歴史・時代小説作品一覧
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4.0「秀忠さまは、当年おいくつですか」お江は淀殿の顔色をうかがうように訊いた。我ながら(もう負けている)と感じ、みじめな気分になっていた。「十七歳におなりです」(六歳も年下のお相手。ましてこちらは三度目の結婚ときている。なんとまあ……)お江は打ちひしがれて、黙り込んだ──。信長の妹・お市の方の三女・お江は、幼くして父母を殺されるという悲運を味わう。そして23歳のとき、三度目の結婚で家康の三男・秀忠に嫁ぐ。このとき、秀忠が将来二代将軍になるとは、だれもが夢想だにしていなかった。関ヶ原の戦いでの大失態、大御所家康の院政、春日局との確執……数々の苦難を乗り越え、江戸幕府の土台を築いた夫婦の波瀾の生涯を描く力作長篇小説!
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4.0上杉謙信を祖と仰ぐ米沢藩上杉家は、度重なる減封によって瀕死の逆境にさらされながら、家臣を一切リストラせず、幕末まで続いた稀有な名家である。それを可能にしたリーダーたちの改革精神とは? 本書は、120万石から30万石になった折の名家老・直江兼続、15万石になった藩を救った上杉鷹山、幕末に改易の危機を脱した上杉茂憲の3人を貫く「精神の系譜」を描いた異色の歴史小説である。明治14年(1881)5月、廃藩置県まもない沖縄県に、最後の米沢藩主・上杉茂憲が県令として赴任した。雪深い陸奥から日本の最南端へ――。県政運営にあたる茂憲が支えとしたのは、米沢藩の礎を築いた直江兼続、中興の祖・上杉鷹山を経て継承された「義と愛」の精神だった。著者の超ロングセラー『上杉鷹山の経営学』の姉妹編として、また09年NHK大河ドラマ「天地人」から10年「龍馬伝」へと続く歴史の流れを読む上で、ユニークな作品に仕上がった。
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4.0大坂冬・夏の陣も過去となった江戸時代。徳川幕府体制の下、人々は泰平の世を謳歌していた。しかし、敢えて平穏な生活に背を向ける数多の人間たちがいた! 「人間の剣」完結編
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4.0著者は終生、捕物帳には筆を染めなかった。しかし、捕物帳的な傾向の作品といえば、本書が筆頭であろう。十手捕縄をとって30年、捕物の神様とうたわれた名与力・塙江漢が、突如、暴風のように襲った悪魔により晩年の幸福を引きちぎられ、伜郁次郎を獄門に送らねばならぬ悶々の胸中。――これは捕物帳とは一線を劃す捕物帳である。
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4.0将門は著者の最も食指を動かした人物の一人である。反逆者としての歴史の刻印を除きたい気持ちもあったが、純粋で虚飾のない原始人の血を将門にみたからだ。都にあっては貴族に愚弄され、故郷では大叔父国香に父の遺領を掠められ、将門はやり場のない怒りを周囲に爆発させる。それは天慶の乱に発展し、都人を震撼させる。富士はまだ火を噴き、武蔵野は原野そのままの時代だった。
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4.0義経が牛若といって鞍馬にあった頃、同じ源氏の血をうけて十八公麿(まつまろ)(親鸞)は生れた。平家全盛の世、落ちぶれ藤家(とうけ)の倅として育った彼は、平家一門のだだっ子寿童丸の思うままの乱暴をうけた。彼は親鸞に生涯つきまとう悪鬼である。9歳で得度を許された親鸞の最初の法名は範宴。師の慈円僧正が新座主となる叡山へのぼった範宴を待っていたのは、俗界以上の汚濁であった。
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4.0大正末から昭和初めの「少年倶楽部」の目ざましい躍進期に、その中心読み物となったのが、佐藤紅緑の諸作と「神州天馬侠」である。織田・徳川の連合軍に滅ぼされた武田勝頼の遺子・伊那丸が、忠義の士に護られて、健気にもお家の再興をはかる。しかし、戦国群雄の圧力の前には――。当時、子供も大人もこの小説に熱狂した。今も、その底力を保ちつづける大衆児童文学の記念碑。
