国内小説 - 講談社作品一覧

  • 恋する平安京 コミック&小説を楽しむビジュアルガイド
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    1巻1,463円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 〈巻頭カラー〉  京都市 VS 大内裏 MAP  平安京の内裏 鳥観図  平安京オールスター1 後宮に暮らす貴族女性の世界  平安京オールスター2 官庁で競う貴族男性の世界            「あさきゆめみし」にみる 女性の装束と襲色目      「あさきゆめみし」にみる 和歌に詠まれた日本の草花    「陰陽師」にみる 平安京に響く楽の調べ         「あさきゆめみし」「陰陽師」にみる 男性の美=舞の姿  〈なるほど平安京1〉  平安女性の正装 裳唐衣(十二単)解剖!  長髪は女の命 平安女性〈髪〉スタイル集  恋歌で知る 平安 恋の作法             宮中の四季を彩るイベントカレンダー(旧暦)   今昔観光案内1 平安京の風水と四神相応            第1章 平安京の光 恋する都  現代人も胸焦がす! 平安ラブストーリー  紫式部・和泉式部・藤原薬子・藤原高子・式子内親王・待賢門院(藤原璋子)  ・常盤御前・在原業平・藤原頼長・西行(佐藤義清)    本郷先生の解説1                    〈なるほど平安京2〉  日記文学にみる 恋歌の世界              平安中期(10世紀頃)の官位相当制        「平安スター」6人の官位レース  今昔観光案内2 王城守護の神社と寺院                           第2章 平安京の闇 怨霊の都   除霊で解決!? 平安京あやしい事件簿  系図1 平安初期&末期の天皇家  桓武天皇・早良親王・安倍晴明・菅原道真・平将門・崇徳上皇・安徳天皇                          本郷先生の解説2                  〈なるほど平安京3〉  娘たちが支えた藤原家の繁栄           系図2 藤原北家から見た天皇家の系譜    年表 平安時代の光と闇             終章 その伝承 コミック&小説ガイド   『あさきゆめみし』大和和紀            『陰陽師』岡野玲子/夢枕獏・原作         『応天の門』灰原薬                 『烏に単は似合わない』『烏は主を選ばない』松崎夏未/阿部智里・原作  おすすめコミック 16作品                   おすすめ小説 26作品                      ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 恋電話
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    ●STORY:18歳高3の北川彩美は、1年前の自分のことを「恋に恋していた」だけだったと実感する日々だ。カレシが、できた。しかも大学1年生。山口涼介は、たった1学年差なのに「オトナ」なのだ。愛車でのデート、その行先が遠い海だったり、一流のレストランだったり。同級生の友達カップルが幼稚に思えて、彩美は「カレに似合う女子になろう」と努力をするのだが。とある日、涼介のクルマの灰皿に“口紅の付いた煙草の吸い殻”を発見してしまってパニックに陥る。感情のままケンカ別れをして、それっきり。毎夜の涼介からのラブコールも途絶えたまま。彩美は、考える。オトナなカレに甘えすぎていたのかも? そして彩美は、受話器を手にして……。 ●作品MEMO:昭和62(1987)年8月の講談社X文庫ティーンズハート新刊ラインアップ内の1冊。花井愛子の同レーベルでの5作め。令和時代の10代女子には「?」でしかないが、昭和終盤の恋人たちの連絡方法は、イエデンまたは手紙のみ。しかも固定電話は一家に1台が普通で「かけると相手の親が出る」リスクが高くて気軽にコールできなかった。他にも、メールやLINEと違って手紙の「返信」は早くても数日後とか、当時若者に人気だったクルマの車種、料理名、DCブランドの描写や“オマケあとがき”の内容などが、昨今のオトナ女子にとって「懐かし」さ満開の復刻バージョン。もちろん電子版書きおろしの“あとあとがき”と読み比べての楽しみも!! ●WELCOMEBACK:講談社X文庫ティーンズハート電子版では「WELCOMEBACK」をキーワードに昭和平成のヒット作品を順次収録、展開予定。その第1弾配信が、花井愛子の10作『1週間のオリーブ』『山田ババアに花束を』『またたびハウスSTORY』『ジュリエット宣言』『恋電話』『星の恋人たち』『10月のパイナップル』『恋曜日』『淡雪ロマンス』『銀色のボーイ』の同時配信。各作品への感想コメントや今後のラインアップ希望など大歓迎!! ぜひぜひお寄せください。  ●関連アイテム:『ときめきイチゴ時代〈ティーンズハートの1987-1997〉』『ムダな金はつかうな!』『ハナイ式ちょびっとダイエット〈50歳でもラクラクまにあう〉』
  • 恋と嘘 映画ノベライズ
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    結婚相手を政府が選ぶ、恋愛禁止の世界。ある日、私たちは「恋」を「通知」される。森川葵、北村匠海、佐藤寛太出演の映画ノベライズ版!「最良」の結婚相手か――「最高」の幼なじみか――本当の「幸せ」は、どこにある!?
