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世界のまどねこ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 猫は窓が大すき! 窓辺で猫は、光と風を感じながら過ごしている。世界を旅するフォトグラファーが出会った「まどねこ」たち。 ファドが好きならここがいいよ、と小劇場の窓に誘ってくれた君/ポルトガル。 運河の橋のたもとでジャスセッション、窓辺の君もステップを踏み始めた/オランダ。 朝、昼、夜の光が町も猫の表情も変える。とびっきりの猫フォトエッセイ。オールカラーの文庫オリジナル。 やっぱり窓辺の猫は、か・わ・い・い! -
戦時下の外交官 ナチス・ドイツの崩壊を目撃した吉野文六
日本の外交官と外務省の隅々までを知り尽くす佐藤優が、これまでに接した当事者のなかで能力、実績、人格ともに最高に評価するのが吉野文六氏。 吉野氏は、沖縄返還において日米両政府間に密約が存在したことを、2006年に日本側の交渉当時者として初めて明らかにした。外交官の「職業的良心」はいかに生まれ、形成されていったのか。 ・生い立ち、旧制高校時代、帝国大学での学生記者経験、行政科・司法科・外交科すべて合格した高等文官試験。 ・外務省へ入省後、真珠湾攻撃前夜の太平洋を横断、たどりついた北米大陸での見聞、動乱の欧州を視察してベルリンへ。 ・松岡洋右外相、野村吉三郎駐米特命全権大使らのエピソード、各在外公館でおこなわれていた諜報活動、またソ連のドイツ侵攻時に、在ベルリン大使館から南方へ避難した大島浩大使からの下された決死の司令。 ・1945年5月ナチス・ドイツ第三帝国が崩壊する瞬間に立ち会う。そして命を賭してシベリア鉄道横断からの帰国。 1941年から1945年にかけ、激動の欧州を目撃した青年外交官の物語。 -
スメル男 新装版
岡山から上京して東京の大学に通うぼく・武井武留は、母親を亡くした喪失感のためか、無嗅覚症になっていた。東大で作物の研究をしている親友・六川が、ぼくのために「臭い」の研究もしてくれるが研究所で事故死する。悲嘆にくれていると六川の恋人だったというマリノレイコが現れ、六川からぼく宛の荷物だと言ってシャーレを持ってきてくれる。マリノレイコによるとチーズの匂いがするというシャーベット状の中身に触ったときからぼくの身に異変が起こり始める。最初は犬が騒ぎ出し、次にはぼくの臭いを嗅いだ人がみんな嘔吐。住んでいるマンションに警察が調べに来たり、ついには東京都内を巻き込む異臭騒ぎにまでなってしまう。解決の糸口が見つからないまま、こんどは謎の組織に狙われることになり、なぜか味方になってくれた天才少年たちやマリノレイコといっしょの逃亡劇に! -
炎の放浪者
『サスツルギの亡霊』が2019年「本屋大賞 発掘部門『超発掘本!』」に選出された、著者の「もうひとつの超発掘本!」が文庫化。14世紀初頭、端麗王フィリップ四世が統治するフランス。パリに暮らす鍛冶屋ジェラールは、ある日突然、妻と共に投獄される。無実の罪を訴える彼に王の腹心が出した解放の条件は、神殿騎士団逮捕直前に失踪した、一人の神殿騎士を探し出して捕らえるというものだった。妻を囚われたジェラールに選択肢は無く、わずかな手がかりを頼りに、謎の騎士を追う旅に出る――。 2019年の「本屋大賞」発表会で「知らなかったけど、読んでみたいと思った」と会場にいたすべての人に強い印象を残し、話題をさらった『サスツルギの亡霊』推薦者の書店員・蔦屋書店諏訪中州店の立木恵里奈さんの名スピーチ。その中で選出作である『サスツルギの亡霊』を差し置いて「文庫化してほしい!」と熱く語られたた本作が、このタイミングでついに文庫化! -
シュークリーム・パニック
