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亡命者
夫と死別し、神とは何かを求めてパリに飛び立った私。極限の信仰を求めてプスチニアと呼ばれる、貧しい小さな部屋に辿り着くが、そこは日常の生活に必要なもの一切を捨て切った荒涼とした砂漠のような部屋。個人としての「亡命」とは、神とは、宗教とは何か。異邦人として暮らし、神の沈黙と深く向きあう魂の巡礼、天路歴程の静謐な旅。 著者を敬愛する芥川賞作家石沢麻依による解説を巻末収録。 "……私は、内部からパアッと照らしだす光の中にいた。生まれて以来、何処にいても、居場所でないと感じつづけた、わけが、わかった。わかった、わかった。と、何かが叫んでいた。逆なのです、わたしたちすべて、人間すべて、あちらからこちらへ亡命してきているのです。あちらへと亡命するのではなく、この亡命地からあちらへ帰っていくのです。かつて、そこに居たのですから。”──本文より 芥川賞作家石沢麻依さん大推薦! 待望の文芸文庫化。 「『亡命者』は私にとっても思い入れの深い作品です。初めて読んだ時は、それまでの作風との違いに困惑したものの、最後のページにたどり着く頃には、深い白と青の光景に言葉を失くしました。入れ子構造の巡礼世界に、こんな領域まで言葉がたどり着けるのか、と畏れも感じた覚えがあります。そして、現在、自分がドイツにいることにより、個人としての「亡命」とは何なのかを考えさせられています。」 -
抹茶ミルク
コロナ禍で発足したZoomを使ったオンラインの「YAMI大学」。その中の「深呼吸学部」(橘川幸夫・学部長)では、さまざまな活動と交流を産み、「深呼吸BOOKS」として、オリジナル出版を開始した。 第一弾となる『抹茶ミルク』は、滝和子による書き下ろし小説。描かれる家族との不条理な出来事と、愛すべき人々の織りなす掌小説は、多くのサポーターに支援され、見事にクラウドファンディングを成立させ、より幅広い読者が手にする機会を得た。 推薦の言葉 これは、機能不全家族の物語だ。核家族の闇が噴出してくる。健全な家族と機能不全家族との境界は限りなくあいまいだから、読者は封印していた家族問題を掘り起こされ、痛みと癒しのプロセスを進めることになる。 田原真人(参加型社会学会会長 社会活動家) 滝和子さんがご家族や僕ら友だちのことも思い、手紙のような気持ちで小説を書いていることはかねてより知っていた。ある日「平野さんのために最終章を書き足した。書かなければならないと思ったから。」と最終稿が送られてきた。その瞬間から僕の中で小説を書く・読むという行為の意味が根本的に変わってしまった。商品でも文学でもない、全く新しい参加型小説なるジャンルが突然目の前に現れたことに、僕は心底驚いたのだった。であれば次に来るのは返歌であり、アンサーソングだ。僕もこの「抹茶ミルク」を機に小説を書くことになるのだろう。これはそういうムーブメントの始まりだと思うので、何だか少しピンときた人はぜひ参加されたし。 平野友康(情報経営イノベーション専門職大学 超客員教授 ZoomとVR 旅芸人の一座 座長) 滝さんとは、お仕事経由で知り合いました。イラストレーターとしてご指名してくださり、ご縁が続いております。 とても気さくな印象の方でとてもリラックスしてご一緒に仕事させてもらっていますが、小説は実体験が元になってることも相まって、ギャップがすごいです! 和遥キナ(イラストレーター) (※本書は2021/10/5に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました) -
敵は家康
アルファポリス第6回歴史・時代小説大賞特別賞受賞作! 礫投げが得意な若者・弥七は陰(ほと)と呼ばれる貧しい集落で、夢も希望もなく、地を這うように生きてきた。あるとき、図らずも自らの礫で他人の命を奪ってしまったことで、元盗賊のねずみという男とともに外の世界へ飛び出す。やがて二人は、作事集団の黒鍬衆(くろくわしゅう)の一員として、尾張国の砦造りに関わるようになる。それは弥七にとって、人生で初めての充実した時間だった。だが、尾張を狙う今川義元が領主・織田信長に戦を仕掛けたことで、そんな日々は終わりを告げる。弥七のいた織田領の丸根砦に、大軍が攻めてきたのだ。弥七は織田の兵とともに、戦うことを決意する。しかし、その大軍を率いるのは松平元康、のちの天下人・徳川家康で――。桶狭間の合戦前夜、名もなき青年が戦国の世を駆け抜ける! -