  • 恋の休日
    3.7
    放校された女子高生と、男に夫をとられた漫画家。ふしぎな青春小説。肩を“ポンと叩いただけ”で教師が階段から落ち、女子高生のフィンは高校を退学になった。父は体調を崩し、愛人に看病されている。大学生の彼氏とは大喧嘩の末別れたばかり。今どきの若者の風俗や生態を淡々としたタッチで描きながら、心の奥底でふるえる悲しみをとらえた真摯で切なく、心やさしい作品集。(講談社文庫)
  • 恋ははかない、あるいは、プールの底のステーキ
    3.8
    1巻1,771円 (税込)
    あ、また時間に捕まえられる、と思った。 捕まえられるままに、しておいた。 小説家のわたし、離婚と手術を経たアン、そして作詞家のカズ。 カリフォルニアのアパートメンツで子ども時代を過ごした友人たちは、 半世紀ほどの後、東京で再会した。 積み重なった時間、経験、恋の思い出。 それぞれの人生が、あらたに交わり、移ろっていく。 じわり、たゆたうように心に届く大人の愛の物語。
  • 恋人
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    さまざまな愛とゆれる女心を描く短編集。出逢いと別れ、不倫の愛、ひそやかな恋。平穏な暮しのなかで、違う人生を夢みる女たちの心のゆらめきと翳り――変化のない平凡な日々に、倦怠を覚えていた蓉子の前に、偶然現われたのは、年若いセールスマンだった。夫の眼を盗み、二人は逢いびきを重ねていった。出逢いと別れ、不倫の愛、ひそやかな恋……。平穏な暮しのなかで、違う人生を夢みる女たちの心のゆらめきと翳りを細緻に捉える、魅力あふれる短編12編を収録。
  • 恋人
    3.0
    1巻1,463円 (税込)
    「もし生きていたら、30年後のクリスマスに会いましょう。必ずよ」、それが彼女の別れの言葉だった。「ずっと憶えている」「そうしましょうよ」――人生は孤独に耐える修練かもしれない。淋しさは突然さざ波のように心の中を走る。その波が通りすぎるのを待ち、また恐る恐る歩きだす。噛みしめるほどに味わいが深まっていく文学の言葉で綴られる胸底に響く物語。
  • 恋人たち LOVERS
    3.5
    「女と男」の様々な生き方。いまを生きる素敵な女性のおしゃれな恋の結末。自分の考えで生きる13人の心模様を描いた傑作! ーーやっぱり実物を見ないと、だめなときってあるんだ……。心の中で描いたラブレターだけでは納得がいかないのが、女心。でも、それがわからないのが男心。そんな「女と男」の微妙でおかしな関係を、13編の恋愛小説に。いまを生きる女性たちの心模様を軽快なテンポで巧みに描いた、落合恵子ワールドへようこそ!
  • 恋人よ
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    こんなにも好きなのに、なぜ分かりあえないの。忘れられない愛がある――裕福な愛人生活を捨て、質素な一人暮らしを始めた沙江子。ゲイボーイとの奇妙な交流の果てに訪れる新たな転機とは(「ありふれた夜に」)。年下男との別れ話がこじれ、男の友人に襲われた啓子(「水にゆらめく」)。すれちがい、引かれあい、そして反発する恋人たちの4つの心模様。せつなさ溢れる、大人の恋愛小説集。
  • 恋ゆうれい
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    10年連れ添った恋女房が、交通事故で死んだ。悲嘆にくれる男のもとに、四十九日の法要の晩、妻が幽霊になって帰ってきた。生前と変わらず家事をしてくれる「恋ゆうれい」との、奇妙な同居生活が始まる。彼女は恨みはないと言うが……。危うい怖さのなかにある、せつない想い、涙、そして愛。もう一度会いたい。たとえ幽霊であっても……。<『ブルー・デビル』改題作品>
  • 恋曜日
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    ●STORY:中高一貫教育の冷泉学院女子部。中3生の大沢瞳が所属する放課後部活『料理クラブ』には、ロマンチックな伝説が存在する。つくった料理を当日中に片想いの相手に渡せたら、恋は必ず成就する!! 部活の火曜日を歴代部員は“恋曜日”と呼びならわしているのだ。ヒトミも、ひと目惚れの男子部高1生“ヒサト”くんに「恋曜日してみたい」のは山々なのだけれど。実は、プロの料理研究家を母に持つ娘のくせに、料理がド下手。あげくのナリユキで、大失敗作のケーキをカレに手渡す羽目に陥ってしまったのだが。伝説は、真実!? ヒトミの“恋曜日”の結末は!? ●作品MEMO:昭和62(1987)年11月新刊。講談社X文庫ティーンズハートでの花井愛子8作め。8月既刊の『恋電話』に続いての『恋曜日』というタイトルは、のちの『恋織姫』へと展開されてゆくが、物語は各々まったく別の内容でシリーズ連作ではない。「恋曜日』は、女子校の料理クラブが舞台で、かつ母親が料理研究家という設定により、基本的に「料理の登場が多い」花井愛子作品の中でもレシピやコツ、うんちくや雑学などの関連描写が、ダントツに細かい。