最果てアーケード

最果てアーケード

小説・文芸
660円 (税込)

3pt

使用済みの絵葉書、義眼、徽章、発条、玩具の楽器、人形専用の帽子、ドアノブ、化石……。「一体こんなもの、誰が買うの?」という品を扱う店ばかりが集まっている、世界で一番小さなアーケード。それを必要としているのが、たとえたった一人だとしても、その一人がたどり着くまで辛抱強く待ち続ける――。

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社文庫
  • タイトル
    :
    最果てアーケード
  • タイトルID
    :
    60001364
  • 電子版発売日
    :
    2015年06月12日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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最果てアーケード のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    アーケードの人は、下世話な噂ばなしはせず、みんなひそかに、お互いを温かく見守る。お父さんと「私」のことも、輪っか屋さんの恋模様も。

    「私」ももう亡くなっていて、霊のようにゆらゆらと出てきては思い出を語っているのかな。小さいもの、目立たないもの、死んだものに視線を向ける。このアーケードでは、そういうものが大切にされ、尊重されている。

    目立たないけど、役に立つかどうかわからないけど、そのままでいいよ、と言ってもらえるような物語だった。

    0
    2026年02月28日

    Posted by ブクログ

    最初は大人のための童話・おとぎ話を読んでいるような気持ちだったけど、
    だんだん主人公の輪郭がぼやけていくような不穏な感覚が高まっていく。

    外国のようで、昭和の日本のようで
    本当に不思議な世界観。
    不穏さ、奇妙な売り物。
    全部好きです。

    0
    2025年02月19日

    Posted by ブクログ

    不思議なアーケードの片隅で起こる「死」を弔う話。異国の童話のような不思議な世界観だった。「死」を美しく拾い集めた話の数々は、読後に喪失感を感じながらも、どこか心の傷を埋めてくれるような不思議な気持ちになった。ライオンのドアノブの奥の窪みのような場所はどんな人にもあるのだろうか。きっと誰にでもそんな場所はあって、見つけたいような見つけたくないような不思議な場所だと思った。

    0
    2025年02月01日

    Posted by ブクログ

    ささやかな物品や情景から垣間見える人柄など
    目にうかぶお話。
    今は無き、故郷の昔馴染んだ店々が思い浮かぶ。
    八角形のラーメン屋、祖母と行ったおやきとかき氷、手芸屋のおじさん先生、甘茶の匂いのお茶屋、飴色の喫茶店のコーラフロート、乾物屋のじいちゃん、母の財布を盗んで行った駄菓子屋、犬と散歩に行った時可愛がってくれた、食パンがとにかくおいしいパンやさん、やさしいお姉さんの肉屋さん、

    0
    2025年01月14日

    Posted by ブクログ

    この物語は「小さい時の思い出から」と、エッセイ『遠慮深いうたた寝』に書いてあった。
    だから、このアーケードでの出来事を語る「私」とは小川洋子さんだ。

    小川洋子さんは、岡山市中区森下町で生まれ育ち、11歳に祇園町に引っ越している。
    岡山市のどのアーケードの思い出なのだろうと思っていたが、パリのパサージュをイメージしていたそうだ。

    日常の「とるにたらないものもの」への想いを綴った、江國香織さんの作品を思い出したが雰囲気は違った。
    「最果てアーケード」は、だれがそんなものを必要とするの?という品物を扱っている商店の人々の物語だった。

    『ブラフマンの埋葬』でもそうだったが、本書も人の名前が出てこない。
    舞台となるお店が違う10篇の物語でできているので、"店主さん"と呼べばどの店の店主さんか分かるのだ。
    人物が多人数登場する小説が苦手な私にとってはありがたい。

    名前で呼ばれるのは飼い犬の べべ だけだ。
    登場人物は、
    物語を語る「私」。私の「父」。
    レース屋の店主、かつて衣装係だった老女。
    百科事典のセールスマン、同級生のRちゃん。
    義眼屋の店主、(店主の)婚約者さん、兎夫人。
    輪っか屋(ドーナツ屋)さん、元体操選手。
    紙店の店主(レース屋の姉)、雑用係のおじいさん。
    ドアノブ専門店の店主"ノブさん"。
    未亡人の勲章店の店主。
    遺髪レース編み師。
    軟膏屋さん。
    大学の助手。

    どんな商品を扱っているお店かは、登場人物の呼び方でわかると思うが、
    こんな(商売になりそうもない)お店が連なっているアーケードなどあり得ない風景だ。
    だが、昔はアーケードの中のどこかに、似たような雰囲気のお店が紛れ込んでいた記憶がうっすらとある。