和らぎの国 小説・推古天皇
『利生の人 尊氏と正成』で日経小説大賞を受賞した天津佳之氏の受賞第一作は6世紀末に即位した史上初の女性天皇、第33代、推古天皇を主人公に、この国の精神のなりたちに迫る野心的な作品。神代から始まる『古事記』はこの推古天皇の時代で終わっており、まさに日本が神話から歴史に移る時代の物語です。「和を以て貴しと為す」初の成文法・十七条の憲法、「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す」との国書を中国の皇帝に捧げた初の遣隋使、氏姓によらない朝廷内の官僚の序列を初めて示した「冠位十二階」……朝廷が次々と国家体制を整える改革を断行したのは、推古天皇の御代でした。摂政・聖徳太子が主導し、政治を安定させるべく仏教の興隆を進めるなか、激動する東アジアとの関係を巡って生じた軋轢をも融和させる女帝の祈りに、人々は神代の昔から続く、この国に在る真心を見ました。和らぎの国とは、はたして――奇しくも昨年2021年は聖徳太子の1400年忌にあたり、この作品にも登場する聖徳太子創建の法隆寺はじめゆかりの寺院で盛大な法要が営まれ、大阪と東京の美術館・博物館では聖徳太子をめぐる特別展覧会が開かれたばかり。本作には、聖徳太子の伝説をめぐる、あっと驚く仕掛けも隠されています。 -
VRChatガイドブック~ゼロからはじめるメタバース
「ゲーム」じゃなくて「メタバース」!! 今日から現実と仮想の二拠点生活はじまります。話題のソーシャルVRアプリを徹底解説! お気に入りのアバターをまといVR空間でコミュケーションできる話題のアプリ「VRChat」。その楽しさの秘密はもちろん、操作方法などのチュートリアルを丁寧に解説。また、すでに楽しんでいるユーザーたちの取材を通して、その魅力に迫ります。「自分の好きな姿で、なりたい自分になる」ための1冊! Chapter1 VRChatの基本操作と基本概念 Chapter2 VRChatの楽しみ方 Chapter3 VRChatを楽しむキーパーソンたち Chapter4 ヘビーユーザーの高度な楽しみ方 ※この商品は固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
願いの始まり 神神化身
「もう一度聞く。お前の本願は何だ?」 この世界では “カミ”に優れた歌と踊り――「舞奏」を奉じれば、どんな願いでも叶うという。 六原三言(むつはら・みこと)には叶えたい願いがなかった。 類まれなる才能に恵まれ、それ故に孤独でもあったが、ただ“カミ”のために舞奏を極められればそれで良かった。 しかし、皋所縁(さつき・ゆかり)はその違和感を見逃さない。探偵を辞め、とある願いを叶えるため必死に舞奏に喰らいついてきた皋は、三言のような人間を理解できなかった――。 斜線堂有紀が挑む「ライフワーク」であり壮大な伝奇ミステリ。 Twitterで話題の連載小説が待望の書籍化。 謎を秘めた青年達の才能と業、願いをめぐる物語が幕を開ける。 -
焼け跡から立ち上がった10人の男たち
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 昭和20年8月15日敗戦―焦土と化した祖国日本の明日に向かって雄々しく立ち上がった男たちの物語。 (※本書は2013/7/1に発売し、2022/1/7に電子化をいたしました) -
死刑囚の命を救った歌―渡辺はま子「あゝモンテンルパの夜は更けて」
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 昭和20年8月終戦―はるかフィリピン・モンテンルパの刑務所に収容された死刑囚を含むBC級戦犯たち100余名。彼らの命を救ったのは「気骨の歌姫」渡辺はま子のたった一曲の歌だった。全員、無事日本に帰国するまでの苦難を描く感動の物語!! (※本書は2015/7/1に発売し、2022/1/7に電子化をいたしました) -
