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作家・曽野綾子の知られざる真価を示す、ミステリ作品集。殺人、犯罪、事件を題材とし、謎解き、犯人捜しの要素を含みつつも、人間心理、人生や運命の綾、明暗、日常に潜む恐怖を描く。いずれも1960年前後に集中的に書かれた作品群である。表題作は、『宝石』誌の編集に携わった江戸川乱歩がみずから依頼した経緯があり、しかも本格物。乱歩は本作を掲載できたことを「いささか自慢していいのではないかと思っている」と自讃している。
(収録作品)
ビショップ氏殺人事件
華やかな手
消えない航跡
競売
人生の定年
佳人薄命
Posted by ブクログ 2022年08月06日
曽野綾子の思想的原点はどこにあるのだろう
いくつかの初期作品に触れた感触だけで想像するに
太宰治の影響が強いのではないか
勝手にそう思っている
「ビショップ氏殺人事件」
昭和30年代のはじめだから、朝鮮戦争の少しあと
優しいアメリカ人の見せる父性に対して
若き日本人の抱える甘えと屈託が
殺人事件を...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月09日
純文学の作家と考えられることの多い曽野綾子氏のミステリ系の作品を集めた短編集。乱歩が賞賛したという「ビショップ氏殺人事件」は証言のわずかな矛盾から犯人を特定する、本格的なパズラー。ただこの系統はこれ一作で、他はやはり文学よりというか、推理よりも犯罪が暴き出す人間の心理や人生の断面に重点が置かれている...続きを読む
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