安徳天皇漂海記

安徳天皇漂海記

小説・文芸
754円 (税込)

3pt

壇ノ浦の合戦で入水した安徳天皇。伝説の幼帝が、鎌倉の若き詩人王・源実朝の前に、神器とともにその姿を現した。空前の繁栄を誇る大元帝国の都で、巡遣使マルコ・ポーロは、ジパングの驚くべき物語をクビライに語り始める。時を超え、海を越えて紡がれる幻想の一大叙事詩。第19回山本周五郎賞受賞作

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安徳天皇漂海記 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    鎌倉時代が好きなので、面白かった。この作者の他の本はちょっと苦手なのもあったけど、この作品は文句なく感動した。

    1
    2011年01月29日

    Posted by ブクログ

    「浪の下にも都のさぶらふぞ。」壇ノ浦の戦いで入水した幼帝。僅か8歳の子供を政争の犠牲にしなくとも…、と此処までは誰しも思う事だが、ここまで圧倒的な世界を創り上げるとは!
    神話と史実と虚構が混然一体となった壮大な叙事詩は、無味乾燥な教科書的史実を明らかに凌駕している。
    特に第二部の息が詰まる様な叙情的な幻想世界は凄い。酸欠になるかと思った(笑)
    そして、日本・中国・欧州、異なる世界・時代の事象と伝説が、蜜色の光を浴びてシンクロしていく様が幻惑的で美しい。
    作中で或る有名人が語る台詞を引用し締め括りたい。「かかる妖しき話は、無用なる故にそそられる-。」

    1
    2010年07月04日

    Posted by ブクログ

    それは、ジパングの若き王の物語。稀代の覇王の息子でありながら、もはや騎士ではなくなってしまった、生まれながらの詩人である若き王の物語.
    宰相たる叔父と冷徹なる母が、粗暴すぎる武人であった兄を王位から追放し惨殺させrたことが、すべての始まりだったという。
    父王の兵が滅ぼしたはずの皇帝、天国でもない地獄でもない煉獄につなぎとめられているかのようなこの少年を守り続ける魔術師の一団、うごめくもう一人の皇帝と貴族たち、古代の神々の宝物、予言する星々、光を失った太陽に月、嫉妬と憎悪に狂う甥、反乱と鎮圧、亡命と挫折、波を渡る夢と雪に散る血、暗殺、それも血縁の手による…
    (本文より)

    0
    2011年09月29日

    Posted by ブクログ

    これまで読んできたこの人が書いた作品の中で一番短くて漢字が少ないっす(笑)
    『高丘親王航海記』が大好きなワタクシにはなんともツボな作品でした
    それにしても実朝の和歌って綺麗ですね。
    技巧に走りすぎず、かといって感情にも走りすぎず、素直な気持ちを歌い上げてる所清清しい。
    青年詩人の言葉がこれほどに合う方も少なかろう。
    この情景にはこの歌!という作者の選択眼に脱帽。
    最期に辿り着くまでの紆余曲折には美しいけれど悲しい情景が続くのですが、終着の情景がまた綺麗なんだな。
    よかった。。。
    誤った感想かもしれないけれど安堵することができました。

    0
    2009年10月07日

    Posted by ブクログ

    第1部は、入水した少年天皇・安徳天皇と源実朝の数奇なつながりの話を実朝側近の目から描いた話。 ◆
    吾妻鏡や古典の文章を引用しているので多少読みづらかったものの詩人王実朝の哀しみがひしひしと伝わってきました。 ◆
    第2部では一転して中国へ。マルコ・ポーロとクビライ・カーン、そしてカーンに追われる宋の最後の皇帝趙へい。 ◆
    二人の哀しい天子の運命。
    ◆
    情景の美しさと言葉の美しさ、そして史実をファンタジーとしてまとめ上げた想像力。例の受賞作より面白かったです。 ◆
    実朝を描く作品を探して読みたくなりました。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    『吾妻鏡』等の古典から、記録や和歌を引き合いに出しながら物語が展開していくのですが、まるで史実かと思ってしまうくらい、のめりこんでしまいました。平家と南宋、二人の幼帝の末路が、哀しすぎて後半は泣けます。
    美しい文体と、幻想色が強いので、歴史小説が苦手な方でも読みやすく楽しめる作品かと。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    平家滅亡の日本と南宋滅亡の中国が、時空を超えてシンクロ。文字を媒介とした幼い少年同士の純粋な交流に癒されます。

    0
    2009年10月04日

    Posted by ブクログ

    幻想文学として素晴らしく読み応えのある物語だ。平家物語で海中に身を投げた安徳天皇を軸に、鎌倉幕府三代将軍であり歌人でもある右大臣実朝が前編、東方見聞録のマルコポーロが後編で絡んでいく、その構成だけ見てもなんとも幻想的である。
    正直、〜でございます、という文語体で書かれる前編は読みづらくてしょうがないが、実朝の詠んだ歌を上手く物語の設定に沿って配置するなど、手が込んでいて、徐々に盛り上がってくる。
    口語体となる後編では一気に幻想が花開く感があり、どんどん読み進められる。
    参考文献に太宰治の「右大臣実朝」と澁澤龍彦の「高岳親王航海記」とあるのも胸熱。

    0
    2024年05月05日

    Posted by ブクログ

    かなり史実に基づきながらも怪異譚と混ざり合った形で,二人の幼い皇帝の死を傷んでいる.安徳天皇に対する実朝の関わり方は独創的で,前半の実朝の滅びに向かって静かに歩んでいるかのような態度は,そういうことだったのかと説得力があった.後半のマルコ・ポーロ編は元寇に安徳天皇が絡んでくるなど,驚きの事実?そして,神話の水蛭子の哀しみに思いを馳せて唐突に終わる.かなりユニークで面白かった.

    0
    2017年11月17日

    Posted by ブクログ

     壇ノ浦の合戦で入水した幼帝安徳天皇は、琥珀色の玉に包まれて海を漂う・・・。
     源実朝が自分の首を捧げることで日本を救う第1部、マルコ・ポーロが黄金の島に辿り着く第2部とも、史実をファンタジーで紡いでいく手法の巧みさに驚かされます。
     そして、要所を和歌でバシッと決めるのも素敵であります。
     また、ストーリー全体が澁澤龍彦「高丘親王航海記」を下地にしているのですが、かの名作とは味わいの異なる美しさに酔いしれそう。特にラストのへんとか。

    0
    2011年06月09日

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