ひび割れから漏れる
「私、雷に打たれたいんだよね」 僕の隣で、千歳さんがそう呟いた。 いつも制服の下にハイネックのシャツを着ている風変わりなクラスメイト。 彼女に頼み込まれてこの夏、雷を“落とす”ための避雷針作りを手伝わされることに。何でもなかったはずの僕の日常が、彼女によって少しずつ彩られていく。 きっと、千歳さんは何かを隠している。 それでも千歳さんと一緒にいたくて、ずっとこんな日が続けばいいのにと思っていた。 彼女の“ひび割れ”にも気づけないまま……。 トゥーファイブクリエイターアワード《小説部門賞》受賞作。 ゆっくりと進む恋と痛み。少年と少女が“心”を見つけるひと夏の物語。 -
「ウルトラセブン」の帰還
放送開始50年! かくてヒーローは去った。新事実多数の決定的ドキュメンタリー。圧倒的分析力で「そのとき何があったのか」を再構築する迫真のドキュメント。新発見の資料を総合することから見えてくる“歴史的事実”…。著者にしか書けない驚異の一冊。「ウルトラマン」から半年を経た1967年10月1日、待望の「ウルトラセブン」がテレビに姿を現した。子供達は大喝采で迎え、金城哲夫をはじめとする若きスタッフも自信満々であった。しかし、ある人物が作品の先行きに危惧を抱いていた…。前作2冊でファンの度肝を抜いた著者が、ついにシリーズ最高の人気作に挑む第3弾。豊富な一次資料を駆使し、あくまで同時代の視点で、制作過程を再構築する。かくて「ウルトラセブン」は朝焼けの空へ飛び去った……! -
「怪奇大作戦」の挑戦
放送50年、若き才能と時代が生んだ奇跡の名特撮ドラマ、決定的ドキュメンタリー登場。前作『「ウルトラセブン」の帰還』で絶賛された驚異の分析力で定説に挑む! 1968年9月15日、第1話「壁ぬけ男」の放送で円谷プロの新シリーズ「怪奇大作戦」は幕を開けた。怪獣も宇宙人も登場しない新路線に戸惑っていたのは、視聴者だけでなく、金城哲夫をはじめとするスタッフも同様だった。一方で「マイティジャック」の失敗が、若き才能が集う〝梁山泊〟の先行きに暗い影を落としていた。それでも彼らは、切磋琢磨の中から、テレビ史に残る珠玉の傑作を送り出していく…。金城哲夫、上原正三、実相寺昭雄、円谷一、飯島敏宏…60年代後半、夢の映像工房に集った若き才能の角逐と光芒。その足取りを丹念に分析し、「そのとき何があったのか」を再構築する。前3作で圧倒的評価を得た著者が挑む、待望のドキュメンタリー第4弾。今回も史料と証言から、名作の歴史的事実に迫る。 -
自死という生き方 覚悟して逝った哲学者
著者は立命館大学の哲学講師。2006年4月、自死を遂げるが、そこには一冊分の完成原稿が残されていた。自殺の意味と理由、方法、哲学的背景、そして決行日に向けての心理分析と行動録……淡々と描かれる「積極的な死の受容」の記録がここに。 ※2008年に刊行された本書は、「人生観を試される衝撃の書」として話題になりました。 65歳の春。晴朗で健全で、そして平常心で決行されたひとつの自死。 「人生の果実は充分味わった。」そう感じた著者の遺稿『新葉隠 死の積極的受容と消極的受容』に、評論家・浅羽通明氏による解説と御子息による巻末文を加え、『自死という生き方 覚悟して逝った哲学者』と改題して出版したものです。 電子書籍化した本書を読むことで、様々に変容する世の中を生きる我々もまた「老いと死」に向き合えるかも知れません。 -
四月の岸辺