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4.0『新書太閤記』の一大分脈を成すのが、本書である。秀吉といえども、独力では天下を取れなかった。前半は竹中半兵衛の智力をたより、後半は黒田如水を懐刀とした。如水は時勢を見ぬく確かな眼を持ち、毛利の勢力下にありながら、織田の天下を主張。また、荒木村重の奸計に陥り、伊丹城地下牢での幽囚生活を余儀なくされながら、見事に耐えぬく。――若き日の如水を格調高く描く。
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4.0大正14年に創刊された国民雑誌「キング」に発表されたこの作品で、従来の幾つかの筆名に別れを告げ、新たに吉川英治が誕生した。――美男で剣を見るのさえ身体がふるえる春日新九郎が、兄の仇、富田三家随一の名人、鐘巻自斎を相手に戦うまでの数々の辛苦と、剣難女難。――この一作が呼んだ反響、つづいて生まれた幾多の名作。本書は、吉川文学の輝かしい原点といえよう。
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4.0野に伏す獣の野性をもって孤剣をみがいた武蔵が、剣の精進、魂の求道を通して、鏡のように澄明な境地へ達する道程を描く、畢生の代表作。若い功名心に燃えて関ケ原の合戦にのぞんだ武蔵と又八は、敗軍の兵として落ちのびる途中、お甲・朱実母子の世話になる。それから一年、又八の母お杉と許婚のお通が、二人の安否を気づかっている作州宮本村へ、武蔵は一人で帰ってきた。
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3.9時代小説界最後にして最強の新人! 主人公・秋月六平太は、かつて信州・十河藩の供番(籠を守るボディーガード)を務めていたが、家中の権力闘争に巻き込まれゆえあって浪人となった。いまは裕福な商家の子女の芝居見物や行楽の付添い屋(これもボディガード)で身を立てている。 血のつながらない妹の佐和は、六平太の再士官を夢見て、浅草元鳥越の自宅を守りながら、裁縫で家計を支えているが、本人にその気はない。相惚れの髪結い・おりき、音羽界隈を取り仕切る毘沙門一家の菊次とともに、浮き草な日々を過ごしながら、付添稼業を続ける日々だ。 その六平太のまわりには、幸せになりきれないが、一生懸命生きている人たちの悩み事が今日も迷い込むのだった。妹・佐和の祝言までを描くシリーズ第一弾。「雨祝い」、「初浴衣」、表題作「留め女」、「祝言」の四話を収録。人情話ここにあり!
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3.9事件の予兆と、恋の予感。これが宮部みゆきの世界---。死んだはずの人間が生き返る「死人憑き」が本所深川で起きた。甦った人物が以前より若返っていると感じた「姉妹屋」のお初は、老奉行の御前さまから紹介された与力見習の右京之介と探索を始めた。だがその時、油樽から女の子の遺体が発見される。人は過去にも家族にも縛られる。霊験お初シリーズ第一弾。 事件の予兆と、恋の予感。 人は狡いし、汚い。だけど優しくて、美しい。 これが宮部みゆきの世界。 「霊験お初」シリーズ第一弾! 死んだはずの人間が生き返る「死人憑き」が本所深川で起きた。甦った人物が以前より若返っていると感じた「姉妹屋」のお初は、老奉行の御前さまから紹介された与力見習の右京之介と探索を始めた。だがその時、油樽から女の子の遺体が発見される。人は過去にも家族にも縛られる。霊験お初シリーズ第一弾。
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3.9一章完結形式の新感覚の歴史大作! 日本古典文学史上の名作を、作家林真理子氏が換骨奪胎。「鹿谷の謀議」「一の谷の合戦」「壇ノ浦の戦い」「大原御幸」など、誰もが興味を惹かれる著名な場面、現代人の心に響く部分だけを抽出して鮮やかに再構築しました。スピード感あふれる展開! 美しい情景描写! さらに、平安時代末期の平家源氏皇室を取り巻く、ドロドロとした抗争に翻弄される人々の内面を、丹念に、リアルに描き出した部分は圧巻! 治部卿局、平清盛、平維盛、平敦盛、建礼門院徳子、二位尼時子、後白河法皇、源義経、阿波内侍と、人物ごとに全九章で構成される本作は、一章完結形式なので、前から順番に読んでも、どこから読み始めても楽しめる仕掛け。これまで「平家物語」には興味はあるけれど、前から長々続く展開に“途中で挫折した”という読者も、本作ではグイグイと引き込まれていくことでしょう。歴史ファン、古典文学ファンのみならず、現代小説のような感覚で楽しめる“令和の平家物語”になっています。 “滅びゆくもの皆美しく…。「平家物語」には日本美のすべてが凝縮している” と語る、林真理子氏、渾身の歴史大作、ここに誕生です!
