小説・文芸 - 講談社作品一覧

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  • 裕次郎
    -
    裕次郎が52歳の生涯を閉じてから30年。生粋の裕次郎ファンであり、彼の歌なら100曲以上は唄えるという東大名誉教授・本村凌二氏がこのたび、1章につき1本の映画を丹念に辿りながら、裕次郎が生きた60年代について書き下ろした。石原裕次郎と共に歩んだあの時代の物語が、幕を開ける。
  • 人間機雷「伏龍」特攻隊
    4.7
    太平洋戦争終戦間際の昭和20年8月――。本土決戦を水際で食い止めるべく、人間機雷部隊が極秘に組織された。訓練自体に危険が伴い、多くの殉職者と行方不明者を出したとされる。ひたすら「死」に向かうだけの特攻潜水訓練がなぜ行われたのか。発案者は誰だったのか? その存在自体がほとんど知られていない「伏龍」。徹底取材を重ねていま明かされる「知られざる戦争」。
  • 常識人の作法
    3.7
    「あたりまえ」をくつがえす異端の社会学。理路整然、博覧強記、痛快無比。社会学の泰斗が「世の変な常識」に挑む書き下ろしエッセイ集。歴史、民俗、風土などさまざまな角度から現代の世相を鋭く分析。日本の常識は正しいか? ●戦前の日本にも「民主主義」はあった/●談合は悪ではない/●ツイッターは表現を貧困にした/●雑学こそ「知」の理想的なありかただ 他
  • 命のダイアリー 小児がんを乗り越えた少年・少女たち
    4.5
    7人の「小児がん卒業生」たちの、命の輝き。小児がんは、それを克服した子どもたちからも「普通の生」を奪ってゆく。体に残った障害や社会の偏見に耐えて生きる7家族。歯が生えない、身長が伸びない、心臓や臓器の働きがよくないといった「晩期障害」。さらに、子どもたちは二次がんの可能性も持っている。不安に耐え、今を生きる、「小児がん卒業生」たちの姿を見守り続けている小児科医が綴る、渾身のノンフィクション。
  • 必ず、愛は勝つ! 車イスサッカー監督 羽中田昌の挑戦
    4.0
    小学生の頃から全国レベルで活躍した少年は、1983年1月のサッカー全国高校選手権で圧倒的な存在感を示し、人気漫画「オフサイド」のモデルとなった。だが、その8ヵ月後、事故で下半身不随になり、欧州でプロになるという夢を奪われてしまう。どん底まで突き落とされた彼を絶望の淵から立ち上がらせ、世界初の車いすのプロサッカー監督にしたのは、おおらかで強靭な愛の力だった。
  • 美女と野獣 ベルの読書日記
    3.0
    1巻1,430円 (税込)
    2017年最高の話題作、実写映画「美女と野獣」。主人公ベルは、読書好きで知的好奇心あふれる女の子。そのベルが"当時読書日記をつけていたとしたら――?"古今東西の名著の一節をベル自身がワンポイントで引用しながら感想をつづった、ノーブルな一冊です。名言にハッとさせられたり、ベルの感想にうなずいたりしながらしっかりと「美女と野獣」の世界を味わえる本です。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • (シェイクスピアの)遊びの流儀
    3.0
    心とからだがほぐれる会話のツボを満載! 著者はシェイクスピア研究の第一人者。膨大な作品の中から遊びの精神に溢れた会話や場面を抜粋。名作のエキスと共に著者の抱腹の交遊録と遊びスピリットを味わう。--それにしても吉行(淳之介)さんや矢代(静一)さんの遊びにかける熱心さはすごい、という感嘆である。あの熱意はなんなのだろう。――<本文より>
  • 文士の遺言 なつかしき作家たちと昭和史
    5.0
    今ではどんな人物だったか知る人も少なくなった、戦後を代表する大作家たち。彼らは、「昭和」という時代をいかに見つめ、実際に生き抜いたのか──。昭和史研究で知られるノンフィクション作家・半藤一利氏が、文藝春秋の編集者時代に間近に接してきた作家たちの素顔とは。彼らが半藤氏に語り残した「遺言」が、今を生きる我々に警鐘を鳴らし、エールを送る。作家の目を通して見る「昭和史」の真実。
  • 香薬師像の右手 失われたみほとけの行方
    -
    奈良・新薬師寺の香薬師像は、旧国宝に指定され、白鳳の最高傑作といわれた美仏。しかし、昭和18年に盗難に遭い、未だに行方が分かっていない。この香薬師像を見つけ出そうと、元産経新聞の記者である著者が取材を開始。新薬師寺住職の全面的な協力を得た調査の結果、衝撃の新事実が発覚。ついに、像の一部である「右手」を発見する……。美術史的にも非常に意義のある大発見までの経緯をまとめた、渾身のノンフィクション。
  • 母を棄ててもいいですか? 支配する母親、縛られる娘
    4.0
    自分の娘を支配するために、精神的暴力(モラル・ハラスメント)を行使する母たちはめずらしくありません。モラ母たちは、娘の人生を自分の思い通りにすることに、おどろくほどの精力を傾けているのです。本書では、そんなモラ母に縛られ、逃げ出せずにいた娘たちが、すさまじい体験をしながらも希望の光を見つけ出し、いかに母と決別していったかを、実例をもとに追っていきます。
  • 講談社アニメ絵本 ルドルフとイッパイアッテナ
    5.0
    1巻1,430円 (税込)
    魚屋のおじさんに追われて飛び乗った長距離トラックで、大都会東京に運ばれてしまった子猫のルドルフ。そこで出会ったのは、大きなボス猫・イッパイアッテナ。町でもっとも恐れられているイッパイアッテナは、ひとりぼっちのルドルフに、のら猫として生きていくすべを教えます。しかし、そのイッパイアッテナにもなにか秘密があるようで……。はたしてルドルフは大好きな飼い主の元に戻ることができるでしょうか!?※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 癒しの旅 四国霊場八十八ヵ寺
    -
    1巻1,430円 (税込)
    四国に生まれた画家が、ふるさとの八十八ヵ寺を写生していく巡礼の旅。丁寧に描かれた一枚一枚の細密ペン画は寺の「気」を伝え、境内での風景を短く記す文章からはなつかしく穏やかな時間が届く。ことばに言い尽くせない心の平穏が読み進めるうちに広がっていく、ユニークな四国霊場八十八ヵ寺案内の書。
  • あなたの子宮を貸してください
    5.0
    ――それは神への冒トクか? 女性から女性への最高のギフトか? 日本人依頼主、産婦人科医、代理出産エージェンシー、代理母……日米韓三元取材による、心にしみるノンフィクション。
  • にょろり旅・ザ・ファイナル 新種ウナギ発見へ、ロートル特殊部隊疾走す!
