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Posted by ブクログ
この世界の「事実」と「虚構」を彩る解釈の行方は
S &Mシリーズの最終巻、みな最初手にしたとき思ったことはこの本分厚すぎないかと、まるでパンかのようにと。といった題名にちなんだ冗談はさておき、犀川先生と西之園さんのむず痒いやり取りも最終巻となりました。正直いうと分厚さを感じないほどの魅力たっぷりな構成、トリック、引き込む文章力があり、最後を彩る素敵な一冊になっているものだと思う。
これまでにさまざまな殺人や密室、そしてトリックがあった中で今回の仕掛けはこうきたかといったもの。確かにそれに気づけばもうそのトリックしか成立しないのではないかというスッキリ感は文字通り我々読み手を見事に欺いた作者の構成力の素晴らしさを感じた。
このトリックは他の作品にもたまに出てくりものではあるが、このS &Mシリーズにおいては今までに積み重ねてきた9巻分のトリック、そして今作品というさまざまな手法があったからこそ、より今作品のトリックの良さが出た。まさに積み重ねにより読み手自身が自然と物語世界に引き込まれていっているからこその没入感、その没入感をより生かしたトリックであったと思う。
またネタバレになるので名言は避けるがこのS&Mシリーズを通してのキーパーソンとなる彼女の存在。「事実」と「虚構」の違いを明らかにしていく中で、バーチャル世界での体験、実際に自分が感じた世界での体験、そしてそこで得られる感情といったものを理系ミステリとしてカタチにしていき、そこには哲学的な問いかけを読者に委ねる。この展開がとても良いです。
「すべてFになる」で我々読み手を作品という世界の中に引き込んだ、そしてこの「有限と微小のパン」で我々に対して委ねた問いかけにより作品世界からまた我々の実世界へと解放していく。
十巻にも及ぶ作品世界への触れ合いが、一つ読み手にとってはセカイの見え方が、捉え方が、感じ取り方が、そして意味の見出し方が変わるのではないかと思わせてくれる作品だった。
Posted by ブクログ
S&Mシリーズ最終巻。
教会での出来事など、これまでの事件より凄惨というか、なんとなく初期の金田一耕助シリーズのようなおどろおどろしさを感じましたが、まさかの展開でした。
あの人は犀川先生の宿敵なのか、親友なのか、はたまた想い人なのか…。
西之園君のためにもこのあと2人はどうなるのかが気になりました。短編集があるようなのでそちらに後日談などあるとありがたいですが、どうでしょうか。
ただ、短編集より先にどうしても「すべてがFになる」を読みたくなってしまいました。
このまま2周目に突入しそうで不安ですが、これこそが森先生の仕組んだプログラミングなのかもとか思うと、まんまとハマってもいい気がしてしまいます。
とても面白かったです!
Posted by ブクログ
特定の何かを演出するとしたら仮想空間と現実、どちらが容易なのか。この命題を突き詰めていくと、何が現実なのか、境界が曖昧になり理解ができなくなっていく。仮に見て、触れるものが現実なのだとしたら、仮想空間で見て、触れるものは現実と言っていいのだろうか…。
といった一連の流れは、言いたいことは分かるんですが、理解を拒むというか、頭が痛くなりますね(笑)。ただ天才、真賀田四季による「最近、矛盾を受け入れている」「矛盾が綺麗だと感じている」という言葉から続く、「よく、分からない」という結論。これが、読者としての自分の気持ちにハマりすぎて本当に気持ち良かったですね。そう、考えたってよく分からないんですよ。でも「意味のないことを面白い、やる価値がある、と考えるのが人間の高尚さ」と定義したうえで、思考して、思考して、思考した結果、「よく、分からない」という結論に至るという流れをシリーズ最終作で見れたのは非常に感慨深かったです。
それで結局、真賀田四季は死んだのかな?彼女ならデータ上の存在になっていてもおかしくないかも、なんて思ってたらまさかのラストで笑っちゃいました。あまりにあっさりと会うので正直モヤっとしたんですが、「すべてがFになる」をなぞるような別れの展開とタイトル回収の流れが、S&Mシリーズの最終回としてあまりに綺麗だったので、そんな気持ちは吹っ飛びました。最高に面白かったです。大満足。
Posted by ブクログ
S&Mシリーズ
第10弾
有限と微小のパン
850頁。。。読み疲れた。。。楽しみが。。。
終わってほしくない。。。
勿論最終の話としては大変スリリングで
想像の遥か上を斜めに行く展開に、最後の最後までワクワクが止まらないです
真賀田四季の天才はもちろんで
怖いのかサイコパスなのか、可愛いのか、いい人なのか、最後の終わり方が良すぎて(この人だったのかと、最初の方で全然重要じゃない雑談とか遭遇シーンあったよなと)
違うシリーズでの登場楽しみです
本作は
「装飾」がテーマであり
いろんな装飾がありましたが
スケールがデカすぎて絶対気付けないでしょw
犀川先生×四季の会話の言葉のセンスと
哲学の応戦は素晴らしい反面、難しい。。。
萌絵、洋子、愛のこの3人と国枝さん含めて
大変盛り上げていただいて大満足でした
本作特有の短いセンテンスの数々
終盤あたりの犀川先生、四季、萌絵の考え
正直半分以上理解が追いつかなかった。。。
分かりやすい解説みて理解深めたいと思います
一旦Vシリーズいきますが
Vがいいのか、Gがいいのか、Xがいいのか
四季がいいのかわからないので浮気しながら
読んでいこうかな
Posted by ブクログ
犀川&萌絵シリーズの完結編(?)なんだろうなあ。英語の副題からもわかるようにシリーズ第一作『すべてがFになる THE PERFECT INSIDER』の続編である。長崎のヨーロッパ風テーマパークを友人たちと訪れた萌絵の前で起こる不可思議な殺人事件。すべては『F』の事件後に姿を消した天才エンジニア真賀田四季博士の手によるものなのか?
例によって大掛かりなトリックを堪能できるところはシリーズ末尾を飾るに秀逸この上なし。以前から気にしている人間関係のほうはどうかというと、どうなんでしょう?結論づいたようにもそうでないようにも読むことができますね。完結などと言わずにどこかでシリーズ復活してほしいものですが……。
ところで、今回はなぞなぞが多出していますが、みなさんすんなり解けましたでしょうか?ぼくは素直にだまされて喜ぶタイプの読み方なのであんまり気にしないのですが。「A・E・H・R・Tでできる文字列」なんてのは面白いですね。どこかに原典があるのでしょうか?それともすべて作者の頭の中からなんでしょうか?
それと最後にもうひとつ、確認したわけじゃないんですが、今回の各章冒頭にひいてあるのは、シリーズ各同じ数字の巻で登場人物たちが述べた言葉なんでしょうかね?それぞれ誰の台詞か探してみても面白いかと思いつつ、きっとやらないでしょう。
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