ラストメッセージページでも神戸生まれ関西人の「タコヤキ愛」を語っているので、画面を拡大してチェックしてみるのもオススメ。令和電子版書きおろし“あとあとがき”付き!! ●WELCOMEBACK:講談社X文庫ティーンズハート電子版では「WELCOMEBACK」をキーワードに昭和平成のヒット作品を順次収録、展開予定。その第1弾配信が、花井愛子の10作『1週間のオリーブ』『山田ババアに花束を』『またたびハウスSTORY』『ジュリエット宣言』『恋電話』『星の恋人たち』『10月のパイナップル』『恋曜日』『淡雪ロマンス』『銀色のボーイ』の同時配信。各作品への感想コメントや今後のラインアップ希望など大歓迎!! ぜひぜひお寄せください。  ●関連アイテム:『ときめきイチゴ時代〈ティーンズハートの1987-1997〉』『ムダな金はつかうな!』『ハナイ式ちょびっとダイエット〈50歳でもラクラクまにあう〉』
  • 恋をする女たちへ
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    捨てられた、裏切られた、騙された、といった言葉が、いまだに女性の間に、当然のことのように通用している。何とも不思議なことだ。いったい、現代の若い男女に、恋愛や結婚というものがわかっているのだろうか? ――愛の実践経験豊かな著者が、初めて愛の諸問題(男女の心理や生理)を、徹底的に告白・検討して教える、長編ラブ・ガイド・エッセイ。
  • 公園 卒業式 小島信夫初期作品集
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    著者十六歳、岐阜中学校校友会誌に掲載された小品から、昭和二十年代までの初期作品を集成。第一高等学校時代の透明感溢れる心象風景を綴った伝説的佳品「裸木」や、同人誌「崖」に発表された「往還」「公園」などの戦前作品、また、著者固有のユーモアの深淵を示す「汽車の中」「卒業式」「ふぐりと原子ピストル」など、〈作家・小島信夫〉誕生の秘密に迫る十三篇を収録。
  • 高架線
    4.0
    新刊『長い一日』が各紙誌で大評判。 若手随一の小説の名手、芥川賞作家の滝口悠生、初の長編小説。 思い出すことで、見出され、つながっていくもの。注目の芥川賞作家、初めての長篇小説。 風呂トイレつき、駅から徒歩5分で家賃3万円。古アパート「かたばみ荘」では、出るときに次の入居者を自分で探してくることになっていた。部屋を引き継いだ住人がある日失踪して……。 人々の記憶と語りで綴られていく16年間の物語。
  • 皇后考
    4.3
    時代と社会の変容とともに「ありうべき皇后」像はあった――。血脈による正統性が保証された天皇とは異なり、人生の途中で皇室に嫁ぎ、さまざまな葛藤を克服するなかでその存在となる「皇后」。神功皇后や光明皇后ら、過去の偉大な皇后と感応しつつ、近代日本に時空を超えた皇后像を現出させ、さらにはアマテラスに自らを重ね合わせようとする貞明皇后。斬新な視点で天皇制の本質を明らかにし、秘められた扉を開いた記念碑的著作!
  • 甲州子守唄
    3.8
    「笛吹川」の現代版 庶民の無常の世界を独特の語りで描いた世捨て人の文学 明治末から大正、昭和と三代にわたる日本近代の歩みが、笛吹川のそばに住む貧しいオカア一家を舞台に展開する一大ロマン。生糸の暴落と農村の貧窮、明治天皇の崩御、関東大震災、戦争と出征、空襲と食糧難、敗戦とヤミ商売――その間には息子・徳次郎の二十年近くのアメリカへの出稼ぎがあり、薄情者となって帰国した息子とその一家をオカアの眼差しから描く。土俗的な語りによる時代批判。
  • 絞首台の下
    -
    北海道の開墾地で兄と働く近代娘の千早。消息を絶っていた許婚のハガキを手に千葉へ向かうが、そこは刑務所で彼は殺人罪で服役中だった。そしていろいろと周囲に話を聞くうちに、事件を取材した新聞記者が会社を辞めていたり、不可解なことが出てきた。だが、彼は脱獄を……。赤木圭一郎、長門裕之らで映画化された傑作。
  • 皇女和の宮
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    有栖川宮熾仁親王と婚約するも、公武合体・尊王攘夷で揺れる幕末の、江戸幕府と皇室と複雑な関係から、将軍・徳川家茂に降嫁することになった和の宮。大政奉還の後、二人は再会するが……。巨匠・川口松太郎が描く、幕末のヒロインの物語。TVドラマ化もされ、またこのドラマが縁で平幹二朗と佐久間良子が結婚へ向かったことでも話題になった作品。
  • 黄塵日記
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    日露戦争後、天津の日本人記者・橋本竹南は、戦争初期に行方不明となった二人の友人を捜索するため、遠く蒙古の砂漠へ旅立つ。竹南は、彼らの遺骨と残された日記帳を発見し、密かに持ち帰る。しかし、日記には、日露戦争の驚くべき秘密軍事作戦が書かれてあり、何者かに奪い去られてしまう。戦争の非情と歴史の暗部を、気鋭が暴く!