「絶食って、何も食べちゃいけないんですか」―体質改善セミナーに参加したメタボな男性4人組。インストラクターの無慈悲な指導によって、耐え難い空腹感が行き場のない怒りへと変わっていく中、冷蔵庫のシュークリームが盗まれる事件が発生する。ミステリマニアの受講者、四谷は探偵役に名乗りを上げるが―!?爆笑必至の「限定販売特製濃厚プレミアムシュークリーム事件」はじめ、ひと味違う本格ミステリ作品を全6編収録。 ※本作品は 2017年9月14日まで販売しておりました講談社ノベルス電子版『シュークリーム・パニック ―Wクリーム―』と『シュークリーム・パニック ―生チョコレート―』の2冊を1冊にまとめた文庫電子版となります。 本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。 -
嘘をついたのは、初めてだった
大ヒット作『黒猫を飼い始めた』につづくMRC発29のショートストーリーズ。 書き出しの一行は全員「嘘をついたのは、初めてだった」。 でもそこからあとは、十人十色、二十九人二十九色。 恋も裏切りも、グルメも猿の手も、全部あります。 (執筆者一覧・50音順) 青羽悠 赤川次郎 芦沢央 阿月まひる 阿部暁子 彩坂美月 五十嵐律人 大山誠一郎 小川一水 小野寺史宜 柿原朋哉 河村拓哉 櫛木理宇 献鹿狸太朗 佐野徹夜 潮谷験 篠原美季 須藤古都離 高田崇史 竹本健治 夏川草介 波木銅 西尾維新 長谷敏司 柾木政宗 真下みこと 三津田信三 矢部嵩 吉川トリコ -
黒猫を飼い始めた
会員制読書倶楽部、Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)されたショートショート集。 書き出しの1行「黒猫を飼い始めた。」は、全員共通。2行目からはそれぞれの作家が自由に想像を膨らませ、生み出された26編。 「妻の黒猫」 潮谷 験 「灰中さんは黙っていてくれる」 紙城境介 「イメチェン」 結城真一郎 「Buried with my CAAAAAT.」 斜線堂有紀 「天使と悪魔のチマ」 辻 真先 「レモンの目」 一穂ミチ 「メールが届いたとき私は」 宮西真冬 「メイにまっしぐら」 柾木政宗 「ミミのお食事」 真下みこと 「神の両側で猫を飼う」 似鳥 鶏 「黒猫の暗号」 周木 律 「スフィンクスの謎かけ」 犬飼ねこそぎ 「飽くまで」 青崎有吾 「猫飼人」 小野寺史宜 「晦日の月猫」 高田崇史 「ヒトに関するいくつかの考察」 紺野天龍 「そして黒猫を見つけた」 杉山 幌 「ササミ」 原田ひ香 「キーワードは黒猫」 森川智喜 「冷たい牢獄より」 河村拓哉 「アリサ先輩」 秋竹サラダ 「登美子の足音」 矢部 嵩 「会社に行きたくない田中さん」 朱野帰子 「ゲラが来た」 方丈貴恵 「独り暮らしの母」 三津田信三 「黒猫はなにを見たか」 円居 挽 -
参謀
名将・落合博満監督の右腕、懐刀として2004年から2011年までの8シーズン、ドラゴンズのコーチを務めた「名参謀」森繁和が、落合監督の素顔から、若手の育て方、強い組織の作り方を、8年間のドラゴンズでのエピソードを例に、余すところなく書いた。なぜドラゴンズは強かったのか? 落合采配はどこが凄かったのか? ジャイアンツを苦しめた選手起用の妙、徹底した情報管理の秘策などを、参謀ならではの視点で振り返る。 -
終戦のローレライ
昭和20年、日本が滅亡に瀕していた夏。崩壊したナチスドイツからもたらされた戦利潜水艦・伊507が、男たちの、国家の運命をねじ曲げてゆく。五島列島沖に沈む特殊兵器・ローレライとはなにか。終戦という歴史の分岐点を駆け抜けた魂の記録が、この国の現在を問い直す。第24回吉川英治文学新人賞受賞。【2005年3月公開 映画「ローレライ」原作】 (講談社文庫) -
五体不満足 完全版
