中公文庫作品一覧

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  • 日本アルプス殺人事件
    -
    エリート官僚の娘・門脇美紀子。彼女に求愛する三人の前途有望な三人の男たち。その男のうちの一人が何者かにホテルで殺害され、恋のゲームは死のゲームへと変貌を遂げていくのだった。

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  • 日本改造法案大綱
    3.8
    辛亥革命に身を投じた北一輝が帰国後の一九二三年に著し、国家改造の青写真を示して発禁処分になった『国家改造案原理大綱』。一部を伏せ字とし改題して刊行された本書は、昭和の青年将校を魅了し二・二六事件の引き金となったが、一方で私有財産制限、華族制廃止、財閥解体を訴え戦後改革の先駆けとも評される。〈解説〉嘉戸一将。

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  • 日本航空一期生
    4.0
    GHQによる「航空禁止令」のもと、占領下の日本では、航空機保有はおろか、教育や研究も禁止されていた。敗戦6年後に誕生した「日本航空」のもと、失われた「空」を取り戻そうとした人々の奮闘を描くノンフィクション。「容姿端麗」が応募資格だった「スチュワーデス一期生」、「臆病者と言われる勇気を持て」の標語で知られる第二代社長松尾静磨、社章「鶴丸」デザイン誕生秘話ほか、当時を知る80歳以上の関係者に聞きとり取材し、資料室に通い詰め、創業期を活写する。自身もJALの客室乗務員として5年間勤務した著者が、安全運行と現場主義の徹底した時代を、今日への警鐘と愛情をこめて描く。
  • にほん語観察ノート
    4.0
    お役所言葉はなぜ難しい? 必ず笑える駄洒落のコツとは? ふだんの言葉の中にこそ、日本語のひみつは隠れているのです。「言葉の貯金がなにより楽しみ」という筆者のとっておき。持ち出し厳禁、言葉の見本帳。

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  • 日本語で一番大事なもの
    -
    『万葉集』から『サラダ記念日』まで。言語学者と小説家の双璧が、文学史上の名作を俎上に載せ、それぞれの専門から存分に語り合う。日本人の場所感覚から、「てにをは」の重要性に至るまで、徹底的に分析し、日本語の本質を探る知的興奮に満ちた対談集。
  • 日本語の技術 私の文章作法
    4.0
    文章術は泥棒に学べ!? ロングセラー『論文の書き方』の姉妹篇。実践に役立つ文章修業の本道を説く。社会学者・ジャーナリストとしても活躍した著者による体験的文章指南。日本語を知り、よい文章を書くための34の方法。 (以下、本文より)  その中の或る文字、或る言葉、或る文章を大変に好きだと思い、反対に、その中の或る文字、或る言葉、或る文章を非常に厭だと感じるような人、そういう人は、立派な文章が書ける素質のある人だろうと思います。  実際に、その人の文章と瓜二つのような文章を何篇も書いてみることです。これが文章修業の本道で、それ以外に道はありません。一にも真似、二にも真似、三にも真似です。    *  締切という時間的限定、枚数という空間的限定、この二つの限定が曖昧なのが研究室の特色で、それと反対に、この二つの限定が厳格なのがジャーナリズムの約束です。  文章を修業するのには、自分で締切と枚数とを厳重に定めて、これを自分に課するという方法をお勧めしたいように思うのです。    *  文章というのは一種の建築物だと考えています。大きな論文はビルディングのようなもの、小さな文章は交番のようなもので、文章が建築物であるならば、それを作るのには、どうしても、設計図がなければなりません。正確な設計図を用意せずに、文章を書き始めたら、論旨不明の文章が出来上るのは全く当然のことです。
  • 日本語びいき
    4.0
    「させていただく」は丁寧か、馬鹿丁寧か。「先生」の読み方は本当に「センセイ」? よく知っているつもりの言い回しも、日本語教師の視点で見るとこんなにおもしろい! ヨシタケシンスケさんの、クスッと笑える絵とともに、身近な日本語のもうひとつの顔をのぞいてみませんか? 【『日本人の日本語知らず。』を増補改題】    目 次  まえがき 1 日本語は難しい、か? 2 ところでひらがな、ぜんぶ読めてます? ほんとに? 3 しつこいようですが、ひらがなはエライ! 4 らぬき、れたす、さいれ 5 ナウい人とナウな人、どっちがナウ? 6 品詞の谷間 7 お茶が入りました。 8 日本語はあいまい? 非論理的? 9 みなまで言うな。 10 米洗ふ前を螢の二ツ三ツ 11 私はこれでやめました。 12 ウチ向きな日本の私 13 ウチとソトの交流 14 しぇんしぇー、ちゅくえ 15 ありますですかそれともありますですか? 16 ててったってっ。 17 トンネルを抜けると鴨川でマスオさんが 18 飾り飾られ 19 4番の、カードを、お持ちの、お客さま 20 先生はとても上手に教えました。ありがとうございます。 21 お~星さ~ま~ギーラギラ♪  日本語は美しい。――あとがきにかえて  文庫版あとがき
  • 日本書紀(上下合本)
    -
    わが国最初の正史。720年(養老4年)5月、舎人親王らが完成させた。神代から持統天皇の代までを漢文で編年体で記す。30巻。添えられた系図一巻は散逸。六国史の第一で、『日本紀』とも呼ばれ、『古事記』と併せて「記紀」という。しかし編集に使われた資料は『古事記』のように特定の帝紀や旧辞だけでなく、諸氏や地方の伝承、寺院の縁起、朝鮮や中国の歴史書なども参照している。文学性のある『古事記』に比べ、『書紀』は敬遠されがちだった。だが、「日本誕生」を知るには、『書紀』のほうがより重要だ。日本古代史の専門家による、わかりやすい現代語によって『書紀』はぐんと身近になった。 上巻は、神代(巻第一)~武烈天皇(巻第十六)を収録。 下巻は、継体天皇(巻第十七)~持統天皇(巻第三十)を収録。六世紀から七世紀にいたる時代。中国・朝鮮半島からの制度・文物の流入により、天皇を中心とした国家的統一が完成する。 巻末寄稿・『日本書紀』と史実とのあいだ  大津 透
  • 日本書紀(上)
    完結
    -
    全2巻1,320~1,430円 (税込)
    わが国最初の正史。720年(養老4年)5月、舎人親王らが完成させた。神代から持統天皇の代までを漢文で編年体で記す。30巻。添えられた系図一巻は散逸。六国史の第一で、『日本紀』とも呼ばれ、『古事記』と併せて「記紀」という。しかし編集に使われた資料は『古事記』のように特定の帝紀や旧辞だけでなく、諸氏や地方の伝承、寺院の縁起、朝鮮や中国の歴史書なども参照している。文学性のある『古事記』に比べ、『書紀』は敬遠されがちだった。だが、「日本誕生」を知るには、『書紀』のほうがより重要だ。日本古代史の専門家による、わかりやすい現代語によって『書紀』はぐんと身近になった。 上巻は、神代(巻第一)~武烈天皇(巻第十六)を収録。
  • 日本のアウトサイダー
    3.0
    中原中也、内村鑑三などの思想と行動をアウトサイダーの名のもとに解明し、近代日本におけるインサイダーとは何かを説いた名著。〈解説〉高橋英夫