    4.4
    1巻1,430円 (税込)
    地球上に生息するウナギ全種採集を目指し、最後の一種を求めてアフリカの大地を這いずり回った探検記『アフリカにょろり旅』で読者を爆笑の渦に巻き込んだ青山潤と弟分渡邊俊が帰ってきた。今回の的は未だ誰も知らない新種ウナギ。勇躍フィリピンに乗り込んだ二人は既に四十代。今回はアラ70の作家・阿井渉介も加わり、何度跳ね返されながらも老骨に鞭打ち、アフリカ以上にタフで笑える探検を繰り広げる。
  • 神なるオオカミ 小説版~大草原のちいさなオオカミ~
    -
    1巻1,430円 (税込)
    この本に描かれた世界は、いまの子どもたちをとりまくものとはあまりにも違う。思えば、この本を読む子どもたちは、これからの人生のなかで、異なる環境に生きてきて、異なる体験をしてきた異なる発想の人たちとつきあい、仲良くしていくことが多くあるのではないかと思う。そして人間と動物の関係についても、この本からなにかを感じとることができればと願っている。――<訳者あとがきより>
  • ニッポンの現場
    -
    【事件現場発】新聞では報道されない事実に、克明なルポ・凄烈な筆致で迫る!!●天皇発煙筒事件●5人の少女飛び降り自殺●金丸信逮捕●不法滞在イラン人一斉摘発●北海道南西沖地震●カンボジアPKO…… 10の事件 10の現場。「1992年10月の天皇・皇后に対する発煙筒事件が起きた山形から、93年10月の自衛隊PKOが立ち去ったあとのカンボジアまで、この1年に起きた大きな事件の現場を、私は取材し報告してきた。……この1年は、まちがいなく日本にとって大きな節目となった年である。……つまり、これまで長いあいだ、うやむやにされてきた事柄やくすぶりつづけてきた問題が、劇的な形で表面化したとも言える。私は、そのような突出した部分を手掛かりにして、それらが地下で共有しているはずの根を探ろうと試みた。」――【あとがきより抜粋】
  • 妖怪アパートの幽雅な日常 ラスベガス外伝&妖アパミニガイド&るり子さんのお料理日記 3冊合本版
    4.0
    妖アパファンから、是非読みたいリクエストが多かった稲葉夕士の世界旅行。その過酷でファンタスティックな日々が、ここに明らかになります。古本屋と一緒の世界旅行の途中で、ラスベガスに立ち寄った稲葉夕士。そこに住む、千晶先生の兄・恵のところにお世話になることになったのだが・・・。さらに、妖アパミニガイド&るり子さんのお料理日記も収録の3冊合本版。妖アパの魅力が、とことん味わえます。
  • 島国チャイニーズ
    4.7
    『コリアン世界の旅』から15年。「反中」「嫌中」が蔓延する日本に生きる在日チャイニーズたちのひたむきな人生模様。「私が二百人を超える在日チャイニーズを取材した結果では、彼らの大半が日本での生活におおむね満足しており、留学生のほぼ全員が、少なくとも来日時には親日か、もしくは好日であった。(中略)こうした彼らの実態が、日本人にはあまりにも知られていないのではないか。(中略)両者の深い断絶の谷間を、活字の飛礫(つぶて)でいくらかなりとも埋(うず)めていこうというのが、本書の最大のねらいであり、私のささやかな希望でもある。」――〈「まえがき」より〉
  • 放射線を浴びたX年後
    5.0
    放射能は、確実にその牙を人間に対してむくことになる。数多いビキニの被ばく者は、自らの死をもって「ただちに影響はない」被ばくの「その後」を伝えている。世界に発信すべき、犯罪的な「ヒバク」とその隠蔽の歴史。
  • 若者のすべて 1980~86「週刊プレイボーイ」風雲録
    3.0
    80年代に100万部を発行し、社会現象になった「週刊プレイボーイ」編集部で、青春を過ごした一人の若者の、夢と欲と野心の物語である。その当時、伝説のシマジ編集長のもとで、WPB軍団はどんなドタバタの日常を送っていたのか、またその泣き笑いの日々の中で、編集者たちは何を考え、何を求めて企画をつくっていたのかがわかる第一級の資料である。
  • 一瞬の風になれ 全3冊合本版
    5.0
    春野台高校陸上部、一年、神谷新二。スポーツ・テストで感じたあの疾走感……ただ走りたい。天才的なスプリンター、幼なじみの連と入ったこの部活。すげえ走りを俺にもいつか。デビュー戦はもうすぐだ。「おまえらが競うようになったら、ウチはすげえチームになるよ」。青春陸上小説が合本版となって配信!
  • 朗らかに笑え ユーモア小説のパイオニア 佐々木邦とその時代
    -
    直木賞受賞作、中島京子『小さいおうち』で描かれる昭和初期、家庭では雑誌が娯楽の中心だった頃、若きも老いも連載を心まちにしていた作家が、佐々木邦。夏目漱石とまた違った意味での、日本におけるユーモア作家のパイオニア。その佐々木邦が没して、今年で50年。戦前のベストセラー作家は、英語に通じ、大学で教壇に立ち、マーク・トゥエインを愛し良作を書きまくった。邦の孫が秘蔵の資料から描く。
  • 甦る上杉慎吉 天皇主権説という名の亡霊
    -
    国家破綻で民主主義が崩壊するとき、私たちは天皇制とどう向き合うか? 上杉慎吉と美濃部達吉が命がけで戦った、天皇を巡る思想のドラマを描き出し、「天皇とは何か」を考える必読書!
  • 甦る鼓動
    -
    臓器移植の新たな潮流と苦闘を描く意欲作! 大きく変貌し前進する移植外科――脳死移植の是非の嵐の中で、確かな橋頭堡を築くために、さまざまな領域で情熱の炎を燃やしつづける外科医たちの苦悩と成果。
  • 洗脳 地獄の12年からの生還
    4.5
    自分はなぜ洗脳集団に絡め取られてしまったのか。それを解き明かすために、Toshl自らが、振り返る苦痛を乗り越え、少年時代からの自分の弱さを見つめ、洗脳集団ホームオブハートの残忍な手口のすべてを赤裸々に語る。1997年、X JAPAN脱退と解散。HIDEの死。ホームオブハートの巧妙な勧誘。執拗な暴力と罵倒による洗脳、搾取。脱出。X JAPANの再結成、そして今……。
  • 球童 伊良部秀輝伝
    4.0
    球速最高記録達成、大リーグ移籍をめぐる大騒動、アジア人初のチャンピオンリング獲得、2度の逮捕歴、複雑な家庭環境、そして突然の死・・・。伊良部秀輝は、多くの人とぶつかり、誤解されながらも、野球を深く愛し、自分を認めてくれる場を求め続けた。死の直前に伊良部にインタビューをした著者は、伊良部の日米の知人たち、さらにはメディアに登場したことがない実父を訪ねる。誰も知らなかった伊良部秀輝の姿が、ここにある。
  • マキリ
    3.5
    1巻1,430円 (税込)
    男はミイラとなり女の棲む黄泉へと向かう。即身仏伝承の残る山形を舞台に、男女のもつれ合う情念と因縁を、濃密な官能と斬新怪異な物語で綴るホラー恋愛小説。ベストセラー『モルヒネ』の著者が描く究極愛。
  • ザ・グレート・フライト JALを飛んだ42年 太陽は西からも昇る
    3.0
    B727、DC-8、B747、DC-10、B747-400……JALが運航した国際路線をすべて飛んだ唯一のパイロットである小林氏。そのフライト人生は、“空の昭和史”そのものだ。総飛行時間1万8500時間、距離にして1665万キロ(地球800周分)! 同僚・後輩から「グレート・キャプテン」と慕われる小林元機長がエピソードでつづる、42年間の空の旅へようこそ。
  • 師匠は針 弟子は糸
    4.0
    名人死して十年。弟子がはじめて綴る鎮魂歌「この人の弟子になる!」と決めたのが18歳の時。以来、師匠が逝くまでの思い出の数々。同時に一年間の日常を記録した「ケータイ日記」を併載。落語家は忙しい。
  • オルファクトグラム(上下合本)
    4.0
    姉を殺害した犯人に、事件現場で襲撃された片桐稔。その後遺症から通常の“匂い”を失い、イヌ並みの嗅覚をもつことになる……。まったく違う世界に戸惑いながらも、失踪したバンド仲間を、嗅覚を頼りに捜し求めてゆく。新たな能力を駆使することで、姉の仇を討てるのか?新感覚の大長編異次元ミステリー。
  • 塀の上を走れ 田原総一朗自伝
    4.5
    「日本初のAV男優」が、首相を3人退陣させた――。驚くべき破天荒さに包まれた78年間。スリリングで、爆笑の連続で、ちょっぴり泣けるエンターテイメント自伝、堂々刊行!田原総一朗がすべてを赤裸々に明かした、前代未聞の半生。作家を志して挫折/ほとんどニートのダメダメ社員/日本初のAV男優に/伝説のドキュメンタリー制作の全貌/恋愛と不倫/首相を次々に退陣させたあとの絶望……
  • オッサンフォー
    3.5
    かつて腕利きの詐欺師だった主人公を含むオッサン4人。ドジを踏み解散。今でもたまに会っている。しかし、主人公の行きつけのスナックのママが経営危機に陥る。「もう死のうと思てんねん」と漏らすママに、主人公は「ワシに任せろ」と請け合う。義憤もあるが、実はホレているのだ。昔とった杵柄。かつての仲間を集め、4人は奇想天外な詐欺を仕掛ける。相手はママの昔の男にして、市政を牛耳る大物!
