小説・文芸 - 中央公論新社 - 中公文庫作品一覧
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-働くことと生きることが同義語の人たち──職人として働き続け五十一年。等身大の目線でものづくりの現場を見続けた”粋な旋盤工“小関智弘の現役職人時代最後のルポ。百分の一ミリの誤差も見逃さない、他人のできない仕事に挑み、厳しい状況を生き抜く町工場の知恵と哲学の凄味とは。解説・森まゆみ。
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3.0北海道日高山脈――悠久の大自然に展開する人とヒグマとの対決の日々を、自らが生きた時代の証言として物語る、戦慄の回想録。〈解説〉宮原昭夫
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4.3不老不死の伝説が眠る郷・桃花源。その謎を解く鍵は、旅芸人の少女・宝春にあった。不死の力を求める者たちに狙われた宝春は、生き別れの母を探す貴公子・戴星、天命を与えられた秀才・希仁に救われる。三人の出会いは、国を揺るがす壮大な冒険の始まりだった。中華歴史ファンタジー、ここに開幕!(全四巻)
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-村山由佳氏、おすすめ! 「作家・中江有里の真摯な声が聞こえてくる。人生からは逃げられない、けれど人は変われる、と」 30歳の大倉玉青は、人材派遣会社に登録し大手通信系企業の受付として働いている。大学時代は、演劇サークルに所属していた。愛読書の『走れメロス』をバッグに放り込み、苦行のような満員電車に乗り職場へ通うのは、ただ生活のためだけだ。その生活が空虚で、何のために生きているのかわからない。彼女は、5年前の自らの選択が生んだ「秘密」を抱え、それに関わる者の存在を「希望」と感じながら、ただ日々を過ごしていた。 そんなある日、劇的な邂逅から生活が急転。玉青は思う。この出会いを、わたしは信じていいのだろうか――。 女優・作家・歌手として多彩な才能を見せる著者が、二人の女性の交錯を軸に現代的テーマに迫った、温かでミステリアスな物語。 『トランスファー』改題。 【目次】 同じ夢 極夜 世界は広い 振り向かない男 話してくれて嬉しかった おやすみ 洋海 再びの夢 まだ、生きている まだ死ねない 痕跡 〈巻末対談〉松井五郎(作詞家)×中江有里 歌手活動の再開は、この小説がきっかけだった
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-寛政の改革を主導したものの失脚した、元老中の松平楽翁(定信)が立ち上げた幕府の新たな探索組織・御蔵入改。「お蔵入り」した難事件や奉行所・火付盗賊改が取り上げない事件に挑む五人組のもとに、新たな依頼者が現れた。御家人の本郷竹次郎によれば、決して裕福ではない周囲の者たちが老後に備えて貯えていた銭金を、新たに発見された甲斐金山の採掘資金を募る「信玄講」という集団に騙し取られたというのだが……(「消えた隠居資金」)。 表題作のほか、古典落語に材を取った「千両みかん」など全四篇を収録。 【目次】 第一話 切り裂き内蔵助 第二話 千両みかん 第三話 不幸を呼ぶ大黒像 第四話 消えた隠居資金
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5.0人のこころを解きほぐし、生きる力を与えるおいしい食事を、そっと差し出したい――。 そう願った佐藤初女さんが主宰した青森・岩木山麓の「森のイスキア」には、悩みや迷いを抱えた人が数多く訪れ、心のこもった手料理を一緒に食べて、生きる力を取り戻していった。 「初女さんのようなおむすびをつくりたい」という多くの人々に請われて各地で講演やおむすび講習会を開き、食の大切さを伝えていた初女さんが、料理のし方や心遣いを丁寧にわかりやすく語り尽くしたエッセイ。 食材を「いのち」ととらえ、いのちがささやく物語に耳を澄ませた著者ならではの“発見”が詰まった一冊。 おむすび、かぼちゃの煮物、ほうれん草のおひたし、ポテトサラダ、煮豆、りんごのコンポートなど、料理の作り方も多数紹介。 〈解説〉若松英輔 〈目次〉 1章 おむすびに心を尽くして/2章 いのちをいただく料理/3章 お母さんの手が伝えるもの/4章 病む人の心に寄り添うとき/5章 料理をすることが祈ること
