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Posted by ブクログ
父親の残した3階建てのアパートを相続した花村茜、独身の43歳。花桃館には、父親の愛人の老婆を始め、ウクレレコンテストで生計を立てようとする青年、整形しまくって年齢不詳の女性、勝手に猫を持ち込む探偵、母親に逃げられた子供3人を育てる父子家庭など、難しい店子ばかりであった。
脱サラしてアパートの管理人になった茜の、各住人とのアレコレを描いたオムニバスタイプの小説。この手の作品の特徴として、普通の勤め人はほぼでてこなくて、無職だったり水商売だったりである。
それぞれの章では、それぞれの住人とのトラブル込みのやり取りをネタに描いているのだが、単純にキャラクターを動かしてどうってことのない話にとどまらず、百人一首の英訳だったり、小ネタを散りばめて深みを出しているところはさすがである。
深みをだすというと、コロナビールやオロナミンC、『スイミー』に『ワイルマイギタージェントリー・ウィープス』、あと百人一首の個々の句など実際の固有名詞などが出てくるところが好感を持てた。こういうの、いちいち削る出版社や編集者がいるんですよ。具体性を出したほうが良いんだよ。
内容的に、採点がちょっと甘いかなとも思うが、シンプルに楽しめる作品で、純文学だのなんだのはございません。それでいい。
Posted by ブクログ
花村茜(はなむら あかね)43歳。実家を出て二十数年。
去年の暮れに70歳手前で急逝した一人暮らしの父親・桃蔵(ももぞう)が買って経営していたアパート『花桃館』
兄は都心のマンションを相続、お前はアパート、と押し付けられた。
折しも会社から肩たたきに遭っていたため、退職してアパートに住み、大家をやる決心をした。
「へんな人ばっかり。へんなことばっかり起こる」(お墓の近くだしね)
でも、気がつくと好きになっていた。花桃館も、大家の仕事も。
「行かず後家」などという古くさいレッテルを貼られ(変換できなかったよ、MacBook)、けれど最後まで行(嫁)かないと決めたわけじゃない。
何かあるたび、ちょっとは期待してしまうのだった。
茜は、太陽不動産のオヤジにうまく乗せられて管理人になったような気もしないではないが、この不動産屋の、「店子(たなこ)は育てるもの」という言葉には感心した。「大事なのは、入った人を逃さないこと。ちゃんと払って長く居る店子を育てていくことが大家の仕事。」う〜ん、良い!
そうやって店子と一緒に大家も育っていくのだろう。
ワケアリな店子たちも、ウェットな描き方ではなく、なんとなくユーモラスなのが良い。
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