群像新人文学賞から現れた、揺らぐ時代の表現者。第63回群像新人文学賞優秀作を受賞した「四月の岸辺」と、それに連なる飛躍作「導くひと」を収録する第一作品集。 「四月の岸辺」評より―― 「この小説でしか表せなかったなにかが読まれてほしい、この先を書いてほしいと思った」柴崎友香氏 「マイノリティであっても非マイノリティと同様に平穏な日常生活もある様子を丁寧に描きつつ、マイノリティ同士でもどちらかが加害者になってしまう瞬間を厳しく捉えた、たいへん頼もしい小説」松浦理英子氏 「導くひと」評より―― 「信心とは洗脳の牢なのか、篤信と狂信の境は。入れ子構造を折々に反転させる語りが固定観念を揺さぶる。デビュー作からの大脱皮だ」鴻巣友季子氏(朝日新聞「文芸時評」2021年4月28日) これは、つづきの物語。 「四月の岸辺」:三人の従姉妹たちと暮らす「私」は、スカートをはいて通った小学校を卒業し、ぶかぶかの詰襟を着て中学校に通い始めた。みずからを「森の子ども」と呼ぶクラスメイトの少女と、ささやかな交流が始まるが――。 「導くひと」:テロ事件を起こした教団を離れ、東京からひとり山梨の集落に移住した男は、子ども時代を「森の共同体」で過ごしたという青年と出会う。彼の眼はあまりに澄んでいた――。 -
鳥獣戯画/我が人生最悪の時
「凡庸さは金になる。それがいけない。何とかそれを変えてやりたいと思い悩みながら、何世紀もの時間が無駄に過ぎてしまった」――28年間の会社員生活を終え自由の身となった小説家。並外れた美貌を持ちながら結婚に破れた女優。「鳥獣戯画」を今に伝える高山寺を興した高僧明恵。父親になる三十歳の私。恋をする十七歳の私。時を超え、主体を超え、物語は旋回していく。語りの力で何者にもなりえ、何処へでも行くことができる小説の可能性を、極限まで追い求めた谷崎賞作家最大級の野心作「鳥獣戯画」。単行本未収録の傑作短篇「我が人生最悪の時」を併録。自筆年譜付きの決定版。 -
シンデレラとガラスの天井 フェミニズムの童話集
意識を失ってる女性にキスするなんて、ぞっとする。 お金持ちになる方法は、王子との結婚だけじゃない。 米国女性コメディ作家が語り直した、陽気で爽やかな現代のおとぎ話。 【本書で再話される物語】 人魚姫/眠り姫/白雪姫/シンデレラ/赤ずきん/ラプンツェル/ピーターパン /美女と野獣/親指姫ほか 「なぜ長い間、男たちに女性の物語を書かせてきたのか? 彼らは私たちを塔に閉じ込めたり、家を掃除させたり、とても眠くさせたりしたのです。この本は遂にそれを正した!」 ――ローレン・アダムス(女優) 「ウィットに富んだ、今求められているおとぎ話のリブートだ。私たちがこれまで子供たちに何を教えてきたのか、考えさせられる」 ――ジョー・ファイアストン(コメディアン) 「グリム兄弟もローラ・レーンとエレン・ホーンにはかなわない」 ――ジェニファー・ライト(作家) 「時代は変わりました。物語も変わるべきでしょう」 ――著者まえがきより -
【電子版】俺の家の話
宮藤官九郎のオリジナルシナリオ最新作。 長瀬智也×宮藤官九郎。 令和初タッグで描く“濃すぎる家族が織りなす王道ホームドラマ”のシナリオ全10話分を完全収録! ピークを過ぎたレスラー・寿一の元に、20年以上音信不通だった父で人間国宝寿三郎危篤の知らせが飛び込んできた。奇跡的に一命を取り留めた寿三郎は、介護ヘルパーのさくらと婚約して遺産もすべてさくらに譲ると宣言。介護と遺産相続を巡る激しいバトルのゴングが鳴り響く!! 【本電子書籍は電子書籍化にあたり、紙本に含まれていた次の要素は掲載されておりません。・キャスト&スタッフアンケート】 ・第1話、第2話、第3話、第4話、第5話、第6話、第7話、第8話、第9話、第10話シナリオ完全オリジナル版 <巻末特典> ・あとがき 宮藤官九郎 ・教養としての「能」演目編 ・教養としての「プロレス」コスチューム編 ・キャストリスト、スタッフリスト -
奇蹟のピアニスト 人生哲学 やがて鐘は鳴る
奇蹟のピアニスト、フジコ・ヘミング。幼い頃から才能を発揮し、高く評価されていたにもかかわらず、不遇の時代をすごしてきた天才ピアニスト。1969年、リサイタル直前に風邪で聴力を失い、やむなくすべてのコンサートをキャンセル。その後、耳の治療に専念する傍ら、ピアノ教師として生計を立て、演奏活動を行ってきた。1999年、そんなフジコを取り上げた『フジコ~あるピアニストの軌跡~』(NHK)が放送されたことがきっかけでブレイク。多くの苦難を乗り越えたフジコの演奏は視聴者の魂を揺さぶり、大反響を巻き起こした。ピアノと共に壮絶な人生を歩んできたフジコ。本書では「うまくいかないほうが当たり前」「じぶんらしく生きる」という、偉才ならではの人生観や死生観、生活観に迫った気持ちが軽くなるエッセイです。フジコに密着し続けてきた写真家・中嶌英雄氏の貴重写真も多数掲載。 -