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  • 日本の美
    4.0
    「西洋と東洋の美」「中国と日本の美の相違」から始まり、日本の文学に通底する「もののあわれ」「わび」「幽玄美」などを語り、「世界における日本の美の位置」「日本の美を貫くもの」を探究する。ほかに『近代美の研究』から機械やスポーツに関する論考とさらに全集未収録のエッセイ「現代日本画の一つの課題」を増補。初文庫化。 『日本の美』 1 西洋の美と東洋の美 2 中国と日本の美 3 日本のこころと日本の美 4 文学――さやけさ・もののあわれ 5 文学――幽玄・わび 6 文学――軽み・いき 7 美術 1 8 美術 2 9 美術 3 10 音楽 11 舞台 12 世界における日本の美の位置 13 日本の美を貫くもの 『近代美の研究』より 現代における美の諸性格 機械美の構造 スポーツ気分の構造 近代美と世界観 思想的危機における芸術ならびにその動向  (全集未収録論考) 現代日本画の一つの課題次より
  • 日本の星 星の方言集
    4.7
    星の文人・野尻抱影が三十余年の歳月をかけ蒐集した、星の和名七百種の集大成。各地に埋もれた星の方言をまとめ、四季の夜空をいろどる星の生い立ちを、農山漁村に生きてきた人々の生活のなかに探る。日本の夜空に輝く珠玉の星名が、該博な知識と透徹した詩人の直観力とをもって紡がれていく。 〈解説〉石田五郎
  • 日本の民俗学
    -
    民俗学とは何か。表題作ほか「国史と民俗学」「実験の史学」など学問実践の体系化を目指した論考によって「方法としての民俗学」を浮き彫りにする文庫オリジナル論集。折口信夫との対談、生涯と学問について語った「村の信仰」を併せて収める、柳田学入門の決定版。〈解説〉佐藤健二 【目次】 I 日本の民俗学 郷土研究ということ/日本の民俗学/Ethnologyとは何か/日本の民俗学/ 郷土研究の将来 /国史と民俗学/実験の史学/ 現代科学ということ/日本を知るために Ⅱ 柳田国男・折口信夫対談 日本人の神と霊魂の観念そのほか 民俗学から民族学へ――日本民俗学の足跡を顧みて Ⅲ 村の信仰――私の哲学
  • 日本の幽霊
    3.0
    ありもしない怪異がなぜ起り、居もしない幽霊がなぜ出没するのか。昔なつかしいお化けのエピソードも豊かな民俗学者の幽霊研究。〈解説〉矢代静一

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  • 日本文学史 近代・現代篇五
    4.0
    日本文学の一大特色、私小説と戦時下における戦争文学。つづく戦後は、太宰治、織田作之助、坂口安吾、石川淳ら、無頼派と呼ばれた作家たちの活躍を見る。 私小説/戦争文学/太宰治と無頼派
  • 日本文学史 古代・中世篇一
    4.0
    1~6巻1,152~1,257円 (税込)
    「日本文学史」全体の序文を本巻に収録。人間的でなまめかしい『古事記』、奈良時代と平安時代前期の漢文学、そして最古にして最高の歌集『万葉集』の世界を語り尽くす。 序/古事記/奈良時代の漢文学/万葉集/平安時代前期の漢文学
  • 日本を、信じる
    4.0
    「この歳になっても、肉は食べるし、お酒は飲む。徹夜で原稿も書く」瀬戸内寂聴さんと、「どうしてもっと早く日本国籍を取ることを考えなかったのか」というドナルド・キーンさんの対談集です。ともに九十歳を迎える(当時)二人が、今日までの出来事を顧みながら、まずは3・11東日本大震災の被災地に足を運んで感じることが出来た日本人の底力、そして残された人たちの生きる意味について話し合います。対談は3年前の2012年に行われましたが、復興が遅々としている2015年の現在に読んでも、胸に突き刺さる発言がたくさんあります。さらに平泉・中尊寺に見られる日本の美、一方で失なわれてゆく美しい風景や日本人らしい心、『源氏物語』『おくのほそ道』など古典文学の素晴らしさ、太平洋戦争・ソ連崩壊など二人が選ぶ人生の三大事件、さらに自らの老いと死について縦横に語り合います。
  • 任侠シネマ
    4.2
    「誠司、映画は好きか?」阿岐本組は、組長の器量と人望で生き残ってきた、昔ながらのヤクザ。そんな組長・阿岐本雄蔵の元に次々と持ちかけられる一風変わった相談に、代貸の日村誠司はいつも振り回されていた。今度は潰れかけている映画館を救え!? 厳しい業界事情もさることながら、存続を願う「ファンの会」へ嫌がらせをしている輩の存在が浮上し……。大好評「任侠」シリーズ第五弾!〈解説〉野崎六助
  • 任侠浴場
    3.9
    1巻792円 (税込)
    日村誠司が代貸を務める阿岐本組は、小さいながらも人情味溢れる昔ながらのヤクザ。人望の篤い親分・阿岐本雄蔵の元には一風変わった経営再建の相談が次々持ちかけられる。今度の舞台は古びた銭湯!? 乗り気な組員たちの一方、不安でいっぱいの日村。こんな時代にどうやって……。そして阿岐本組は銭湯の勉強と福利厚生(?)を兼ねてなぜか道後温泉へ――。大好評「任侠」シリーズ第四弾!  〈解説〉関口苑生
  • 人魚の嘆き・魔術師
    3.3
    南京に住む憂愁の貴公子が、北国の冷艶にして水中の妖魔たる人魚に激しい恋をする「人魚の嘆き」、妖麗な魔術師に魅せられ欲望のままに半羊神と化す「魔術師」。大正期の耽美的な幻想譚二編。水島爾保布による美麗な挿画二十余点、カラー口絵二葉を完全収載。 〈註解〉明里千章〈解説〉中井英夫/前田恭二「水島爾保布小伝」
  • 人間とマンボウ 新版
    -
    1巻946円 (税込)
    川端康成、三島由紀夫ら若き日に仰ぎ見た先輩や、吉行淳之介、辻邦生、遠藤周作ら親しい作家たちとのエピソード。思春期に読みふけった芥川龍之介、トーマス・マンの思い出。そして偉大な父・斎藤茂吉の横顔。北文学の原点となる作家や人物との交流をユーモラスに綴る。〈エッセイ〉佐藤愛子〈解説〉阿川弘之
  • 忍者月輪
    -
    無双の忍び・伝兵衛は、大仕事を成す一方、妻との不和に悩み、伊賀攻め後の前途に迷っていた。しかし、鬼神と恐れられる信長に新しき世の到来を感じ、天下分け目の陣場に身を投じていく。はぐれ鳥は、戦国乱世に己の道を見出せるか? ――円熟の筆が新たな忍び像を描き出す!
  • 忍者太閤秀吉
    -
    小猿から太閤へと上り詰めた秀吉、そして天下を統一した家康。二人は忍者だった――。秀吉は長年仕えた信長暗殺を決意し、竹中半兵衛・石川五右衛門・蜂須賀小六らの精鋭とともに本能寺を急襲した。主君を裏切る苦悩の決断だったが、彼ら“山の民”にとって信長の天下獲りを阻止することは、今や使命となっていたのだ……。長編伝奇時代小説
  • 忍者と忍術
    3.0
    「歴史の深淵にかかわったかもしれない忍者とは、そもそもどのように成立し、どう働いたかを考えてみた。しょせん、忍術は一個の芸能であり、発生は遙かシルクロードの彼方にあると思う」(あとがきより)。大作『服部半蔵』の著者が、忍者研究の集大成として語る。歴史の闇に蠢動する、忍者の源流と足跡。

