【感想・ネタバレ】下戸は勘定に入れませんのレビュー

あらすじ

条件が揃うと、酒の相手を道連れに時間をさかのぼってしまう古徳先生。昔の恋人を奪っていった旧友・早稲本と偶然呑むことになり、酔った二人は二十八年前の思い出の晩へと戻ってゆく。果たして古徳は、失った恋の秘密を解き明かせるか? 精緻なロジックが驚きの読書体験へと誘う、極上のタイムスリップ本格ミステリ。

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Posted by ブクログ

 十二月の終わり、その年、五十歳を迎える大学教員の古徳は、学生時代の同級生である早稲本と再会する。古徳にとって早稲本は旧友でありながらも、ひとりの女性を巡って因縁があり、再会が必ずしも喜ばしいものではなかった。一緒に酒を飲むことになったふたりは、気付くと二十八年前の世界にタイムスリップしていた。実は古徳には様々な条件が重なることで、タイムスリップできる体質を持っていたのだ。過去に戻った早稲本は、ずっと抱えていたある疑念を古徳にぶつけるのだが……。

 本作はタイムスリップ能力を持った男を主人公にした連作集になっています。過去に戻れるという能力を有している、と言っても、自由自在に行き来できるわけではなく、条件や制約も多く、お得な能力とは必ずしも言えなくて、そしてその厄介さがミステリ部分と密接に絡んでいるのが楽しい作品です。

 屈折した家族の関係、他人には言えない秘密の共有、ずっと隠してきた想い。様々な感情をのみ込みながら、たとえそこに欠け落ちたものがあったとしても、未来への光を提示しようとする意志を感じるラストがとても愛おしい作品でした。

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2024年12月24日

Posted by ブクログ

西澤保彦っぽい。
設定自体はとても面白い。そしてアクロバティックすぎるこじつけ的論理も、まあ楽しめる。
でも、もうちょっと整合性のある、というか、現実味のある論理にならんもんかねえ。もうちょっとだけ、でいいのだが。

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2017年05月31日

Posted by ブクログ

タイムスリップミステリーというコピーに惹かれて購入。実際はタイムスリップというより、パストビューワー的な能力。
短編連作的な作品になっているが、主人公が常に死にたがっているところがベースになっている。それなりにおもしろく読ませてもらったが、能力の設定が曖昧だったり、意識の共有という反則技が出たりするのは残念。しかも、主人公が若い女性にモテてるのはややしらける。しかも、他人の行動にあれだけ気を配り、洞察できる人間が、自分への好意に無頓着なのは違和感がある。

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2016年10月18日

Posted by ブクログ

ジャケ買いの一冊、同じ面子で同じ酒を飲むと酒の相手を道連れに過去へタイムトラベル行い謎を解き明かすミステリー仕立ての呑兵衛SF小説。人の絡みが広瀬正氏の名作「マイナスゼロ」を思わせるところも少しありとても楽しめました。

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2016年09月25日

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