奇跡の村 木頭と柚子と命の物語
昭和35年、徳島県の山深き寒村・木頭に赴任した一人の青年農業技師が、村人の暮らしを守るために驚愕の挑戦に着手した。植えっぱなしで見捨てられた杉の密植林を開墾し、柚子の栽培を始めたのである。桃栗三年、柿八年、柚子の大馬鹿十八年と言われるほど困難な事業であった。誰もが白眼視するなか、青年たちは粘り強い説得で少しずつ仲間を増やし、一筋の希望を見事な黄金色の「木頭柚子」というブランドに結実させる。 しかし、一度は明るい未来に手をかけたはずの村人たちを、ダム建設という過酷な現実が容赦なく呑み込んでゆく。そして、村を分断する激しい対立の果てには、予想もしなかった悲劇が待ち受けていた。 過疎高齢化、産業崩壊、自然破壊……四国の美しい自然を舞台に、地方社会の危機的未来を塗り変えようとする人々の営みを描く感動の実話小説。 山奥は“過疎”ではなく“適疎”。 時代の評価軸が回るとき、逆転の扉が開く。 藻谷浩介(地域エコノミスト) -
小説の神様 3冊合本版
【2020年10月2日(金)映画公開!】 W主演佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)&橋本環奈 「小説の神様」シリーズ3冊合本版。 小説は、好きですか――? いつか誰かが泣かないですむように、今は君のために物語を綴ろう。 僕は小説の主人公になり得ない人間だ。学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……。 物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。彼女の言う“小説の神様”とは? そして合作の行方は? 書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春! 【収録作品】 『小説の神様』 『小説の神様 あなたを読む物語(上)』 『小説の神様 あなたを読む物語(下)』 -
新訳『ドラえもん』
【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 映画『スタンドバイミードラえもん』原作! 2020年8月8日に全国東宝系にて公開されるドラえもん初の3DCG映画『STAND BY MEドラえもん』の「原作本」です。映画脚本のもととなった藤子・F・不二雄先生の『ドラえもん』作品7本を完全収録しています。 「未来の国からはるばると」「たまごの中のしずちゃん」「しずちゃんさようなら」「雪山のロマンス」「のび太の結婚前夜」「さようなら、ドラえもん」「帰ってきたドラえもん」。どれも名作の誉れ高い、読み応え十分な作品ばかり。 各作品の間には、ドラえもんがのび太くんには話せなかったことを文章で綴ります。文章を書くのは映画の宣伝プロデューサー・佐々木宏さん。トヨタ自動車のドラえもんCMを手がけ、ドラえもんの大ファンでもある佐々木さんの思い入れたっぷりの文章も読みごたえ十分です。映画を観た人も、これから観る人も楽しめる一冊です。 ※この作品はカラー版です。 -
コミックス作家 川村リリカ
三十歳の美しいコミックス作家・川村リリカと、同い年の敏腕編集者・野崎百合子。「俺」「お前」と呼び合う可憐な二人が、喫茶店で、イタリアンで、カツカレーの店で、新作の打ち合わせをする。「それはそのままタイトルになるね」「なるね。メモしとこう」。物語はどのように生まれるのか。創作の秘密が垣間見える連作集。 〈挿画〉牛久保雅美 【目次】 きみはミステリーだよ いまのような密会の時間 荒野は誘惑する スクランブルド・エッグス二個をかきこむ 苦手なものはありますか 豆腐とケチャップで微笑する 梨を切ろうとしたとき オーガズムと自分の現在 裸でプッタネスカ 青い色にからめ捕られて フレンチフライドポテト 雨のコカコーラ -