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  • 認知の母にキッスされ
    4.3
    ある日、デイケア先で喚きはじめた母は、気付かぬうちに認知症を発症していた。息子は、介護のために毎日、実家へ通い、一語一語逃さぬよう、母の「妄想」を聞き取り始めた……。生きることのおかしみやユーモアが全編に溢れる、新しい“介護小説”。母との別れを描く最終章「母の死」を文庫書き下ろしで収録。
  • 盗まれて
    3.6
    ゴースト・ライターだった夫が、本当に「幽霊」になってしまった!! 困り果てる売れっ子作家に、夫の幽霊から電話が……(「ゴースト・ライター」)。中学時代の同級生から、十五年の歳月を越えて送られて来た手紙(「時効」)。ミステリーはいつも電話と手紙によって運ばれる。傑作推理短篇集。

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  • 猫がかわいくなかったら
    3.3
    1巻748円 (税込)
    定年まで、あと四年――。長らく会社の花形部門で働いてきた吉岡だが、ここ数年はデータ管理の閑職についている。年齢なりに、体調ははっきりと怪しくなってきた。娘が就職して家を出た今となっては、妻の多恵子と共に静かに老いていくだけの毎日だ。ところが、近所に住む望月夫妻が二人とも入院したことから、状況が一変。彼らが飼っている老猫をどうするかを巡って、町内は大騒ぎとなる。望月夫妻が住むアパートの大家も、警官も救急隊員も生活支援課も、救いの手を差し伸べようとはしない。ある理由から、この猫を引き取ることができない吉岡と多恵子の選択は……。 誰もが身につまされること間違いなしの、ユーモアと愛情に満ちた人間ドラマ。 【目次】 日曜日に (その1)/他生の縁/望月盛衰史/日曜日に (その2)/吉岡家の猫/猫に通う/祇園精舎の鐘の声/里親さがし/最後に見た姿/奇特な人/深き淵より/静かな夜のために
  • 猫大名
    4.3
    新田義貞の末裔・岩松家はわずか百二十石の石高と霊験あらたかな「猫絵」でその名を知られていた。二十一代当主・満次郎俊純が明治維新後に男爵に叙せられるまでの波瀾万丈の日々を、幕末の世相・騒乱とともに描く。『猫男爵』を改題。

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  • 猫と庄造と二人のをんな
    4.3
    猫に嫉妬する妻と元妻、そして女より猫がかわいくてたまらない男が繰り広げる軽妙な心理コメディの傑作。安井曾太郎の挿画収載。同時併録は美女とペルシャ猫への愛を高らかにうたう未完の小品「ドリス」。

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  • 猫と漱石と悪妻
    3.9
    見合い相手としてあらわれた夏目金之助(漱石)に一目惚れした鏡子。「苦労するが大成する」相手だという占い師の言葉を支えに結婚を決めるが、慣れぬ土地での新婚生活に戸惑う。しかし、それは今後ふりかかる苦難の序章にすぎなかった……! 漱石没後100年に読みたい、山あり谷ありの文豪一家グラフィティ。文庫書き下ろし作品。
  • 猫のほんね
    4.2
    わがままで気まぐれに見える猫たちも、本当は気持ちを伝えています。獣医さんが教える猫のことばに耳をすまして、猫ともっと仲良くなるための本。

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  • 猫の目散歩
    -
    吉原・谷中・根津・雑司ヶ谷……。「私の中の猫」に導かれ、猫のいる町、路地を行く。猫目線で歩くと、いつもの散歩道も違った景色に見えてくる。猫のパトロールのように、抜き足差し足、ぐるっと回って見聞を綴る、町歩きエッセイ。著者の自筆イラスト多数収録。書き下ろしと単行本未収録のエッセイを増補した。
  • ねこ物件 猫がいるシェアハウス
    -
    1巻770円 (税込)
    三十歳の二星優斗は、一軒家に住む祖父と猫の世話だけをして生きてきた。しかし、突然祖父が亡くなってしまい途方にくれていた時、不動産屋の女性に「シェアハウスをやりませんか」と提案される。同意した優斗が決めた入居資格は二つ。「二星家の猫(チャーとクロ)に気に入られる」「男性限定」だ。だが『猫審査』に合格する者はなかなか現れず……。 ねこ×イケメン×シェアハウス 誰もが癒やされる「猫エンターテインメント」開幕!
  • 猫ミス!
    3.9
    気まぐれでミステリアスな〈相棒〉をめぐる、豪華執筆陣による全8篇――新井素子×黒猫の独白、秋吉理香子×野良猫見守り隊、芦沢央×少年名探偵と仔猫、小松エメル×猫になりたがる妹、恒川光太郎×妖怪猫ケシヨウ、菅野雪虫×オッドアイと「死神」、長岡弘樹×高齢者とペットロス、そにしけんじ×探偵ニャンロックホームズ。いつでもどこからでも手軽に猫を愛でることができる、バラエティ豊かなアンソロジー。 ◆収録作と主な登場猫物◆ 新井素子「黒猫ナイトの冒険」(自称「名前は、ない」野良猫) 秋吉理香子「呪い」(白い野良猫のシロなど) 芦沢央「春の作り方」(黒と茶のサビ猫) 小松エメル「一心同体」(黄色い瞳の黒猫) 恒川光太郎「猫どろぼう猫」(水色の瞳のサバ虎) 菅野雪虫「オッドアイ」(虹彩異色症の白猫) 長岡弘樹「四月のジンクス」(シャム猫のハナ) そにしけんじ「猫探偵事務所」(助手のニャトソンくん)
  • 猫を看取る シュガー、16年をありがとう
    -
    娘として愛してきた、チンチラシルバーの猫・シュガーに悪性腫瘍がみつかった。クオリティ・オブ・ライフを考え、足を切断する手術はせず、痛みからも衰弱からも全力で守ると決意する――。発症から約1年半、カッチーニのアヴェ・マリアが流れる自宅の居間で見送るまでの、感動の記録。
  • 熱球三十年 草創期の日本野球史
    -
    なつかしき早慶戦の球音高々と響かせ、友愛の生涯を野球にかけた、明治・大正・昭和にわたる学生野球育ての親の回顧、指針の名著。