  • 高卒副頭取
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    ヤクザのダミー会社との巨額の取引を警察が内偵との情報に、おびえ浮き足だつ銀行会長。この不祥事を契機に一挙に会長一派の追放を仕掛ける頭取派。会長の懐刀で、銀行の暗部を担当し実力をつけた"高卒"専務を通して、不良債権という「ババ」が抉り出す、銀行首脳の抗争を描く、衝撃的な長編経済小説。
  • 好太王碑の謎 日本古代史を書きかえる
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    なぜ古代の日朝関係碑文が改ざんされたのか? 隠された狙いと作りかえの真相を明かす。参謀本部が加えた碑文改竄の狙いは何か? ――「謎の四世紀」といわれる日本古代史にあって、「任那日本府」の存在を裏づける不可欠な資料が、好太王碑であった。ヤマト政権の成立と統一の時期を論ずる根拠として利用され、教科書にまで登場している。しかし、そこには意図した歴史の作りかえがなされていた。なぜ、古代の日朝関係碑文が改竄されたのか。多年の研究から決定的な真相を明かす。
  • 講談社アニメ絵本 ルドルフとイッパイアッテナ
    5.0
    1巻1,430円 (税込)
    魚屋のおじさんに追われて飛び乗った長距離トラックで、大都会東京に運ばれてしまった子猫のルドルフ。そこで出会ったのは、大きなボス猫・イッパイアッテナ。町でもっとも恐れられているイッパイアッテナは、ひとりぼっちのルドルフに、のら猫として生きていくすべを教えます。しかし、そのイッパイアッテナにもなにか秘密があるようで……。はたしてルドルフは大好きな飼い主の元に戻ることができるでしょうか!?※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • ルドルフとイッパイアッテナ
    4.7
    ひょんなことから東京にやってきてしまった小さな黒ねこルドルフの成長を描く不朽の名作児童文学。1987年の刊行以来、累計100万部のロングセラーとなり、子どもたちに愛されてきました。2016年8月には、超大型フル3DCGアニメーション映画としして公開も決定。その深い人生哲学とユーモアは、大人が読んでも十分に楽しめます。「なつかしい!」という人も、再読してみると、新しい発見があるかもしれません。
  • 講談放浪記
    4.6
    1巻1,430円 (税込)
    独演会チケットは即日完売! 講談普及の先頭に立つ稀代の講談師 六代目 神田伯山の著書、いよいよ登場!! 講談ゆかりの地を訪ねて、 講談の魅力を発見するーー。 伯山が名作講談の舞台となった場所を訪ねて、 講談の持つ物語としての魅力を紹介します。 また、他芸能・他ジャンルの城ともいうべき場所を訪ねて、 講談という芸能の未来について再考しています。 現場に行っての論考だからこその臨場感が迫ってきます。 2021~2022年の1年間にわたった 文芸誌「群像」連載を大幅加筆。 加えて、師匠・人間国宝の神田松鯉氏との 師弟対談も収録! 目次 第一部  講談の舞台を訪ねる 第一章  『赤穂義士伝』泉岳寺が伝える四十七士の虚実 第二章  『天保水滸伝』房総に遺された侠客たちの息吹 第三章  『源平盛衰記』壇ノ浦で死して生きる源氏と平家の物語 第四章  『出世の春駒』愛宕神社の石段数とリアリティ 第五章  『四谷怪談』お岩さまと伊右衛門夫婦のフィクション性 第六章  『寛永宮本武蔵伝』巌流島に伝わる決闘の真実 第二部  来るべき講釈場のために 第七章  国技館と相撲幻想 第八章  歌舞伎座での新たな邂逅 第九章  いまを生きる寄席の魅力 第十章  日光東照宮で想う江戸の講釈 第十一章 失われた講談の城、本牧亭の面影 特別師弟対談 人間国宝・神田松鯉に講談の神髄を聞く
  • 河内山宗俊
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    練塀小路の河内山宗俊、天下の直参、お数寄屋勤めのお坊主である。ばくちは打つ、ゆすりはする、悪い野郎の肩は持つ、病気と届けて城へも登らず、肝っ玉の太さは天下一品。11代将軍・家斉の治世、賄賂が物言い、奸臣のさばる腐った巷で、悪には悪を、弱い者には情けをと、直参の威光を利用して、胸がすくようなやりたい放題。子母沢寛の名調子が心地よい、痛快時代小説。
  • 幸福