一人と千三百人/二人の中尉 平沢計七先駆作品集
関東大震災の混乱のなか亀戸事件で惨殺された若き労働運動家は瑞々しくも鮮烈な先駆的文芸作品を遺していた。 知られざる作家、再発見 関東大震災の混乱のなか亀戸事件によってわずか三十四歳で非業の死を遂げた労働運動家・平沢計七。 彼は少年時から鉄道会社の大工場で労働現場に立ち、やがて労働組合活動に入っていったが、その短い生涯で、瑞々しくも鮮烈な文芸作品を遺していた。 短篇小説十三篇、戯曲七篇と評論・エッセイ七篇を精選し、知られざる先駆的作家に再び光をあてる。 祖国の手で打砕かるゝか、 民衆の手で打砕かるゝか 死を予想しえた若き労働運動家、 その知られざる文学的航跡。 大和田 茂 平沢は日々の労働運動や社会運動の中で、数々の軋轢、暗闘、分裂をいやというほど味わってきた。なぜ、人々は階級的憎悪をもってテロリズムに走るのか、なぜ思想のちがいや意見対立、すなわち小異を捨てて大同団結できないのか。彼にとって、革命は遼遠の彼方であった。(中略)平沢はさらに労働者の意識に下降しようとしていた。彼は指導者意識が強かったが、一方では小説、戯曲、講談などで人々の内面にわかりやすく訴えかけていこうとした。「解説」より -
狼の吐息/愛憎一念 藤澤清造 負の小説集
蘇える木枯しの文士“どうで死ぬ身の一踊り”を実践し、自ら破滅へと向かった大正・昭和初期の私小説家。その生涯を賭した、不屈の「負」の結晶。藤澤清造生誕一三〇周年貧苦と怨嗟を戯作精神で彩った作品群から歿後弟子・西村賢太が精選し、校訂を施す。新発見原稿を併せ、不屈を貫いた私小説家の“負”の意地の真髄を照射する。芝公園で狂凍死するまでの、藤澤清造の創作活動は十年に及んだ。貧苦と怨嗟を戯作精神で彩ったその作品群から歿後弟子・西村賢太が十九篇を精選、校訂を施す。不遇作家の意地と矜恃のあわいの諦観を描く「狼の吐息」、内妻への暴力に至る過程が遣る瀬ない「愛憎一念」、新発見原稿「乳首を見る」、関東大震災直後の惨状のルポルタージュ等、不屈を貫いた私小説作家の“負”の真髄を照射する。西村賢太登場時すでにして古めかしいと評され、冷笑視されてもいたその文体だが、当然、小説が日記やレポートの類と違うのは、それが読者に読ませるものでなければならない点にある。その上では何んと云っても文体がモノを言ってくるわけだが、清造の場合、自らの古風、かつ独自の文体をより強固に支えるに戯作者の精神を持ってきた。そこが良くも悪くも、凡百の自然主義作品とは大きく異なるところである。「解説」より -
崖っぷちパラダイス
崖っぷちの女たちのサバイバル。 ライターの翔子、コーディネイターの恵、カメラマンのルミ、スタイリストの友美。この4人は、女性誌「クワランタ」のフリーランススタッフだ。充実した仕事に追われているうちに約40歳になった4人は、気がつくと人生の崖っぷちに立っている。こじれた不倫、見合いの失敗、昔の男の接近、仕事のトラブル、親の介護、自分の健康。男の謎の失踪や犯罪への関与、はてはスパイ疑惑までが舞い込んで来て、女たちは右往左往する。 アラフォー・シングル・フリーランスの「三重苦」を抱え、それでも必死にサバイバルする女たちと、その周りの少なからず問題のある男たちを描く、笑えて泣ける連作小説。 -
愉楽にて
美と恋に生きる名家の男たちは、 書物を愛でるように、女と情を交わし、 自由になるために、女から愛を求める。 東京・京都・シンガポールを舞台に、家柄にも資産にも恵まれた50代の男たちが、甘美な情事を重ねていく、その果てに―― 日経朝刊連載時から話題沸騰! 絢爛たる贅沢な官能美の世界を描く傑作長編 大手医薬品メーカー九代目、久坂隆之は53歳。副会長という役職と途方もない額の資産を与えられた素性正しい大金持ちで、シンガポールと東京を行き来し、偏愛する古今東西の書物を愛でるように女と情事を重ねる。スタンフォード留学中に知り合った友人、田口靖彦は老舗製糖会社の三男。子会社社長という飼い殺しの身が、急逝した妻の莫大な遺産により一変。家の軛から自由になるために、女からの愛を求め、京都で運命の出逢いを果たす。時代の波に流されず、優雅で退嬰的な人生をたゆたう男たちが辿り着いたのは―― -
