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本能寺の変で織田信長が明智光秀に討たれてから二週間後。死んだはずの信長を名乗る何者かの招待により、羽柴秀吉、柴田勝家、高山右近、そして徳川家康という四人の武将は、三河湾に浮かぶ小島を訪れる。それぞれ信長の死に負い目を感じていた四人は、謎めいた童歌に沿って、一人また一人と殺されていく――。アガサ・クリスティー『そして誰もいなくなった』にオマージュを捧げた本格時代ミステリの傑作。
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Posted by ブクログ
織田信長と周辺人物+『そして誰もいなくなった』っていう素っ頓狂なテーマがもう最高だよね。 各登場人物のキャラ付けはだいたい大河ドラマとかに出てくるときのそれと近い感じだからすんなり受け入れやすく、でも逆に「この武将ならこう考えて動くはず」ってイメージが若干ミスリードを誘う部分も? 基本的にはバカミス...続きを読むかつ超解釈歴史ものなのに、最後の最後で本来の歴史の流れに無理やり合流させるのずるすぎるw オチの部分でミステリとしては掟破りなトリックがあったりもするけどそもそも設定自体がトンデモだから割とすんなり受け入れられてしまった……。
戦国時代版『そして誰もいなくなった』! その上、あの仕掛けが最高だった。 本能寺の変で非業の死を遂げたはずの信長公から届いた無人島への招待状って設定が素晴しい。 集められたのは柴田勝家に豊臣秀吉、徳川家康、高山右近。 実は、そうじゃないかと思っていたのが当たっていて大きくガッツポーズw もしや?いや...続きを読む、まさか?とか思っちゃった私ってすごーい。 あれを、あんなふうに見事に生かした作品がもっとすごいのは言うまでもなく。 なんか変じゃない?な伏線がきれいに回収されるって本当に快感。 補遺までが作品というのも好き。
なかなか面白い。織田信長が本能寺で明智光秀に討たれて十数日後、羽柴秀吉、柴田勝家、高山右近、徳川家康に信長から書状が届けられる。三河湾に浮かぶ小島に一人で来いと。 そこで、わらべ歌にそって連続殺人がおこる。クリスティーの「そして誰もいなくなった」のオマージュだ。信長に呼ばれた4人の武将の思惑が...続きを読むそれらしく描かれているところがミソか。ラストも上手くまとめており、楽しめるミステリーとなっている。
早川時代ミステリー文庫初読み。山崎の戦いから清洲会議の間の出来事。本能寺で死んだはずの信長から、とある島に来るように、との書状を受け取った秀吉、勝家、右近と家康。クリスティのあの名作を彷彿とさせる設定にこれから何が起こるんだろうとワクワクして読めました。武将同士の掛け合いも見事で、何よりもノンフィク...続きを読むションの歴史的事実の後に、ミステリーのフィクションを挟み見事にノンフィクションに戻る内容内容はお見事!序盤の信長による光秀イジメも酷かったのですが、まさかこんな意味があったとは。素晴らしい歴史ミステリーでした!
本能寺の変にて死んだはずの織田信長を名乗る書状が、羽柴秀吉、柴田勝家、高山右近、そして徳川家康の元に届く。三河湾の小島に一人で来るようにと。 信長の死に対して何らかの負い目のある彼らは不審に思いながらも招待に従う。 そして、京で流行りだした童歌の歌詞の見立て通りに島では殺人が起きる。 アガサ・クリス...続きを読むティーの「そして誰もいなくなった」へのオマージュ作品と銘打った時代本格ミステリー。6年ぶりに発売されたこの時代小説がすごい2022年版で4位にランクイン。 4人の武将の特徴が手く書き分けられストーリーに没入する。 本能寺の変に対して、驚愕の真相が待ち受ける結末。んな訳あるかい。さもありなん。フィクションならではの面白さ。
本能寺の変後、信長を名乗る何者かによって無人島に集められた武将たち。それぞれに秘密を抱えた彼らはやがて、わらべ歌になぞらえるようにして順に殺されていく……と、「そして誰もいなくなった」シチュエーションなのは言わずもがな。犯人は誰なのか、果たして信長は本当に生きているのか、いやそもそも本能寺の変はなぜ...続きを読む起こったのか、などなど謎がいっぱいの歴史時代小説にして本格ミステリです。これが史実だったらめちゃくちゃ面白い(笑)。 あまり日本史には詳しくないのですが。それでも充分に楽しんで読めました。お勉強にも……なるかも? ミステリとしてはもちろん楽しくて仕方がありません。謀略に次ぐ謀略、そしてすべての真相は……そんなのありですか! さすが田中啓文さん。どこまでも笑わせてくれますが、ミステリとしては筋が通ってるので本格なのは間違いないです。
なんとなく最初のところで、某映画のセリフが浮かんだのだが案外当たっていて笑った。 その部分だけはいかがなものかと思うけれど、登場人物イメージしやすくてさらさら読めた。歴史は詳細がわからないからこそこんな楽しみ方がある。
本能寺の変のわずか十数日後。 死んだはずの信長から届いた書状で はなれ小島に集められた武将たち。 本当に信長は生きているのか? 何のために召集をかけたのか? 書状に書かれた「余は知っておるぞ」の文字。 疑心暗鬼でお互いの出方を探る彼らだったが ひとり、またひとりと死んでいく…。 おお〜。 登場人物...続きを読むと舞台こそ戦国時代ですが 内容はバッチリ『そして誰もいなくなった』 私が知っている程度の歴史の知識でも 信長と光秀の確執や 秀吉、家康、勝家の腹の探り合い 右近やガラシャの邂逅など 実はこういうことだったのではという 歴史の「if」まで楽しませてもらいました。
本能寺で亡くなったはずの信長から島への招待状が各武将に届き……一人ずつ死んでゆく 罠と真相と史実と伝承を織りまぜているのが、とてもワクワクしました
アガサ・クリスティーの「そして誰もいなくなった」のオマージュ作品。 本能寺の変の十数日後、死んだはずの信長からの招待状が羽柴秀吉、柴田勝家、高山右近、徳川家康に届く。彼らは招待状に書かれた通り、三河湾に浮かぶ小島<信長島>を訪れる。そこには饗応役として本能寺の変で死んだ筈の森蘭丸、信長の忠僕・弥助...続きを読む、光秀の娘・玉、そして茶人の千宗易もいた。 信長に対してそれぞれ後ろ暗いものを抱えている四人は、なかなか姿を表さない信長に焦れていくがそんな中で第一の殺人が起こる。それは本能寺の変後、今日で流行り始めた奇妙なわらべ唄をなぞるかのような死に方だった。 トンデモ設定なのに面白かった。途中、島内の建物の図が出てきたりして本格物っぽくなるのかと思っていたら、やっぱりトンデモミステリーだった。 設定より気になっていたのが四人が抱える「後ろ暗い」事情。柴田勝家と羽柴秀吉は見当が付くものの、高山右近と徳川家康については半分しか分からなかった。 序盤に本能寺の変に行き着くまでの事情がざっと描いてあるが、ここにすでに手がかりはあった。まるである映画のようなワンシーン、なるほど。 四人がみんな殺されてしまっては歴史通りにならなくなってしまう…という心配も必要なし。 清州会議までにきちんと決着がつく。これまたトンデモ決着だけれど。 それでもきちんと歴史通りに収めたところは作家さんのうまいところ。ある伝説も上手く利用している。 読み終えて巻末の補遺を読むと、奇妙な納得感が湧く。 ミステリーというより、こんな設定をどう上手く歴史通りに収拾するのかということを楽しむ作品。
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