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  • ネットリンチ 悪意の凝縮 (『「電脳マジョガリ」狩り』改題)
    3.5
    そのツイート、大丈夫? あなたも訴えられますよ。 大学生の翼が巻き込まれた、現代の《魔女狩り》裁判の行方は? 「魔女狩り板」それはあるネット掲示板の通称。目的は、マスコミが実名報道しない未成年犯罪者や違法行為をした匿名ユーザーを吊し上げることだ。大学生YouTuberの翼は、オフ会で知り合った謎の女性・香織に脅され、掲示板の中枢四人の正体を暴くことに。香織の目的は? その憎悪の原因とは――?『「電脳マジョガリ」狩り』改題
  • 眠れない夜は体を脱いで
    4.2
    自分の顔がしっくりこない男子高校生。五十過ぎに始めた合気道で若い男の子とペアを組むことになった会社員。恋人の元カノの存在に拘泥する女子大生。妻も部下もなぜ自分を不快にさせるのかと苛立つ銀行支店長。彼らは「手の画像を見せて」という不思議なネット掲示板に辿り着く……。「私」という違和感に優しく寄り添う物語。〈解説〉吉川トリコ
  • ねむれ巴里
    -
    深い傷心を抱きつつ、夫人三千代と日本を脱出した詩人はヨーロッパをあてどなく流浪する。『どくろ杯』につづく自伝第二部。

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  • 野口冨士男犯罪小説集 風のない日々/少女
    3.0
    二・二六事件前夜。判で押したような平凡な日常を送る平凡な一銀行員が、自分と周囲の小さな行き違いの果てに一線を踏み越えてしまう……。リアルな描写の積み重ねが予測不能のサスペンスを生む『風のない日々』に、戦後の復員兵による財閥令嬢誘拐事件を描いた『少女』併録。〈同時代批評〉井上ひさし 〈解説〉川本三郎
  • 「のと恋路号」殺意の旅
    5.0
    婚約者の中原が自宅マンションから飛び降り自殺した。傷心の井岡あや子は、中原が死の直前に乗車した「のと恋路号」に乗り、恋路駅のノートに中原が書いた文章を見つける。そこには「なぜ、今になって、私の前に、現れたのだ! K・Tよ」と書かれていた。K・Tとは誰なのか? しかし、数時間後にその頁は何者かに破り取られてしまう。さらにあや子を尾行していた刑事が消息を絶ち、中原が泊まった旅館の従業員が絞殺される。そして十津川の捜査には上からの圧力が……。初期の十津川警部名推理が新装・改版で登場!
  • ノモンハン 元満州国外交官の証言
    -
    一九三九(昭和一四)年夏、満州とモンゴルとの国境で、ソ連軍と日本軍が激突し、合わせて二万近くの戦死者を出したノモンハン事件は、現代日本も抱える「国境問題」を、軍事力で解決しようとして起こった悲劇だった。停戦後の国境確定交渉に参画した外交官が綴る「事件」の深層。〈解説〉田中克彦
  • ノラや
    4.5
    ふとした縁で家で育てながら、ある日庭の繁みから消えてしまった野良猫の子のノラ。ついで居つきながらも病死した迷い猫のクルツ――愛猫さがしに英文広告まで作り、「ノラやお前はどこへ行ってしまったのか」と涙塞き敢えず、垂死の猫に毎日来診を乞い、一喜一憂する老百間先生の、あわれにもおかしく、情愛と機知とに満ちた愉快な連作14篇。
  • 乗りもの紳士録
    3.0
    鉄道・自動車・飛行機・船と、乗りもの全般に並々ならぬ好奇心を燃やす著者が、「紳士たち」との旅と交友を綴る。突如自動車教習所に通いはじめた吉行淳之介、著者の運転に御機嫌の志賀直哉、交通巡査にいつも親切にされる芦田伸介ほかが登場。
  • ノワール 硝子の太陽
    4.2
    〈ジウ〉サーガ×姫川玲子 誉田哲也の二大人気シリーズが、衝撃のコラボレーション! 沖縄での活動家死亡事故を機に「反米軍基地」デモが全国で激化した2月、新宿署の東弘樹警部補は、「左翼の親玉」を取調べることに。その直後、異様な覆面集団による滅多刺し事件が起こる。被害者は歌舞伎町セブンにとってかけがえのない男――社会に蔓延る悪意の連鎖を断ち切るべく、東とセブンの共闘が始まる! 『硝子の太陽N ノワール』を改題。掌篇小説「歌舞伎町の女―再会―」を収録。
  • 背教者ユリアヌス(一)
    -
    1~4巻1,100~1,210円 (税込)
    大帝の甥として生まれるも、勢力拡大を狙うキリスト教一派の陰謀に父を殺害され、幽閉生活を送るユリアヌス。哲学者の塾で学ぶことを許され、友を得、生きる喜びを見出す彼に、運命は容赦なく立ちはだかる。毎日芸術賞受賞の壮大な歴史ロマン開幕!【全四巻】 〈解説〉加賀乙彦 〈巻末付録〉著者による本作関連エッセイ二作 連載開始前に雑誌『海』で抱負を語った「ユリアヌスの浴場跡」、終了直後から『週刊読書人』に連載の「ユリアヌスの廃墟から」
  • 廃墟のとき
    3.3
    不毛な人生に倦み疲れた美砂は、自殺を決意する。ただし、死ぬまでの10ヶ月を可能なかぎり飾り立て、人々の羨望を浴びながら死ぬのだ。美人起業家への見せかけの転身は成功、偽りのショーは順調に始まったが……。明野ワールド全開のサスペンス長篇。『砂の花』改題

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  • 俳句とあそぶ法
    5.0
    俳句は遊びだ! 人生の杖となる遊びだ!――俳人・夏井いつき推薦!! 「ちょっと俳句をかじっただけの素人」と自称する著者が、愛好家の多くが陥る類型的発想という「わな」に気づき、それを誘発する「俳句そのものに内在する何か」に迫る。名作とされる先人の句に果敢に異を唱え、専門俳人たちの常識も容赦なく断罪。一方、作り手となった初心者に対しては、「俳句は遊びである。遊びだからこそ厳格なルールに従うべきである」と掲げ、世にはびこるセオリーを覆し、皮肉やユーモアを交えて江國流俳句の楽しみ方を実践的に説いてゆく。  曰く――、 『俳句は自然を詠むもの、俳句は写生だ』  藤・牡丹・菖蒲・芍薬のどれが先に咲きますか? これ分からない植物音痴の人は多い。俳句は自然を詠むもの。写生こそ俳句とは言うが、自然が詠み難ければ人事句から始めると入り易い。例えば雛祭、白酒、受験、卒業……。 『5・7・5がルール』  字余り、字足らずの破調は原則として避けるべし。破調はホントにやむを得ない時に限る。破調にも限界がある。「分け入れば水音(山頭火)」「咳をしても一人(放哉)」こんなのは俳句じゃない。 『ふりがなは、極力さける』  ルビは必要最小限度にとどめるべきである。ルビなしでは正しく読んでもらえない字句で、漢字を用いない限り意味が汲み取れなかったり、誤解を招いたりする場合だけ、よんどころなくルビを付ける。娘(こ)、亡父(ちち)、女(ひと)などは、絶対に使わないこと。 『自分なりの句風の確立』  名句を、世間の評価にとらわれずに、好きな句、嫌いな句に分ける作業をする。そのうちに、自分の句風の確立に役立つ。  昭和の俳句ブームを牽引した画期的な俳句指南の書、待望の復刊!
  • 俳句の五十年
    4.5
    子規との出逢い、漱石との思い出、のちに俳風をめぐり対立した畏友、碧梧桐への敬愛――。退学と転校を繰り返した青春時代、引き継いだ「ホトトギス」の経営苦難など迷走と模索をし続けた日々と森鴎外、幸田露伴、黒岩涙香、柳田國男などとの交遊を振り返る。一九四二年、中央公論社から刊行された知られざる自伝を初文庫化。〈解説〉岸本尚毅 目次より「同窓学誌」と碧梧桐 ベース・ボールと子規 第三高等中学校入学 碧梧桐上洛して同宿 復校後第二高等中学校に転ず 間もなく退学決行 「小日本」の廃刊 藤野古白の自殺 子規の委嘱を辞退 鴎外との関係 露伴と私 漱石と宮島に 湖南の新婚旅行 万朝報入社 「ホトトギス」を主幹 子規の死 文章熱の勃興 国民新聞に入る 碧梧桐派と虚子派 松山時代の漱石 ヨーロッパの旅 俳句の翻訳 日本俳句作家協会の結成 選者生活五十年 善悪良否の標準 文章の誘惑
  • 廃帝綺譚
    4.0
    遠く異朝をとぶらえば、元の宮廷に隠されたマルコ・ポーロのもう一つの見聞録『驚異の書』とジパングの神の珠。珠の放つ蜜色の光に、元と明の廃帝たちは何を見たのか。近く本朝をうかがうに、配流の後鳥羽院に神の珠が見せたのは、幼くして散ったあの兄宮なのか。『安徳天皇漂海記』につらなり、どこまでも滅びによりそう夢幻の物語。

