【感想・ネタバレ】南アルプス山岳救助隊K-9 天空の犬のレビュー

あらすじ

標高3,193mを誇る北岳の警備派出所に着任した、南アルプス山岳救助隊の星野夏実は、救助犬メイと過酷な任務に明け暮れていた。苦楽を分かち合う仲間にすら吐露できない、深い心の疵に悩みながら──。やがて、登山ルートの周りで不可解な出来事が続けざまに起こりはじめた……。招かれざるひとりの登山者に迫る危機に気づいた夏実は、荒れ狂う嵐の中、メイとともに救助へ向かった! 【解説】細谷正充

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山を舞台に描かれるヒーリングストーリー
人間との間でなく、目に見えない確かな信頼の絆で結ばれている犬と交わすコミュニケーションと共に、山の壮大さ、素晴らしさ、そして命を救うという仕事を全うすることの素晴らしさ、生きるという事の意味を主人公と共に体感できた。
山に登るモチベーションを高めたいと読み始めた本作。山や自然に敬意を抱いて、登りたくなった。

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2025年02月15日

購入済み

浮かび上がる情景

引き込まれるように読みました。
山々の景色、メイの瞳、人々の動きや表情が、あたかも映像のように浮かび上がり入ってきました。命の息吹を吹き込んでくれる傑作だと思います。
他のご著書も拝読します。

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2019年12月09日

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山の日に読書。北岳にも登ったことがあるので、より情景が想像出来て楽しめた。山岳小説と警察小説と動物小説の融合。救助犬メイとハンドラー夏実の絆に、後半は泣いてしまった。
続くシリーズも読みたい。そして山に行きたい。

2018.8.11

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2018年08月12日

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ネタバレ

初めましての作家さんです。
フォローさせていただいている方のレビューがきっかけで手に取りました。
主人公は、南アルプスの山岳救助隊に着任した夏実と、山岳救助犬のメイ。
夏美は、色を感じるという特殊な能力がある。
そのせいで心に深い傷を負っていた───

とにかく夏美とメイの「強い絆」が素晴らしかった
脚にピストルの弾が貫通するケガを負いながら、
夏美の元へまっしぐらに走っていくメイ。
とび色の大きな瞳が、暗闇で二つの青い光になる。

やっとメイと再会できたのに、また別れなければならない場面、
またもや自分の元から離れるように命ずる「GO!」
もうこらえきれず泣いてしまいました。

メイの瞳が、鮮やかなコバルトブルーに染まった瞬間、
見上げる天空に広がる美しい青──
乗り越えるのが無理なら背負って生きよう──
生きていることは素晴らしい──
この最後のシーンに胸が震えました。
夏美とメイのこれからが、とても楽しみです。

余談ですが、メイを見ていると愛犬を思い出します。
いつも、澄んだまんまるのやさしい瞳で見つめてくれて…
ちぎれそうになるほど尻尾を振ってくれて…
ただひたすらに私を信じてくれて…
ワンちゃんに限らず、動物はみんなそうですよね。
与えられている時間は、人間よりはるかに短い。
だからよけい、懸命に働いているコを見ると無性にいじらしく思えるのです。

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2018年06月25日

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あまり吟味せずなんとなく買った本だったけど、面白かった。
3.11、犬と人、山岳救助、いろいろな要素が詰まった作品ですが、主軸はやはり主人公の夏実と救助犬メイの絆でしょう。
終盤にかけて、涙腺が緩みそうになるシーンが多々あるので、電車の中とか会社とか人前で読む際は注意です。

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2013年12月20日

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最後には感涙、感動の山岳冒険警察小説。主人公の星野夏実は被災地での経験で心に深い傷を負い、ボーダーコリーのメイと共に南アルプス山岳救助隊で任務に就くことになる…主人公が心に深い傷を負ったのは共感覚の持ち主ゆえ…

星野夏実が山岳救助隊の中で揉まれながら成長し、次第に山の仲間と打ち解けていく過程が南アルプスの自然の描写と共に見事に描かれている。

樋口明雄が描く山岳小説は兎に角面白い。自然を愛するがゆえなのか山の描写から心に強く伝わって来るものがある。初期の『狼は瞑らない』『光の山脈』『男たちの十字架』も素晴らしい山岳小説であり、日本冒険小説協会大賞を受賞した『約束の地』も素晴らしいが、この作品も一連の作品に勝るとも劣らない傑作である。