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    俗な幸福に背を向けて生き出家した著者が、大切な人の死で改めて幸福をとらえ直す文学――いつも、幸福とは、折り合いがわるかった。子供、夫を捨て、そして愛人をも、満ち足りた状態の直前で、みずから遠ざけてしまった。出家したいま、かっての愛人の死、自分とは異質の出家願望をもつ他人によって、初めて幸福なるものを考えてみる。幸福と破壊、情熱と静謐、無常などを深い地点でとらえ直した、円熟の文学作品。
  • 幸福という名の不幸(上)
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    1~2巻660円 (税込)
    父母の慈愛を春の曙のように受けて生まれた娘・榎並黎子は、17の時に父を失う。不幸がその姿を現わし、黎子は、ある外国系紅茶会社の東京支社長・余語の秘書として、社会に出る。幸福な結婚を夢みる彼女の心に、さまざまな波紋を投げかけ現われ消えてゆく、さまざまな男たち。その遍歴の中で男たちへの、社会への目は、深く、陰影を含んでゆくのだった。<上下巻>
  • 幸福な絶望
    3.5
    1巻1,562円 (税込)
    「鬱の坂口恭平は別人なので、油断大敵なのである。でも、彼は彼なりに大変な目に遭っているわけだし、感謝しなくてはならない」。深い溝にもぐるような鬱の時期。しかし著者はそこでさまざまな煌めくアイデアを拾い上げてくるのだ。いわば宝箱であり、生の源泉だという。その彼をあるがままに受け止める妻フーとアオと弦。日記と問答集からなる愛と闘いの記録。
  • 幸腹な百貨店
    4.0
    1~3巻726~792円 (税込)
    食べて、働いて、みんなで笑おう――。バブル部長VS.若手社員。老舗デパート再生なるか? 中部事業部長となった高橋伝治は、以前店長をしていた堀内百貨店が閉店の危機にあることを知る。古巣のピンチに自ら乗り込んだ伝治だが、何でも「気合い」で乗り切ってきたバブル部長を若手店員たちは煙たがる。伝治は彼らと旨いお店で腹を割りつつ、お祭り復興に取り組む地元店主たちとも知り合って……。
  • 幸福の王子 エドマンド
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    1巻1,672円 (税込)
    彼には、仲間がいた。誰からも愛され可愛がられた。イングランドを護る。それが彼の望みだった。だが、父王は、ノルマンディー公国から嫁いだエマに骨抜きにされ、国政は言うがまま。デンマークからはクヌート軍に攻め込まれ、いまやイングランドは風前の灯だった。だが彼はあきらめなかった。運命に反旗を翻すのだ。誰をも幸福にした王子の戦いの物語。
  • 幸福のパズル
    4.0
    人気女性作家・倉沢みちるは新作を書き上げた。葉山の古い小さな家に一人で。みちるが作家デビューを果たしたのは5年前の秋だった。高3の初夏、みちるは中学のときの同級生・蓮見優斗と海で偶然に出会った。優斗は葉山の老舗「蓮見ホテル」の御曹司。男女を問わず人気があり、地味なみちるには雲の上の存在だった。だが、海辺の出会いが二人を結び付け、交際を始めた。ところが喜びも束の間、いっしょに行くはずだった花火大会で行き違いになり、直後に優斗はアメリカに留学。会えないまま二人は別れを迎えるた。その秋、信じられないような出来事が起きた。妹に誘われて応募した作品が「小説オリオン」の新人賞で大賞を受賞したのだ。優斗と過ごした2ヵ月間に夢中で書いた、初恋を描いた青春小説だった。「現役高校生作家」として脚光を浴びたみちるは、やがて分不相応な収入を得るようになる。だがそれは、家族がバラバラになっていくきっかけでもあった。父は家業のパン屋を閉めてイタリアンレストランを経営。母は高級エステに通い宝飾品を身に纏うようになった。妹とも決定的な亀裂が生じ彼女は家を飛び出していた。そして、みちるは日本に帰国した優斗と再会する。5年の月日を経て、蓮見ホテルで。人生の変転が、また始まろうとしていた……。
  • 幸福へのパスポート
    -
    パリのアパルトマンで、フランスとの同化と日本からの逃避をこころみる留学生。その日常に闖入する小事件の数々――旧知らしい日本女性との接触、幸福へのパスポートと銘うつ結婚相談への誘い、そして憧憬した女子学生との再会――を通して青春への訣別が……。澄明な眼と筆致で滞仏生活を描出した、現代文学の秀作。
  • 神戸 わがふるさと
    -
    ともに歩んできた光あふれる美しい町よ! 復興へのメッセージ――神戸の坂なら、たいてい海がみえるのである……。戦前の水害、灰燼(かいじん)に帰した空襲、そして阪神淡路大震災。神戸は幾度も大きな災厄に見舞われてきた。そのたびに耳にした人々の慟哭と復興への槌音。この美しい港町で歩み続けてきた著者の熱いメッセージが込められた、エッセイ&神戸が舞台の初期短編小説9編。
