宮本武蔵(5)

宮本武蔵(5)

809円 (税込)

4pt

吉岡一門との決闘を切り抜け、武蔵は多大の自信とそれ以上の自省を与えられた。そしてまた、大勝負の後に訪れたゆくりなき邂逅。それはお通であり、又八であり、お杉婆であり、宿命の人・小次郎であった。その人々が、今後の武蔵の運命を微妙に織りなしてゆく。山ならば三合目を過ぎて、いま武蔵の行く木曽路、遥かな剣聖を思い、お通を案じる道中は、四合目の急坂にかかる。

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宮本武蔵 のシリーズ作品

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1~8件目 / 8件
  • 宮本武蔵(1)
    768円 (税込)
    野に伏す獣の野性をもって孤剣をみがいた武蔵が、剣の精進、魂の求道を通して、鏡のように澄明な境地へ達する道程を描く、畢生の代表作。若い功名心に燃えて関ケ原の合戦にのぞんだ武蔵と又八は、敗軍の兵として落ちのびる途中、お甲・朱実母子の世話になる。それから一年、又八の母お杉と許婚のお通が、二人の安否を気づかっている作州宮本村へ、武蔵は一人で帰ってきた。
  • 宮本武蔵(2)
    809円 (税込)
    沢庵の温かい計らいで、武蔵は剣の修行に専念することを得た。可憐なお通を突き放してまで、彼が求めた剣の道とは? だが、京畿に剣名高い吉岡一門の腐敗ぶり。大和の宝蔵院で味わった敗北感、剣の王城を自負する柳生の庄で身に沁みた挫折感。武蔵の行く手は厳しさを増す。一方、又八は堕ちるところまで堕ちて、偶然手に入れた印可目録から、佐々木小次郎を名乗ったりする。
  • 宮本武蔵(3)
    809円 (税込)
    吉岡清十郎と雌雄を決す! 武蔵の年来の宿望は、ここに実現の運びとなった。時、慶長十年正月九日。場所は京都・蓮台寺野。もし武蔵が勝てば、その名声は京畿を圧するだろう。--武蔵は思いのまま戦い、勝利をおさめたが、彼の得たものは、心の虚しさでしかなかった。一方、蜂の巣を突いたような吉岡一門から、一門きっての暴れん坊、吉岡伝七郎が鎌首をもたげてきた。
  • 宮本武蔵(4)
    809円 (税込)
    いまや、武蔵は吉岡一門の敵である。清十郎の弟・伝七郎が武蔵に叩きつけた果し状! 雪の舞い、血の散る蓮華王院。つづいて吉岡一門あげての第二の遺恨試合。一乗寺下り松に、吉岡門下の精鋭七十余人が、どっと武蔵を襲う。--「一回一回の原稿が出来上がるまでは、主人の気迫が反映して、私どもまで緊張につつまれる毎日」だったと、文子夫人は当時の著者を回想している。
  • 宮本武蔵(5)
    809円 (税込)
    吉岡一門との決闘を切り抜け、武蔵は多大の自信とそれ以上の自省を与えられた。そしてまた、大勝負の後に訪れたゆくりなき邂逅。それはお通であり、又八であり、お杉婆であり、宿命の人・小次郎であった。その人々が、今後の武蔵の運命を微妙に織りなしてゆく。山ならば三合目を過ぎて、いま武蔵の行く木曽路、遥かな剣聖を思い、お通を案じる道中は、四合目の急坂にかかる。
  • 宮本武蔵(6)
    814円 (税込)
    長い遍歴をともに重ねてきた城太郎は、木曽路でぷっつり消息を絶ち、武蔵は、下総の法典ケ原で未墾の荒野に挑む。恃むべき剣を捨て、鍬を持った武蔵。これこそ一乗寺以後の武蔵の変身である。相手は不毛の大地であり、無情の風雨であり、自然の暴威であった。--その頃、小次郎は江戸に在って小幡一門と血と血で争い、武蔵の“美しい落し物”も、江戸の巷に身を寄せていた。
  • 宮本武蔵(7)
    809円 (税込)
    わが国の新聞小説で「宮本武蔵」ほど反響をよんだ小説はないであろう。その一回一回に日本中が一喜一憂し、読者は武蔵とともに剣を振い、お通とともに泣いた。そしていまひとつ気になる存在--小次郎の剣に磨きがかかればかかるほど、読者は焦躁する。その小次郎は、いち早く細川家に仕官するという。宿命の敵、武蔵と小次郎の対決のときは、唸りをうって刻まれてゆく。
  • 宮本武蔵(8)
    809円 (税込)
    当初、二百回ぐらいの約束で、新聞連載が開始されたが、作者の意気込み、読者・新聞社の熱望で、千余回の大作に発展した。一度スタートした構成を途中から変えることは至難だが、さすがは新聞小説の名手。ただし構成は幾変転しようと、巌流島の対決で終局を飾ることは、不動の構成であった。作者が結びの筆をおいたとき、十二貫の痩身は、十貫台に--。文字通り、鏤骨の名作。