    その品物が必要で探し求めてくるお客さんと店主さんのこだわりや想いが伝わってきます。
    さり気ない動作や心情の描写がうまい小川洋子節が堪能できる物語だと思います。

    0
    2024年07月15日

    Posted by ブクログ

    ささやかな生活と、死
    年を重ねて変わるもの、変わらないもの

    アーケードの住人になったような気持ちになる

    0
    2024年06月02日

    Posted by ブクログ

    生と死の間にある小さな物語たちが、小川洋子さんにしか描けない優しく穏やかで静謐な、しかしときに冷たく曖昧な描写で淡々と紡がれていきます。
    途中途中で感じられる違和感も、最終章で納得が行く形となりますが、まだまだ私が未熟なこともあって全てを理解しきれてはいないような気がします。とはいえ、全てを語らないのも小川洋子さんワールドという感じがして、なんとも魅力的でした。
    きっと遠くない未来にまた何度も読み返すであろう特別な一冊に出逢えました。

    0
    2023年06月03日

    Posted by ブクログ

    良かったです。
    小川洋子さんの作品で今まで読んだ中では「ことり」が1番好きですが、同じ位大切にしたい本になりました。
    いつも独特な世界観で中々感想を書くのが難しいのですが、この作品は読みやすく主人公の気持ちに触れ合えるような気持ちになれました。
    変わらず不思議な世界です。

    0
    2023年02月25日

    Posted by ブクログ

     小川洋子さんの世界観を存分に堪能できる作品です。静かで寂しげな空気感をまといながら、単なる暗さや哀しさとは異質の、凛とした厳かさや美しさを感じさせる物語でした。どこまでも優しく、ただただ余韻に浸れます。

     小さなアーケードの商店街が舞台で、10編それぞれに商店の店主と客のエピソードが描かれる連作短編集です。1話ごと話は完結しますが、商店が連なるように少しずつ重なる構成です。

     各商店、扱っている物、店主、訪れる客など、失われた命や過去の断片が紡がれ、全てアーケードに収束されていきます。アーケードの大家(父)の娘が語り部となり、生と死が交錯する世界が、思い出の痕跡を辿るように描かれます。

     「最果て」は、華やかさや賑わいとは真逆で、行き止まりを象徴する場所なのでしょう。生と死、現実と幻想の境目が曖昧な場所は、死の気配がありながらも敬いと優しさにあふれ、最後は父も愛犬も語り部さえも取り込んでいくのだと解釈しました。

     小川洋子さんが創り出す世界は、まるで深い森のように静寂さと神秘さを連想させながら、ときおり優しく差し込む木漏れ日など、森の豊かさを実感させてくれます。小川さんが描く物語に引き込まれる理由は、この辺にあるのだなと改めて思いました。

    0
    2026年09月27日

    Posted by ブクログ

    10篇の短編が交錯しながら物語を構成していて、摩訶不思議かつ時系列も不明確ながら、ノスタルジックな光景が思い浮かぶ。
    舞台は『最果てアーケード』と名付けられた、昔ながらの寂れた雰囲気の小さなアーケードだ。
    ある日アーケード近くの映画館が火元になった大火事に見舞われ、周辺は類焼したのだが、この古めかしいアーケードだけは何故か延焼を免れ、以前の姿のままで店は営業を続けることができた。

    商店街の大家を父に持つ少女がこの小説の主人公だ。
    父親は大火災の際に焼死し、幼い少女と若い愛犬べべが残されたのだが、各店主たちは少女とべべには温かく接してくれていた。
    少女と相棒のべべは、店で購入した商品をお客様のところに配達するアルバイトをしながらアーケードの人達と共に生きている。
    各商店が扱う商品は特異なものばかりで、義眼屋、レース屋、ドアなどのノブ、紙屋、勲章店、シンプルなドーナツ屋など、普通の人にとっては日常必要としないものが多い。

    特に胸を打った物語は、最後の「フォークダンス発表会」だった。
    成長した少女、年老いた相棒のべべ、少女の父親、そして人の良い各店主たちが繰り広げる場面に何故か涙ぐんでしまった。
    がしかし、決して悲しい涙ではなく、何故かノスタルジックな想いに駆られた温かい涙なのだ。
    この体験が小川洋子さんの物語が誘う世界なのだろう。
    本当に不思議な世界を醸す作家さんだ。

    0
    2026年07月23日

最果てアーケード の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    講談社
  • 掲載誌・レーベル
    :
    講談社文庫
  • タイトル
    :
    最果てアーケード
  • タイトルID
    :
    60001364
  • 電子版発売日
    :
    2015年06月12日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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