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2013年11月04日

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南アルプスの北岳を舞台に活躍する山岳救助隊員と山岳救助犬の話。主人公は星野夏美・28歳とボーダーコリーのメイ・3歳。夏美は対象から特殊な色を感じとる共感覚を持っていた。夏美の成長が描かれるのだが、東日本大震災がおこり、北岳で総理暗殺が企だてられたり、目まぐるしい展開。最後はページをめくる手が止まらない。面白かった。

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2024年08月19日

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厳しい冬やまを舞台に、山岳救助隊に配属された女性警察官とバディのボーダーコリーの活躍は思った以上に面白く、話にのめりこめた。震災など身近な背景もまた、小説に現実感をもたらしてくれている。
惜しいのはやはり山岳や登山用語などが所々出てくることで、用語の意味を調べたりと話を進めるのが止められてしまうもどかしさがあった点。そして主人公のもつ特殊な技能が一つアクセントにはなりつつも、あまり話の中心になっていない点か。それでもおすすめできる1冊かな。

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2024年04月17日

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どこかで「ブロッケンの悪魔」のことを見て読んでみようかと思ったが、シリーズ物だったので最初のものからにしようと、まずこの本を買ってみた。

シリーズ物の最初ということと、主人公が初めての職場に着任することが重なって、途中までは小ネタを挟みながら登場人物や救助犬や山岳救助隊の仕事や北岳周辺の様子を説明されているような話が続き、退屈なわけではないし後で効いてくるところもあるのだけれど、このまま大きな事件も起こらずに終わりはしないかと思わされるのは話の展開としてはどうかな。
ようやく270頁を過ぎてから山場の話となったが、不穏な天候の中での、神がかり的なヘリの操縦テク、荒唐無稽なヘリからの降下&空手対決、超人的(超犬的?)な犬の働き、政治家を叱咤する主人公に、叱咤された政治家の思わぬ心情の吐露(今の政治家に聞かせたい)と、色んな要素がてんこ盛りで一気呵成に読まされた(犯人はあんまり面倒なことをしなくても、3人だけになった時、どこか絶対助からないような所で突き落としてしまえば良かったのではないかと思うが、まあ野暮なことは言いっこなしで)。

次からはもう少し前半からスピーディーな展開になるかな、続編も読んでみようと思う。

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2021年06月14日

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犬好きにはたまらない!ボーダーコリーって賢いしかわいいよなあ
山用語がふんだんに出てくるので、分からないとちょっと読み止まってしまうかも。

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2020年08月22日

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ネタバレ

犬のお話が好きで、読んでみました。
山岳救助の設定だと思っていたら、東日本の震災が出てきて驚きました。

メイと夏実の絆に気持ちが温かくなる。
震災、過去の悲しい事故、恩師の病、そして政治など、話を色々詰め込んでいるので、あと一歩入り込みきれなかったが、続編があるなら是非読んでみたい作品。

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2018年09月15日

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この作者が書く山の世界が好きです。南アルプスに住んであるというだけあって、情景が鮮やかに浮かんで来ます。物語も感動あり、スリルありと目が離せない展開で面白いです。ただ、最初の方に、福島の震災の事が書かれていて、あれ?南アルプス山岳隊の話だったよね?とタイトルを見直しました(笑)現実にあった事を加える事で、この小説にリアル感を持たせたかったのかな、と感じました。

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2017年11月06日

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主人公は、南アルプス山岳救助隊に属するハンドラー。そして、共感覚という特殊な能力を持っている。
そんな彼女の成長物語かと思っていたら、終盤にきて事件性を帯び、俄然警察小説の趣きになって、急展開した。
著者は、南アルプスの山麓に居を構えているとのこと、それだけに山の描写は美しくリアルで、山の魅力はいやがうえにも読者に迫ってくる。(40年ほど前に北岳の頂上に立ったことを思い出させる)
山岳小説と警察小説とを融合した秀逸な作品には、笹本稜平氏の著者が多々あるが、さらに動物小説を加味したのは著者だけであろう。
東日本大震災、原発事故に触れられ、遭難者の死亡の事故等々もあるが、信頼し合う救助犬とハンドラー、爽やかで誇り高い山岳救助隊員たち、そして舞台は南アルプス。
読後に爽快感が残る傑作。
シリーズ化されているようで、次回作にも手が出る誘惑が・・・

