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Posted by ブクログ
「人工降雨」
秋恵もの。DVの謝罪からはじまり、一瞬のハネムーンののちにあっという間に貫太がイライラして暴力が飛ぶ。
もはやDVの様式美と言えるテンポの良さと流れの完成度はコントや落語の域である。
ここまでオーソドックスでストロングなDVを描く西村賢太はもはやDVの大家と言える。
「下水に流した感傷」
これも秋恵。結句、貫太の短絡と暴力の話ではあるのだが、今作の本筋でもある観賞魚を飼おうとして四苦八苦しているくだりがなかなか面白い。
「夢魔去りぬ」
西村賢太にとっては歯を食いしばりながらのマイルストーンであるのだろうなと感じられる作だが、エンタメ的な私小説としてはケレンみが薄い。
後世の西村賢太研究者には喜ばれるかも
「痴者の食卓」
秋恵もの。鍋を買おうという秋恵の提案に端を発し、最終的にはそれなりに高級なホットプレートなんて買い与えてやるが、新品の匂いが気に入らず、あげくすき焼きの〆なんかで揉めて暴力沙汰になる。
北街貫太が振るうDVはミクロで見ると間違いなく悲劇の狂乱だが、マクロに引いて見ると喜劇のお祭り騒ぎである。そんな滑稽さが詰まった作。
「畜生の反省」
秋恵との喧嘩に不貞腐れ、金を使って鬱憤を晴らそうと古書店で貫太が管を巻くところから始まる。
しかし、一通り金を作るとその際のやり取りもあって貫太も反省をし、秋恵に良くしてやろうと帰宅する。しかし、帰った室で秋恵が父に貫太との喧嘩を報告していた様子を知り一時の反省もなんのその、再びどのような諧謔をしようかと思案する。まさに畜生の反省である。タイトルの妙
「微笑崩壊」
飲み屋で他のカップルが揉め、女を責める男の醜悪さに愕然として貫太が反省してちょっと優しくなる話。
お約束として結局DV男に戻るのだが、確かにその時の秋恵はちょっとウザいのが面白い。
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