現在(いま)の思いを加筆した、感動の大ベストセラー! 「障害は不便です。だけど不幸ではありません」喧嘩にスポーツ、課外活動。大勢の仲間に囲まれて、明るく楽しい"オトちゃん"の物語は、生きる勇気を与えてくれる。日本中にセンセーションを巻き起こした感動のベストセラー。単行本刊行以降、多くの苦悩と喜びを経験した著者が"現在"の心境を加筆した完全版。 -
キャパになれなかったカメラマン ベトナム戦争の語り部たち
生き生きと躍動していた仲間の記者、カメラマンたちが、突然骸(むくろ)になる。沢田教一、一ノ瀬泰造、盟友テリー・クー……。戦場という極限状況の中で、出会い、競い、励まし合いながら成長した若者たち。戦争の真の姿を伝えようとした、著者と仲間たちの、血と涙の従軍記。第40回大宅荘一ノンフィクション賞受賞作。 (講談社文庫) -
トライロバレット
バーナム・クロネッカーはアメリカ合衆国ユタ州のウィットロー高校に通う17歳の少年。彼は8歳のとき三葉虫に魅せられ、今ではその化石を熱心に集めつつ、静かな高校生活を送っている。そんなバーナムへのいやがらせが、ある日突然にはじまった。ロッカーの扉を接着され、頭にジャガイモをぶつけられる。体育会系の人気者コール・アボットのしわざだった。バーナムは、コールの行為を〈攻撃〉と呼ぶ謎めいた同級生、タキオ・グリーンと友人になる。そのときすでに、バーナムを驚愕の事件へといざなう運命の歯車は回りだしていた……。現代アメリカ社会の闇に光を当てながら、新しいヒーロー像を描きだす超絶エンターテインメント。 -
地図のない場所で眠りたい
探検部を卒業し、今を時めく人気ノンフィクション作家となった高野秀行と角幡唯介。未知の世界への憧れを原動力とする点は共通するが、テーマの選び方やアプローチの仕方は大きく異なる。高野は混沌とした人の渦へ頭からダイブし、角幡は人跡未踏の地をストイックに攻める。夢追い人二人の、仕事の流儀! -
だから、僕は学校へ行く!
「僕は恵まれていた。だからこそ、今度は僕自身が、社会のために、子どもたちのために、その力を還元していく番なのではないだろうか」。ベストセラー『五体不満足』の著者が、教育委員会の非常勤職員として子どもと向き合い、やがて教師となるまでの胸の内を綴る。学校と教育に関わるすべての人の必読書。 -
電気じかけのクジラは歌う
ヒトはもう、創作らなくていい―― 人工知能が個人にあわせて作曲をするアプリ「Jing」が普及し、作曲家は絶滅した。 「Jing」専属検査員である元作曲家・岡部の元に、 残り少ない現役作曲家で親友の名塚が自殺したと知らせが入る。 そして、名塚から自らの指をかたどった謎のオブジェと未完の新曲が送られてきたのだ。 名塚を慕うピアニスト・梨紗とともにその意図を追ううち、岡部はAI社会の巨大な謎に肉薄していく――。 私達はなぜ創作するのか。この衝動はどこから来るのか。 横溝正史ミステリ大賞受賞作家による衝撃の近未来ミステリー! -
米朝ばなし 上方落語地図
親しまれ続けた落語の主人公ゆかりの場所100箇所あまりを、上方諸地に訪ね、その数々を名文で語った、笑いの巡礼記ーー。古典落語の世界は、庶民がその人生の哀歓を生きた社会である。横町のきいやんや大家の娘(とう)さんの姿を、「三十石船」のくだった淀川、「野崎参り」の道筋からすくい出し、彼らの息吹きをよみがえらせる。軽妙な語り口で紡がれ、かえらぬ上方のいにしえが見事に活写される、「もうひとつの落語」がここにある。稀代の名人・桂米朝の昔語りがたっぷり。落語が好きでたまらない人にも、探訪記やエッセイを愛する人にも、かけがえのない一冊! -
霧惑い 古道具屋 皆塵堂