  • 広報室沈黙す(上)
    3.7
    1~2巻565~607円 (税込)
    東京・新宿にある損保界名門の世紀火災海上保険は、大揺れに揺れていた。経済誌「中央経済」に、1年も前の大蔵省監査に絡んで、社内の恥部がデカデカと掲載されたのだ。「こんな記事を書かせていいのか」「なんのための広報課だ」――上層部からの理不尽な圧力に、広報課長木戸徹太郎の悩みは深まる。
  • 工房の季節
    4.3
    何度も作り直せばいい。器を焼くことは、心に明かりを灯すようなもの。 テレビ局の放送作家の仕事を突然辞めるはめになった30歳のジョンミンは、何ヵ月も抜け殻のようになり家に引きこもっていた。 ある日久しぶりに外に出て、歩いているうち、彼女はカフェと間違えて陶芸工房の扉を開ける。突然現れたジョンミンに、工房の主ジョヒは珈琲をふるまう。コーヒーのおいしさのわけは器にある、自分で作ってみない? というジョヒの誘いを受け、ジョンミンは陶芸教室に通い始める。 土の匂い、手を動かしてものを作る喜び、人懐こい猫、年代も悩みもさまざまな仲間たち。自分に向き合い、人生を見つけていくということ……。工房を舞台に繰り広げられる癒しと希望の物語。 手を動かすこと食べること。それが、力をくれる。
  • 曠野の妻
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    看護師として彼女が勤める北国の病院に運び込まれてきた患者は、かつての恋人だった。激しい愛の果てに自分を裏切って去っていった男との20年ぶりの再会。冷えた家庭を抱え、生と死に対峙して働く緊張のなかに突然現れた男の姿は、過去の愛憎を超え、心を大きく揺らす。行き場を喪っていた感情が燃えあがる。恋愛長編小説。自分を裏切った男と再会し、恋の葛藤に揺れる女心!
  • 声に出せずに叫んでる
    4.3
    1巻2,090円 (税込)
    母さんを殺したのは、俺だ――。 許せなかった。自分自身も、父の再婚も、大好きだった音楽も。 高校2年生の羽山陽介は母を亡くした幼少期の記憶に今も囚われていた。 男手一つで育ててくれた父と、突然紹介された父の恋人に懐く無邪気な妹。 あの人が家に来るたび作ってくれるカレーは、母の得意料理だった。 「俺、絶対認めないから」。 気持ちの整理がつかない日々の中、学校で不可解な事件が起こる。 切り刻まれた幼馴染のイヤホン、階段から突き落とされた友達。 突然部活を辞めたエース、誰とも長続きしない人気者、善意の押し売りに苦しむクラスメイト――。 それぞれの無言の叫びは渦となり、やがて溢れ出していく。 本当は誰かに叱ってほしい。お前を許すと言ってほしい。 誰も本当の意味では分かり合えない、それでも分かり合いたい。 僕たちは、必死にもがいて手を伸ばしている。 デビュー作で青春の「痛み」を暴いた若き才能が掬い上げるのは、 「痛み」の先にある一筋の「救い」。
  • 声の娼婦
    3.0
    1巻1,617円 (税込)
    ひとり都会に暮らす女たちの様々な心の風景。埋められない孤独と断絶感を抱きながら、都会の片隅にひとり暮らす女たち。結婚、仕事――揺れ動く心のかたちと生きかたを細緻な筆で描く秀作集。
  • 凍った炎
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    コルシカの地主マテオが、裏切り行為を犯した一人息子を射殺するという、プロスペル・メリメの短篇「マテオ・ファルコーネ」と、その原話である地中海の小島・コルシカの伝説との対比への興味から描いた、連作小説。歴史の中に民族の特質を追及し、外国の旅のうちに、みずからの戦後を追懐する。大岡文学の〈原点〉への凝視を示す作品集。
  • 氷の仮面
    4.3
    「ずっと、好きでした」 泣いて、隠して、あきらめて。それでも女の子になりたかった――。 『罪の声』の著者がたどりついた「本当に人を愛する」ということ。感動の傑作長編。 ******* 「えっ、真壁君、ほんまにするの?」 「目つむれ」 「へっ? あかん、あかん」 後ずさった翔太郎の肩を真壁君が両手でがっしりとつかんだ。 「深呼吸しろ」  言われるがままに大きく息を吸って、長く吐いた。その間、お互い顔を見られなかった。(本文p111-112より) ******* 小学四年の春、同じクラスになった真壁君の顔を見たとき、翔太郎は恋のきらめきと痛みを知った。小さな希望すらも打ち砕かれる人生。仮面の下、ずっと女の子になりたかった――。終章、二十四年後の春に明かされる優しく美しい秘密とは。生きてゆくことの切なさに共感せずにはいられない感動の青春恋愛小説。
