作品一覧

  • かがやく月の宮
    3.5
    1巻1,408円 (税込)
    かの有名な竹から産まれたという逸話も、五人の公達の尋常ならざる貢物も、すべて竹取翁の仕掛けた罠だった――? 翁の術中にはまった帝は禁裏を抜け出し、竹取館へ向かう。愛しのかぐや姫と邂逅を果たした帝は、しかし、病に伏してしまった。天照大御神の末裔は一体、何を見たのか。姫が昇天する夜、月が真実を照らし出す。
  • 天王船
    3.4
    1巻649円 (税込)
    天文十七年夏。宵祭を楽しむ十五歳の信長の眼前に、見慣れぬ船が現われた。数百の提灯に彩られた船上から、甘い唄声と異形の舞が信長を密やかな剣戟に誘う(表題作)。松永久秀と斎藤道三をペルシア渡来の暗殺秘術の兄弟弟子として描き、戦国史を異形の活躍で彩った刮目の長篇『黎明に叛くもの』の外伝四篇を収録。
  • 廃帝綺譚
    4.0
    1巻754円 (税込)
    遠く異朝をとぶらえば、元の宮廷に隠されたマルコ・ポーロのもう一つの見聞録『驚異の書』とジパングの神の珠。珠の放つ蜜色の光に、元と明の廃帝たちは何を見たのか。近く本朝をうかがうに、配流の後鳥羽院に神の珠が見せたのは、幼くして散ったあの兄宮なのか。『安徳天皇漂海記』につらなり、どこまでも滅びによりそう夢幻の物語。
  • 安徳天皇漂海記
    4.0
    1巻754円 (税込)
    壇ノ浦の合戦で入水した安徳天皇。伝説の幼帝が、鎌倉の若き詩人王・源実朝の前に、神器とともにその姿を現した。空前の繁栄を誇る大元帝国の都で、巡遣使マルコ・ポーロは、ジパングの驚くべき物語をクビライに語り始める。時を超え、海を越えて紡がれる幻想の一大叙事詩。第19回山本周五郎賞受賞作
  • 黎明に叛くもの
    4.3
    1巻1,047円 (税込)
    ペルシャ由来の暗殺法を伝える山で刺客として育てられた美貌の稚児。志を胸に山を下りた少年は、長じて松永久秀と名乗り、京を手中に収める。織田信長より過激、斎藤道三よりしたたか――戦国一婆娑羅な悪党は、妖しの法を自在にあやつり、信玄、謙信、光秀はじめ群雄たちを翻弄する。虚と実の狭間に屹立する異形の戦国史。
  • 廃帝綺譚

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    歴史上の出来事に興味を抱くかどうかの境目は、そこに温もりを感じるか否かだと思っている。
    そういう意味で、宇月原先生の作品は、ともすると温度をなくしがちな史実に血が通ったものだ。
    それは、一つ一つの出来事に、「人の心の動き」が織り交ぜてあるからなのだろう。
    この作品は言うなれば「安徳天皇漂流記」のスピンオフだ。
    というと元作品より劣っているような気もしてしまうのだけれど、そんなことはない。
    どちらか勝るとか劣るとか、そういう問題ではなく、私は、これと前作、二つで一つなのだと思う。
    ちょうど、真床追衾と淡島がそうであったように。
    できることなら多くの人に、後鳥羽院のように淡島のみを受け入れられるの

    0
    2015年06月13日
  • 黎明に叛くもの

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    松永久秀のかわいいことかわいいこと。
    傀儡・果心との掛け合いや、兄・庄五郎への親愛、信長への憎しみと嫉妬。
    外道の術を扱い、節々で人外らしい評価を得ているのに、その実、誰よりも人間臭い感情を秘めているその葛藤ぶりには、ときめかずにはいられない。
    あの時代、既存概念をひっくり返したという意味では誰にも劣らないのに、どちらかといえば織田信長という傑物に掻き消されがちな松永久秀と斉藤道三が、こんな形で描かれるなんて、夢にも思わなかった。
    しかし、強い光に隠されがちな星が必死に日輪に抗おうとしている傍ら、微塵も己を「日輪か星か」など疑うこともない信長は、本当に、生まれながらの日輪らしい。
    そうなると、

    0
    2015年05月24日
  • かがやく月の宮

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    『竹取物語』をモチーフにした幻想小説。東西の神話や魔術をつなげてみせる異形の論理や、美しくも儚い情景が素晴らしい。ラストで明らかになる『かがやく月の宮』という書名がもつ意味にもニヤリとさせられる。

    0
    2013年12月16日
  • 黎明に叛くもの

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    松永久秀主役の時代物作品。フィクションの要素が高めですが、後の反逆者となる明智光秀との交流も描かれている、興味深い作品であります。私の創作にもかなり影響を与えているかと。描写も凄まじくて何度読んでも読み切れない感覚に悶えながらも奮闘中です。癖になる一作です。

    0
    2011年06月03日
  • 安徳天皇漂海記

    Posted by ブクログ

    鎌倉時代が好きなので、面白かった。この作者の他の本はちょっと苦手なのもあったけど、この作品は文句なく感動した。

    1
    2011年01月29日

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