宇右衛門が若い頃に修業に行った蝋燭屋で一緒に働いていた男。伝兵衛は後に自分の店を本所に持ったが、宇右衛門と同様、今は息子に継がせて隠居。やはり本所の中之郷横川町に家を借りて、気ままな暮らしをしていた。宇右衛門とはずっと交流があり、今回も一緒に酒を飲んだが、宇右衛門と別れた後、帰り道で何者かに殺されてしまった。 日本橋の室町にある木綿問屋・河内屋の一人娘で、かなり大事にされている箱入り娘。十六歳。実際に結構な美人と思われる。 日本橋の大伝馬町にある小間物問屋の息子。お雪に一目惚れし(ちらりと横顔を見ただけ)、縁談を申し込むが最上屋から相手にされない。お雪への想いが募り、知らず知らずのうちに生霊としてお雪の寝所に現れる。 -
日本エッセイ小史 人はなぜエッセイを書くのか
『枕草子』『土佐日記』の昔から日本人に親しまれてきた「エッセイ」。「昭和軽薄体」の大ブームや芸能人エッセイの人気、そして高齢者エッセイの百花繚乱ぶりなど、いつの世も「エッセイ」は時代とともにある。 では「エッセイ」とは何か? 「随筆」「コラム」「ノンフィクション」とどう違う? 「エッセイ」を読んだことのない人はいないはずなのに、意外と誰も答えられない「エッセイ」の正体。 「エッセイスト」を名乗り講談社エッセイ賞選考委員を長らく務めてきた「エッセイの専門家」である著者が、時代を彩った大ヒット名エッセイ160余作品をひもときながら、満を持して真正面から「エッセイ」を縦横無尽に語り尽くす! エッセイストがエッセイについて綴るエッセイ、ついに登場。 -
夢の痕 古道具屋 皆塵堂
古道具屋皆塵堂は、小僧の峰吉で回っている。自在な客あしらい、目利きの確かさ、道具の修繕は職人並みの腕前、と釣り好きで店になかなかいない店主の伊平次に代わって、皆塵堂を切り回している。曰くつきの古道具を手に入れても、峰吉は幽霊を見ないから平気だ。向かいの油屋の小僧参太は、峰吉と違い、幽霊が見える。よその店の古道具の憑きものを見ては、いつも震えさせられている。 それが悔しくてたまらない参太は、一度くらい峰吉に幽霊を見せて、震え上がる姿を見てみたいと思う。幽霊話を仕入れては、峰吉に幽霊を見せようとするが、実際に見て怖い思いをするのはいつも参太ばかり。 そんな参太をご隠居の清左衛門たちも応援にまわる。大人の巳之助、茂蔵、円九郎がとっておきの幽霊話を引っさげ、峰吉に怖い思いをさせる刺客としてやってくるのだが……。 参太のまわりに集まってくるのは、夢がらみの幽霊譚。 夢はお告げか、誰かが救いを求める声か? 職人のじいさんが隠した櫛が気になって成仏できないばあさん。隠し先を峰吉は見破ろうとするが? 二階からあるいは草むらから自分の姿も見える夢を見る菊次郎、誰が夢を見せようとしているのか? 幸ちゃんとしか覚えていない幼なじみの夢を見る円九郎。やっと町名を思いだした円九郎は、峰吉と向かうが、蕎麦打ちに行き詰まり、首を吊ろうとしていた男と出くわした。 ……などなど。他人の夢の話はつまらない、とうそぶきながらも、峰吉は、夢の謎を解く鍵を見つけていく。 皆が期待する峰吉が震え上がる日は来るのか? -
藁化け 古道具屋 皆塵堂
幽霊が見えて、数々の幽霊話を解決してきた太一郎の幼馴染みの巳之助は、浅草の道具屋の若旦那の太一郎とは対照的に、鬼も逃げ出すいかつい風貌で怪力の持ち主だ。なぜか深川の皆塵堂には、昔から出入りしていて、力仕事に重宝されている。 長屋のかみさん連中に魚を売る、気ままな棒手振りで、まるで女っ気がなかった巳之助は、札差の大店大和屋の、とびきりの美人女中お志乃に一目惚れ、なんとか嫁さんにもらいたいと願う。 誰がどうみても、お志乃は高嶺の花。皆塵堂の主、伊平次たちも面白がって、呪い話で手に入った藁人形を巳之助に手渡し、四日の内に次々交換して、お志乃さんにふさわしい価値ある贈り物に替えてみせることができたら、材木商鳴海屋のご隠居清左衛門にかけあってもらい、みんなで背中を押そう、と巳之助をけしかける。 藁人形がはたしてどこまで化けるのか、巳之助の涙ぐましい奮闘がはじまる。 そうこうするうちにも、皆塵堂には、次々と怪異話が舞い込んで……。 皆塵堂シリーズきっての強力キャラ、自称江戸一の猫好き、棒手振りの巳之助が巻き起こす一世一代の「わらしべ長者」奮戦記! -
