作品一覧

  • 小さい予言者
    -
    1巻880円 (税込)
    歴史時代作家クラブ賞受賞作『鳳凰の船』、第二作『楡の墓』に続く、北海道開拓期を背景に描いた第三作。ゴールド・ラッシュに翻弄された人間の悲哀/「ウタ・ヌプリ」。新天地・樺太への玄関口が静かに見守る親子の情愛/「稚内港北防波堤」。戦争に躍らされた炭鉱の末路とささやかな希望/「小さい予言者」。道内在住の著者がかつてない視点で浮き彫りにした、まったく新しい北海道の歴史の横顔。深い余韻を残す五編を収録。
  • 楡の墓
    3.0
    1巻825円 (税込)
    歴史時代作家クラブ賞受賞作『鳳凰の船』につぐ、開拓期の北海道を舞台に描く短編集。札幌開墾を主導する大友亀太郎と、開墾に従事する青年の行く末/表題作。開拓長官・黒田清隆と札幌農学校初代教頭・クラーク博士が船上で繰り広げる教育論争/「七月のトリリウム」。『時代小説 ザ・ベスト2020』(日本文藝家協会編)に採録された注目作/「貸し女房始末」。新時代の波に翻弄されながらも、己の生きる道を選びとった者たちの姿を情感豊かに綴る全五編。
  • 鳳凰の船
    4.7
    1巻704円 (税込)
    明治初期の函館。洋船造りの名匠と謳われたものの、いまや仏壇師としてひっそり暮らす続豊治。だが若き船大工との邂逅により、再び奮い立つ/表題作。初代北海道庁長官・岩村通俊、イギリス人貿易商・ブラキストンなど、北海道開拓期に名を刻んだ者たちの逡巡や悔恨、決意を叙情豊かに描きあげた五編。第7回歴史時代作家クラブ賞受賞作。
  • おらんだ忍者・医師了潤 秘めおくべし
    3.0
    1巻858円 (税込)
    了潤が主命により張り込んでいた男が、一心不乱に書き上げた手記には「秘めおくべし」の表書きが……。手記を奪おうとする二人の侍や毒矢を用いて彼らを襲う正体不明の隠密。そして、町奉行所同心の変死体……。謎が謎を呼び、男の手記にあったという「蝦夷地ニ、草アリ、イシヤマニ、砦アリ」の文言に誘われるように、了潤たち忍び組は蝦夷地へと旅立つ。文庫書き下ろし。
  • おらんだ忍者・医師了潤 御役目は影働き
    -
    1巻902円 (税込)
    伊賀の隠れ里から江戸へ出て、正体を隠し町医者となった上忍・笹川了潤。長身・白皙・頭脳明晰と、一見完璧なこの男の難点(?)はただ一つ、「三度の飯より死者が好き」――。怪事件に挑み、謎の蘭学者の影を追い、見えない「敵」と相まみえるまでの、大江戸ふしぎ事件帖。 『御役目は影働き――忍び医者了潤参る』改題。
  • めぐり逢ふまで 蔵前片想い小町日記
    4.0
    1巻880円 (税込)
    独り身上等! 結婚は初恋のあの人とする。ああ胸がいっぱいで、まんじゅう食べる手がとまらない……7歳の時に命を救ってくれた〈光る君〉に恋焦がれ、いまや23歳の〈片思い小町〉おまき――だったが、近頃すてきな男(年下の医者見習いや絵師志望の優男)が次々目の前に。だめいけない、あたしは〈光る君〉だけと決めてるの、ああ、でも、どうなってしまうの!? ……迷走する恋模様5篇による〈江戸大恋愛〉連作長篇。
  • 天衣無縫
    -
    1巻517円 (税込)
    三保の松原に舞い降りた天女の妙耶は、羽衣を盗賊に盗まれてしまう。その賊に親と許嫁を殺され、敵討ちを誓った菓子職人の太一と共に、妙耶は盗賊の行方を追う。そんな月日の中で市井に交わり、親子の情や、よすがなき女の哀しみ、職人がもつ矜持など、人間ならではの姿を目の当たりにしてゆく。哀歓に満ちた連作時代小説。
  • こらしめ屋お蝶花暦 寒中の花
    3.8
    1巻583円 (税込)
    江戸日本橋の御茶漬屋女主人・お蝶は、悪事には拳を上げ、困っている者がいれば助けを惜しまない。周りからは「こらしめ屋お蝶」と呼ばれて慕われている。そんなお蝶の亭主・伊三郎は「お役目」だと言い残し、姿を消した。時々届く花だけが無事の報せ。いとしい人の帰りを待ちわびながら、今日もお蝶は世話焼きに駆け回る。
  • 吉井堂 謎解き暦 姫の竹、月の草
    3.8
    1巻638円 (税込)
    時は天保の世、幕府天文方が改暦の準備を進めている。そんななか、神田で手習い所「吉井堂」を開く浪人・吉井数馬と妹の奈緒は、幕府と朝廷の暦合戦に巻き込まれる。果たして数馬の運命は?そして奈緒の秘めた思いとは?第30回小説推理新人賞受賞作を含む、浪漫情緒あふれる時代ミステリー連作短編集。
  • 恋仏
    -
    1巻1,408円 (税込)
    おるんは火付けで家も家族も失う。視力までも失ったおるんは庭職人・興三郎の優しさに救われ、しだいに心惹かれてゆく。だが彼は従姉の許婚であった。逡巡するおるんの耳に届いたのは、蔵に焼け残った「恋仏」の「燃やしてしまえ!」という声。一体何を告げているのか? 恋と謎が絡み合う長編時代小説。