  • 昭 田中角栄と生きた女
    4.0
    なぜ母は、私を生まなければならなかったのか―― 。「越山会の女王」と呼ばれた母・佐藤昭子とオヤジ・田中角栄が、娘の私に遺してくれたことはいったい何だったのか。二年前の3・11に逝った母。その三回忌を前に、「激動の昭和」を懸命に生きた父母の素顔を娘が綴る。
  • イザベラ・バードの日本紀行(上)
    4.4
    1878年、横浜に上陸した英国人女性イザベラ・バードは、日本での旅行の皮切りに、欧米人に未踏の内陸ルートによる東京―函館間の旅を敢行する。苦難に満ちた旅の折々に、彼女は自らの見聞や日本の印象を故国の妹に書き送った。世界を廻った大旅行家の冷徹な眼を通じ、維新後間もない東北・北海道の文化・習俗・自然等を活写した日本北方紀行。
  • 予測不能の1秒先も濁流みたいに愛してる
    値引きあり
    3.0
    1巻1,424円 (税込)
    黒木渚、ベストアルバムと同名小説、ついに発売! 不純な動機から始まった音楽は、私のすべてになった。 「私の歌で、こんな世界ぶち壊してやる!」 誰にも話したことがないけれど、私は光と共に生きてきた。 未来について想像するとき、私の頭の中には必ず白い光のイメージが浮かぶ。 高校二年の「シッポ」は中学時代からの片思いの相手、森園太陽に接近するために軽音部に入る。 好きな音楽はパンク、好きなバンドはクラッシュ、セックスピストルド、ダムド、ニルヴァーナ…… これ、全部嘘。 だけど太陽に近づくためにシッポが周到に用意した「設定」は、徐々に彼女の中にあった「音楽の光」をとらえて、 追い越していく。 眩しくて白いーーあの光はスポットライトか、それとも恋か。 音楽を始める動機なんて、不純だっていいじゃないか! 音楽×小説×青春 歌手兼小説家・黒木渚が初めて描く青春と音楽。 青春はエゴイスティックで汚くて、生々しい。それでも眩しい一瞬の光だ。
  • 歌う舟人 父隆慶一郎のこと
    -
    1巻1,419円 (税込)
    故・隆慶一郎の娘が描く、人間・隆慶一郎の思い出。――歴史・時代小説の分野に一瞬の光芒をはなって逝った隆慶一郎氏の、激しくもエレガントな人間像を、娘の眼から描く。隆さんの写真も収録し、三周忌を期に刊行された、父&作家の実像。
  • コレクターズ・ハイ
    3.3
    1巻1,408円 (税込)
    「推し」に人生を捧げること。 その素晴らしい幸福の背後にある搾取の闇や、理性を失い暴走が加速していく衝撃的なラストに共感&恐怖が止まらない! なにゅなにゅオタクの私、クレーンゲームオタクの森本さん、髪オタク美容師の品田。その愛は一方通行だったはずなのに、気がつけば歪んだトライアングルから抜け出せなくなっていて……。 執着の暴走に恐怖する、衝撃の群像新人文学賞受賞第1作。
  • マーブル
    3.7
    1巻1,408円 (税込)
    一番近い異性(ひと)で、遠い存在(かぞく)。 本当の幸せって何だろう。 『檸檬先生』で小説現代長編新人賞史上最年少デビュー!  十九歳の作家が描く、切なくて、温かい姉弟小説。 東京で大学生活を謳歌していた茂果は、友人の由紀からあるアニメを布教される。 柔らかな表情、手描き感のあるタッチ、自然な体重表現、甘い雰囲気の色使い、繊細な塗り。紹介された絵師のイラストは、弟の穂垂が描いたものだった。 Twitterの裏アカウントでBL作品を創作し、普段から異性との恋愛話をしない穂垂に対して、茂果は同性愛者なのではないかと考え、やがて過干渉してしまう。境界の曖昧さ、線引きの難しさを、姉弟の視点から見つめ直す。 小説現代長編新人賞受賞後第一作。
  • みぎがわ
    -
    1巻1,408円 (税込)
    ギターを手に歌う少女のシンデレラストーリー。 彼女のデビュー・活躍の裏には、1人の男の子の存在があった―― 「私の音楽でだれかを救う『英雄』になりたい」 YOASOBI「夜に駆ける」の原作が生まれた小説・イラスト投稿サイト「monogatary.com」(運営:ソニー・ミュージックエンタテインメント)から、 新たなアーティストが誕生! 「普通がいちばん」をモットーに生きてきた高校3年生の智也。 代わり映えのしない日々を過ごしていたが、ある日の放課後、通学路の土手で、ギターを手に歌うリカに出会った。 リカの歌は、もっと多くの人に聴かれるべきだ。 彼女のために力を尽くす智也だったが――。 青春時代、かけがえのない相手と出会った2人の感動の物語。 「monogatary.com」主催「モノコン2020」優秀作品、待望の書籍化。
  • あさひは失敗しない
    3.3
    1巻1,408円 (税込)
    あさひの母親は、心配事をあらかじめ避けたり、小さくしておいたりしてくれる人だった。 不安な時には「あさひは失敗しないから」というおまじないをかけてくれた。 そのおまじないはいつしか呪縛になって―― 大好きだったお母さんとも、大学での友達ともうまくいかなくなり、追い詰められたあさひがとる衝撃の行動とは? 第61回メフィスト賞受賞作家、待望の第二作目!
  • 氷柱の声
    4.5
    1巻1,408円 (税込)
    第165回芥川賞候補作。 語れないと思っていたこと。 言葉にできなかったこと。 東日本大震災が起きたとき、伊智花は盛岡の高校生だった。 それからの10年の時間をたどり、人びとの経験や思いを語る声を紡いでいく、著者初めての小説。
  • ひべるにあ島紀行
    -
    冬の国(ひべるにあ)=アイルランド。スイフトの『ガリヴァー旅行記』に導かれ冬の国(ヒベルニア)=アイルランドを訪れた「わたし」。謎めいたスイフトの生涯を、一人の女性への「激しい友情」を核に読み解くタテ糸。「わたし」と妖精のような男たちとの「優しい性愛」を物語るヨコ糸。さらに、架空の国・ナパアイをガリヴァーのように旅する「わたし」が目にする、グロテスクな意匠。重層的な表現でタペストリのごとく織られた、富岡文学の達成。孤絶した魂が谺し合う交響詩! 野間文芸賞受賞作品。
  • るるらいらい 日豪往復出稼ぎ日記
    -
    人生は自由がいちばんだ!普通じゃなくたっていい。出稼ぎ母さんが綴る、新しい家族のかたち。オーストラリアと日本を往復する大黒柱マザーが綴る、子育て、夫婦、暮らしモンダイエッセイ。なんでもアリ、と読むと心が軽くなる!知性と美しい文章に彩られた、深い思索への旅であるーー林真理子氏推薦。
  • 風が吹いたり、花が散ったり
    4.2
    1巻1,408円 (税込)
    汗も涙も笑いも本物だ 本年度青春小説の大本命!視覚障害のある、さちの伴走者となり、盲人マラソンに挑むことになった亮磨。クソみたいな夢も、ブラックバイトの日々も、二人で走ればどうでもよくなってくる――。でも、僕は彼女に嘘をついている。本当は隣を走る資格なんてないんだ。『白球アフロ』でファンを増やす小説現代長編新人賞出身の新鋭が放つ、ド直球の勝負球!
