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沢庵の温かい計らいで、武蔵は剣の修行に専念することを得た。可憐なお通を突き放してまで、彼が求めた剣の道とは? だが、京畿に剣名高い吉岡一門の腐敗ぶり。大和の宝蔵院で味わった敗北感、剣の王城を自負する柳生の庄で身に沁みた挫折感。武蔵の行く手は厳しさを増す。一方、又八は堕ちるところまで堕ちて、偶然手に入れた印可目録から、佐々木小次郎を名乗ったりする。
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Posted by ブクログ
[再読] 武蔵、又八、お通、佐々木小次郎、それぞれの人生が動き出す。 それぞれが、自分の目標を持ち、それに向かって駆け出す。 出会いと別れを繰り返し、武蔵も成長してゆく。 何事も近道は無い。 遠回りでも、それが自分にとって成長してゆく大切なのプロセスなのだと思える。 何事も経験だ。
お通のけなげさと危うさについつい読みながら応援してしまう。 次にどうなるかハラハラどきどきと、ついつい先を読みたくなる。
「『武者修行というものは、何も試合をして歩くだけが能じゃない。一宿一飯にありつきながら、木刀をかついで、叩き合いばかりして歩いているのは、あれは武者修行でなくて、渡り者という輩、ほんとの武者修行と申すのは、そういう武技よりは心の修行をすることだ。また、諸国の地理水利を測り、土民の人情や気風をおぼえ、...続きを読む領主と民のあいだがどう行っているか、城下から城内の奥まで見きわめる用意をもって、海内隈なく脚で踏んで心で観て歩くのが、武者修行というものだよ』」
先日に続き第二巻。 おかんに「免状にある佐々木小次郎とは、だれぞえ」と訊かれ「仮名です」と。いう訳で発生した偽小次郎を笑うなかれ。石舟斎のお庭でブッシュマンな武蔵。お猿転がしでスバロウ状態な小次郎イン京都。 一生懸命にやってるから鈍臭いw。なんでそこまで強調するかというくらいに。そこには志も信念...続きを読むも笑の種にしかならない。でも行こう、自分たちこそ人と信じて。そんな吉川節が明らかになる一冊。
京都で偶然武蔵の噂を聞いた又八は、より自堕落になっていく。 泥沼にはまっていくその気持ち、なんとなくわかる気がする。 なろうと思って武蔵になれるものじゃない。
宝蔵院胤栄との出会い・柳生家での騒動・又八、小次郎の登場から宍戸梅軒を探す旅まで描かれています。 登場人物も増え、武蔵の精神に少しずつ変化の兆しが表れてきます。次が楽しみです。
2巻では、武蔵の挫折と心身の成長、沢山の出会いと別れが描かれる。 城太郎という弟子との出会い、吉岡門下との戦い、何より石舟斎に出会わずして挫折する場面は印象的。また、青年らしく、お通に心惹かれる自分を戒める姿に人間らしさを感じる。 功名心に燃える武蔵が、剣宗石舟斎の門の前で詩を読んだ時、 「届か...続きを読むない!自分などには届かない人物だ」と感じる場面がある。 それは武蔵にとって挫折であり転換点でもある。剣の技ではなく、剣の真理を求める厳しい修行の始まりだったのだと思う。 武蔵は自身の未熟さを克服するため、「今から小理屈は早い、剣は理屈じゃない、人生も論議じゃない、やることだ、実践だ」と山沢に駆けていく。 机上ではなく、実践に答えがあるというのは、時代は変わっても通ずる考えであり、私も肝に銘じたい。
今回の目玉?は柳生一族、そして佐々木小次郎の登場? 以前、もう少し先まで読んでいたのだが、こんなに早く小次郎が登場したとは。と同時に又八が痛いし、お通の武蔵を追う姿もストーカーと紙一重では?般若の面とダブらせる描写が秀逸で怖い。
「今から小理屈は早い。剣は理屈じゃない。人生は論議じゃない。やることだ、実践だ。」 第2巻の武蔵の心情を表すもの。この後も武蔵の心情から成長を追っていきたい。
般若野における奈良の牢人たちとの格闘、柳生の城内における家人たちとの死闘が描かれる。 闘争時の筆致は見事だ。 武蔵の五体は紅蓮の実体となる。すなわち寒冷の極致と灼熱の極致とが、同一のものとなる感覚である。 又八、お通、佐々木小次郎、吉岡清十郎と名脇役たちの物語も展開していく。 筆致の見事さと、人物た...続きを読むちの物語の展開、吉川英治は読んでいて、本当に面白い。親鸞も良かったが、この宮本武蔵もまた格別だ。
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