三谷幸喜 創作を語る
「古畑任三郎」から「清須会議」まで。ドラマ・映画・舞台で次々にヒット作を手掛ける希代のクリエーターが、制作の舞台裏を語り尽くす。 「新しいこと」「おもしろいこと」ばかり考える希代のクリエーターが語る、発想の原点とは! 完全保存版の貴重な1冊── ●『12人の優しい日本人』脚本や演出の原点は”ひとり遊び”。●『古畑任三郎』刑事コロンボの、形じゃなくて精神を真似たかった。●『王様のレストラン』無理難題を受け入れながらも、いいものを創りたい。●『新選組!』天下を取った人間は絶対に書きたくない。●『2000年代からの芝居について』天才の近くにいる人間を書きたい。●『THE 有頂天ホテル』日本中の人が楽しめる映画を創ろうと思うようになった。●『清須会議』時代ものも好きだから映画で1回やりたかった。 -
短篇七芒星
ろくでもない人間がいる。 お前である。 SNSで「書き出しがすごい!」とバズった(46万いいね)本! これが、舞城王太郎の小説だ。言葉だ。 ろくでもない人間がいる。お前である。 くだらないことに執着して他人に迷惑をかける人間がいる。これもお前である。 何を触っても誰と関わっても、腐敗と不幸をもたらす人間がいる。まさしくお前である。(「代替」冒頭より) <収録作>奏雨/狙撃/落下/雷撃/代替/春嵐/縁起(全七篇) 「ろくでもない人間がいる。お前である」 「積乱雲と呼ばれる女の子がいて」 「私のうちの犬はストーム。本当はヒョードル・ミハイロビッチって名前」 ――直截的で幻惑的かつ挑戦的な書き出しで始まるそれぞれの小説世界が描き出すのは、現実と異界に彷徨う命と魂の真実の物語。 作家・舞城王太郎の真骨頂が宿る七短篇。 -
マイスモールランド
第72回ベルリン国際映画祭でアムネスティ国際映画賞・特別表彰を受けた映画『マイスモールランド』を監督自身が小説化! ここにいたい。願うことも罪ですか? 日本で暮らすクルド人少女の願いと闘いの物語。 幼いころから日本で育ち、埼玉の高校に通うクルド人の少女サーリャは、バイト先で東京の高校生・聡太と出会う。県境を流れる荒川の岸辺で、少しずつ心を通わせていく二人。しかしある日突然、在留資格を失ったサーリャの家族は、就労を禁じられ、自由に移動することもできなくなる……。 現代社会の不条理を、居場所を求めて闘う一人の少女の視点で描き、ベルリン映画祭で高く評価された映画『マイスモールランド』(2022年5月6日公開・嵐莉菜、奥平大兼出演)を監督自ら小説化した注目作。 第72回ベルリン映画祭ジェネレーション部門正式招待 -
硝子戸のうちそと
夜中にふと目が覚めた。そんなことはこの夜に限ったことではない。若いころなら枕に頭をつけた途端に寝入って朝まで目覚めないのが当り前のことだった。今はそうはいかない。何度寝返りを打っても廊れないときは眠れない。そういう日は手洗いに行き、睡眠薬を服用してから寝床に戻る。そうして何とか朝方まで寝入る。目覚めた時間が六時、七時だと起きてしまう日もあれば、それから九時、十時までぐっすり睡る日もある。 今夜は私一人である。隣りで寝息をたてたり寝返りを打つ音がまるで聞こえてこない。私は臆病だから私を取り巻く静寂な闇が、私を抑えつけて胸を圧し潰したりしないか、とビクビクしている。 でもその夜は一人きりのわりには、不思議なほどこわくなかった。もう老人だものなぁ。私がお化けになって人に恐がられる日も間近いのかもしれない。そんなことを考えた。 夫は今朝入院して、今はいないのである。…… 夫が救急車で入院するのもおそらく珍しいことではなくなって、その回数も増えていくであろう。私がその都度うろたえないように、あわてないように、と神様が私に練習の機会を今日は与えて下さったのであろうか。 八十七歳と八十二歳の夫婦には、やがては無に帰する日が来るのであるが、その日が来るまで長く生きていくのは、それほど容易なことではない。試練はまだこれからか。とにかく年を取るということは、避けることができないだけに、大変な大仕事なのである。 年を重ねると同じものが別のように見え、かぎりなく愛しくなってくる。一族の歴史、近所のよしなしごと、仲間たち、そして夫との別れ。漱石の孫である著者によるエッセイ集。 -