  • ママがおばけになっちゃった! さよなら ママがおばけになっちゃった! 合本版
    -
    ママは、くるまにぶつかって、おばけになりました。「あたし、しんじゃったの? もう! しぬときまでおっちょこちょいなんだから!」とつぜん、おばけになってしまったママ。いちばん心配なのは、4歳になる息子のかんたろうのことです。そして、おそうしきの日になり、おばけになったママともお別れの時がきました。つらすぎる別れに向き合う、母子の姿。どんな思いを伝えますか? ベストセラーが一気に読める合本版です。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 女性作家が選ぶ太宰治
    3.5
    「ほとんど奇跡のような成り立ち方をしている」(川上未映子選「古典風」)、「彼自身が、ひとつの作品」(桐野夏生選「思い出」)、「この甘やかさに浸らずにいられない」(松浦理英子選「秋風記」)――七人の女性作家がそれぞれの感性で選ぶ、未だかつてない太宰短篇選集。
  • 男性作家が選ぶ太宰治
    4.0
    「この作品が自分は一番嫌いだ」(奥泉光選「道化の華」)、「不思議な明るさに包まれた怯えの百面相」(堀江敏幸選「富嶽百景」)、「『男性というものの秘密』を知っている作家」(松浦寿輝選「彼は昔の彼ならず」)――七人の男性作家がそれぞれの視点で選ぶ、他に類を見ない太宰短篇選集。
  • お供え
    3.7
    毎朝、何者かに家の前の「カド」にお供えを置かれ、身に覚えのないまま神様に祀り上げられていく平凡な未亡人。山菜摘みで迷い込んだ死者たちの宴から帰れない女。平穏な日常生活が、ある一線を境にこの世ならぬ異界と交錯し、社会の規範も自我の輪郭さえも溶融した、人間存在の奥底に潜む極限の姿が浮かび上がる七作品。川端康成文学賞受賞。
  • ピアノの音
    -
    小高い丘の家に住まう晩年の夫婦の穏やかな生活。娘や息子たちは独立して家を去ったが、夫々家族を伴って“山の上”を訪れ、手紙や折々の到来物が心を通わせる。夜になれば、妻が弾くピアノに合わせ、私はハーモニカ……。自分の掌でなでさすった人生を書き綴る。師伊東静雄の言葉を小説作法の指針に書き続けてきた著者が、自らの家庭を素材に、明澄な文体で奏でる人生の嬉遊曲。
  • 夏と冬の奏鳴曲  新装改訂版
    4.0
    二十年前に死んだ美少女を偲び、孤島「和音(かずね)島」に集う男女を襲う惨劇。 今も彼女の影が支配する島で、雪が降りつもった夏の朝に、首なし死体が発見される。 雪密室を皮切りに島の均衡は崩れ、暴走が始まる。 ラストの大破局(カタストロフ)、メルカトル鮎(あゆ)のとどめの一言。 発表当時から話題騒然の超問題作が新装改訂版で登場!
  • 覇者の誤算 日米コンピュータ戦争の40年
    3.5
    巨人IBMが振り下ろす刃をかいくぐり先進国で唯一、市場の独占を阻んだ日本。技術者、経営者、官僚、さまざまな人間の織りなすドラマ――これは昭和の「坂の上の雲」である。さらに近年のIBMの凋落が意味するものは何か? 国産メーカーはIBMの轍を踏むことはないのか? 人と企業の盛衰を描いた傑作ノンフィクション!
  • アトポス
    3.9
    虚栄の都・ハリウッドに血でただれた顔の「怪物」が出没する。ホラー作家が首を切断され、嬰児が次々と誘拐される事件の真相は何か。女優・松崎レオナの主演映画『サロメ』の撮影が行われる死海の「塩の宮殿」でも惨劇は繰り返された。甦る吸血鬼の恐怖に御手洗潔が立ち向かう。渾身のミステリー巨編が新たな地平を開く。
  • 悲鳴伝
    4.8
    1~8巻1,375~1,430円 (税込)
    少年よ、逃げろ。新たなる英雄譚、開幕! 彼の名は空々空。 どこにでもいない十三歳の少年。 風変わりな少女、剣藤犬个が現れたとき、日常かもしれなかった彼の何かは終わりを告げた。 ひどく壮大で、途轍もなく荒唐無稽で、しかし意外とよく聞く物語は、そんな終わりを合図に幕を開ける。 人類を救うため巨悪に立ち向かう英雄は、果たして死ぬまで戦うことができるのか!?
  • 西洋哲学史
    3.8
    哲学の勉強に、なぜ西洋哲学史全般の知識が必要なのでしょうか。哲学も学問である以上、勉強の仕方というものがあり、少なくとも哲学で使う概念がどのようなものかを、哲学者たちに教わる必要があります。本書は、一冊で完結する西洋哲学通史として、重要な哲学者の、それも必要不可欠と思われる考えに絞り、古代・中世・近世・近代・現代の区分に従って問題の展開が論理的に理解できるよう書かれています。(著書「まえがき」より)
  • 満鉄中央試験所 大陸に夢を賭けた男たち
    -
    新中国建設の推進力となった技術の源を追う自由闊達な精神に憧れて満鉄中央試験所に参集した技術者たちは、戦時中、敗戦の混乱期、戦後をどう生きたのか。彼らのロマンと技術は今日まで生きつづけている!――満州の地に”技術の芽”を植えつけた男たち。終戦時に「知的蓄積」を守り通し、新中国建設に協力した丸沢常哉所長を中心とする技術集団。歴史の中に埋没した彼らの痕跡を追う書下ろしノンフィクション!