  • こがね虫たちの夜 【五木寛之ノベリスク】
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    朝鮮戦争が終わりを迎え、昭和二十年代から三十年代へ移る19歳のころが、あたしが本当に生きた短い時期だった。学生だったあたしは、『シャガール』という喫茶店でアルバイトを始め、3人の学生の常連客と知り合った。芸術青年タイプの岡田と、健全な学生らしい森口、アナーキストといわれる原。3人はよく〈こがね虫〉の替え歌を歌っていた。3人と親しくなり、岡田と寝て、森口とも寝た。だがやがて、3人は集まらなくなって。
  • 木枯の酒倉から・風博士
    3.0
    はたから見ると何をしているのか、と疑われるような青春。内部では、いかに壁を破れるか、と深く呻吟している青春。人生的に、文学的に必要以上の重荷を敢えて背負い、全人生的、全文学的な苦吟の果て、初期坂口安吾は誕生する。苦吟の果ての哄笑、ファルス。「木枯の酒倉から」「風博士」「黒谷村」「竹藪の家」等、初期安吾を代表する秀作を収録。
  • 木枯しの手帳
    -
    手垢で光った古い手帳を眺めていると、何かを訴え蠢(うご)めいているように見えた。昔つき合っていた女たちの電話番号が、思い出して欲しい、といっている。その中に沙耶子という女がいた。ある夜突然、女の名が甦る事件が起きた(表題作)。 人生の断面を鋭く切り取った黒岩文学の原点ともいえる珠玉のアンソロジー。
  • 故郷へ、友へ、恩師へ、 風の便り 山田風太郎書簡集
    -
    1巻2,189円 (税込)
    「サッパリ、書けん。」 悪友親友への便りに垣間見せる素顔の風太郎。 早くに両親を亡くして世話になった親戚への消息、恩師との交流。 最も気が合った高木彬光氏との合作の相談、横溝正史氏ともども家族ぐるみの付き合い。 江戸川乱歩をはじめ、角田喜久雄、鮎川哲也、中井英夫、色川武大、筒井康隆、髙峰秀子、安野光雅、横尾忠則、中島河太郎の各氏から届いた書簡、ドイツ文学者西義之氏との往復書簡もあわせて収録。 「医者より小説の方が小生の本性には合致している」 戦時中に単身上京して、軍需工場に勤めながら受験勉強を続けて医学専門学校に合格。1947年に「宝石」の短編懸賞に応募した「達磨峠の事件」が入選。50年に新制医科大学を卒業するも作家の道を選択し、忍法帖シリーズで大人気作家に。世相に対する鋭い批評から、気のおけない仲間に漏らす本音まで飾らない魅力が満載。 山田風太郎生誕一〇〇年記念
  • 古今和歌集全評釈 (上)
    -
    1~3巻3,190~3,300円 (税込)
    冷泉家時雨亭文庫所蔵、嘉禄二年書写の藤原定家自筆本を底本とする、1998年講談社刊『古今和歌集全評釈』を文庫判で完全再現。仮名序、真名序、巻第一から第六まで(春、夏、秋、冬)を収録。また訳注者による古今和歌集総説を掲載。(全3巻)世の中に絶えて桜のなかりせば春の心はのどけからまし――在原業平 久方の光のどけき春の日に静心なく花の散るらむ――紀友則

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  • 刻

    3.0
    二つの国と二つの言語。夭逝した芥川賞作家の内面の葛藤を描く長篇小説――若くして亡くなった、在日韓国人女性作家。日本で生まれ育ち、韓国人の血にわだかまりつつも、日本人化している自分へのいらだちとコンプレックス。母国に留学し直面した、その国の理想と現実への想い。芥川賞作家の女の「生理」の時間の過程を熱く語る長篇と、「私にとっての母国と日本」という1990年にソウルで、元原稿は直接韓国語で書かれた講演を収録。 ◎アイデンティティを追求した李良枝の私小説は、「目に見えない」心のミステリーを解明しようとした鮮烈なテキストなのである。日本から、見知らぬ「母国」へやってきた「刻」の主人公は、だから、母語ではない母国語の文字の前で落ち着きを失う。その「私」の1日においては、だから、一刻一刻、親近感と距離感の間で心のゆらぎを覚えて、最終的には選ぶことができないのだろう。<リービ英雄「解説」より>
  • 黒衣の女
    3.4
    「わたしを探してほしいのです」と、女は探偵社の男に言った。記憶を失った彼女のアドレス帳には、見知らぬ3人の男の名前が記されていた。一見、無関係なこの男たちが次々と殺される。いずれも殺害の手口が似ており、現場付近では喪服姿の女が目撃されていた。いったい真犯人は誰か!? めくるめく折原ワールドの真骨頂。連続通り魔殺人を結ぶのは喪服の女!
