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Posted by ブクログ
久しぶりに佐藤賢一の著書だ。題名にあるガスコンとは、ガスコーニュ人のことだ。フランス南西部、大西洋に面するピレネ山麓一帯を、フランスでは古来、ガスコーニュと呼んだ。この土地の人間は熱血漢が多いとか、あるいは狡知に長ける食えない連中揃いだとか様々に評判されているのだが、その豊かな才知ゆえのことか、ガスコーニュは多くの出頭人を出している。その筆頭株こそ、ブルボン王朝を開いたフランス王、アンリ4世陛下に他ならないわけだが、この栄達にわれも続かんとばかり、冒険に身を投じる若きガスコン達が跡を絶たない。本書では、そのガスコンである、元銃士シャルル・ダルタニャンと、青年隊士を引退し詩人・音楽家となったシラノ・ドゥ・ベルジュラックの2人の話だ。
時代は、イギリスでは清教徒革命が起こり、議会派が王党派を圧倒して暴君チャールズ1世がスコットランドに亡命したころである。フランス王家だけが安泰というわけではなく、フランスでも決起・蜂起・反乱のうわさが絶えない。フランスの政治思想は、イングランドの場合と異なり、貴族による共和制といえども、その骨子は、「混合王政」あるいは「制限王政」の実現にあった。後世にいう立憲君主制のはしりであり、国王の存在自体を否定するものではない。
フランスでも、体制派と反体制派とに分かれ、時には血を見る争いに発展することもあるが、その体制派の宰相に雇われ、密偵のような役割を任せられるダルタニャンとシラノだった。
調査しなければならない貴族の女性マリィ・ドゥ・カヴォアに恋してしまったダルタニャンは任務と自分の思いの葛藤に悩まされ、ついに、マリィの過去と悩みを知り、その手助けをすることで事件に巻き込まれていく。
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