  • おにゃんこタクシー
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ねこ好きにはたまらない、可愛すぎるねこ型タクシー、その名も「おにゃんこタクシー」参上! ねこのタクシー運転手・ねこすけさんが運転する「おにゃんこタクシー」。「おにゃんこタクシー」は狭いところ、高いところ、水の中(はちょっと苦手だけれど)、どんなところもおまかせください! 変幻自在、さまざまな技を繰り出しながら、街のカエルさん、とりさんなどなど、さまざまなお客さんを送り届けます。 はてさて今日はねこすけさんの息子・ねこたろうの誕生日。早く帰ってきてね、というねこたろうに、「わかったにゃ!」とはりきってでかけるねこすけお父さん。今日もお客さんはいっぱい。はてさて「おにゃんこタクシー」は無事、お客さんを送り届けてねこたろうのもとに帰れるでしょうか? 編集部の前評判も高かった「おにゃんこタクシー」。新しい愛されねこキャラの登場です! 講談社絵本新人賞受賞作家のはっとりひろきさんの、各ページに散りばめられた遊び心あふれる「しかけ」も必見です! みなさんはいくつ探せるでしょうか? 読み聞かせ3歳から ひとり読み5歳から ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • アナと雪の女王 家族の思い出 クリスマスの おくりもの
    -
    1巻1,375円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『アナと雪の女王』、感動の家族の物語を絵本化! アナとエルサ、大人になって、初めてふたりでむかえるクリスマス。 アレンデールでは、それぞれ「家族の伝統」でお祝いをするようですが、 ふたりは、どのようにお祝いしたらよいのかわかりません。 オラフは、アナとエルサのために、「家族の伝統」をさがす冒険の旅へでかけますが……? 映画『アナと雪の女王』、公開10周年記念! 短編映画『アナと雪の女王 家族の思い出』(2018年日本公開)を絵本化。 いま、あらためて。「家族のきずな」とは? 心にじわりとしみる、とびきりハートフルな家族の物語。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 二つの東京物語:鴎外の伯林、漱石の倫敦、荷風の巴里
    5.0
    漱石、鴎外、荷風が描いた東京の都市計画。ちょうど一世紀前の世紀末、欧州に留学した体験から生じた都市観は、彼らの文学にも大きな影響を及ぼしている。文豪の視点による、今なお新鮮な東京づくり物語。 今から約1世紀前、ベルリン、ロンドン、パリといったヨーロッパの近代都市に留学した彼らは、それらの都市と東京とを比較する鋭い目を持っていた。都市計画で、真の公衆衛生を図ろうとするならば、貧人を先にして富人を後にすべし、と説いた鴎外。近代都市のもつ経済的豊かさ、利便性という光の影にある貧富の差や環境汚染を憂えた漱石。道路事業偏重の明治の都市計画を、「破壊だ」と切り捨てた荷風。彼らの視点は、現在の都市計画にあっても、なお新鮮である。
  • 永遠のふたり 夫・田河水泡と兄・小林秀雄
    -
    「のらくろ」の作者と歩んだ六十年の愛しい日々、中原中也の恋人と出奔までした兄・小林秀雄の型破りな人生、そして伴侶に先立たれた者に平安はいつ訪れる… 生きる意味を優しく問いかける自伝的エッセイ ●田河とはその後も何度か会って、だんだん結婚してもよいと思うようになったので、手紙で兄に相談した。兄からは返事が来た。「高見澤さんが、そんなにお前を愛してくれるということは、本当にいいことだ。なかなか人間が、そういう事実を所有するということは稀だということを忘れてはいけない。一番忘れやすいことなのだ。高見澤という人はいい人だ。世間でいういい人というのは、気の弱い人ということだが、あの人は純粋だという意味でいい人だ……」 (本文より)
  • 文章作法事典
    -
    「情報を鼓動とともに」「見知らぬ読者になりすます」「ばれるように嘘をつく」「望遠レンズで迫力を」「ギュッと締めて、フワッと放す」――。 わかって書いたら全然違う! よい文章を書くための基本作法から、効果を高める表現技術、そして読み手への配慮や書き手の心構えまで。日本語文体・表現の泰斗が、習熟度別3段階、59項目でまとめる、実用に役立つ、「名文」作成のための究極マニュアル。 【目次】 文庫版へのまえがき 一 〈書く〉 文章をはっきりと 1 [わかりやすい表現] 読まれなければ始まらない 2 [あいまいな表現] 誤解の芽を摘む 3 [文と文の接続] 関係は書き手がつくる …… 二 〈練る〉 表現をゆたかに 25 [情報待機] サスペンスをつくりだす 26 [漸層・漸降] 上りと下りは勢いが違う 27 [倒置表現] 計画的に取り乱す …… 三 〈磨く〉 文体をしなやかに 46 [書き出し] もう読まずにはいられない 47 [結び] ギュッと締めて、フワッと放す 48 [視点] カメラワークを意のままに …… あとがき
  • 旅・忘れ残り
    -
    1巻1,375円 (税込)
    「そのころ私は、ただ絵はがきが書きたくて、ときどき旅に出かけていた」――時を経てふいに蘇る旅の中の小さなドラマ。鮮やかな記憶が、あの日に私を連れもどす。旅の途上出合った思わぬ人や風景の記憶が、今あらたな旅情をかき立てる。 ●白砂を敷きつめたすがすがしい道で、老人が朝日に向かって柏手を打っていた。夜が明けたばかりで、上ってきた太陽がハイビスカスの花の露を光らせていた。 八重山諸島の石垣島の近くにある竹富島の早朝だった。まばゆい太陽に向かって私も目礼した。老人に見ならって柏手を打つべきだったかと思うが、老人の真剣な太陽礼拝をさわがせてはいけないという気がしたのだ。 ――「島の道」より
  • 物と心の履歴書
    4.0
    1巻1,375円 (税込)
    〈私〉と〈物〉とをつなぐ味のある生き方。眼鏡、自転車、カメラ、鞄、刃物……。さまざまな〈物〉を通して〈私〉の中への風変わりな旅を描く。〈物〉をキ-ワ-ドに自己の半生を描ききる珠玉のエッセイ集。 ●モノ(物)は店頭に並べられていたり、道端に捨てられていたりするときは、ただのモノにすぎない。だが、それを私がお金を出して購入したり、拾って持ち帰ったりしたとたんに、モノは「私のもの」になり、モノと私とは特別なつながりを持ちはじめる。 そのつながりは、ときに人間関係よりも濃いものになることがある。「私」が死んだあとまでも形見というかたちで続いたりもする。(「あとがき」より)
  • 白バイ隊員 交通取り締まり とほほ日記
    3.1
    元警視庁交通機動隊の白バイ隊員が語る、交通取り締まりのリアルエピソードです。昭和50年代から約33年間を、主に交通機動隊の第一線で過ごしてきた氏。牧歌的な雰囲気のあった昭和時代から、平成の後半に至る現代までの仕事・職場の変化、また取り締まり事情の変遷などをまとめてもらいます。
  • 純愛 エセルと陸奥廣吉
    -
    17年間、互いに待ち続けたエリート外交官と英国女性との大ロマン! 日清日露の戦争、関東大震災、大きくうねる歴史を背景にした大絵巻!! 明治の中ごろに外相になった元勲・陸奥宗光(むつむねみつ)は有名だが、その長男の廣吉(ひろきち)のことはあまり知られていない。宗光の外相就任の少し前に、廣吉は英国に留学した。1887年のことである。その翌年、彼は一人の女性に出会う。エセル・パッシングハムという、一つ年上の女性だった。廣吉は20歳である。交際が始まり、二人は互いに憎からず思うようになる。帯英中のある時期から、廣吉は日記を英語でつけた。毎日欠かさず克明に書き続けた。 ●桜の花の咲く頃、一人の女がイギリスから日本に着いた。ケンブリッジに留学した一人の男との約束を守って。知りあってから二十年近い歳月が流れている。電話も飛行機もない時代、二人を結びつけたのは、愛をまっとうする強い意志の力だった。死にいたるまでその意志は続く。一瞬の間に燃え上がる恋も、偶然の出会いに忘れがたい愛もある。しかし、もっとも難しいのは、意志を持続することだ。「ある恋の物語」はいくらでもあるが、自分の生き方を懸けた愛に出会うことは少ない。「純愛」という言葉には、一筋の思いがあり、意志がある。そこには私たちが忘れてしまった夢がある。 ――「はじめに」より