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  • 灰と日本人
    4.5
    発火、料理、消毒、肥料、発酵、製紙、染料、陶芸のほか香道や茶道にも道具や材料として、灰は日本人の生活を支えてきた。また童話の中には「灰かぶり姫(シンデレラ姫)」に似た話が世界にあることを見出す。食生活、社会、風俗、宗教、芸術に分け入り、身近な生活必需品=灰の科学と神秘性を解き明かす。灰の負のイメージを払拭する画期的な作品。 目次 Ⅰ 灰の生いたち 灰の誕生と埋火(うずみび)のこと 灰の成分と用途、そして灰屋のこと Ⅱ 灰と食 食べものと灰 酒と灰 醤油・味噌と木灰 海藻と灰 料理と灰汁(あく) Ⅲ 灰の恵み 和紙・織物と木灰 染料・染色と木灰 やきものと灰 Ⅳ 灰の効能 薬と灰 「秘術伝書」と灰 Ⅴ 灰の恐怖 火山と灰 死の灰 Ⅵ 灰と高貴 茶道・香道と木灰 習俗・宗教と灰 文学と灰
  • 這えば立て
    3.0
    あてにならない人生であるから、この舟がてんぷくすることばかりを心配していてもはじまるまい――明治・大正・昭和を駆け抜けた反骨の詩人・金子光晴。その滋味溢れる洒脱な文章は、今もなお色あせることがない。「幼時からこの間のこと」を綴った表題作を中心に、晩年の筆になる随筆を収録。

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  • 拍手のルール 秘伝クラシック鑑賞術
    3.7
    「古典コン」(クラシックコンサート)に行きましょう。CDにはない魅力、「古典」ゆえの楽しみ方、何を聴くか? 正しい拍手の仕方とは? 知りたかった疑問にお答えします。「のだめカンタービレ」クラシック音楽監修の〈もぎぎ先生〉が案内する、もっと楽しむための鑑賞の手引き。

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  • 白鳥の歌なんか聞えない
    3.6
    1巻838円 (税込)
    死にゆくもの滅びゆくものを前に、ふとたじろぐ若い魂。早春のきらめきの中に揺れる、切ないほど静かで不思議に激しい恋の物語。シリーズ第三話。

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  • 箱館売ります(上) - 土方歳三 蝦夷血風録
    3.3
    土方歳三らの旧幕府軍は、新政府軍から箱館を奪還した。その混乱に乗じて、広大な土地を手に入れようと目論むプロシア人兄弟は、蝦夷政府の幹部たちに近づく。財政難にあえぐ旧幕府軍は、租借料を目当てに契約の締結を進めるのだが、プロシア人兄弟の背後には、領土を広げようと企むロシアの策謀が見え隠れしていた――。

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  • 鋏の記憶
    3.5
    物に触れると所有者の記憶を読み取ることができる「サイコメトリー」能力を持った、女子高生の桐生紫。その力を生かして、周囲で起こった四つの怪事件の捜査を手助けすることに。殺人、失踪、家族の秘密……「物」だけが真実を知っている! 傑作ミステリー。

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  • 蓮の数式
    3.9
    35歳の千穂は不妊治療を始めて10年、夫と義母からの嫌味に耐え続けてきた。ある日、夫が酒に酔った男・透を轢いてしまう。謝罪のため透を探す千穂は彼が算数障害だと気付き手を差し伸べる。だが、二人の関係を怪しみ千穂を追い詰める夫。一方的に疑われ、これまで抑えてきた感情を爆発させた千穂は、家を飛び出し透の元へ逃げるのだった――。
  • 振り出し 旗本出世双六(一)
    3.3
    文政六年、いじめに耐えかねた西丸書院番二番組の新参・松平外記が三名の古参を城中で斬り殺す大事件、いわゆる「千代田の刃傷」が起きた。幕閣が混乱する中、二百二十五石の小旗本で無役の小普請組・北条志真佑は、番士を一新し再編成された二番組に抜擢され、妹の幸や叔父の相模八左衛門とともに喜んでいた。上泉新陰流を使い、十一代将軍徳川家斉の世子・家慶の力にならんと腕を撫す志真佑だったが……。待望の新シリーズ始動! 【目次】 第一章 騒動の後始末 第二章 役付の誉れ 第三章 城中規律 第四章 恨の根 第五章 盾の意味
  • ハチ公の最後の恋人
    4.0
    霊能者の祖母が遺した予言通りに、インドから来た青年「ハチ」と巡り会った私は、彼の「最後の恋人」になった……。運命に導かれて出会い、別れの予感のなかで過ごす二人だけの時間――約束された至高の恋。求め合う魂の邂逅を描く奇跡の物語。[写真・若木信吾]

