天盆

天盆

小説・文芸
858円 (税込)

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「誰かのために戦う奴に勝てるわけがない」
蓋の国を動かすのは、盤戯「天盆」を制した者。人々は立身を目指し研鑽に励むが、長い間、平民から征陣者は出ていない。
そんな中、貧しい十三人きょうだいの末子・凡天が激戦を勝ち進み――少年が歴史に挑む時、国の運命もまた動き始める。
圧倒的疾走感で描き出す放熱ファンタジー!

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天盆 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    かつてどこかにあった国「蓋」。そこでは盤技「天盆」を制するものが国を動かす。天盆に魅入られた少年凡天が、歴史を変える天盆に挑む。

    天盆とは将棋に似た架空の遊戯。しかしその大会で勝ち進んだものは、政治の世界での立身出世が約束されているという。その設定からして面白いのです。天盆の細かいルールーは書かれていません。しかし駒が盤上を動き、相手を攻め牽制し駆け引きが行なわれ勝敗を決する、その様子が活き活きと描写され手に汗を握ります。
    これはもう表現力の勝利でしょう。具体的でない描写で、盛り上がりだけを見せる。しかしその反面、具体性だけでキャラクターを書き分けることもするのです。

    主人公凡天は13人きょうだいの末っ子。兄姉が12人もいる訳ですが、それらの人々は登場して一言二言話すだけでキャラクターが掴め、それぞれが活き活きと動き回るのです。
    そのため主人公なのにほとんど語らず心の内も明かさない凡天が浮き立つのです。取り憑かれたかのように、ただ天盆のみに興味を示す。天盆を打つこと以外は何もせず、何もできない。そんな一途さのみが凡天を表わすのです。

    天盆しかなかった少年が人々を動かし歴史を動かします。しかし凡天とそれを取り巻く人々の動きは、大きな歴史の濁流に飲み込まれていきます。そして迎える終焉。歴史の中で生きた人々の強い思いが光り輝き、記憶に留まるのでしょう。

    0
    2021年06月24日

    Posted by ブクログ

    独特の言い回しなんで、好みが分かれる気もする。自分のイメージは石川啄木。あくまで個人の感想です。
    この言い回しから繰り出される言葉の数々がなかなかに強力で、いちいちうまい感じで出てくるもんだから、もう、ね。個人的には小勇を子供らが助けに行って暴動が起きる下りが強烈だった。映像無しでここまでやるのは相当やで。
    しかし傍から見れば娯楽にうつつを抜かしてる間に国が亡びるんだから、ろくでもない。
    でもそれが良い。

    0
    2018年12月08日

    Posted by ブクログ

    「天盆」という名の(将棋に似た?)盤戯。幼い頃、天盆に魅せられた凡天。彼は 大好き という気持ち一つで強くなっていく。父と母、十二人の兄弟たちのことも大好きな彼は貧しいけれども幸せな家族の中にいる。父母の覚悟、兄弟の思いやりも美しい。

    強い凡天を見て思い浮かべるのは中学生でプロ棋士になった彼ですね。やっぱり

    0
    2018年07月06日

    Posted by ブクログ

    天盆はその国、背景、舞台となるゲームすべてが架空のものなのに、なぜか光景が浮かんでくる物語です。
    白黒はっきりの世界観がここちよく、大好きなものに一生懸命打ち込む気持ち、大きな権力にも負けない気持ち、家族が信じあう気持ちがストレートに描かれているので、スポーツの試合を見終わったあとのようなさわやかな読後感もあり。
    真夏の暑さや疲れを忘れて楽しみたい方におすすめです。  (将棋はニガテ)

    0
    2017年09月17日

    Posted by ブクログ

    なんだこれ!Σ( ̄□ ̄;)話にグイグイ引き込まれた!(^o^;)天盆(将棋っぽい盤戯)に夢中になり、家族愛に心が震える(;゜∇゜)あぁ誰かにオススメしたいけれど、近くにファンタジー好きがいない(T-T)

    0
    2017年09月12日

    Posted by ブクログ

    なんじゃこりゃおもしれええええええ。この家族全員が愛おしすぎて貧乳が破裂するところだよ。父上が格好悪いのに格好良過ぎてなんかもうどうしたらいいのこれ。とにかくこの一言に尽きる。
    「誰かのために戦う奴に勝てるわけがない」

    0
    2017年09月09日

    Posted by ブクログ

    「いまさら一人増えたところで、かわりゃあしない」
    橋の下でひとりの子を拾う。

    舞台は、建国以来「象棋(中国将棋)」や「日本将棋」のような“天盆”というボードゲームを国戯として広く親しむ“蓋”という小国。

    幼い頃から“天盆”に取り憑かれた主人公の凡天の楽しそうな勝負の様子は、将棋士藤井聡太を見るよう。
    また、舞台は架空の時代の架空の国とされているが、描写される背景からは、中国戦国時代に突然現れて消えていった中山国を思い出す。
    建国時精彩に満ちたこの国も末期には腐敗に塗れて消えていった。その亡国の物語は宮城谷氏の小説『楽毅』で知ることができる。

    孤児たちを拾い育て続けてきた小勇と静は、どんなに逆境の中でも、家族がひとつとなって“生きる”

    何故って?
    「理由がなきゃいけないのか」

    歴史小説やスポーツ小説のようでいて、家族の絆とは何かを問うドラマ、爽やかさがとてもいい。

    0
    2025年09月22日

    Posted by ブクログ

    架空の国の架空のボードゲーム「天盆」を舞台に、天下一の打ち手にならんとする少年の物語。何となく国は古代中国、ゲームは将棋をを彷彿とさせる。天盆を制する者が国を制する国において、拾われた赤子が成長とともに天盆に触れ、天盆を愛し、天盆を極めていき、やがて頂上決戦へ。天盆のルールについては一切説明がないのであくまで雰囲気で捉えるしかないが、大まかな流れはどこか映画のようで読みやすく、一気読み。心地よい読後感。

    0
    2025年08月14日

    Posted by ブクログ

    面白かったです。盤戯「天盆」を制した人が国政を取り仕切る蓋という国で、平民の末っ子・凡天が勝ち進んでいく。
    国政を取り仕切れると言っても、何年も為政者に平民出の人はいなくて形骸化してるし、蓋は他国の侵略に常にさらされてる。社会の格差も大きい。
    名声や権力のために天盆へ挑む人がほとんどの中、ただ「天盆が楽しい」だけの凡天に敵う人はいないと思いました。無欲は強いし、上達するには好きでいることです。
    全ての人を破って頂点に立った凡天の姿は蓋の人々の力になっただろうけど、その為に他国から全力で攻撃されて滅ぼされるとはなんとも皮肉。精一杯生ききったんだろうな。
    おすすめされた、初読みの作家さんでした。他の作品も読みたいです。

    天盆のイメージは、将棋やチェスより、HUNTER×HUNTERでメルエムとコムギがやってた軍儀です。

    0
    2021年12月30日

    Posted by ブクログ

    面白かったです。
    H×Hを彷彿とさせられました。
    なんとなく天地明察も。
    家族の絆の物語と天盆を究める物語。

    0
    2019年05月08日

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