  • 掟上今日子の備忘録(単行本版)
    4.2
    1~14巻1,375~1,650円 (税込)
    掟上今日子――またの名を、忘却探偵。すべてを一日で忘れてしまう彼女は、事件を(ほぼ)即日解決!あらゆる事件に巻き込まれ、常に犯人として疑われてしまう不遇の青年・隠館厄介(かくしだてやくすけ)は今日も叫ぶ。「探偵を呼ばせてください――!!」スピーディーな展開と、忘却の儚さ。果たして今日子さんは、事件の概要を忘れてしまう前に解決することができるのか? (同一内容の講談社文庫版も配信中)
  • くまのプーさん ささやかだけど 大切にすること
    3.0
    1巻1,375円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 プーさんと仲間たちの心温まる物語が 水彩画風の美しいイラストで綴られた大人のための本が登場。 癒しと気づきがいっぱいの一冊です。 ちょっと一息つきたい。 前へ進む元気が欲しい。 そんな時にぴったりの本です。 何気ない日常の大切さに気づくきっかけをくれます。 クリストファー・ロビンの宝物を探しに 100エーカーの森に出かけたプーさん。 ピグレットやティガー、オウルたちが集い、 にぎやかな旅がはじまりますが、 途中いろいろなことが起こって......? ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 新幹線のたび ~はやぶさ・のぞみ・さくらで日本縦断~
    4.6
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 パノラマの達人・コマヤスカンならではの、見たこともない角度から列島を描いた圧巻の日本地図です。 朝8時、はるかちゃんとお父さんは、雪の青森を出発します。太平洋側にでると雪はすっかり消え、草の緑も徐々に濃くなっていきます。東京駅につき、乗り継いだ東海道新幹線では、富士山を間近に眺めて感激。そして新大阪でいちばん新しい新幹線、「さくら」に乗り換え。日が傾いていく瀬戸内沿いを320キロで走り抜けていきます。九州に入ると菜の花があちこちに咲いています。熊本では、つばめが高く低く飛んでいます。そして夕方7時、「さくら」は桜がほころびはじめた夕暮れの鹿児島に到着します。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • ジョニーとマーガレット スーパー恋ものがたり
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「ああ、ジョニー!」「マーガレット!」。ここは、とあるスーパーマーケット。もう、まよなかだというのに、うりばのかたすみから、なにやら声が聞こえてきました。いったい、だれでしょう……? とうふのジョニーと、クリームチーズのマーガレットは、ちがうたべものどうしですが、あいしあうなかです。それなのに、うりばの広さをめぐって、とうふ一家とチーズファミリーはけんかをするあいだがら。あいするふたりは、ひきさかれてしまうのでしょうか……!? 当代きっての新作落語の名手・三遊亭白鳥師匠と、ドラマ化されたマンガ『家栽の人』のほか、ベスト&ロングセラー『絵本 いのちをいただく』『絵本 はなちゃんのみそ汁』で絵本の世界でも地位を築いたマンガ家・魚戸おさむ氏が初タッグ! 人間のいないスーパーのなかを、食べ物たちがところせましとあばれまわるおはなしが、マンガ家の手によって絵本になりました。おおわらいしたあとは、登場した食べものたちが、なにからつくられているのか、おべんきょうまでできて、食育にも役立つ一冊です! それだけではありません。マロニー株式会社の全面協力で、絵本の中ではけんかをしていた「おとうふ」、「チーズ」、「マロニーちゃん」が、ひとつのお皿でなかよくなれるレシピまで生まれました! 本の最後に載っている2次元バーコードからレシピのページにリンクできますよ。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 亡国のイージス【上下合本版】
    5.0
    在日米軍基地で発生した未曾有の惨事。最新のシステム護衛艦《いそかぜ》は、真相をめぐる国家間の策謀に巻き込まれ暴走を始める。交わるはずのない男たちの人生が交錯し、ついに守るべき国の形を失った《楯(イージス)》が、日本にもたらす恐怖とは。日本推理作家協会賞、大藪春彦賞、日本冒険小説協会賞の三賞を受賞し福井晴敏の名を世に知らしめたベストセラー大作。
  • 閨房の哲学
    4.0
    由緒ある貴族の家に生まれたマルキ・ド・サド(1740-1814年)は、数々のスキャンダルで入獄と脱獄を繰り返し、人生の三分の一以上を監獄の中で過ごした。フランス革命で釈放されたあと、『ジュスティーヌあるいは美徳の不幸』(1791年)を匿名で刊行して以降、精力的に書かれた作品の中で、本書はそのエッセンスを気軽に味わうことのできる絶好の一冊である。第一人者がついに手がけた究極の文庫版新訳、ここに完成。
  • 内田篤人 悲痛と希望の3144日
    4.4
    ドイツ、ブラジル、日本…内田篤人の8年半を綴るノンフィクション。フットボーラ―内田篤人を巡る数々の事件を新証言とともに描く。日本代表・アントラーズ・シャルケのチームメイトやスタッフ、代理人、妻……。新証言から見えてくる、これまでの人物像を覆す内田篤人とは――。内田篤人の31回目の誕生日に届ける、アスリートの真髄を詰め込んだ一冊。
  • 遠景・雀・復活 色川武大短篇集
    4.0
    父の末弟で、受験に何度も失敗し、自らの生を決めかね、悲しい結末を迎える若き叔父・御年。彼の書き残した父宛の手紙で構成した「遠景」をはじめとし、夢の手法をまじえて綴った「復活」ほか、生家をめぐる人々をモチーフとした作品を中心に、ギャンブル仲間であった一人の男の意外な出世と悲惨な転落を追った「虫喰仙次」など、全9篇を収録。戦後最後の無頼派作家の描く、はぐれ者たちの生と死、そして原点としての父と生家。
  • TOKYO COIN LAUNDRY Story Book
    -
    「GENERATIONS」のボーカル、片寄涼太が主演するドラマ・ノベライズ。「三代目Jソウルブラザーズ」の弟分として、人気沸騰中の「GENERATIONS」の7人のなかで、もっとも人気のあるボーカル、片寄涼太が、1月11日からYahoo!で配信される連続ドラマの、それも切ないラブストーリーに主演。役柄での彼の写真を口絵に満載したStory Bookです。
  • 作家は行動する
    -
    「人間の行動はすべて一種のことばである」ーー文体は書きあらわされた行動の過程、人間の行動の軌跡である。ニュー・クリティシズムやサルトルの想像力論の批判的摂取を媒介に、作家の主体的行為としての文体を論じた先駆的業績であり、著者自らの若々しい世代的立場を鮮烈に示した初期批評の代表作。石原慎太郎、大江健三郎らの同世代の文学と併走しつつ、文学の新たな可能性の地平を提示する。
  • STAR WARS ダース・ベイダーは、怖くない
    -