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  • 八代目正蔵戦中日記
    -
    噺家・八代目林家正蔵(後の彦六)が残した膨大な日記より、昭和一六年一二月一日から二〇年八月三一日の記述を摘録。清貧に徹した長屋での暮らしぶり、謹厳実直で「トンガリ」とあだ名された反骨精神がにじむ活き活きとした筆致に、蝶花楼馬楽時代の名人の素顔が窺える。戦時下における東京下町の日常を伝える貴重な一級資料でもある。 目 次 おぼろげな父の記憶 花柳衛彦 優しかった父 藤沢多加子 昭和十六年(十二月一日から) 昭和十七年 昭和十八年 昭和十九年 昭和二十年(八月三十一日まで) 巻末エッセイ     林家正雀  他人様を思って生きた師匠  戦い抜いた師匠 文庫版刊行に寄せて 編者解説     瀧口雅仁  馬楽時代の戦中日記をまとめて  正蔵が確かな目で見続けたもの 文庫版のためのあとがき 登場人物・登場日付索引
  • 発達障害に生まれて 自閉症児と母の17年
    5.0
    人の気持ちがわからない。人間に関心がない。コミュニケーションがとれない。勇太くんは、会話によって他人と信頼関係を築くことができない。それは母親に対しても 同じだ。でも母にとっては、明るく跳びはねている勇太くんこそが生きる希望だ。 幼児教育のプロとして活躍する母が世間一般の「理想の子育て」から自由になっていく軌跡を描いた渾身のルポルタージュ。子育てにおける「普通」という呪縛を問う。
  • 初女お母さんの愛の贈りもの おむすびに祈りをこめて
    5.0
    人のこころを解きほぐし、生きる力を与えるおいしい食事を、そっと差し出したい――。 そう願った佐藤初女さんが主宰した青森・岩木山麓の「森のイスキア」には、悩みや迷いを抱えた人が数多く訪れ、心のこもった手料理を一緒に食べて、生きる力を取り戻していった。 「初女さんのようなおむすびをつくりたい」という多くの人々に請われて各地で講演やおむすび講習会を開き、食の大切さを伝えていた初女さんが、料理のし方や心遣いを丁寧にわかりやすく語り尽くしたエッセイ。 食材を「いのち」ととらえ、いのちがささやく物語に耳を澄ませた著者ならではの“発見”が詰まった一冊。 おむすび、かぼちゃの煮物、ほうれん草のおひたし、ポテトサラダ、煮豆、りんごのコンポートなど、料理の作り方も多数紹介。 〈解説〉若松英輔 〈目次〉 1章 おむすびに心を尽くして/2章 いのちをいただく料理/3章 お母さんの手が伝えるもの/4章 病む人の心に寄り添うとき/5章 料理をすることが祈ること
  • 果てしなき追跡(上)
    -
    1~2巻836~858円 (税込)
    「百舌」シリーズの次はこれだ! 逢坂剛が満を持して送るエンタメ超大作。 元新撰組副長・土方歳三は新政府軍の銃弾に斃れた――はずだった。頭部に被弾した土方を救った時枝ゆらは、敵軍の目をかいくぐり、米国へと密航する。だが意識を取り戻した土方は、記憶を失っていたのだった。全てを無くしたサムライは、果たしてどこへ向かうのか? 海を、大地を駆けめぐる、壮大なる旅がここにはじまる。
  • 花篝 小説 日本女流画人伝
    -
    美人画で名をはせた北斎の娘お栄(応為)、狩野派隆盛の立て役者元信の妻千代女、幕府奥絵師狩野宗家の跡目争いにまきこまれ、かどわかされ牢に閉じこめられた悲運の人屋左女、周囲の反対を押して探幽門人伊兵衛と市井に幸せを求めた清原雪信、祇園茶店の娘から池大雅の妻となった玉蘭など、埋れた女流画人の絵にかけた情熱の生涯を発掘する12篇。

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  • 花咲舞が黙ってない
    4.3
    \2024年4月13日(土)~ 今田美桜さん主演でドラマスタート!!/ 2024年7月末まで、ドラマ化記特別カバーで配信中。 その日、東京第一銀行に激震が走った。頭取から発表されたライバル行との合併。生き残りを懸けた交渉が進む中、臨店指導グループの跳ねっ返り・花咲舞は、ひょんなことから「組織の秘密」というパンドラの箱を開けてしまう。隠蔽工作、行内政治、妖怪重役……このままでは我が行はダメになる! 花咲舞の正義が自行の闇に切り込む痛快連作短篇。
  • 花咲ける上方武士道
    3.3
    風雲急を告げる幕末、公家密偵使・少将高野則近の東海道東下り。大坂侍・百済ノ門兵衛と伊賀忍者を従えて、恋と冒険の傑作長篇。
  • 非花
    3.0
    あとに残った薔薇の枝だけが、再会の証しだった……唐、宋、明、清――悠久たる中国史のなか、国家の狭間や民族の壁に押しつぶされず、凛と生きた女たちを鮮やかに描きだす。

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  • 花に問え
    -
    絶対の孤独と漂泊に生きた“捨聖”(すてひじり)一遍上人と、彼に終生つき従った尼僧の超一――『一遍聖絵』に描かれた彼らの姿と内なる対話を繰り返しながら、無限の自由を求めてさまよう、京都の老舗旅館の女将・美緒の心の旅。谷崎潤一郎賞受賞作。

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  • 華の碑文 世阿弥元清
    NEW
    -
    南北朝の激しい抗争の余韻が尾を曳き、不安定な世相が続いた室町時代。 大和猿楽座に生まれた世阿弥は、父・観阿弥が洗練させた能を受け継ぎ、辛苦を重ねて大成させた。 逃れられない“血”の宿命を背負い、「能」とだけ向き合って芸の道を究め、後世に残る真の芸術の粋へ高めた世阿弥の感動の生涯を描く傑作歴史小説。〈解説〉澤田瞳子
  • 花火 吉村昭後期短篇集
    3.0
    滅しゆく身体の変化。ほのかな生命のゆらぎ。若き日に死線を彷徨った作家は、生涯を通して生と死を見つめ続けた。円熟の晩年を迎え、その静謐な目は何をとらえたか。短篇小説の名手でもあった吉村昭が昭和後期から平成一八年までに著した、遺作「死顔」を含む一六篇。〈編者解説〉池上冬樹 ※収録作品 船長泣く 雲母の柵 花曇り 手 鏡 花 火 法師蟬 寒牡丹 桜まつり 観覧車 西 瓜 自 殺――獣医(その一) 心 中――獣医(その二) 遠い幻影 聖 歌 見えない橋 死 顔
  • 花までの距離
    -
    「私をいくらでも見てください」。女はそう言って衣裳を脱ぎ刺激的なポーズをとるが、目の前にいる男は、見つめるだけで指一本触れることさえ許されない……。“誘惑”と“視線”が交錯する二人だけの密室に立ちあがる透明なエロティシズムを描いた長篇。

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  • 花桃実桃
    3.8
    43歳シングル女子、まさかの転機に直面す――無情な肩たたきの憂き目に遭って、会社員からアパート管理人に転身した茜。昭和の香り漂う「花桃館」の住人は、揃いも揃ってへんてこで……。若くはないが老いてもいない。先行きは見通せずとも、進む方向を選ぶ自由がある。人生の折り返し地点の惑いと諦観を、著者ならではのユーモアに包んで描く長編小説。

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  • 花輪大八湯守り日記 艶福地獄
    5.0
    義による私闘を咎められ、勘当同然に山深き温泉の湯守となった新庄藩士・花輪大八。その肘折の湯に不思議な女の一群が現れた。率いるのは奇怪な技を使う医師。それを機に、鄙びた湯町を二分し新庄城下をも巻き込む騒動が引き起こされる。一方、大八には見合い話が持ち込まれ……。大八、女に惑う!?