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3.9ずいぶん『三国志』について書いてきた。だが、そこに登場するひとりを選んで、大きな構想に移植するのは、これが最初であり、最後となろう。そのひとりとは、諸葛亮以外に考えられなかった――(日本経済新聞連載開始にあたっての「作者の言葉」より) 大河小説『三国志』全12巻完結からはや10年。この「作者の言葉」に、宮城谷作品ファンのみならず、日本中の歴史小説愛好家が期待をふくらませているに違いない。 「三国志」にはあまたの個性的な名将、名臣が登場するが、日本で最も名を知られるのが諸葛亮(孔明)であろう。冒頭の「作者の言葉」はこう続いている。 ――かれの人気は、おそらく劉備や関羽などをしのいでおり、たぶんどれほど時代がかわっても、最高でありつづけるにちがいない。通俗小説である『三国志演義』が、諸葛亮を万能人間、いわば超人にまつりあげてしまったせいでもあるが、そういう虚の部分ををいでも、多くの人々の憧憬になりうる人物である―― 「三顧の礼」「水魚の交わり」「出師表」「泣いて馬謖を斬る」「死せる諸葛、生ける仲達を走らす」といった名言・名句はそのままに、諸葛亮の実像に迫ろうとするこの作品の冒頭はこのように始まる。 ――春を迎えて八歳になった。かれは景観から音楽を感じるという感性を備えている―― 乱世に生きながら清新さ、誠実さを失わない、今まで見たことのない諸葛亮がここにいる。
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3.9ユーラシア大陸に拡がる人類史上最大の帝国、その礎を築いたチンギス・カン。波乱に満ちたその生涯と、彼と出会った様々な英雄たちの生きざまを描く、新たな歴史大長編、ついに開幕! 12世紀、テムジン(のちのチンギス・カン)は、草原に暮らすモンゴル族のキャト氏に生まれた。10歳のとき、モンゴル族を束ねるはずだった父イェスゲイが、タタル族に殺害されてしまう。テムジンのキャト氏は衰退し、同じモンゴル族のタイチウト氏のタルグダイとトドエン・ギルテが台頭、テムジンたちに敵対し始める。危機的な状況のもとで、テムジンは、ある事情から異母弟ベクテルを討ったのち、独りいったん南へと向かった……。草原の遊牧民として生まれ、のちに世界を震撼させることになる男は、はじめに何を見たのか? 人類史を一変させた男の激動の生涯、そこに関わった人間たちの物語を描く新シリーズ、待望の第一巻。
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3.9『高瀬庄左衛門御留書』『黛家の兄弟』に続く、「神山藩シリーズ」最新作。 名判官だった祖父・失踪した父・重責に戸惑う息子――町奉行を家職とする三代それぞれの葛藤を描く。 18歳の草壁総次郎は、何の前触れもなく致仕して失踪した父・藤右衛門に代わり、町奉行となる。名判官と謳われた祖父・左太夫は、毎日暇を持て余す隠居後の屈託を抱えつつ、若さにあふれた総次郎を眩しく思って過ごしている。ある日、遊里・柳町で殺人が起こる。総次郎は遺体のそばに、父のものと似た根付が落ちているのを見つけ、また、遺体の傷跡の太刀筋が草壁家が代々通う道場の流派のものではないかと疑いを持つ。 さまざまな曲折を経て、総次郎と左太夫はともにこの殺人を負うことになるが、果たして事件の真相と藤右衛門失踪の理由とは。 ~「神山藩シリーズ」とは~ 架空の藩「神山藩」を舞台とした砂原浩太朗の時代小説シリーズ。それぞれ主人公も年代も違うので続き物ではないが、統一された世界観で物語が紡がれる。
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3.9日本に始めて博物館を創り、 知の文明開化を成し遂げた挑戦者! 幕末の巴里(パリ)万博で欧米文化の底力を痛感し、 武力に頼らないに日本の未来を開拓する男がいた! 日(ひ)の本(もと)にも博物館や動物園のような知の蓄積を揃えたい! 黒船の圧力おびただしい幕末。信州飯田で生まれ育った田中芳男は、巴里(パリ)で 行なわれる万国博覧会に幕府の一員として参加する機会を得た。その衝撃は 大きく、諸外国に比して近代文化での著しい遅れを痛感する。 軍事や産業を中心に明治維新が進む中、日の本が真の文明国になるためには、 フランス随一の植物園ジャルダン・デ・プラントのような知の蓄積を創りたい。 「己れに与えられた場で、為すべきことをまっとうする」ことを信条とする芳男は、 同じ志を持つ町田久成や大久保利通らと挑戦し続け、現代の東京国立博物館や 国立科学博物館、恩賜上野動物園等の礎を築いていく……。
