との間でなく、目に見えない確かな信頼の絆で結ばれている犬と交わすコミュニケーションと共に、山の壮大さ、素晴らしさ、そして命を救うという仕事を全うすることの素晴らしさ、生きるという事の意味を主人公と共に体感できた。 山に登るモチベーションを高めたいと読み始め...続きを読むた本作。山や自然に敬意を抱いて、登りたくなった。
浮かび上がる情景
引き込まれるように読みました。 山々の景色、メイの瞳、人々の動きや表情が、あたかも映像のように浮かび上がり入ってきました。命の息吹を吹き込んでくれる傑作だと思います。 他のご著書も拝読します。
山の日に読書。北岳にも登ったことがあるので、より情景が想像出来て楽しめた。山岳小説と警察小説と動物小説の融合。救助犬メイとハンドラー夏実の絆に、後半は泣いてしまった。 続くシリーズも読みたい。そして山に行きたい。 2018.8.11
あまり吟味せずなんとなく買った本だったけど、面白かった。 3.11、犬と人、山岳救助、いろいろな要素が詰まった作品ですが、主軸はやはり主人公の夏実と救助犬メイの絆でしょう。 終盤にかけて、涙腺が緩みそうになるシーンが多々あるので、電車の中とか会社とか人前で読む際は注意です。
最後には感涙、感動の山岳冒険警察小説。主人公の星野夏実は被災地での経験で心に深い傷を負い、ボーダーコリーのメイと共に南アルプス山岳救助隊で任務に就くことになる…主人公が心に深い傷を負ったのは共感覚の持ち主ゆえ… 星野夏実が山岳救助隊の中で揉まれながら成長し、次第に山の仲間と打ち解けていく過程が南ア...続きを読むルプスの自然の描写と共に見事に描かれている。 樋口明雄が描く山岳小説は兎に角面白い。自然を愛するがゆえなのか山の描写から心に強く伝わって来るものがある。初期の『狼は瞑らない』『光の山脈』『男たちの十字架』も素晴らしい山岳小説であり、日本冒険小説協会大賞を受賞した『約束の地』も素晴らしいが、この作品も一連の作品に勝るとも劣らない傑作である。
南アルプスの北岳を舞台に活躍する山岳救助隊員と山岳救助犬の話。主人公は星野夏美・28歳とボーダーコリーのメイ・3歳。夏美は対象から特殊な色を感じとる共感覚を持っていた。夏美の成長が描かれるのだが、東日本大震災がおこり、北岳で総理暗殺が企だてられたり、目まぐるしい展開。最後はページをめくる手が止まらな...続きを読むい。面白かった。
厳しい冬やまを舞台に、山岳救助隊に配属された女性警察官とバディのボーダーコリーの活躍は思った以上に面白く、話にのめりこめた。震災など身近な背景もまた、小説に現実感をもたらしてくれている。 惜しいのはやはり山岳や登山用語などが所々出てくることで、用語の意味を調べたりと話を進めるのが止められてしまうもど...続きを読むかしさがあった点。そして主人公のもつ特殊な技能が一つアクセントにはなりつつも、あまり話の中心になっていない点か。それでもおすすめできる1冊かな。
どこかで「ブロッケンの悪魔」のことを見て読んでみようかと思ったが、シリーズ物だったので最初のものからにしようと、まずこの本を買ってみた。 シリーズ物の最初ということと、主人公が初めての職場に着任することが重なって、途中までは小ネタを挟みながら登場人物や救助犬や山岳救助隊の仕事や北岳周辺の様子を説明...続きを読むされているような話が続き、退屈なわけではないし後で効いてくるところもあるのだけれど、このまま大きな事件も起こらずに終わりはしないかと思わされるのは話の展開としてはどうかな。 ようやく270頁を過ぎてから山場の話となったが、不穏な天候の中での、神がかり的なヘリの操縦テク、荒唐無稽なヘリからの降下&空手対決、超人的(超犬的?)な犬の働き、政治家を叱咤する主人公に、叱咤された政治家の思わぬ心情の吐露(今の政治家に聞かせたい)と、色んな要素がてんこ盛りで一気呵成に読まされた(犯人はあんまり面倒なことをしなくても、3人だけになった時、どこか絶対助からないような所で突き落としてしまえば良かったのではないかと思うが、まあ野暮なことは言いっこなしで)。 次からはもう少し前半からスピーディーな展開になるかな、続編も読んでみようと思う。
犬好きにはたまらない!ボーダーコリーって賢いしかわいいよなあ 山用語がふんだんに出てくるので、分からないとちょっと読み止まってしまうかも。
この作者が書く山の世界が好きです。南アルプスに住んであるというだけあって、情景が鮮やかに浮かんで来ます。物語も感動あり、スリルありと目が離せない展開で面白いです。ただ、最初の方に、福島の震災の事が書かれていて、あれ?南アルプス山岳隊の話だったよね?とタイトルを見直しました(笑)現実にあった事を加える...続きを読む事で、この小説にリアル感を持たせたかったのかな、と感じました。
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