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  • 花輪大八湯守り日記 湯けむり浄土
    -
    新庄領外れの山深い湯治場、肘折温泉。二十歳の藩士で具足術の名手・花輪大八は私闘を咎められ、勘当同然にそこの湯守り役を与えられた。湯守りとは温泉を管理する村役で、収入は湯銭と酒代。勤番の老人・勘兵衛、張番の次郎吉、世話役の六兵衛や奉行所の手先・伝兵衛ら一筋縄ではいかない連中との毎日が始まった。そして、いわくありげな湯治客たちが今日も肘折を訪れる……。

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  • 花輪大八湯守り日記 若草姫
    -
    やむを得ない私闘を咎められ勘当同然に肘折温泉の湯守りとなった若き新庄藩士、大八。雪深い霊場を訪れた姫君の持つ草子『若草ものかたり』に隠された謎とは。そして、城下での道場破り騒動と、突然の兄の蟄居との関わりは? 奔走する大八。兄、そして「若草姫」を救えるか!? 好評大八シリーズ第二弾!

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  • ハネムーン
    3.8
    世界が私たちに恋をした――。別に一緒に暮らさなくても、二人がたどる道はいつも家路で、二人がいる所はどこでも家だ……。互いにしか癒せない孤独を抱え、剥き出しの世界へと歩き始めた恋人たちの旅立ちを描く。限りない清らかさと生きることの痛みに彩られた、静謐な愛の物語。[挿画・MAYA MAXX]

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  • 母の遺産 新聞小説(上)
    4.0
    1~2巻770円 (税込)
    八十歳を過ぎた母が骨折をして病院に運び込まれたその日、美津紀は夫・哲夫の引き出しから花柄のティッシュ入れを見つける。施設に入った母に時間を奪われ続け、美津紀は思う。「ママ、いったいいつになったら死んでくれるの?」親の介護、夫の浮気、忍び寄る更年期、老後資金の計算……実体験を交えて赤裸々に描き大きな話題を呼んだ、大佛次郎賞受賞作。
  • 羽生善治と現代 - だれにも見えない未来をつくる
    3.7
    将棋界の歴代記録を塗り替え続ける最強棋士。なぜ彼だけが常に熾烈な競争を勝ち抜けるのか。タイトル戦観戦記にトップ棋士たちとの対話、そして羽生本人に肉迫した真剣対談が浮き彫りにする、強さと知性の秘密。ルールがわからない人をも魅了する、天才棋士の思考法とは。既刊単行本二冊を再編集し、羽生善治との最新対談を収録した完全版。

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  • はみだしオケマン挑戦記 オーボエ吹きの苛酷なる夢
    3.7
    オーボエ吹きの夢はとどまるところを知らない。N響首席奏者として華麗かつ苛酷なビータ〈演奏旅行〉をこなしながらも、リサイタル、ソロアルバムレコーディングにと精を出す。飽くことなき好奇心を持つ音楽家の日常に眠る暇なし!? 『のだめカンタービレ』の著者二ノ宮知子氏絶賛!

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  • 波紋 警視庁失踪課・高城賢吾
    3.5
    ある事件で昇進の道を絶たれた阿比留は、法月の異動を止めようとせず、失踪課内部には亀裂が広がりつつあった。腐る高城に法月は五年前に交通事故現場から消えた男に関する事件の解決を託す。高城の調査が始まった直後、男が勤めていた会社で爆発事件が発生。犯行声明には失踪した男の署名が記されていた! 緊迫の書き下ろし長篇第六弾

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  • 隼別王子の叛乱
    4.0
    ヤマトの大王の想われびと、女鳥姫と恋におちた隼別王子は大王の宮殿を襲う。愛と権力を賭けた血なまぐさい叛乱の夢は、大王の前にあっけなく破れ、隼別は女鳥姫とともに誅殺される。かつて宝塚でも上演され、劇画化もされた、「古事記」の中の濃密な物語。
  • ハル回顧録
    4.5
    一九四一年、日米交渉の最中に「ハル・ノート」を突きつけ、日本に対米開戦を決意させたことで知られるハルは、「国際連合の父」としてノーベル平和賞を受賞した、戦後体制の樹立者でもあった。十二年にわたり国務長官としてルーズベルト政権を支えた外交官が綴る国際政治の舞台裏。 〈解説〉須藤眞志。
  • 遥かなる山旅
    3.0
    山に登り、自然の中に身を置くことで、自らとの対話を続けた思索家の、山エッセイ・ベストセレクション。「何故人は山へ登るのだろう」という問いかけに始まり、山行きの持ち物から記憶に残る思い出の山々、詩篇まで、四十六篇を収録。『山歩きの愉しみ』改題。〈編・解説〉高丘卓 【目次】 I小前奏曲   孤独な洗礼 II 身支度   輪かんじき   道具   バドミントン・スタイル   時計と高度計   手帖   画帖   絵具   地図   乗車券   歩き方初歩   夏の山で気をつけること   山の灯   下山術   登山者と山の本 III 山想   春蘭   光と水の戯れ   波   霙の降る林   高原の夕映え   暁の星   山と老人 IV 山の博物誌   山の博物手帖   山に棲む虫   冬の手帖   春の手帖   夏の手帖   秋の手帖   岩上の想い   雪崩の音   山上の初光   静かな流れのほとり V 心の山   上高地の今昔   小海線の車窓   上信越の山と峠   鳥海山   和山の宿   雨飾山   穴あき沢   関東の山々   北海道の山   北穂高岳   小黒部谷遡行剣岳   意地の悪い山案内 VI 詩篇   山頂   氷の岩峰
  • 春の戴冠1
    4.0
    1~4巻1,047~1,152円 (税込)
    メディチ家の恩顧のもと、祭りに賑い、楽しげなはずむような気分に覆われた花の盛りのフィオレンツァ。「私」と幼なじみのサンドロ(のちのボッティチェルリ)は、この日々が過ぎゆく人生の春であることに、まだ気が付いていなかった――壮大にして流麗な歴史絵巻。

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  • 春の魔法のおすそわけ
    3.2
    ある朝、作家・鈴木小夜子は桜の舞う歩道橋の上にいた。ひどい二日酔いに見舞われ、昨晩の記憶はない。手には札束が入った見知らぬバッグ、そして現れる不思議な美青年……。謎と酒に酔いしれる、一夜限りのファンタジックなミステリ。

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  • 春を恨んだりはしない 震災をめぐって考えたこと
    3.0
    〈あの時に感じたこと〉が本物なのだ。記憶を、感覚を、薄れさせてはいけない。 東日本大震災発生後間もなく、自ら車を駆って被災した各地をめぐり、見て、語らい、思考した、唯一無二のリポート。
  • ハング
    3.9
    宝飾店オーナー殺人事件の再捜査を行った警視庁捜査一課の堀田班は、自供により容疑者を逮捕した。だが直後に班は解散を命じられ、公判では自白強要があったと証言されてしまう。歪んでいく真実、蝕まれていく日常。刑事たちは仲間を、愛する人を巨大な闇から守ることができるのか。誉田作品史上、もっともハードな警察小説。

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  • 反劇的人間
    -
    つねに前衛的な表現を追求する安部氏と、日本文学研究の第一人者キーン氏が、小説・劇・音楽などを論じて現代文化の本質に迫る、示唆に満ちた対談。