    ある満月(謎の声:月ではない、デス・スターだ)の夜。ダース・ベイダーに襲いかかる怪物の数々。ウルフマン、バンパイア、ゴースト、ウィッチ…。さすがは全銀河が恐れをなす、我ら暗黒卿は、ちっとも怖くないそうです。しかし、屈強の暗黒卿も、最後には追いつめられ、「お願い・・・ないで」と泣きついてきます。そのわけとは……?原題Are you Sacred, Darth Vader?※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • STAR WARS チューバッカとポーグ
    -
    チューバッカは、友人のレイと、謎に包まれる島へとやってきた。そこに住む、伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーを訪ねるために。しかし、島には、ルークのほかにも、かわいらしい生き物が生息していた。ポーグだ。チューバッカとポーグ、二つの異なる種族は、平和に暮らしていけるか?続きはこの笑いあり、涙あり、最後はチューバッカが愛おしくてたまらなくなる絵本をご覧あれ。これぞ、チューイとポーグの友情物語。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • アバローのプリンセス エレナ エレナと アバローの ひみつ
    -
    夢と魔法とすてきな音楽に満ちた明るいアバロー王国。17歳の王女エレナは明るく楽しく過ごしていましたが、ある日のこと、邪悪な魔女シュリキが、王国を乗っ取ってしまいます。エレナはアバローのペンダントの中に封じ込められ、妹のイザベルと祖父母は絵となって身を隠しました。長い年月が流れ、そのペンダントはソフィアが身に付けることに。ソフィアはエレナを解放し、エレナは王国の復活を懸けてシュリキと対決します。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 梁塵秘抄口伝集 全訳注
    5.0
    平安末期に大流行した「今様」を集大成し、歌詞集十巻・口伝集十巻、現存すれば五千余首を数え『万葉集』にも匹敵したとされる大歌謡集「梁塵秘抄」。このうち、後白河院が生涯を通しての今様習練、今様の歴史、傀儡女たちとの交流、編纂の意図等を綴った『梁塵秘抄口伝集』こそが主流であった。全訳、懇切な注釈に加え、今様の基礎知識も詳しく解説。
  • チベット旅行記(上)
    4.3
    仏教の原典を求めて、1900年当時厳重な鎖国をしていたチベットに、困難を乗り越えて、単身入国・帰国を果たした河口慧海師の旅行記です。最高の旅行記かつ、生活・風俗・習慣の的確な記録として、チベット研究の第一級の基本文献です。『西蔵旅行記』(1904、博文館)を底本とし、挿絵も全点収録しています。また、改訂版(1940年)と英訳本(1909年)も参照し、完全な形になっています。(講談社学術文庫)
  • 福翁自伝
    4.2
    豊前中津奥平藩の下級士族の末子が「窮屈な小さい箱」をヒョイト飛び出し、洋学を志して長崎、大阪、江戸へ、欧米へ……。幕末・維新の大変化の時代を「自由自在に運動」し、慶應義塾を創設、「大いに西洋文明の空気を吹き込」んで日本の思想的近代化に貢献した福沢諭吉。その痛快無類の人生を存分に語り尽くした自伝文学の最高傑作。(講談社学術文庫)
  • ハコバン70’s
    4.0
    あの時代があったから、僕は歌い続ける。「ドラマティック・レイン」「クリスマスキャロルの頃には」などのヒット曲で、日本を代表するボーカリストとして、今も活躍する稲垣潤一がはじめて明かす、ノスタルジーあふれる青春の日々。歌謡曲の黄金時代を迎えた1970年代。阿久悠が沢田研二やピンクレディーなど数多くの歌手に曲を提供し隆盛していたとき、潤一は仙台のクラブの箱バンメンバーとして仲間たちと夢を追い続けていた。
  • 有限と微小のパン THE PERFECT OUTSIDER
    4.2
    日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴンの事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は……。S&Mシリーズの金字塔となる傑作長編。
  • 休むヒント。
    3.6
    休みなよ、って言われても。 ・休日、何もしてないのに気づいたら夕方になっている。 ・お休みなのに、つい仕事のメールをチェックしてしまう。 ・折角の休みだからと、逆に予定を詰め込み過ぎてしまう。 ・全然休めた気がしないまま、月曜の朝を迎えてしまう。 ・「休みの日って何してるの?」と聞かれるのが怖い。 ――ひとつでも当てはまってしまったあなた、必読です!! 働き方改革時代、ワークライフ「アン」バランスなあなたに贈る、休み方の処方箋(エッセイ・アンソロジー)! 覗いてみません? あの人たちの、休み方。 (執筆者一覧・50音順) 麻布競馬場、伊沢拓司、石井ゆかり、石田夏穂、岡本 仁、角田光代、角幡唯介、くどうれいん、古賀及子、小西康陽、斉藤壮馬、酒井順子、酒寄希望、向坂くじら、佐藤良成、杉本裕孝、高橋久美子、滝口悠生、武田砂鉄、竹田ダニエル、つづ井、年森 瑛、永井玲衣、蓮實重彦、平松洋子、藤代 泉、古川日出男、星野博美、堀江 栞、益田ミリ、宮内悠介、宮田愛萌、吉田篤弘
  • 開墾地
    3.6
    何かを追いかけているのか、 それとも何かから逃げているのか。 父のルーツの言葉、母語の檻、未知なる日本語 父と息子、故郷へのそれぞれの想いが静かに共振する 留学先の日本から、サウスカロライナに帰郷したラッセル。 葛の繁茂した庭、南部ならではの湿気、耳に届く哀切な音楽―― 青年は、遠くイランからこの地に根を下ろした父の来し方に想いを馳せる。 デビュー作『鴨川ランナー』で、言語と自己のはざまの揺らぎを描き、 京都文学賞を受賞。 越境文学の新たな領域をとらえる著者の、注目の最新刊。
  • オメガ城の惨劇 SAIKAWA Sohei’s Last Case
    4.1
    「F」の衝撃、再び 孤島に聳えるオメガ城への招待に応じた六人の天才と一人の雑誌記者。 そこには、サイカワ・ソウヘイも含まれていた。彼らが城へやってきた 理由は、ただ一つ。招待状に記された「マガタ・シキ」の名前だった。 島へ渡るには、一日一便の連絡船を使用。帰りは、あらかじめ船を呼ぶ 必要がある閉じた空間。執事すら主催者の顔を知らず、招待の意図は 誰にもわからない。謎が多い中の晩餐をしかし七人は大いに楽しんだ。 そして、深夜。高い叫び声のような音が響き、城は惨劇の場と化した。
  • 言葉の展望台
    4.3
    いま、あなたとの会話で起きたことは、いったい何だろう? マンスプレイニング、コミュニケーション的暴力、会話の引き出し、言語的なポリティクス、アイデンティティと一人称、人々をつなげる言葉、誠実な謝罪と不誠実な謝罪……。難しくて切実で面白い「言葉とコミュニケーション」を、「哲学」と「私」のあいだのリアルな言葉で綴るエッセイ。 【目次】 プロローグ コミュニケーション的暴力としての、意味の占有 そういうわけなので、呼ばなくても構いません ちょっとした言葉に透けて見えるもの 張り紙の駆け引き、そしてマンスプレイニング 言葉の空白地帯 すだちかレモンか 哲学と私のあいだで 会話の引き出し 「私」のいない言葉 心にない言葉 大きな傘の下で会いましょう 謝罪の懐疑論 ブラックホールと扉
  • 対談 文学の戦後
    -