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2017年09月08日

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標高3,193mを誇る北岳の警備派出所に着任した、南アルプス山岳救助隊の星野夏実は、救助犬メイと過酷な任務に明け暮れていた。苦楽を分かち合う仲間にすら吐露できない、深い心の疵に悩みながら―。やがて、登山ルートの周りで不可解な出来事が続けざまに起こりはじめた…。招かれざるひとりの登山者に迫る危機に気づいた夏実は、荒れ狂う嵐の中、メイとともに救助に向かった!

シリーズ第一作に遡って読む。そもそも日本で山岳救助犬は架空の設定とのこと。物語はコンパクトにまとまっていて読ませます。

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2017年07月25日

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いつまでも続く前置きをノロノロ読んでいると、半分をかなり過ぎたあたりで思いもがけない展開へ。そこからは面白くて一気でした。そしてその後のまたまた長いエピローグは3行まとめて読み飛ばし。山と犬の描写には好感が持てました。”岳”の影響がちらほらと。

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2015年03月28日

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東北での震災での救助活動を経て南アルプス北岳を舞台に活躍する山岳救助犬とハンドラーの夏実。
初めての実戦配備からの苦労と格闘の物語。
警察小説、サスペンスとしても面白い一冊。

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2014年12月22日

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主人公や他の登場人物の背景、東日本大震災など色々盛り沢山。そのせいか、途中から一気に展開するサスペンスには物足りなさを感じたけど、メイと夏実の絆に涙。犬好きにはたまらない一冊。

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2013年12月08日

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山岳救助犬の息遣いが間近に感じられる臨場感に、改めて樋口さんが書く動物の描写に感服です。 大好きな山域の南アルプスで繰り広げられる山岳救助という設定もストライクゾーンでした。(^_^)v

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2023年04月29日

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警察小説というには特別部門の話です
主人公がイイデスね
共感感覚・・・何気にすごい特技をお持ちで
それも悲しい経験のなせる所だから単純には
慶べないのですが

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2019年02月15日

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著者初読み。
山岳小説の得意な作家さんが、南アルプスを舞台にした山岳救助犬の話を描いたと言うことで、気になってはいたけど、なかなか読めずにいたシリーズ。
警察小説と言うカテゴリにするのも、どうかと思ったけど、一応、主人公・夏実の所属が所轄と言うことで、警察小説として読んでみた。
他の人の感想にもあるように、中盤までは話が散らばり過ぎて、なかなか入り込めない。雪崩で亡くなってしまった救助隊長、東日本大震災、共感覚…何をメインで描きたいのか、なかなか絞り込めずに、読むペースも上がらない。
いろいろなことを乗り越えて、山岳救助隊の一員として、救助に参加するも、夏実とメイが初めて救助出来るのは、200ページを過ぎた頃…しかし、そこからが面白かった。
少し長めのイントロダクションと思えば、山の景色の描写は文句なく美しいし、隊員それぞれのキャラクターもとても好感が持てるので、これからが楽しみなシリーズ。
それにしても、北岳が3,193mになっていたなんて…一番の衝撃!

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2017年08月25日

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「登山ルートの周りで不可解な出来事が続けざまに起こりはじめた」という内容紹介でしたけど、読みすすめても不可解な出来事がなかなか起こらず、後半でやっと…という感じでした。盛り上がりもいま一つ。でも、夏実はじめ救助隊のメンバーに好感が持てたのと、メイが一生懸命で可愛かったので機会があれば続編も読んでみたい。

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2014年08月25日

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南アルプス山岳救助隊の星野夏美.救助犬メイと共に荒れ狂う冬山に救助に向かう.なんとなく全てにおいて物足りない印象.冬山の恐ろしさ,山岳救助の過酷さと喜び.夏美の能力.不可解な事件.どれかに焦点を当てて深掘りすればさらに面白くなったような気がする.

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2013年11月14日

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