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Posted by ブクログ
宮本武蔵(1~8)
著:吉川英治
物語は天下分け目の大合戦「関ケ原の戦い」から始まる。
悪鬼である新免武蔵とその幼馴染本位伝又八はその負け戦から必死に這い上がろうとする。
天下無双を目指し、共に歩を歩む二人、そして違えてそしてまた交差して、武蔵を中心とした大きなうねりが記されている。
本格的に初めて読んだ時代小説。読みにくさは感じず、血沸き肉躍る感覚がストレート伝わる表現力の高さに冒頭は圧倒された。戦いの描写のみならず、心の内面と成長を描く英雄者という括りには収まらず、当時の日本国の暮らしぶりや文化や息遣いまで触れることが出来る。
多くの著名人が愛読書として挙げる本書。ある人曰く「5回読んで初めて分かり始める。」
深い言葉ではあるものの読んだ今ならその意味はわかる。
5回連続読むものではなく、人生の局面で教えを乞うような触れ方が良いのかもしれない。
大和魂の塊のような武蔵の生き様に誰しもが惹かれ、憧れ、真似していくのは時代が変わっても残り続けるのかもしれない。
Posted by ブクログ
漫画の原作となった吉川英治渾身の一冊。宮本武蔵の青年期から巌流島の決闘までが詳細に丁寧に描かれている。又八、お杉婆、お通、沢庵和尚などとの交わりや別れ、槍の宝蔵院、吉岡一門、宍戸梅軒、祇園藤次などとの戦いも凄まじいの一言。長い小説の中では、武蔵の成長が随所に感じられるセリフが登場するが、5巻の以下のシーンは特に印象に残った。
『ああ富士山か』(中略)『人間の小ささ!』武蔵はうたれたのである。(中略)ばか、なぜ人間が小さい。人間に目に映って初めて自然は偉大なのである。人間の心を通じ得て、初めて神の存在はあるのだ。
伊勢神宮を訪れてありがたさに涙が出るのも人間の心のなせる技、心を磨くことが肝心なのだ。
Posted by ブクログ
これも高校時代に挫折した本です。いろいろ挫折してます;
1巻目はまだ物語的な感じが強いです。
「人間の差は、年にはよらないものである。質でありまた質の研きによる。平常の修養鍛錬がものをいうことになると、王者と貧者とでも、この違いはどうにもならない。」
「『たとえば、おぬしの勇気もそうだ、今日までの振舞は、無智から来ている生命知らずの蛮勇だ、人間の勇気ではない、武士の強さとはそんなものじゃないのだ。怖いものの怖さをよく知っているのが人間の勇気であり、生命は、惜しみいたわって珠とも抱き、そして、真の死所を得ることが、真の人間というものじゃ。…惜しいと、わしがいうたのはそのことだ。おぬしには生れながらの腕力と剛気はあるが、学問がない、武道の悪いところだけを学んで、智徳を磨こうとしなかった。文武二道というが、二道とはふた道と読むのではない。二つを備えて、一つの道だよ。――わかるか、武蔵』」
Posted by ブクログ
現代(当時)の若者へのメッセージを込めたと本書のはじめで著者が述べている。
”怒らないことを美徳だと考えられているが、怒りから発せられるエネルギーを重んじなければならない”、だとか、”恥の文化によって自治が守られていた”だとか、そういう部分がメッセージなのだろうか。
後者の言葉は特に印象的だった。
武蔵は関ヶ原の戦に破れ、友人と別れても義務感に駆られて故郷に帰る。友人を巻き添えにしてしまった責任感がある。物語には、武蔵の他にも名誉のために苦しむ人々が登場する。「恥を知れ」という言葉があるけれど、日本人の中には名誉や恥を重んじる血が流れている。
ところで、武蔵の姉が幽閉されてから一度も登場していないが、どうしているのだろう…。
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