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4.7六つの輝晶は、叶わなかった六人の夢。王に謁見した夢売りの掌の上、翠輝晶はその花片を開き、語り始める。ささやかな幸せを願いながらも死影に憑かれてしまったアイナの、宮殿を追われた王子アライスとの出会いから始まる壮大な夢を。そして蒼輝晶は望むものすべてを手に入れてきた男の唯一の夢を……『煌夜祭』『叡智の図書館と十の謎』の多崎礼が贈る極上のファンタジー! 【全三巻】 C★NOVELS『夢の上』より改題
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3.7言葉の選び方、書き出しの心得、起承転結の「転」を利かし、書き手の「ええーっ」を読み手の「へえーっ」に換える極意とは? しなやかに感じて、したたかに描く奥義を伝授。エッセイ道30年の岸本んが、スマホ時代の文章術を明かします。単行本『エッセイ脳 800字から始まる文章読本』を改題。待望の文庫化。 第一章 テーマは連想の始動装置―「私」と「公共」の往復運動 第二章 頭にはたらきかける文、感覚にはたらきかける文―無意識を意識する 第三章 リスク回避と情報開示―「自分は他者でない」宿命を超えて 第四章 文を制御するマインド―「筆に随う」はエッセイにあらず 終章 ひとたび脳を離れたら
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3.6羽田法律事務所で調査員として働く風町サエは、殺人罪で服役経験のあるシングルマザー。ある日、芸能界のフィクサーと呼ばれる小田崎が、羽田法律事務所を訪れた。小田崎は、アイドル候補生を店頭に立たせる安売りピザ店で大儲けをした男。店頭に立つアイドル候補生は、ファン投票の結果でメジャーグループに昇格できる仕組みで、自分が応援する候補生をメジャーにするため、ファンはピザを注文し投票券を獲得するのだ。このピザ店でアルバイトをしていたひとりの少女が自殺をし、両親が1億2千万円の賠償金を要求しているという。賠償金額を減額させたいという小田崎の依頼に調査を始めるサエだったが、次第にある人の過去にも迫ることになり――。 『笑う少年』を改題。
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4.2「誰かのために戦う奴に勝てるわけがない」 蓋の国を動かすのは、盤戯「天盆」を制した者。人々は立身を目指し研鑽に励むが、長い間、平民から征陣者は出ていない。 そんな中、貧しい十三人きょうだいの末子・凡天が激戦を勝ち進み――少年が歴史に挑む時、国の運命もまた動き始める。 圧倒的疾走感で描き出す放熱ファンタジー!
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5.0南宋の都・臨安で漕運を営む夏家に、高位の宦官から極秘の依頼が舞い込んだ。「謀殺された将軍・岳飛の隠し資産を探してほしい」。ちらつく宰相・秦檜の影。年若き夏家三きょうだいの冒険が始まった。
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5.020世紀は昭和の時代であった。戦後に刻印された我々の記憶は本当に正しい20世紀像を結んでいるのであろうか。昭和史研究の第一人者である著者が、昭和の戦争、エポックメイキングな事件を再検証し、昭和という時代と昭和を生きた日本人の実像を、独自の視点から読み解く。
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3.0どこかで別れた大切な人を想うとき、相手もまた、あなたを想っているかもしれない。 ――宮島未奈(『成瀬は天下を取りにいく』) 磯貝美佐、39歳。妊活がうまくいかず、母親離れができない優柔不断な夫・要一郎との生活に見切りを付けるべく、家を出た。東京の下町・谷中の六畳一間で、アンティーク着物のネットショップ「蔦や」を一人で切り盛りしている。友人は、恋愛対象が男性の美しき骨董屋、関くんだけだ。 ある日美佐が実家の蔵を整理していると、箪笥に大切に仕舞われた、祖母・咲子のものにしては小さすぎる着物を見つける。そして、抽斗の二重底に隠されていた3冊のノートと、見たことのない美少女が写った古写真も……。 この少女はどこの誰で、咲子とはどのような関係だったのか? ノートを読み始めた美佐はやがて、着物と少女の謎を突き止めた。咲子の生涯を懸けた「思い」を知った美佐は、ある決断をする――。ベストセラー『妻の終活』の著者が贈る、永遠の「愛」の物語。 『花は散っても』改題。