    「戦後文学」をどう評価するか? 敗戦後34年を経て、詩誌「荒地」時代からの友人である典型的な戦中派の二人が、社会と文学の動向を縦横に論じ、戦後文学史に新たな視座を提示した、衝撃の対談集――詩誌「荒地」に拠って、戦後現代詩を主導してきた鮎川信夫。詩人として、また文学と思想の新たな理論を展開し、現代をリードしてきた吉本隆明。戦中派の巨人ふたりが、敗戦の衝撃から、身を以て戦後文学史を生きてきた34年を振り返り、社会と文学の動向を鋭く問う。第一次戦後派の限界、江藤淳批判、ソルジェニツィン『収容所群島』の現代史的問題、現代文学の変質など、白熱の議論を交わした対談集。「戦後文学」との別離を告げた記念碑的作品。
  • 寵児
    4.0
    ピアノ教室の講師をする女は、離婚して娘と暮している。娘は受験を口実に伯母の家に下宿して母親から離れようとしている。体調の変化から、ある日女は妊娠を確信する。戸惑う女が男たちとの過去を振返り自立を決意した時、妊娠は想像だと診断され、深い衝撃を受ける。自立する女の孤独な日常と危うい精神の深淵を〈想像妊娠〉を背景に鮮やかに描く傑作長篇小説。女流文学賞受賞作品。
  • 世俗の詩・民衆の歌 池田彌三郎エッセイ選
    -
    懐かしの童謡、唱歌の世界。歌でたどる都市の風俗――折口信夫の高弟にして、日本芸能研究の重鎮である著者の歌と言葉をめぐる軽妙なエッセイの数々。小学生時代と重なる大正期、その時、口ずさんだ童謡や唱歌を記憶のなかから甦らせ、都市の風俗と言語生活の変遷をたどり、宝塚少女歌劇から戦後の歌謡曲まで、そこに息づく庶民の心を読み解く。軍歌の一方的排斥に異を唱え、歌詞のなかの言葉遣いへの辛辣な評言も著者ならでは。 ◎「文学の歴史の叙述にも、文学作品そのもの、あるいは作者の歴史に対して、読者の歴史が書かれなければならないように、歌の場合にも、それを聴き、習い、歌った、つまり与えられた側の歴史が書かれてもいいと、わたしはかねて思っていた。わたし達のまわりにあるものは、それを制作して与えてきた側の記述が多く、それを聴き、習い、歌った側の記述がほとんどないからである。それには、わたしはかなり不満であった。」<「あとがき」より>
  • 花づとめ
    4.0
    現代詩の前衛にして、加藤楸邨を師と仰ぐ俳人。また、芭蕉、蕪村、藤原定家の独創的評釈で知られる古典探究者。昭和46年から48年、芭蕉の連句評釈に心魂を傾ける傍ら、二巡りする四季に寄せて万葉から現代俳句まで、秘愛の歌へのオマージュを「季節のうた」として書き続けた。俗解を斥け、鍛えぬかれた言葉で読み解く103篇の短章は、正に「秋水一閃」の達人の技を思わせる。
  • 戦場へ行こう!!雨宮処凛流・地球の歩き方
    3.3
    1巻1,353円 (税込)
    「世界」と思いきりセックスしたい! 希薄な現実感を超えるために、厳戒態勢のイラクへ、北朝鮮へ。そして宗教へ、自傷へ。ホンモノの戦場から見た、「今、ここ」というぬるい戦場で生きること。ぬるい戦場であがくすべての人々に捧ぐ、「時代の肉感」を伝える渾身のエッセイ集。 <登場人物、団体>朝鮮労働党/イラク・バース党(アラブ・バース社会主義党)/ウダイ・フセイン氏/警視庁公安三課の皆様/よど号グループ/インドネシア反体制派の皆様/パナウェーブ研究所/世界各国のリストカッターの皆様/元赤軍派議長/日本の生きづらい若者たち/その他、雨宮処凛の愉快な仲間たちが多数登場!
  • 阿Q正伝・藤野先生
    3.4
    「人が人を食う」ことを恐怖する主人公の、「子供を救え」の叫びとともに、封建制度・儒教道徳の暗黒を描く「狂人日記」。革命のどさくさの中の阿Qの死と悲喜劇を通して、「革命と民衆」を鋭くつく「阿Q正伝」。ほかに、「孔乙己」「酒楼にて」など。辛亥革命前後の混乱期に、敢然とペンを執って立ち上がり、中国近代文学を切り拓いた魯迅が、時代の苦悩と不屈の精神を伝える13篇の名作。魯迅を読まずして中国を知ることはできない。
  • 才市・簑笠の人
    -
    念仏に生き、83歳で一生を終えた、下駄職人・浅原才市。下駄作りの際に出るかんな屑に書き残した、1万首に及ぶ信仰の歌……。「わしのこころわ わやわやで/くもともとれの/きりともとれの/かぜともとれの」……無名の庶民の営為に心惹かれて、その謎めく生涯を深く追究した、伝記小説「才市」。一所不住・清貧孤独に徹した良寛の境涯に迫る「蓑笠の人」。信仰を主題の力作2篇。
  • 或る年の冬 或る年の夏
    -
    性と思想に切り裂かれる青春を、頑なまでに潔癖に生き、後年の著者の、厳しく深い文学と人生を予感させる青春像。昭和初期に青春を生きた知識人が不可避だった「思想」問題、それを自らに苛酷に課した著者の苦闘、家族への深い愛。時代と自分の良心を誠実・厳格に生きた、著者の青春自伝。
  • 回転どあ・東京と大阪と
    3.0
    「いったい涼しげというのは、すっきりと線が立っている趣をいい、すっきりとは或る鋭さを含んでいるとおもう。……。げというのは力量である。」(『回転どあ』「あじさい」)――父・幸田露伴の思い出を綴った文章で世に出た著者は、東京下町・向島に生まれ育った。気性の激しさ、繊細鋭利な感性、強靱な文体で身辺を語り、日々の発見を精妙に記す。庶民生活を清新に描いた、単行本未収録エッセイ101篇。
  • つげ義春日記
    4.0
    伝説の漫画家が私生活の苦闘を描いた幻の日記、待望の初文庫化。 昭和50年代、結婚し長男も誕生して一家をかまえた漫画家つげ義春は、寡作ながらも「ねじ式」「紅い花」など評価の高い作品群が次々と文庫化され、人気を博す。生活上の安定こそ得たが、新作の執筆は思うように進まず、将来への不安、育児の苦労、妻の闘病と自身の心身の不調など人生の尽きぬ悩みに向き合う日々を、私小説さながら赤裸々に、真率かつユーモア漂う筆致で描いた日記文学の名篇。解説・松田哲夫。
  • 黒い裾
    4.0
    千代は喪服を著(き)るごとに美しさが冴えた。……「葬式の時だけ男と女が出会う、これも日本の女の一時代を語るものと云うのだろうか」――16歳から中年に到る主人公・千代の半生を、喪服に託し哀感を込めて綴る「黒い裾」。向嶋蝸牛庵と周りに住む人々を、明るく生き生きと弾みのある筆致で描き出し、端然とした人間の営みを伝える「糞土の墻」ほか、「勲章」「姦声」「雛」など、人生の機微を清新な文体で描く、幸田文学の味わい深い佳品8篇を収録した第一創作集。
  • 終着駅
    4.0
    敗戦直後の焼け跡・東京で、ウニ三という正体不明の男が、どぶにはまって変死。その位牌は、まるで死のバトンの如く引き受けた男たちに、つぎつぎと無造作な死を招き寄せる。絶対的価値が崩壊した後、庶民はいかに生き、いかに死んでいったのか? 独白体、落語体、書簡体など、章ごとに文体を変え、虚無と希望の交錯する時代を活写。『軍旗はためく下に』の戦争テーマを深化した、純度高い傑作。焼け跡闇市に生き、死んだ、無名の人たちへの哀歌! 吉川英治文学賞受賞作品。
  • プレオー8の夜明け 古山高麗雄作品選
    3.5
    「生きていればこんなめにもあう」。理不尽なことも呑み込まなければ「普通の人間」は生きていかれない。22歳で召集、フィリピン、ビルマ、カンボジアなどを転戦、ラオスの俘虜収容所に転属され敗戦となり戦犯容疑で拘留。著者の冷徹な眼が見た人間のありようは、苛烈な体験を核に、清澄なユーモアと哀感で描かれた。芥川賞受賞の表題作ほか「白い田圃」「蟻の自由」「七ヶ宿村」など代表作9篇。
  • 新編 石川啄木
    5.0
    10代で夭逝した天才歌人・石川啄木と、同郷の先輩で親友、言語学者として大成した著者は、啄木の才能を惜しんで、時に生活を共にし、陰に陽に物心両面で彼を支えた。後年、折にふれて綴った啄木追慕の文章は、人間啄木の素顔を活写し、『定本 石川啄木』として本に纏まった。本書は、『定本 石川啄木』に「啄木の追慕」「啄木の終焉」など5編を増補し、新たに編集したものである。

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