父がしたこと

父がしたこと

1,980円 (税込)

9pt

目付の永井重彰は、父で小納戸頭取の元重から御藩主の病状を告げられる。居並ぶ漢方の藩医の面々を差し置いて、手術を依頼されたのは在村医の向坂清庵。向坂は麻沸湯による全身麻酔を使った華岡流外科の名医で、重彰にとっては、生後間もない息子・拡の命を救ってくれた恩人でもあった。御藩主の手術に万が一のことが起これば、向坂の立場は危うくなる。そこで、元重は執刀する医師の名前を伏せ、手術を秘密裡に行う計画を立てるが……。御藩主の手術をきっかけに、譜代筆頭・永井家の運命が大きく動き出す。

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父がしたこと のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年02月23日

    一気読み。参勤交代で痔になる大名。初耳。大変だ。エコノミークラス症候群も多発していただろうな。「父のしたこと」まったく肯定できないが、それが忠臣という時代…。それにしても、あまりに実直…。教科書でしか知らない江戸時代の蘭方医が、生きた“お医者さん”として目の前に。資料探しも大変だったろうな青山さん。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月28日

    物語の前半はちょっと読みにくい、ちょっとこの世界に入りにくいところもあるが、中盤以降は青山文平ワールドに浸ることができた。青山氏の本は残らず読んでいるが、今回も期待に違わず最後まで一気読みしてしまった。
    隠居した父の年齢を超えているせいか、主人公よりも父に感情移入するところが多かった。
    願うしか救い...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年04月08日

    初青山文平。
    久しぶりに、華岡青洲の「麻沸散」(全身麻酔薬、通仙散)の文字を見た。
    史実を土台にした医療時代小説だけど、本筋は武家小説。
    気になって、いろいろ考えてしまった。
    藩主の妄言とは?どこの藩?
    向坂先生は気の毒だとか。
    関係ないけど、
    華岡青洲の直系の子孫は東京で歯科医院を営んでいる。

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    Posted by ブクログ 2024年03月23日

    「本売る日々」に続いて2冊目の作品。武士としての生き方の第一はなんとしてもその当主を守ることなのかなと感じました。自分の家族よりも重き置くというのは、現代社会の価値観で考えると理解に苦しむ一端もありました。私息子も先天性の腸の病気があり、この時代に生きていたら、とても耐えられない状況に置かれたのかな...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月05日

    藩主の痔瘻の治療や新生児の鎖肛など、肛門の話を扱った小説は稀でありながら興味深く読ませてくれた。
    御城の小納戸頭取を勤める永井元重は、藩主より絶大な信頼をよせられていた。藩主の治療に必要な麻酔は、この時代には蛮夷として忌避されていたが、医師の向坂清庵は痔瘻手術に麻酔を使ったのだったが…。
    藩主を思う...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年03月02日

    タイトルに惹かれて手にした
    みんな立派過ぎて・・・
    感嘆しかない
    それでも、そうしないといけなかった??
    それが悲しい

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    Posted by ブクログ 2024年03月01日

    譜代藩の譜代筆頭の家に生まれ、一旦はともに医師を志した父子。

    藩主と我が子の恩人である蘭方医を山の事故で失い、一家の柱となる母を卒中で亡くし、更に隠居したばかりの父も海の事故で亡くすという悲劇を続けざまに経験し、その中で父が果たした役割を知った主人公は、自家で武士であるとはどういうことかを痛切に理...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月07日

    藩主の手術に秘密裏に麻酔を使うことを決めた側近、江戸時代の蘭学の位置。

    物凄く渋く、江戸時代蘊蓄に溢れ、意外なラスト。良かった。

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    Posted by ブクログ 2024年01月21日

    っぽく無いタイトルですが、生粋の時代小説です。
    英邁な藩主。その身の回りの世話をし、藩主からの信頼の厚い小納戸頭取の父。そして目付の主人公。藩主の持病は痔。領内に住む蘭学の医者に全身麻酔下での手術を受け、成功するのだが・・・。
    痔、あるいは主人公の子の鎖肛(肛門が生まれつきうまく作られなかった病気)...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年02月07日

    時代に於ける、医療の歪んだ思考に唖然とした。漢方を扱う内科医が頂点で、麻酔術を扱う西洋外科医が底とは…全身麻酔で藩主、そして重彰の息子を救った向坂先生。その向坂先生が何故…未だモヤモヤしている。

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