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4.0序章 死をそばに感じて生きる 團十郎の辞世 死生観表出の時代 自然災害のインパクト どこから来てどこへ行くのか 二つの立場 テクノロジーの進化の果てに 1章 「知」の人の苦しみ 伝統的な宗教の後に 岸本英夫の実践 合理性の納得 頼藤和寛の世界観 はじまりのニヒリズム 「にもかかわらず」の哲学 自由意志の優位と揺らぎ 多田富雄の受苦 人格を破壊から守る サイコオンコロジー 医療の現場で ホスピスとデス・エデュケーション 遺族外来、がん哲学外来 禅の否定するもの 「わたし」を「なくす」 河合隼雄の遍歴 ユング心理学と仏教 切断せず包含 2章 スピリチュアリティの潮流 崩れつつある二元論 オルタナティブな知 理解できないものへの態度 時代という背景 第三の項へ ポストモダンの現象 ベクトルの交わるところ 島薗進の視点 「精神世界」の隆盛 個人の聖化と脱産業化 鈴木大拙の霊性 宗教的でなくスピリチュアル 玄侑宗久との往復書簡 「而今」の体験 「いのち」との関係 潮の満つるとき 海のメタファー 親鸞の絶対他力 生死の中で生死を超える 日本的発現 ゆりかごとしての風土 3章 時間を考える 代々にわたり耕す 柳田国男の「先祖」 個体から集合体へ つなぐラフカディオ・ハーン 田の神と山の神 時代からの問い 四つの類型 折口信夫の「海の他界」 野という中間地帯 身近な行き来 かのたそがれの国 うつし世、かくり世 帰ってゆく場所 先祖の時間 線をなす時間 層をなす時間 輪をなす時間 自然との親和性 季語のはたらき、リズム 津波を詠んだ句 山川草木悉有仏性 「衆生」の範囲 貞観地震と津波 暴れる国土 山川草木悉有神性 瞬間瞬間にふれる 不動の中心 技法としての行 色即是空 井筒俊彦による視覚化 縁起という実相 根源のエネルギー 式年遷宮 「木の文明」 生の造形 宣長の「悲し」と「安心」
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3.3宋代、瑞州の新任知事・包希仁は、二十代で科挙に合格した秀才ながら、どこか抜けた青年。その資質を疑問視する世話係・孫懐徳であったが、州内で起きた「生きた牛の舌が切り取られる」事件をきっかけに――(「雪冤記」)。清廉潔白、裁きは公平、晴れ渡った空の如し。中華小説の名手・井上祐美子が、中国史上屈指の人気を誇る名判官「包青天」の活躍を描く中華ミステリ短篇集。待望の文庫化! ◆目次 ・雪冤記 ・赤心 ・紅恋記 ・黒白 ・青天記 ・文庫あとがき ※本書収録の「黒白」は、『C★NOVELS Mini - 黒白 - 包青天事件録』に加筆修正を加えたものです。
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4.0大戦末期。東京から宮城の田舎へ集団疎開した浜野清子は、そこで那須野リツと出会った。対立する「海」と「山」の呪縛か、無意識に忌み嫌い合うふたりの少女。だが、戦争という巨大で最悪の対立世界は、彼女たちから、大切な存在を奪ってゆく……。宿命に抗いはじめた少女たちが願う、美しき未来とは――。 特別書き下ろし短篇収録。〈解説〉瀧井朝世 【電子版巻末に特典QRコード付き。〈螺旋プロジェクト〉全8作品の試し読みを読むことができます】 ※〈螺旋プロジェクト〉とは―― 「共通ルールを決めて、原始から未来までの歴史物語をみんなでいっせいに書きませんか?」伊坂幸太郎の呼びかけで始まった8作家朝井リョウ、伊坂幸太郎、大森兄弟、薬丸岳、吉田篤弘、天野純希、乾ルカ、澤田瞳子による前代未聞の競作企画 〈螺旋〉作品一覧 朝井リョウ『死にがいを求めて生きているの』(本作) 天野純希『もののふの国』 伊坂幸太郎『シーソーモンスター』 乾ルカ『コイコワレ』 大森兄弟『ウナノハテノガタ』 澤田瞳子『月人壮士』 薬丸岳『蒼色の大地』 吉田篤弘『天使も怪物も眠る夜』