浮穴みみのレビュー一覧

  • 鳳凰の船

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    ネタバレ

    この短編集の舞台は、主に幕末から明治にかけての函館。
    西洋船を造る船大工「鳳凰の船」外国人の妻となった日本女性「川の残映」ブラキストン邸に働くこととなった孤児「函館札」北海道初代長官、岩村通俊の話「野火」は札幌の出来事になる。

    北海道の歴史を踏まえながら、人のドラマを描くことで、歴史がよりリアルに感じられる。
    どの物語も人の運命の綾が描かれ、時と場所を超えて共感した。中編でも、長編を読んだ時のような満足感がある。

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    2023年01月14日
  • 鳳凰の船

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     『楡の墓』で、すっかりこの作家のファンになってしまった。何よりも美しく正しい文章による正統派の小説作品であること。読んでいて心地よい日本語なのである。言葉とはかくも素敵なものなのか。改めてそう思わせてくれる作家は、実はそう多くないので貴重である。

     さらに素敵なのが、北海道開拓をテーマに、多くの魅力ある歴史上人物に焦点を絞り、彼らを生き生きと作品世界の中で蘇らせてくれる希少な作家であるということ。北海道生活に身を置くものとしては、この世界の未だ短い歴史はとても身近であり、とても心惹かれるテーマなのである。

     実はこの短編シリーズは、三冊完結となっているらしく、まさに今月、第三冊目の新作単

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    2021年11月10日
  • 鳳凰の船

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    幕末明治の頃の函館が舞台。異人さんたちが暮らしやすい土地にしようとしている様、技術を学び建造する人達の情熱。芯の通った生き方をしたいと思う。

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    2021年05月07日
  • めぐり逢ふまで 蔵前片想い小町日記

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    7歳の時にかどわかしから助けてくれた「光る君」に恋焦がれ、22歳になっても嫁き遅れてしまった蔵前嫁き遅れ小町「おまき」。札差のお嬢様だけれど、きっぷが良く男らしい。
    そんなおまきが、再会できるともわからない「光る君」ではなく、新しい恋に迷走する物語。

    医者見習いや、絵師の弟子、幼馴染の若旦那。
    結局は、自分の恋心よりも、他の人との恋の取り持ち役になってしまう。なんだか頼りがいがあるんだな~。

    それぞれにちょっと心がぐらつくけれど、結局は「光る君」
    が忘れられない。
    最後の最後に大波乱があって、めでたしめでたし…。
    こんなオバサンが読んでも胸がキュンキュンする。

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    2020年06月19日
  • こらしめ屋お蝶花暦 寒中の花

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    ネタバレ

    2019/3/22
    期待したよりおもしろかった。
    こらしめ屋ってタイトルが好きじゃない。
    すごい上から目線で独善で説教してくるようなイメージやん。
    実際はそうでもなかったのに。
    主役のお蝶とお蝶の愛する伊三郎以外のキャラクターの方がいい味出してる。
    戯作者とおちまがいいね。

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    2019年03月24日
  • 吉井堂 謎解き暦 姫の竹、月の草

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    ☆4.0
    学識豊富で剣の腕も立つ兄、数馬と花も恥じ入るほど美しく好奇心旺盛な妹、奈緒。
    とても仲の良い兄妹には秘密があった。

    仲が良くお互いに思い遣る(想い合う?)数馬と奈緒。
    時にコミカル、時にシリアスに物語が進み、面白かった。
    ぜひこの兄妹の続編を希望したい。

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    2014年01月23日
  • 吉井堂 謎解き暦 姫の竹、月の草

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     なんとなく手にとって読んだ本。手にとって「あたり!」でした。うまい作家だと思います。読みやすいし、連作短編。その一編の長さがちょうどよい。
    それから、いろいろな作家のティストが良い感じで味わえます。宮部みゆき、京極夏彦、あぁ、このテーマは御手洗さんが得意かな?なんて思いながら面白く読みました。
     この作家、ほかの本も読んでみたくなる作品です。さて、どんな独自の世界を展開していきますことか。期待したいです。
     今作はとても素敵な作品です。

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    2013年08月26日
  • 吉井堂 謎解き暦 姫の竹、月の草

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    久々にジャケ買いして当たりの一冊。手習い所を営む、ぐうたらな兄、数馬と、しっかり者の妹、奈緒。設定やキャラクターもいいけど、四季を描く文章が美しい。

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    2013年06月21日
  • おらんだ忍者・医師了潤 秘めおくべし

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    二冊目なのだが、舞台が蝦夷地。もう少し江戸で活躍してからでいいんじゃないのと思うけれど、これはこれで隠密らしい活躍なので仕方がない。それよりも、思い切り続編がありそうな終わり方で、結局、続きが出ていないのが問題だと思う。

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    2025年11月13日
  • 楡の墓

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    明治維新後の開拓時代の北海道を舞台にした短編集。故郷を捨てて出てきた少年が若い後家に拾われて札幌(さとほろ)の開拓に従事しながら絆を深める表題作のほか、全体的に読みやすかった。

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    2023年05月28日
  • こらしめ屋お蝶花暦 寒中の花

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    ネタバレ

    江戸の日本橋と神田今川町のちょうど中間で御茶漬屋「夢見鳥」を切り盛りする女主人、お蝶さんの人情物語。ちなみに元深川芸者ということでとても気が強い美人(笑)。

    「寒中の花」「初花の色」「皐月の紅葉」「六花の涼」「花嫁」と連作短編が収められています。
    どの話も時代劇ドラマ1時間にするのにちょうど良いくらいの量で、基本的に後味はすっきりです。

    お蝶さんと夫婦になる約束をした男が突如「御役目」といって姿をくらまし、それを健気に待ち続けるところからスタート。最後のお話で相手の男の正体も判明しますが、そこはまぁ、「ああ、そうだろうね」みたいな感じで驚きはありません(笑)。

    文章がとても読みやすく、江

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    2018年06月10日
  • 吉井堂 謎解き暦 姫の竹、月の草

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    短編六話集?
    背景は高貴な生まれの双子の一人、女性仮性半陰陽の妹奈緒を守る決意をした兄吉井数馬、武芸だけでなく学問にも通じた手習所師範の活躍?
    全編を通じて背景が説明され、時代推理では無く、歴史ミステリーか

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    2017年10月19日
  • こらしめ屋お蝶花暦 寒中の花

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    粋な女将と周りを盛り上げる人々、女将には婚姻を約束した正体不明な男が
    五話の話に彩られた市井の生きざま
    最後のは男の正体は御庭番頭、一緒になるのはお預けだが
    今後続くのか?

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    2017年10月17日
  • 吉井堂 謎解き暦 姫の竹、月の草

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    うまい作家だ。特に子どもの使い方がうまい。そのためゆるいミステリー仕立てでもどんどん読める。
    しかし、キャラがちょっとオーバースペックで活かしきれていないのが残念。続刊への布石と見れば、今後が楽しみともいえる。

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    2013年06月19日