あらすじ
43歳シングル女子、まさかの転機に直面す――無情な肩たたきの憂き目に遭って、会社員からアパート管理人に転身した茜。昭和の香り漂う「花桃館」の住人は、揃いも揃ってへんてこで……。若くはないが老いてもいない。先行きは見通せずとも、進む方向を選ぶ自由がある。人生の折り返し地点の惑いと諦観を、著者ならではのユーモアに包んで描く長編小説。
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あらすじを読んで気になり購入。
群ようこさんが好きな人はたぶんハマると思う。れんげ荘物語的なストーリーではあるものの、アパートの住人の個性が強すぎて多様性ってこーいうことなのかと思っちゃう笑
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中島京子さんのほんわか楽しい小説。
親から相続したアパートに移り住み、管理人として仕事することに。
花桃館というそのアパートは古く、住人たちもかなり個性的。
父親の愛人?が隣の部屋にいたり、幽霊が出たり、ウクレレを弾く青年、整形美女、探偵、父子家庭、いろんな事件を対処しながら自分の人生見つめ直す、しんみり&ドタバタでニヤニヤしながら読み終えました。
楽しいひとときだった〜
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構成好きかも。201号室の誰々とか、どんどん登場人物が出てきて展開する。基本茜さん側の話なんだけど、充分に管理人の器があるから、ビックリする出来事はないけど、味わい深いので、管理人か結婚か選択を迫られるのも良いよね。ラストの百人一首の場面がまるで理解出来ず申し訳ない、あそこが作者の肝なのに。小さいお家では羽目を外さないけど、ここは遊びがあって好きです
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다양한 사람을 보고 나를 돌아본다.
귀여운 일본 생활
아담한 생활이 너무 좋았다.
여러 사람을 만나보고 싶다는 생각.
조금씩 주민들에게 정을 가지게 되는 주인공.
귀여운 작품을 보고 싶을 때.
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父がなくなりアパートを相続した頃職場に居づらくなだて退職し、アパートの住人・管理人になります。バーを始めた地元の同級生やアパートの奇妙な住人達との交流と恋と…。父の晩年の恋人(アパートの住人)との交流も。とても面白かったです。
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花村茜(はなむら あかね)43歳。実家を出て二十数年。
去年の暮れに70歳手前で急逝した一人暮らしの父親・桃蔵(ももぞう)が買って経営していたアパート『花桃館』
兄は都心のマンションを相続、お前はアパート、と押し付けられた。
折しも会社から肩たたきに遭っていたため、退職してアパートに住み、大家をやる決心をした。
「へんな人ばっかり。へんなことばっかり起こる」(お墓の近くだしね)
でも、気がつくと好きになっていた。花桃館も、大家の仕事も。
「行かず後家」などという古くさいレッテルを貼られ(変換できなかったよ、MacBook)、けれど最後まで行(嫁)かないと決めたわけじゃない。
何かあるたび、ちょっとは期待してしまうのだった。
茜は、太陽不動産のオヤジにうまく乗せられて管理人になったような気もしないではないが、この不動産屋の、「店子(たなこ)は育てるもの」という言葉には感心した。「大事なのは、入った人を逃さないこと。ちゃんと払って長く居る店子を育てていくことが大家の仕事。」う〜ん、良い!
そうやって店子と一緒に大家も育っていくのだろう。
ワケアリな店子たちも、ウェットな描き方ではなく、なんとなくユーモラスなのが良い。
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どうやら私は、古いアパートに住む系のお話が好きみたいです。
(群ようこのれんげ荘とか、乾ルカのてふてふ荘とか)
今の時代、現実にはこんな関わり方って滅多にないんだろなーと思いつつ。。。
主人公がとつとつと心情を吐露する感じや、個性的な入居者たちとのコミュニケーションが良いです。
また一人でアパートに住みたくなりましたw
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仕事をやめ、父の残したぼろアパートの管理人になった主人公の日常。
なかなか濃い入居者とコミュニケーションを取りつつ、父のことや入居者のことを知り、ちょっと成長したり、結婚もがんばればできる、かもしれない。
あまり卑屈にならない主人公のさっぱり感が読みやすさにつながっている気がします。
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43歳の主人公が、亡くなった父のアパートの管理人になり、そこの、ちょっと変わった住人と関わりながら、年齢と向き合い、幸せを探っていく物語、なんだけど、住人がまぁ個性的だし、百人一首が何種類か登場するのですが、主人公の独自解釈にちょっと笑った
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父を急に亡くし、父が残したアパートを相続する。
管理人となり、住人との関わりの中で知らない父の生き方、新しい自分自身の気づきを知っていく。
住人が変わった人が多く、主人公目線で話が進められ
ほんわかした物語。
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ほっこりとはまた違うけれど、春の優しい雨のように穏やかな気持ちになれる1冊です。
主人公が希望に満ち溢れていないし、強い信念をもっているわけでもないのが花桃館の雰囲気とマッチしていると思います。
何か起きそうで起きない。でも、少しずつ居心地の良い毎日に近づいている。
そんな様子にホッとしました。
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静かでちょっとほろ苦くて、ユーモラスで、でも最後は少しほんわかして、何だかとても好きな作品でした。中島京子氏はとても好きな作家ですが、ますます好きになりました。
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中島京子さんは初。
こちらのインスタで何度も目にしたため、読みたいと思っていました!