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宮本武蔵(5) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2019年01月14日

    [再読]
    人は、出会いと別れを繰り返し成長してゆく。
    いい出会い、悪い出会い、偶然的な出会い、必然的な出会い。
    それらを全て含めて、己の人生ということなのだ。
    その出会いが自らの師になっていく。
    師を求めなくても、我々の師は、すぐ隣にいるのだ。

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    Posted by ブクログ 2013年06月26日

    「志賀寺の上人でさえ、同じ血をもっていた。法然の弟子親鸞も、同じ煩みを持っていた。古来、事を成す人間ほど、生きる力の強い人間ほど、同時に、この生まれながら負って来る苦しみも強く大きい。」

    「『ああ、富士山か』
    武蔵は少年のように驚異の声を放った。絵に見ていた富士、胸に描いていた富士を、眼のあた...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年08月12日

    吉岡一門との闘争のはて十代の少年に手をかけたという悪夢を振り払う一方、やっと道連れになったお通女史とまさかの痴話喧嘩の武さん。又八アンドお杉婆や小次郎、朱美に城太に半瓦の親分と、新旧登場人物入り乱れてのチューチュートレイン状態。まだ未開の地という江戸の描写が面白かった第五巻。そして物語は大団円へ。

    0

    Posted by ブクログ 2012年02月05日

    『「……自分のしたことを、共々欣んでくれる者があるのは大きな張り合いというものじゃないか。――それのある者には、陳腐な道義の受け売りをしているように聞えるだろうが、こういう漂白の空にある身でも、アアいい景色だなあと感じた時のような場合、側にもどこにもそれを語る者がいないということはその一瞬、実にさび...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2010年10月21日

    吉岡一門との死闘の続き

    武蔵・お通・城太郎の旅路

    江戸での邂逅

    が描かれています。

    武蔵が出てくるのは前半で、後は朱美・城太郎・お杉婆達の物語です。武蔵とお通の、甘酸っぱい遣り取りはニヤニヤせずにはいられませんでしたw

    又八がどうしようもなさすぎて呆れます。何をやっているんだお前は・・・。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年05月20日

    5巻は武蔵の成長よりも、苦悩や葛藤を乗り越えようともがく人間らしさが印象的。
    多感な青年期に、生きる意味を模索し、高い志を立てながらも恋愛に翻弄される姿は時代は違えど多くの人が通る成長過程ではないかと思った。

    女性(お通)に対する抑え難い本能と情熱に困惑し、遠ざけてきた武蔵だったが、自分さえ乱れな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2017年09月18日

    『ああ富士山か』(中略)『人間の小ささ!』武蔵はうたれたのである。
    (中略)

    ばか、なぜ人間が小さい。人間に目に映って初めて自然は偉大なのである。
    人間の心を通じ得て、初めて神の存在はあるのだ。

    だから、人間こそは最も大きな顕現と行動をする。

    上記は本書からの一節。哲学的である。

    第5巻の武...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2016年01月15日

    再会してまたすれ違う第五巻。

    吉岡一門との決闘に勝利し、
    お通と再会し、又八と和解する武蔵。
    めでたしめでたし…と思いきや、
    お通とは再会してもすれ違い、
    又八は相変わらず周囲に流される。
    朱美は相変わらず運命に翻弄される。
    そして裏で糸を引く佐々木小次郎。

    ヒーローヒロインである武蔵とお通より...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年11月02日

    吉岡一門との死闘という山場を越えたせいか、微妙に一休み的な感じがする巻。
    ただ又八のどうしようもない小市民さと小次郎の何処となく子供っぽい描写が続き、特に後者は武蔵の成長の描写との対照性後半への布石含めて活劇ものには必須の要素。
    ちなみの「活劇もの」にネガティヴな意味は全くなく、むしろ最高の賛辞と言...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年04月10日

    又八のための助言や、剣術でなく剣道を志すことを悟る姿を通して、武蔵の人格に益々惚れ込む。自分のためでなく人のために何故剣を使わないのかー石田母記の言葉がすごく心に響いた巻。誰のために頑張るのか。自分のためだけであれば勿体無い。人のために力をつけるのだ。

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