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Posted by ブクログ
長年勤めた百貨店を早期退職し、現在失業中の身にある四八歳の羽村祐太は、高校卒業三十周年記念の同窓会に行った際、同級生だった加藤理都子から奇妙な依頼を受ける。具体的なことには言葉を濁す理都子の依頼を試しに一回やってみると答えた羽村のもとに持ち込まれたのは、大量の分別されていないゴミだった。このゴミを分別して捨てて欲しい、と理都子は言うのだが、いったい、何のために。
ということで本作は、西澤作品の中でも私の偏愛している一作。つまりは何度目かの再読です。かつては優秀なデパートマンで、現在は(自ら望んだ形ではあるものの)無職という立場にある羽村の周囲を取り巻く人間関係の中に、様々な謎が散りばめられている、という連作集になっています。『老い』という生きている限り誰にも訪れる切実な問題を扱いながら、決して湿っぽくはならず、素っ気なささえも感じるまなざしで紡がれる文章が大変、魅力的な一冊です。
これはネタバレになるので具体的なタイトルは伏せますが、ラストは西澤保彦さんの代表作のひとつでもある別作品と重なり合う印象も抱きました。最後にひとすじの『愛』の言葉が落とされるとともに幕が閉じる。忘れがたい余韻が素敵な作品です。
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