闇試し 古道具屋 皆塵堂
古道具屋銀杏屋の若旦那太一郎は、幽霊が見える。修業先だった曰く物ばかり集める皆塵堂に降りかかる幽霊騒ぎの数々にかかわってきた。 銀杏屋に浅草森田町の札差大和屋の養女お縫がやって来た。まだ十歳くらいに見えるが、年は十三歳。綺麗な女中と下男を連れ、ふるまいは堂に入っていて、売りたい壺があるという。太一郎は壺に執着する幽霊に気づき、札差を贔屓にしたい番頭の勧めで壺を買おうとする。お縫は太一郎を一軒の袋物屋に連れて行く、その家で太一郎は壺に執着するおかみさんの幽霊を見るが、それに気づいたお縫は、皆の目の前で壺を叩き割ってしまう。壺に執着していた幽霊は消え去ってしまった。 お縫は、太一郎が幽霊が見えるのを知っていて、自分にも見えないものか試したくて、幽霊の出そうなあちこちに太一郎を引きずりまわしたいらしい。 だが太一郎は、お縫の人懐っこい笑顔に悪い予感を抱いていた……。 太一郎のように幽霊を見たいお嬢様に皆塵堂の面々が翻弄される。はたしてその正体は? 「皆塵堂」シリーズに新キャラクター登場! -
ブラックガード
きっかけは、謎の資産家からの依頼だった。 2億円の価値ある商品。 購入の条件はただ一つ。 最も危険な探偵を雇うこと。 小学三年生の娘と二人暮らしの私立探偵・矢能。久しぶりの仕事は「2億円の商品取引」の交渉人。 だが、なぜ彼が選ばれたのかは明かされなかった。 そして、取引現場で目的不明の殺人が起きる。 立て続けに起きる誘拐と殺人。 次々に現れる新たな依頼人と行方不明者。 シリーズ史上、最も難解な事件の幕が上がる。 元ヤクザの探偵×掟破りのミステリー 「なにが起こっているんです?」「俺にもわからん」 「矢能シリーズ」第5作! -
ちょっと奇妙な怖い話
どこまでが真実でどこからが脚色なのか。日常の出来事に微妙な違和感を抱かせ、読み手を異世界へといざなうライト・ホラー短編集! 私の名は進木独行。五年以上前にデビューしたホラー系作家である。本書では、私自身がこれまでの人生で体験してきた奇妙な出来事を元にして、つらつらと話をつづっている。もちろん見聞きしたことも含まれている。本書で楽しむべき肝は、本筋の「奇妙」のみならず、寄り道した部分にも含まれている。実体験をそのまま描いたものもあるが、本書は創作か実体験か判別しづらいことがウリでもある。──さて、今回の第1話は私が中学1年生のときに訪れた石垣島での体験の話。「星の砂」で有名な白い砂浜で海水浴を楽しんだ帰り、世にも奇妙な海の生きものに遭遇したのだった……。 -
怨返し 古道具屋 皆塵堂
日光街道の越ヶ谷宿の旅籠で働かせてくれた恩人・仁兵衛の遺品には幽霊が憑いていた。仁兵衛が若い時分に、江戸で借金の取り立て屋「すっぽんの桑次郎」という異名をとっていたことを知った甥の藤七は、遺品の数々を元の持ち主に返す旅に出ることになった。道中、「刀狩りの男」と呼ばれる浪人に襲われ川に落ちた藤七は、深川亀久橋近くの古道具屋「皆塵堂」で目を覚ました。 三十年前に仁兵衛が手に入れた遺品の数々は、「すっぽんの桑次郎」の借金の形なのか。優しかった伯父が人々に恨まれる非情な取り立て屋だったことがどうしても信じられない藤七は、限られた七日間の江戸滞在のうちに、遺品の持ち主を捜し出し、憑いている幽霊の謎を解き明かし、伯父の正体をつきとめることができるのか? 材木商のご隠居・清左衛門、力自慢の魚屋・巳之助、有能な小僧・峰吉らの助けも借りながら、「知りたがりの藤七」は江戸でも行く先々で幽霊をみることに……。 怪談+とぼけた笑いで人気の「皆塵堂」シリーズ、第十弾! -
