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Posted by ブクログ
あっという間に3巻を読み終えた。
武蔵は剣だけでなく、生活の中に潜む自身の弱さに負けることも許さない。自分自身を磨き高めようとする姿は、どこまでも愚直で一途でブレることはない。
「踏み敷く草も木も氷も、武蔵の足にかかるもの、敵でない物はない。勝つか負けるか!一歩一歩が勝敗への呼吸であった。神泉の中で氷化した五体の血が、今は熱泉のように毛穴から湯気を立てていた」
吉岡清十郎と1対1の真剣勝負では、誰も助太刀のいない場所で戦うことになる。武士として真剣に向かい合う臨場感が見事に描かれ、生死をかけて戦う緊張感がひしひしと伝わってくる。
また、書家であり陶芸家であり茶人でもある、本阿弥光悦との出会いが描かれる。優れた芸術に出会い、武蔵の芸術的な感性は刺激される。
自身を表現する手段があるということは素敵なことだなと思う。
Posted by ブクログ
「よく強がった侍が、念仏のようにいう、必死とか、覚悟などという言葉も、武蔵の考えからすると、取るに足らないたわ言のように思える。
およそ人なみの侍が、こういう場合に立ち至った時、必死になることなどは、当然な動物性である。覚悟のほうは、やや高等な心がまえであるが、それとても、死ぬ覚悟ならば、そう難しいことではない。どうしても死なねばならぬ事態に迎えられてする死ぬ覚悟だとすれば、なおさら、誰でもすることである。
彼がなやむのは、必死の覚悟がもてないことではなく、勝つことなのだ。絶対に勝つ信条をつかむことである。」
「人生の道はいつも、一歩が機微である。また、なにかの場合に、ふだんの常識さえあれば、分りきっていることを、ふと、心へ間違いを映しとってしまうためにその一歩が、十年のまちがいになったりする。」
「達人が剣をとって立った姿というものは、さながらこの世の人間とも思われない。その荘厳なものを今、茶をたてている七十の老母のすがたにも彼は見た。
(道――芸の神髄――何事も達すると同じものとみえる)」
Posted by ブクログ
お通・城太郎の旅路
朱美の受難
小次郎の登場と又八との出会い
清十郎と武蔵の立ち合い、そして伝七郎の登場
が描かれています。
武蔵の剣も精神も更なる研鑽を見せています。
光悦との出会いにより、今後どうなっていくのか楽しみです。
武蔵を追うお通と朱美の運命が悲惨すぎます・・・。
朱美は清十郎に犯され、後に小次郎の狂った愛を受けることになるし(ここでは小次郎はかなりの危険人物として描かれています)、お通はお杉婆に苦しめられることになります。
彼女らの旅もどうなっていくのでしょう。
この巻では人間模様が多分に描かれていると感じました。武蔵を中心に動いていく奇妙な人間の縁、どうなっていくのか楽しみです。
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