立原正秋 電子全集
強い意志と真率な感情、青春の夢と激情を抱いた若い魂にとって非行とは何かを問う長編。立原初の新聞小説で代表作の一つ。 「冬の旅」美しく優しい母を、義兄修一郎が凌辱しようとした現場を目撃した行助は、母を助けようと誤って修一郎の腿を刺して少年院に送られる……。母への愛惜の念と義兄への復讐を胸に、孤独に満ちた少年院での生活を送る行助を中心に、社会復帰を希う非行少年たちの暖かい友情と苛烈な自己格闘を描き、強い意志と真率な感情、青春の夢と激情を抱いた若い魂にとって非行とは何かを問う長編。無常としかいえない世界で健全な目を持ちながら、どんどん死に惹かれてゆく行助の宿命的な生き方に注目。「冬の旅」は立原初の新聞小説で、1968年5月から1969年4月にかけ「読売新聞」夕刊に連載され評判を呼び、立原正秋の名を一般に広めることとなった作者の代表作のひとつ。他に作者が愛した花・水仙を表題とした自伝的な作品「水仙」と、その続編もいえる「空蝉」。また作者が眠る瑞泉寺(鎌倉十刹の筆頭格。また「花の寺」として知られ、特に水仙の花の名所である)が作中に登場する「ちぎれ雲」を収容。 付録として長女・立原幹氏が父の思い出を綴る「東ケ谷山房 残像」など関連エッセイ5作収録。特別寄稿として立原ファンを自認する吉本ばなな氏の「立原正秋と私」を掲載。 ※この作品にはカラー写真が含まれます。 -
我らがパラダイス
細川邦子(48)は兄・三樹男(53)に憤っている。父・滋(82)の面倒をみるというから、兄夫婦に実家を明け渡したのに、父のぼけがはじまった途端、兄嫁・登喜子(56)が家出をしたというのだ。嫁にガツンと言えない頼りない兄に父を任せるわけにいかない……期せずして、邦子の介護の日々が始まった。 田代朝子(54)は看護師の仕事を辞し、寝たきりの母・チヅ(78)の介護中。そこに、リストラされた弟・慎一(53)が転がり込んできた。職探しもしない弟のために家計は逼迫、朝子は広尾にある高級介護付きマンション「セブンスター・タウン」で働きはじめる。 丹羽さつき(52)はセブンスター・タウンの従業員。80間近の父・貢と、母・ヨシ子はともに元気で、周囲にうらやましがられるほどだったが、父にがんが見つかり、闘病むなしく死去。母の老いもにわかに進み、さつきの平穏な日々は終わりを告げた……。 坂道を転げ落ちるように悪化する父の認知症。より時給のいいパートを探し、セブンスター・タウンで働きはじめた邦子が目にしたのは、入居費8000万円をやすやすと支払い、ホテル並みの施設で悠々と暮らす豊かな老人たち。母を手頃な施設に入れることに決めた朝子も、老いた母と困窮していくさつきも、自らの状況と、セブンスター・タウンの住人たちとの「格差」に愕然とする。いつしか3人は力を合わせ、親を空き部屋に住まわせたり、ぼけた入居者と自分の親をすりかえたり、それぞれの危機を乗り越えるため、一世一代の「計画」を企てる! はたして「貧者の逆転劇」の結末は?? -
ひょうすべの国 植民人喰い条約
ひょうすべに支配され、暴力と抑圧が加速する世界で、詩歌は生き延びることができるのか……腐敗した現代社会に亀裂を穿つ、笙野頼子の新たなる地平! 【あらすじ】 「NPOひょうげんがすべて(ひょうすべ)」と「知と感性の野党労働者党(知感野郎)」が政権を握った国・にっほん。そこでは人殺しの〈自由〉、弱者を殴る〈平等〉、餓死と痴漢強姦の偏りなき〈博愛〉がまかり通っていた――。 千葉県S倉市に住む埴輪詩歌は、「指導教授」でもある最愛の祖母・豊子をひょうすべに殺される。母が営む花屋は世界企業に潰され、父は「少女遊郭」に入り浸り死んだ。やむなく詩歌は少女遊郭の「ヤリテ」見習いに入るがたちまち馘、そこで出会った夫も、人喰いの餌食に。時は流れ、権力者からの求愛、世界を揺るがす手紙がもたらされたのだが……詩歌の〈生〉とは何であったのか!?地に堕ちた自由と民主主義を問い直す、予言的物語。
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