なめくじに聞いてみろ 新装版
本格推理(ミステリ)+活劇小説(アクション)の最高峰! ――日下三蔵氏(ミステリ・SF評論家)、絶賛! 読み始めたらやめられない、これぞ「活字のジェットコースター」 天才科学者・桔梗信輔が発明した奇抜な殺人方法を闇に葬れ! 息子の信治は父の死後、出羽の山中から東京へと向かった。目指すは父から技術を伝授された十人を超える殺し屋たちの抹殺。奇想天外な武器を操る者たちに、悪事に無縁の青年はどう立ち向かうのか? 国産アクション小説の金字塔、ついに復刊! 【日下三蔵氏によるミニ解説】 岡本喜八監督が惚れ込んで「殺人狂時代」(1967年)として映画化したことでも知られる国産アクション小説の金字塔、久しぶりの復刊です。翻訳ミステリの編集者として007シリーズの原作小説を日本に初めて紹介した都筑道夫は、その本質を「大人の紙芝居」と表現しました。日本を舞台にその面白さを再現することをねらって書かれたこの作品には、攻撃と反撃(アタック&カウンターアタック)のアイデアが惜しげもなく投入されていて、まるで読み始めたらやめられない「活字のジェットコースター」のようです。謎解きの面白さと冒険活劇の面白さを一冊で堪能できる贅沢な大人のためのエンターテインメントを、ぜひ手にとって見てください。 -
怪獣記
トルコ東部のワン湖に棲むといわれる謎の巨大生物ジャナワール。果たしてそれは本物かフェイクか。現場に飛んだ著者はクソ真面目な取材でその真実に切り込んでいく。イスラム復興主義やクルド問題をかきわけた末、目の前に謎の驚くべき物体が現れた! 興奮と笑いが渦巻く100%ガチンコ・ノンフィクション。 -
恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白
二〇〇〇年春、函館新港に運ばれてきた覚醒剤。その量百三十キロ、末端価格にして約四十億円。"密輸"を手引きしたのは北海道警察銃器対策課と函館税関であり、「銃対のエース」ともてはやされた刑事だった。腐敗した組織にあって、覚醒剤に溺れ、破滅を迎えた男が、九年の服役を経てすべてを告白する――。二〇一六年六月二十五日公開、映画『日本で一番悪い奴ら』(主演・綾野剛)原作。 -
滝山コミューン一九七四
郊外の団地の小学校を舞台に、自由で民主的な教育を目指す試みがあった。しかし、ひとりの少年が抱いた違和感の正体は何なのか。「班競争」「代表児童委員会」「林間学校」、逃げ場のない息苦しさが少年を追いつめる。30年の時を経て矛盾と欺瞞の真実を問う渾身のドキュメンタリー。(講談社文庫) -
サリエルの命題
少子化は正しい。問題は長寿だ。 突然発生した新型インフルエンザで、離島の住民が瞬く間に全員死亡。 そしてとうとう本州にも感染者が。頼みの治療薬の備蓄が尽きる時……。 助かる命に限りがあるなら、将来ある者を優先せよ。 迫真のポリティカル・サスペンス! <内容紹介> 悪魔のウイルスの名は「サリエル」。医療に通じ、癒す者とされる一方で、一瞥で相手を死に至らしめる強大な魔力、『邪視』の力を持つ堕天使――。 日本海に浮かぶ孤島で強毒性の新型インフルエンザが発生し、瞬く間に島民全員が死亡した。それはアメリカの極秘の研究データが流出して人工的に作られたという疑いが。テロの可能性が囁かれるうちに、本州でさらに変異したウイルスの罹患者が現れる。ワクチンもなく、副作用が懸念される治療薬が政府の判断で緊急製造されるが、感染が拡大しても全国民にはとうてい行き渡らない。刻々と事態が変化していくなか、果たしてパンデミックは回避できるのか?
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