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Posted by ブクログ
長年の不妊治療と四度の流産と、高圧的な夫、姑との苦しい生活から逃れたのは、年下の影のある青年、高山透との出会いだった。
そろばん塾を経営していた千穂は、彼が算数障害を抱えて苦しんでいることに気づく。
浮気を疑う夫に暴行され、それを止めない姑。ボロボロになった千穂が頼ったのは、透だった。
罪に罪を重ねて、二人の逃避行が始まる。
久しぶりの遠田作品。
毎回読む前からわかっているのに、ズンと気持ちが凹む。これでもかという程、理不尽な目に合い、闇を抱えた主人公につい感情移入してしまう。
逃げて、逃げて、逃げ切って欲しいとラストまで一気に読んだ。
終章の恵梨視点の内容に唖然とし、無性に腹が立つ。子供だったとはいえ、麗を更にあの環境にしてしまった罪は重いはずだ。
娘にも申し訳ない気持ちがあったから、父が真実を伝えてないだけで、読み手の自分はなんだこいつ?!と怒りが・・・・笑
今回も遠田ワールドにどっぷりはまってしまった。
Posted by ブクログ
彼女の本は、これで3冊目。
「雪の鉄樹」「カラヴィンカ」ともに、とても面白かったので、
今回も期待大。
35歳の千穂は、不妊治療を始めて10年、
夫と、姑からの嫌みにずっと耐え続けていた。
そんな時、暗い過去を持ち、算数障害に苦しむ27歳の透に出会う。
千穂は彼の力になりたいと手をさしのべるが、
疑い深い夫に、二人の関係を一方的に攻められ、
これまで押さえてきた感情を爆発させ、ある事件を起こしてしまう。
そして、千穂と透、二人の遠飛行が始まる・・・
帯にある「熱量がすごい!」の言葉通りに、すごい展開になっていく。
これでもか!というくらいに、てんこ盛りなのは、この作家さんの良いところかも。
ミステリーでもあり、メロドラマのようでもあり、
次から次へといろんな事実が判明していくので、
読み始めたら止まらなくなってしまった。
悪意はないのに、他人を不幸にしてしまう・・・
そして自分も・・・
なんだかやりきれない思い・・・
どうか、登場人物たちが幸せになれますように・・・
と祈りつつ読み進めてしまう本です。
Posted by ブクログ
大人買いするほどは著作が出ていないため、マイブームになっているとまでは言えないけれど、まちがいなく今いちばん惹かれる作家です。
見初められて身分違いの結婚をした千穂。玉の輿に乗ったはずが、不妊のせいで姑と夫から嫌みを通り越して虐待を受けている。そろばん塾を経営する千穂は、透という若い男と知り合う。算数障害の透に親身になる千穂を見て、浮気を疑う夫。一方、かつて殺人事件で妻を亡くした老人は、殺人犯の息子で死んだはずの少年・麗の面影を持つ透を見かけ、麗と透が同一人物ではないかと考える。
引き込まれ度という点では満点です。主要な登場人物に心から共感できる人柄は出てこないのに、千穂と透の逃避行の行く末がどうなるのか気になり、途中で本を閉じることができません。算数障害というものも初めて知りました。
人は、自分の測りでしかものを見ていない。幸せか不幸せかも本人しかわからないこと。障害に対する無理解に気づかず、いかに自分の尺度でおせっかいを焼いていることか。心に闇を抱える人の役に立てるはずだとの思い込みが、時にその人を苦しめているのだと痛感します。また、報道は必ずしも真実ではないということ。本当にわかってくれている人がわずかでもいればいいんだろうか。辛すぎて、厳しすぎて、読後は呆然。それゆえ、引き込まれ度は満点だけど、好き度の点では悲しすぎてマイナス。
蓮の花がポンポンと音と立てて咲くシーンだけが美しく目に浮かぶ。
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