主人公の茜は43歳、独身。亡くなった父の桃蔵が残した古アパート「花桃館」の管理人を、会社を辞め、思い切って引き受けることに。
失恋に悩むウクレレ奏者に、父親がべらぼうに情けない3人息子の父子家庭、万年整形を繰り返す神出鬼没の女性、猫と暮らす探偵、そして、父の元恋人。
そこに住んでる住民たちはみな、一癖ありへんてこりんだ。
茜は彼等に巻き込まれ、翻弄されながらも、少しずつ管理人業に親しみを覚えていく。
高校時代の同級生であり、またこれも一癖ある尾木くんとの距離感も良いよね。
もう、彼等のやりとりが最高に面白い!
茜の心の中のツッコミも秀逸だし、終始面白エッセンスが盛り込まれていて、飽きない。そして、少しほっこり。
一気に読んでしまった!
中島京子さんの筆力。この一冊だけでしっかり伝わってきた!
他の作品も読んでみよう!
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亡くなった父からの相続でアパート経営をする事になった40代のいかず後家の茜さんのお話
一癖も二癖もある住人たちとのコミュニケーションが愉快
目次が部屋の号数で、それぞれの住人のお話になっている
101号室 茜さんが大家になる経緯
302号室 家賃を滞納している売れないウクレレミュージシャンの玉井ハルオ
201号室 生活能力の乏しいシングルファザー妙蓮寺大輔と子供の陸、海、空
202号室 知的で教養のある仲むつまじい谷川夫婦だけど実は……
203号室 整形マニアの高岡日名子
303号室 部屋に猫がいる、探偵の槌田直樹
301号室 クロアチアからやってきたポーエットイヴァンほろほろヴィッチ
103号室 父の元カノの李華ばあさん
102号室 近所でバーをしている同級生の尾木くんの娘さんの部屋探し
「淵に臨みて魚を羨むは退いて網を結ぶに如かず」
人のことを羨んでいるよりは自分で挑戦してみろという言葉だけど、確かになとは思える
まぁ、僕は今の生活にある程度は満足しているので、生活を変えようとは思わないけど
それにしても、茜さんの古文の読解のユニークさよ
「思ひあらば 干なましものをいかでかは 返す衣のたれも濡るらむ」
気遣いのある人なら、なまものは干してから送るのが普通なのに、
ひっくり返したこちらの服も濡れるほど、汁けのあるものを贈ってくるなんて!
英文を辞書で調べた単語の意味だけで和訳する中学生のような発想かな?
「国際日本東京江戸川大学」という、果たして国際的なのか?どこの大学だよ?とついツッコミをいれたくなるようなネーミングセンス
あと、バーテンダーの名前の由来は間違っているんだけど、その間違った知識を披露しているというところが逆にキャラクターの適当さを表現しているんだろうか?
