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天文十七年夏。宵祭を楽しむ十五歳の信長の眼前に、見慣れぬ船が現われた。数百の提灯に彩られた船上から、甘い唄声と異形の舞が信長を密やかな剣戟に誘う(表題作)。松永久秀と斎藤道三をペルシア渡来の暗殺秘術の兄弟弟子として描き、戦国史を異形の活躍で彩った刮目の長篇『黎明に叛くもの』の外伝四篇を収録。
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Posted by ブクログ
『黎明に叛くもの』の番外編。 割と現実的には荒唐無稽というか、ファンタジーに寄ってしまう様な伝奇物なのだけれど、思いもよらない可能性に目を向けるきっかけにもなります。 もしかして、もしかすると、物語だからこそ語ることのできる真実もあるかもしれない。
ノベルズ版『黎明に叛くもの』(全4巻)巻末に、書き下ろしで収録された外伝的作品4編をまとめた作品集。短編それぞれが“「隠岐黒」=『黎明に叛くもの』”“「天王船」=『信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』“「神器導く」=『聚楽』”“「波山の街―『東方見聞録』異聞」=『安徳天皇漂海記』”と緩やかに繋...続きを読むがっているばかりか、短編同士も時空を超えてひそかに繋がりあっているんですね。そんな企てについついうっとり。 どの作品も「もしかしたら、そんな歴史的事実があったのかもしれない」そう読者に強く信じ込ませてしまう説得力があるんですよね。史実と虚構の混ざり具合が絶妙すぎる!どこまでが史実で、どこまでが作家による創作なのか。「天王船」「神器導く」では、まるで見てきたように描かれる光景に「さもありなん」。すっかり心を奪われてしまいました〜。クラクラ&うっとり。説得力ある「神器導く」での歴史解釈には唸りましたわ! 読み終わった途端に、また冒頭から読み返したくなること、必至の本かと(笑)。『信長―あるいは戴冠せるアンドロギュヌス』から順を追って、宇月原作品を読み返したいです。熱烈に!
黎明に叛くものの外伝。4本の短編が収められている。 まだ山を降りる前の久秀と道三の話、久秀と信長の邂逅、秀吉と小早川隆景の話、東方見聞録異聞という、正しく『外伝』的な話が揃っていた。 本編の補足や裏話と言うほど本編と近いものではなく、黎明を叛くものを理解する為に必ず読まなければというものではない。 ...続きを読む本来は巻末に書き下ろされていたものらしいが、実際それ位が丁度よかったのだろうと思う。一冊の本として黎明に叛くものと同じような勢いを求めて読むと、少々物足りないと感じた。 また日本の話ではない東方見聞録異聞が分量の約半分ほどなので、そういった意味でも少し入りにくさがあったと思う。 話の内容も本編以上にファンタジックな部分が強くなっている。 ただ本編で果心の存在に興味を持った人には、面白く読める内容だとも思う。 あくまで『外伝』なんだというつもりで読むのがいいのかもしれない。
著者名のみを目印に買ってみたら、これは宇月原さんがシリーズで書いている作品の番外編でした。どうりでわからないわけです。
今まで刊行されたものの外伝をまとめたもの。 一粒で二度おいしいですね。今までの本を読み返したくなります。
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