ユーザーレビュー

  • 鳳凰の船

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この短編集の舞台は、主に幕末から明治にかけての函館。
    西洋船を造る船大工「鳳凰の船」外国人の妻となった日本女性「川の残映」ブラキストン邸に働くこととなった孤児「函館札」北海道初代長官、岩村通俊の話「野火」は札幌の出来事になる。

    北海道の歴史を踏まえながら、人のドラマを描くことで、歴史がよりリアルに感じられる。
    どの物語も人の運命の綾が描かれ、時と場所を超えて共感した。中編でも、長編を読んだ時のような満足感がある。

    0
    2023年01月14日
  • 鳳凰の船

    Posted by ブクログ

     『楡の墓』で、すっかりこの作家のファンになってしまった。何よりも美しく正しい文章による正統派の小説作品であること。読んでいて心地よい日本語なのである。言葉とはかくも素敵なものなのか。改めてそう思わせてくれる作家は、実はそう多くないので貴重である。

     さらに素敵なのが、北海道開拓をテーマに、多くの魅力ある歴史上人物に焦点を絞り、彼らを生き生きと作品世界の中で蘇らせてくれる希少な作家であるということ。北海道生活に身を置くものとしては、この世界の未だ短い歴史はとても身近であり、とても心惹かれるテーマなのである。

     実はこの短編シリーズは、三冊完結となっているらしく、まさに今月、第三冊目の新作単

    0
    2021年11月10日
  • 鳳凰の船

    Posted by ブクログ

    幕末明治の頃の函館が舞台。異人さんたちが暮らしやすい土地にしようとしている様、技術を学び建造する人達の情熱。芯の通った生き方をしたいと思う。

    0
    2021年05月07日
  • めぐり逢ふまで 蔵前片想い小町日記

    Posted by ブクログ

    7歳の時にかどわかしから助けてくれた「光る君」に恋焦がれ、22歳になっても嫁き遅れてしまった蔵前嫁き遅れ小町「おまき」。札差のお嬢様だけれど、きっぷが良く男らしい。
    そんなおまきが、再会できるともわからない「光る君」ではなく、新しい恋に迷走する物語。

    医者見習いや、絵師の弟子、幼馴染の若旦那。
    結局は、自分の恋心よりも、他の人との恋の取り持ち役になってしまう。なんだか頼りがいがあるんだな~。

    それぞれにちょっと心がぐらつくけれど、結局は「光る君」
    が忘れられない。
    最後の最後に大波乱があって、めでたしめでたし…。
    こんなオバサンが読んでも胸がキュンキュンする。

    0
    2020年06月19日
  • こらしめ屋お蝶花暦 寒中の花

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    2019/3/22
    期待したよりおもしろかった。
    こらしめ屋ってタイトルが好きじゃない。
    すごい上から目線で独善で説教してくるようなイメージやん。
    実際はそうでもなかったのに。
    主役のお蝶とお蝶の愛する伊三郎以外のキャラクターの方がいい味出してる。
    戯作者とおちまがいいね。

    0
    2019年03月24日

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