寵児

寵児

1,353円 (税込)

6pt

4.0

ピアノ教室の講師をする女は、離婚して娘と暮している。娘は受験を口実に伯母の家に下宿して母親から離れようとしている。体調の変化から、ある日女は妊娠を確信する。戸惑う女が男たちとの過去を振返り自立を決意した時、妊娠は想像だと診断され、深い衝撃を受ける。自立する女の孤独な日常と危うい精神の深淵を〈想像妊娠〉を背景に鮮やかに描く傑作長篇小説。女流文学賞受賞作品。

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寵児 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年07月04日

    なんで高子は想像妊娠をしたのか?というなぜを紐解く話。
    妊娠を女性の本能の帰結、と位置付けることから実は自分を縛り付けていて、それに気がつき自力で歩いていくために殻を破れた高子の姿が静かにカタルシスだった。後半一気に話が動くのに無理なく読める。
    津島祐子さん、お父さんよりもずっと文才があるのでは‥。

    0

    Posted by ブクログ 2023年01月12日


    想像妊娠の主題が生々しく、男性として興味深い。
    主人公のプライドや自己中心性、他者との物差しなど、こういった女性の解像度が非常に高く、少し怖気が走る場面もあり。
    ただこの描写に作者のパーツが幾つか投影されているのは間違いなく、愛着すら感じる。
    表題の見事さ含め面白く読めた。

    0

    Posted by ブクログ 2011年11月22日

    太宰の文才は太田治子ではなく津島佑子に継がれたのね、が第一印象。

    高子の奔放で独立心の強い生き方は、津島佑子の父親の愛人達の姿ではないのか。それを描いた津島佑子の心境はどんなものだったのか、父が自殺した後のこの作者とその母の生き方はどんなものだったのかとても興味を覚える。

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2016年01月17日

    想像妊娠、なんていうからもっと奇っ怪な妖しい話かと思いきや、ずっと現実的だったのがよかった。美しい夢の書き出しに騙された。笑
    高子は、ありのまま、を愛している。ありのまま。石原千秋のいうところの本能と成長への反抗。その根底には死んだダウン症の兄の生き方がある。飾らないこと。偽らないこと。剥き出しにす...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2018年05月27日

    後半に読み進めていくて面白くなります。想像妊娠をしてしまった高子。離婚した元旦那の中立的な立場の人に相談して、次第に関係をもつようになる。まさかのプロポーズされるが1人で生きていくことになる。

    0

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