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  • 犯罪同盟
    3.0
    頻発する身寄りのない孤独な男女の失踪事件。都会の片隅に集うスナックの常連四人が、事件に敢然と立ち向かう決心を固め、行動を開始した。失踪事件の裏には政財界を巻き込んだ巨悪の影が見え隠れし、四人に危機が迫る。巨大な組織に比してあまりに微弱な彼らの戦いに勝機はあるのか? 現代の病理を鋭く抉る長篇社会派ミステリー。

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  • ハンニバル戦争
    4.2
    史上最凶の敵から祖国を守れ! 時は紀元前三世紀。広大な版図を誇ったローマ帝国の歴史で、史上最大の敵とされた男がいた。カルタゴの雷神・バルにあやかりつけられた名はハンニバル。戦を究めた稀代の猛将軍・ハンニバルが今、復讐の名の下にアルプスを超えた。予測不可能な強敵を前に、ローマの名家出身の主人公・スキピオは、愛する家族と祖国を守り抜けるのか?
  • 「般若心経」を読む
    3.0
    人はなぜ「生」に執着し「色」に執着するのか。幼少時代の誦読と棚経を回想、一休和尚や正眼国師(盤珪禅師)の訳や解釈を学び直し、原点から人間の性を見つめ直す。色と欲に煩悶した日々を顧み、生き身のありがたさ、女性は弥勒菩薩など独自の境地に辿り着く。愚かさを見すえ、人間の真実に迫る水上版「色即是空」。<解説>高橋孝次 「般若心経」全文 序 章 「まかはんにゃはらみたしんぎょう」 第一章 漢字「般若心経」にめぐりあう 第二章 正眼国師の『心経抄』と私 第三章 一切は「空」である 第四章 私版「色即是空」の世界 第五章 一休における「色即是空」の世界 第六章 死して百日紅や椿の花となる 第七章 不浄を美しいと思うときもある 第八章 六根・六塵の本体は無である 第九章 無明とは何か 第十章 四苦八苦を成敗するには 第十一章 のたうちまわって生きるしかない
  • ばあさんは15歳
    -
    おちゃめな孫娘と頑固なばあさん 2019年と1963年をまたぐ 二人の冒険の行く先は?   高校入学を目前に、ふとした異変で 昭和にタイムスリップしてしまった菜緒。 時はオリンピック前年。 口が悪く愛想なしの祖母を相棒に 東京タワーから始まる物語は 思わぬ出会いと発見にあふれて―― やがて明らかになる、ばあさんの封印された過去。 取り返しのつかない出来事を、菜緒は覆すことができるのか!? 「ひょお、こりゃ面白くなってきた」「まったく、バカまごといると疲れるよ」 愉快爽快、ラストに涙。阿川佐和子の長編小説。 挿絵 石川えりこ
  • バイオリニストに花束を
    4.2
    だれも信じてくれないが、私は十歳でバイオリンを始める前は、一日に一言も口をきかないような、青白い子供だった――「スーダラ節」に救われた修業時代、もぐりで聴いたカラヤンの「とてつもない何か」、愛憎こもった指揮者の思い出、感動のフィナーレに客席デビュー。元N響バイオリニストがのびやかな筆致で綴る音楽的日々雑記。

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  • 幕末 暗殺!
    4.5
    定説は覆されるのか? 真犯人の驚きの動機とは? 幕末の江戸で、京で、多くの命が刺客によって闇に葬られた。暗殺――。彼らはなぜ殺されなければならなかったのか。血塗られた歴史の暗がりに、7人の作家が、想像力と推理と筆で光を当てる。実力派たちが江戸末期の政局の暗部に斬り込んだ、大好評オリジナル競作アンソロジー。   谷津矢車×桜田門外の変◆「竹とんぼの群青」 早見俊×塙忠宝暗殺◆「刺客 伊藤博文」 新美健×清河八郎暗殺◆「欺きの士道」 鈴木英治×佐久間象山暗殺◆「血腥き風」 誉田龍一×坂本龍馬暗殺◆「天が遣わせし男」 秋山香乃×油小路の変◆「裏切り者」 神家正成×孝明天皇毒殺◆「明治の石」
  • 会津孤剣 - 幕末京都守護職始末
    3.0
    会津藩藩校日新館で学ぶ孝太郎は、親友・真之介の剣の指導に打ち込む父に自分を認めさせたいと願っていた。ある日、朋輩を目の前で謎の剣士に斬り殺された孝太郎は復讐を誓って京へ向かう。豪商の娘彩(あや)、男装の麗人直(なお)との出会いもあり、孝太郎の人生は大きく変化していく。会津・京都に展開する剣と情のシリーズ第一弾。(『天狗の剣』を改題)
  • 幕末疾風伝
    3.5
    時は幕末。倒幕だ佐幕だ攘夷だ開国だ、と意識の高い周囲の連中のなかで逼塞していた浪人・松浦佐太郎は、とある縁で助けた男に「勤皇の志士」という言葉を吹き込まれ、覚醒する。だが、高杉晋作、坂本龍馬ら名だたる英雄から思いを託され維新を最後まで見届けようとした佐太郎は、革命の渦中で大きな矛盾に気づいてゆく…。
  • 幕末銃姫伝 京の風会津の花
    4.0
    戊辰戦争末期、自ら銃を取り大砲を指揮して戦った女性がいた――激動の幕末を生き抜き、自らの手で未来を切り拓いた山本八重の前半生を描く歴史長篇。

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  • 幕末入門
    -
    尊王・佐幕、攘夷・開国、攻守所を変え、二転三転する複雑怪奇な動乱の時代。混迷をきわめた幕末の政情をわかりやすく読み解いた恰好の入門書。間口は広く敷居は低く、しかし、幕末諸藩、新選組さらに孝明天皇毒殺説まで、奥深い歴史の醍醐味が堪能できる一冊。

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  • 幕末明治人物誌
    -
    幕末維新から日清・日露戦争を経て、明治の終焉へ……。吉田松陰、坂本龍馬、西郷隆盛から乃木希典、岡倉天心まで、激動の時代を生きた人物の思想と矛盾と葛藤を描く。歴史における敗者への想像力が息づく、出色の歴史人物論集。文庫オリジナル。 解説・渡辺京二 【目次】 吉田松陰/維新前夜の男たち/西郷隆盛の革命性と反動性/ 明治的マキャベリスト/高山樗牛/乃木伝説の思想/ 岡倉天心の面影/蘆花断想/内村鑑三先生/小泉三申論/頭山満
  • 芭蕉
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    芭蕉の没年から一八〇年後の一八七四年に虚子が生まれた。本書は近代俳句の巨匠虚子が近世の巨人芭蕉の著作を論じる。まずは入門者向けに芭蕉の句を紹介、芭蕉の句を談林風の句(第一種類)、主観句(第二種類)、客観句(第三種類)に分け、時間軸に沿った芭蕉の作風の変化を分析し、さらに芭蕉と門人の俳句を評釈する。 各章の初出は明治三十六年から昭和十年にわたる。それぞれの章が書かれた時期が虚子にとってどのような時であったかを考えながら読むと興味深い。

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