全体的に、ドラマの『すいか』っぽいので、あんな雰囲気が好きな人は好きかも
中年って若くはないけど、老いてはいないんだよね
80歳まで生きるとして、まだ半分なんだよなーという思いもある
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めぞん一刻をおもいだしてしまいました。
けして綺麗ではない、長屋に住む住人たち。
ちょっとひと癖ふた癖あって、それでいて今の時代にはあまりないような、管理人さんとの触れ合い。
そんな人たちが待っているものは千差万別で、ある意味意表を突く暮し。
管理人さん(大家さんかな)もきっと飽きないことでしょう。
こんな暮しもなかなかすてきですね。
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九州の田舎町にある私の実家は、元々は4世帯が入るこじんまりとしたアパートだった。自営業を営んでいた両親が副業として運営していたアパートで、近くの小学校に勤める先生などが住んでいた。田舎のことなので家賃はかなり安くて、土地建物のローン返済と修繕費などを支払うと家賃収入はほとんど消えてしまっていたのではないだろうか。それでも世話好きだった両親は、大家さんとして店子さん達と楽しくやりとりしていたようだ。
時が過ぎて、高齢となった両親は営んでいたお店を廃業し、貸していたアパートの2階を改築して住むようになり、そのうち1階の住人にも退去してもらい、物置や仲間の集まる趣味の部屋として活用するようになった。二人で四世帯分の広さを使っていたので豪勢な話だが、若い頃から働き通しだった人生の中でのんびりとした時間を過ごすための空間だったのだろうと思う。
数年前に両親が相次いで亡くなったため今では空き家となってしまったが、時々部屋に風を通すために実家に足を運ぶと、両親が生活していた頃の名残があってしばし佇んでしまう。建物も人が長く住むと意思を持つような気がしてくるから不思議だ。
平台に載せられていた中島京子さんの「花桃実桃 (中公文庫)」は、今の季節にぴったりの暖かな雰囲気の素敵な表紙だ。シングル女子で43才の花村茜が、ひょんなことでアパートの大谷さんになった物語だが、その表紙と同じくとても暖かくて優しい気持ちになることのできる一冊だった。
「43歳シングル女子、まさかの転機に直面す―会社勤めを辞め、茜は大家になった。父の遺産を受け継いだのである。昭和の香り漂うアパート「花桃館」で、へんてこな住人に面くらう日々が始まって…。若くはないが老いてもいない。先行きは見通せずとも、進む方向を選ぶ自由がある。人生の折り返し地点の惑いと諦観を、著者ならではのユーモアに包んで描く長編小説。 」
主人公の花村茜は、43才独身、勤めていた会社も辞めて父親の遺産となったアパートに大家さんになるが、バリバリと働くわけでもなく、かといってダラダラしているわけでもないという、少し頑固なところがありながらものんびりとした性格の女性だ。
彼女が引き継いだアパートには、売れない音楽家やシングルファーザーのフリーライター一家、大学の外国人講師や整形美人の女性など個性的なメンバーが住んでいる。それぞれの住人が繰り広げる出来事が、茜の視点から物語として綴られていて、連作短編のような面持ちの一冊となっている。
それぞれの物語を通じて、茜をはじめとした住人達のキャラクターが浮かび上がってくるが、それぞれに問題を抱えていながらもどこか憎めなくてふんわりと優しい、そんな人々が集まっている。大きな事件が発生するわけではないが、自分の周辺でも起こりうるような出来事が起こり、読み終った時にはふんわりと暖かい気持ちになった。
今の季節のように徐々に心が暖かくなる、そんな素敵な物語だ。
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「40代シングル女子。若くはないが老てもいない。先行きは見通せずとも、進む方向を選ぶ自由がある。」なんとも心強いお言葉!そうそう。40代シングル女子は、自由という最強の武器を手にしているのです。不思議な人々と、もうこの世に存在しない人たちに関わりながら生活している主人公の女性。当然、不安はあるけれどそれ以上に自由であることの開放感。いいなぁ。なんだか勇気をもらいました。百人一首や短歌も出てきて、なるほどなぁ....と思いながら完読。読後は爽やかな気分になりました。
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会社を辞めた43歳シングル女性が、父の遺産で相続した古いアパートの大家になり、そこに住んで住人と交流するハートフルな物語。
クスッと笑える文章が面白いし、散りばめられた百人一首などの和歌もいい雰囲気。
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花村茜、独身で43歳。
父が突然亡くなり、兄妹で話し合って というより兄の采配で兄は父の住んでいたマンションを、茜は父が所有していたアパートを相続することになった。
そのころ職場から肩たたきにあったこともあり、そのアパートに大家として住むことになった茜。
茜の日々を彩る、住人との関わりの日々が描かれる。
