作品一覧

  • 永遠のふたり 夫・田河水泡と兄・小林秀雄
    -
    1巻1,375円 (税込)
    「のらくろ」の作者と歩んだ六十年の愛しい日々、中原中也の恋人と出奔までした兄・小林秀雄の型破りな人生、そして伴侶に先立たれた者に平安はいつ訪れる… 生きる意味を優しく問いかける自伝的エッセイ ●田河とはその後も何度か会って、だんだん結婚してもよいと思うようになったので、手紙で兄に相談した。兄からは返事が来た。「高見澤さんが、そんなにお前を愛してくれるということは、本当にいいことだ。なかなか人間が、そういう事実を所有するということは稀だということを忘れてはいけない。一番忘れやすいことなのだ。高見澤という人はいい人だ。世間でいういい人というのは、気の弱い人ということだが、あの人は純粋だという意味でいい人だ……」 (本文より)
  • のらくろ一代記 田河水泡自叙伝
    4.5
    1巻1,540円 (税込)
    漫画ブーム元祖のユーモア人生――一世を風靡した「のらくろ」誕生の秘話、「蛸の八ちゃん」など続々と新キャラクターを生み出し、サザエさんの長谷川町子女史が弟子志願、明治・大正・昭和を生きた漫画界の「大御所」の自叙伝。 ●本名・高見澤はローマ字で「TAKAMIZAWA」だが、「タカミズ・アワ」と分けて、そのあて字を「田河水泡」にして、「タカミズ・アワ」と読ませてペンネームにするつもりであった。しかし誰もそうは読んでくれずに、みな「タガワスイホウ」と読んでしまうのであきらめて、自分もそういう読み方にしてしまったのである。――(本書より)

ユーザーレビュー

  • のらくろ一代記 田河水泡自叙伝

    Posted by ブクログ

    田河水泡(1899-1989)、本名は高見澤仲太郎。姓のTakamiz-awaに漢字をあてて「田河水 泡」というペンネームにしたが、だれもそう読んではくれなかったらしい。奥さんの高見澤潤子(1904-2004)は、評論家小林秀雄の妹。脚本やエッセイを書き、アガサ・クリスティやフレドリック・ブラウンの翻訳もある。
    水泡は晩年にこの自叙伝にとりかかり、24歳のところまで書いて絶筆。あとは奥さんが引き継いだ。分量で言うと半々。奥さんの書いた後半のほうが、文章にユーモアがあるのが可笑しい。というのは、田河水泡はユーモアの漫画家、落語の台本も書いた人だったから。
    1歳の時の母の死と18歳の時の父の死によ

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    2025年05月09日
  • のらくろ一代記 田河水泡自叙伝

    Posted by ブクログ

     BSで『マー姉ちゃん』が再放送されているので、長谷川町子について書かれた部分だけ読むつもりが、全て読み返してしまう。
     田河水泡による自叙伝は関東大震災のところまで。「夜遅く君のような長髪で歩いていては、自警団に怪しまれて危険だから、今夜は警察で保護する」とあり、千田是也が暴徒に殺されかけたという故事を思わせる。
     戦前の大ヒット漫画『のらくろ』のバックステージが、作者その人から語られないのは惜しい。しかし、文章は奥様(高見澤潤子)の方が読みやすい。
    「のらくろの黒つぶしのところを塗ったり(中略)電話の取りつぎといった仕事は私がやった」。ベタという用語は手塚治虫の編集者が思いついたらしい。そ

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    2021年12月17日

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