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Posted by ブクログ
十二月の終わり、その年、五十歳を迎える大学教員の古徳は、学生時代の同級生である早稲本と再会する。古徳にとって早稲本は旧友でありながらも、ひとりの女性を巡って因縁があり、再会が必ずしも喜ばしいものではなかった。一緒に酒を飲むことになったふたりは、気付くと二十八年前の世界にタイムスリップしていた。実は古徳には様々な条件が重なることで、タイムスリップできる体質を持っていたのだ。過去に戻った早稲本は、ずっと抱えていたある疑念を古徳にぶつけるのだが……。
本作はタイムスリップ能力を持った男を主人公にした連作集になっています。過去に戻れるという能力を有している、と言っても、自由自在に行き来できるわけではなく、条件や制約も多く、お得な能力とは必ずしも言えなくて、そしてその厄介さがミステリ部分と密接に絡んでいるのが楽しい作品です。
屈折した家族の関係、他人には言えない秘密の共有、ずっと隠してきた想い。様々な感情をのみ込みながら、たとえそこに欠け落ちたものがあったとしても、未来への光を提示しようとする意志を感じるラストがとても愛おしい作品でした。
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