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時代小説の中島さんと勘違いして購入。
43才の独身女性の茜が、父の遺産であるアパートを相続する。リストラも一因で管理人となる。
化物屋敷と揶揄されるアパートには墓場の近くでもあり、複数の幽霊が出る。茜も幽霊夫婦と知らず酒食をともにする。ファンタジーのような不気味な話し。
茜は諺や百人一首などの解釈が絶望的にできない。それで色々な人と行き違いを生じさせる。面白いと言えばそうなのだが、極端すぎて可哀想になる。
小さな事件が次々と発生するが、すれ違いなようで、どうだろうか。子連れの父親の長男からの父親との結婚要望、同級生のバツイチ男性からの求愛も微妙にすれ違う。
テンポ良く読めるのだが、あまりハマらなかった。
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43歳で、会社からリストラされた茜。
そこに、好きなように生きてきた父が急逝する。
「花桃館」というアパートを彼女に遺して。
茜は大家兼管理人として花桃館に移り住む。
一癖ある住人たちに関わる中で、茜自身も、少しずつ自分のこれからが見えてくる。
そんなお話かな。
この作家さんらしいなあ、と思うのが、諺やら、和歌やらが引用され、物語の進行の鍵となっていくところ。
そのために、諺好きの元同級生で、元予備校講師(国語)の尾木くんなる人物や、「国際日本東京江戸川大学山田」の、ポエット・イン・レジデンス、イヴァン・ほろほろヴィッチが配されている、という気がする。
百人一首などは、わざわざマクミランによる英訳で引用される。
それを、まったく詩歌に関心のない茜が、自己流に解釈して見せるところが面白いところ。
何か、落語のちはやふるのようだった。
「淵に臨みて魚を羨むは、退いて網を結ぶに如かず」という成語も、この物語のテーマに関わる大事な要素だ。
茜の年齢を少し超えてしまった自分にも、なかなか心にしみる言葉である。
さて、このお話。
茜という人物をどうとらえるかで、評価が分かれるかもしれないな、と思う。
茜は、あまり賢いタイプの人ではない。
高校でつきあったヤンキー系の彼氏の影響で、すぐに髪の毛を脱色してしまい、デビューしてしまう人である。
人柄とか容貌とかが特別に優れているわけでもない。
ところが、高校時代の同級生尾木くんの言葉を借りると、「味がある」、面白い人だとなる。
そこに共感できるか、そういうところに魅力を感じられるかで、好き嫌いが分かれそうな気がする。
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アラフォー女性が変わり者だらけのアパートの大家さんをする話。
ほっこりする中にも、
「この人じゃなきゃできないなんてことは、ノーベル賞級の発明ぐらいだ」
とか
「自分大切なものが花か実か地下茎か…」
と、自分の価値観を見極める事だったり
おぉ!と思う言葉が沢山でてきました。
話の中に百人一首が多用されてるのですが自分はあまりピンと来なくてちょっとハマらなかったです。
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肩たたきにより職を失った43歳独身の茜は、父の遺産で相続したオンボロアパート、花桃館の管理人になることに。
とても変わった住人達がいっぱい出てきます。生きている人間から幽霊まで。まぁ、皆あれこれやらかしてくれて笑えます。
自分も気づかないうちにアパートの存在が茜の大きく変わっていって。素直じゃない父親の最高の贈りものだったんですね。ほっこり力の抜け具合が心地いい一冊です。茜の和歌の解釈っぷりはある種の才能かも(笑)。
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花桃館というアパートの大家さん茜と、個性的な住人達や彼女の家族、そして友人との甘すぎず、辛すぎない日常が切り取られた作品。読みやすくて面白かった。3.8
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父・桃蔵が残したアパートの大家になった茜と、「花桃館」の住人たちとの日々がユーモアな文章で描かれてます。住人たちとの会話や茜の独特な思考がユーモラスで、面白いと言えば面白いんだけど、住人たちの奇妙さがイラっとする類のもので(人に頼って生きてる妙蓮寺パパとか、何となく無神経なハルオとか)今一つハマれなかったのが残念。
Posted by ブクログ
初めての作家さんだけど、まず、表紙の可愛さと主人公の年齢に親近感を持ち購入。
読み始めると、独特な文章に少し違和感があったけど(いちいち主人公をフルネーム呼びするところや、古めかしい言い回しが多い?)、内容はほんわか緩い雰囲気なので読みやすかった。
1話につき1部屋フィーチャーして話は進んでいく。
中盤あたりで、このまま特に何もなく終わっちゃうのかしら?と心配になったが、読み進むにつれて、最終話はお父さんが登場か?!とか、茜もいよいよ結婚?!と勝手に私の気持ちが先走ってしまったので、あれれ?という感じで終わってしまった。
だから、ちょっと物足りないような気もするけど、よく考えると悪くない終わり方な気もする。