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3.9「織田の味方を一人も損ぜずに武田に勝て」強敵武田勝頼軍が迫るなか、信長から次々と無茶振りされる難題にふりまわされっぱなしの家康・秀吉・光秀の三人。ムダに熱く調子だけはいい秀吉、自分に責任が問われない場面ではかなり適当な光秀。「またこいつらと組むのか……」――家康の絶望は深い。 秀吉・光秀とは立場が異なる家康がもし判断を誤れば、三河・遠江七十二万石、総数二万をこえる将兵が一瞬で路頭に迷うことになる。勝頼軍一万五千が待ち構えるなか、戦国武将の意地をかけ家康が下す決死の決断――。 ※こちらの作品は過去に他出版社より配信していた内容と同様となります。重複購入にはお気を付けください
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3.9ここは、動物の病を癒し、飼い主の心も救う場所。 動物たちとの触れ合いを通じ、私たちを究極の感動へと誘う激アツの一巻! ――縄田一男(文芸評論家) 江戸の世に、夫婦で営む動物専門の養生所があるという――。 日本歴史時代作家協会新人賞、細谷正充賞受賞の気鋭がおくる、心温まる時代小説の傑作。 谷中感応寺の境内に居を構える「毛玉堂」は、けもの専門の養生所。腕は確かだが不愛想な医者の凌雲と、しっかりもので動物好きなお美津を頼りに、今日も問題を抱えた動物たちがやってくる。治療を通して浮かびあがる、人と動物の温かな絆は、悩める飼い主たちの心も癒していき――。
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3.9〈ドラマ化『鴨川食堂』の人気作家の幕末京都時代小説〉 ほな、おこしやす。 時代移ろう京の都――若女将・サヨの純な佇まいに惹かれ、幕末の志士が集う隠れ家料亭がある。 作家・「下鴨茶寮」主人 小山薫堂氏推薦! 粋を尽くした絶品料理と京の町に息づく人情。ああ、私もこんな茶屋に通いたい。―岡崎琢磨氏 作家・シリーズ「珈琲店タレーランの事件簿」 料理を作る目的はひとえに相手の心を豊かにするため。料理屋そして京都文化を知り尽くした著者だから描けるハンナリ、ほっこりの京情緒溢れる文章の中で、そんな一番大事なことを教えられました。―森川裕之氏 板前割烹「浜作」三代主人 風情漂う京都の町と京ことばとお料理、そして十二支巡り。これぞ京都人の小説です。―中澤めぐみ氏「大垣書店京都本店」店長 あらすじ) 駆け出しの落語家・桂飯朝の小噺のネタ元は、京都のとある古本屋でみつけた幕末のころの日記。『小鍋茶屋の大福帳』と題された帳面には、若女将・月岡サヨの小料理屋での出来事が絵入りでわかりやすく描かれている。おもてなしの成就を願い妙見菩薩へのお参りを欠かさない信心深いサヨの、今宵のお客は幕末明治に名を馳せたあのお方。サヨは幸運で手に入れたレシピ本〈豆腐百珍〉からとっておきの豆腐料理を披露し、お客と料理人が直に対面するカウンター式のお店にも驚かれる。しかしお客の最後の一言は、サヨにとっては意外に手厳しいものだった。麟太郎、小五郎、楳太郎、リョウさん……「お忍び」で茶屋に通う、あの志士や女たちの意外な横顔。落語の小噺をまくらに、幕末の京都でひっそり繁盛した小料理屋をめぐるペーソスあふれる感動の時代小説。(シリーズ第1作『京都四条 月岡サヨの小鍋茶屋』は講談社文庫から発売中)
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3.9男は、生きるのがどこまでも下手だ。 二人の藩主を擁する橋倉藩。 割れて当たり前の藩を割れさせぬ――重すぎる命を課された近習目付たちの命運は。 名もなき武家と人々の生を鮮やかな筆致で映し出す。 橋倉藩の近習目付を勤める長沢圭史と団藤匠はともに齡六十七歳。本来一人の役職に二人いるのは、本家と分家から交代で藩主を出す――藩主が二人いる橋倉藩特有の事情によるものだった。 だが、次期藩主の急逝を機に、百十八年に亘りつづいた藩主交代が終わりを迎えることに。これを機に、長らく二つの派閥に割れていた藩がひとつになり、橋倉藩にもようやく平和が訪れようとしていた。 加齢による身体の衰えを感じていた圭史は「今なら、近習目付は一人でもなんとかなる」と、致仕願を出す。その矢先、藩の重鎮が暗殺される。いったいなぜ――隠居した身でありながらも、圭史は独自に探索をはじめるが……。
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3.91巻737円 (税込)蛭が島:若き源頼朝が流された伊豆の地。当時の支配者は北条氏。 真珠院:頼朝との悲恋の末に八重が命を落とした地。 伊豆山神社:頼朝と北条政子が結ばれた地。 石橋山:頼朝が源氏復興ののろしを上げるも、大庭景親、伊東祐親らの平家軍に大敗した地。 黄瀬川:奥州から駆けつけた義経が頼朝と再会した地。 願成就院:北条時政が頼朝の奥州平泉討伐戦勝祈願のため建立した。 銭洗弁財天:頼朝への宇賀福神の夢のお告げを元に、宇賀福神を祀り神仏の供養を行なったのが創建の由来。 三島大社:頼朝が源氏復興を祈願して旗揚げをした神社。 梶原山公園:頼朝の信任厚かったが、その死後に滅ぼされた梶原景時終焉の地。 鶴岡八幡宮:鎌倉幕府とともにあった彼の地のランドマーク。 伊豆修善寺:頼朝の嫡男・頼家が暗殺された地。 など、鎌倉殿(鎌倉幕府)をめぐる13の地を舞台に、歴史時代小説の手練れ13人が切れ味鋭い筆をふるう。 13の掌編を自宅でじっくり味わうも良し、地図と写真を手がかりに今に残る歴史の現場を訪ねるも良し。
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3.9熊本城に生涯を賭した築城家の一代記、感涙必至の戦国ロマン! 藤九郎、わしと一緒に日本一の城を築いてみないか――。 織田信長の家臣・木村忠範は本能寺の変後の戦いで、自らが造った安土城を枕に壮絶な討ち死にを遂げた。遺された嫡男の藤九郎は家族を養うため、肥後半国の領主となった加藤清正のもとに仕官を願い出る。父が残した城取りの秘伝書と己の才知を駆使し、清正の無理な命令に応え続ける藤九郎――。戦乱の世に翻弄されながらも、次から次に持ちあがる難題に立ち向かう藤九郎は、日本一の城を築くことができるのか。 【電子書籍特典】 過去500以上の城跡を訪れた歴史作家・伊東潤による ラジオ番組の人気コーナー「城歩きのすすめ」の原稿を電子書籍化した 『歴史作家の城めぐり 2』(熊本城 / 名古屋城 / 江戸城)を同時収録。 (マイクロコンテンツとしても別途好評発売中です)
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3.9「餡子だけじゃつまらねぇ。菓子を作れよ、孝次郎―」 深川で菓子屋「二幸堂」を始めた兄・光太郎と弟・孝次郎。 ほんのり甘酒香る薄皮饅頭「斑雪(はだれゆき)」、桜の花弁を模した上生菓子「恋桜(こいざくら)」、黄身餡が贅沢な「天道(てんとう)」と十四夜の月の如く控えめな甘さの「幾望(きぼう)」、柳の青葉が風情涼やかな錦玉羹「春の川」、薄紅色の白餡大福「紅福(べにふく)」。 ―不器用な職人・孝次郎の作るとびきりの菓子が、人と人を繋げ、出会いをもたらし、ささやかな幸福を照らし出す―。 江戸の菓子屋を舞台に描かれる、極上の甘味と人情と、つたない恋。兄弟の絆と店を支える人々の温かさに心震える珠玉の時代小説!
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3.9利休と秀吉、真の勝者はどちらだったのか 「茶の湯」という安土桃山時代を代表する一大文化を完成させ、天下人・豊臣秀吉の側近くに仕えた千利休。 茶の湯が、能、連歌、書画、奏楽といった競合する文化を圧倒し、戦国動乱期の武将たちを魅了した理由はどこにあったのか。 利休は何を目指し、何を企んでいたのか。秀吉とはいかなる関係で、いかなる確執が生まれていったのか。 戦場は二畳の茶室、そこで繰り広げられる天下をも左右する緊迫の心理戦 信長、秀吉、家康……死と隣り合わせで生きる者たちとの熱き人間ドラマ 利休の正体は、真の芸術家か、戦国期最大のフィクサーか <電子書籍特典> 茶人 木村宗慎さん・伊東潤対談
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