  • 国語入試問題必勝法 新装版
    3.8
    ピントが外れている文章こそ正解! 問題を読まないでも答はわかる!? 国語が苦手な受験生に家庭教師が伝授する解答術は意表を突く秘技。国語教育と受験技術に対する鋭い諷刺を優しい心で包み、知的な爆笑を引き起こすアイデアにあふれたとてつもない小説集。吉川英治文学新人賞受賞作。 【パスティーシュ小説の嚆矢!丸谷才一氏激賞!講談社文庫創刊50周年新装版】 清水義範の作品もまた、からかひ、批評し、祝祭する。入試問題出題者に対する慢罵と嘲笑は痛烈を極めて恐しいほどだ。いい加減きはまる入試問題に翻弄され、責めさいなまれてゐる少年少女に対する憐みを感じ取って、胸を打たれた。殊に結末がよく出来てゐる。人々が清水のパロディをあんなに喜んで読むのは、一つには、この暖かな心が嬉しいからであらう。――丸谷才一(中略・解説より)
  • 国士舘物語
    3.7
    一九八一年。シティボーイになるために上京した僕が入学したのは、国士舘大学体育学部体育学科。僕の、特別すぎる四年間が幕をあけた。体罰、しごき、上下関係…あの頃はそれが日常だった。猛獣たちが詰め込まれた「檻」の中で、もがき苦しみながら勝ち取ったものとは。暑苦しくてすこし切ない、体育会系青春小説。
  • 黒鳥譚 青髯公の城
    -
    ぶらっくすわん。漆黒の翼の下に秘めもつ、純白の風切り翅。火星の如く緋色に燃える、嘴と眼。黒鳥の姿に、降りつむ時間を生きながらえねばならぬ、恥の想いを託したひとつの迷宮「黒鳥譚」。そして「青髯公の城」「死者の誘い」を加えた3篇が奏でる、失寵の響きもまた「虚無への供物」なのであろうか……。
  • 告白・女心遍歴
    -
    幾度も職業を変え、貧に悩み、さまざまな傷心を、人の何倍か味わった水上勉は、人間のおそろしさにおののき、しかも人間を愛さずにはいられない。「女心遍歴」という言葉の中には、理想の女を求め、裏切られ、やはりそれを思うことをやめられない男の、せつない祈りがこめられている。また、みずから破戒坊主と称して、女性とのもつれ合いを「告白」するとき、水上勉の心には、愛へのはげしい願いが、こみあげてくる。……自伝的な、この2つの異色作は、著者の作品群の中で印象的な位置を占め、著者の心の記念碑ともいうべき、美しくかなしい物語である。
  • 告別
    3.6
    告別への予感はその時もう生まれていた筈だ。しかしそれはもっと以前に、もっともっと遠い昔に既に生まれていたのかもしれない――異国で識り合った女・マチルダとの深い愛を諦め妻と2人の娘のいる家庭へ戻った上條慎吾。娘・夏子の自殺、上條の死、二つの死は響き合い世界は暗く展かれてゆく。福永武彦の代表的中篇小説「告別」、「形見分け」を併録。
  • Cocoon第一部全6冊合本版
    -
    時は天明。江戸では、夜になると「鬼」と呼ばれる異形の怪物が出没するようになっていた。 強い恨みを抱いて死んだ人間の成れの果て、鬼。並の人間では歯が立たないほどの力を持ち、人々を襲う。 そんな江戸、吉原にある大見世の黒羽屋には、花魁として名を馳せる瑠璃という女性がいた。 ひとたび道に出れば、あらゆる人を虜にするほど美しい瑠璃。 しかし、瑠璃には鬼退治の闇組織「黒雲」の頭領という裏の顔があった。 四人の仲間とともに、瑠璃にしか抜けない刀「飛雷」で鬼を斬り倒し、密かに江戸の平和を守っているのだ。 だがある日、瑠璃の遊女仲間で唯一の理解者の津笠が失踪。 動揺を隠せない瑠璃に無慈悲な運命が襲いかかる。(『Cocoon 修羅の目覚め』) 激しい熱が迸る圧巻の滅鬼譚。 鬼斬り花魁・瑠璃、最注目のダークヒロイン誕生! 『Cocoon 修羅の目覚め』『Cocoon2 蠱惑の焔』『Cocoon3 幽世の祈り』『Cocoon4 宿縁の大樹』『Cocoon5 瑠璃の浄土』『連理の宝 Cocoon外伝』第一部全6冊合本
  • Cocoon第一部+外伝+第二部 全11冊合本版
    -
    Cocoon第一部+外伝+第二部 全11冊合本版 <第一部>『Cocoon 修羅の目覚め』『Cocoon2 蠱惑の焔』『Cocoon3 幽世の祈り』『Cocoon4 宿縁の大樹』『Cocoon5 瑠璃の浄土』/<外伝>『連理の宝 Cocoon外伝』/<第二部>『Cocoon 京都・不死篇-蠢-』『Cocoon 京都・不死篇2-疼-』『Cocoon 京都・不死篇3-愁-』『Cocoon 京都・不死篇4-嗄-』『Cocoon 京都・不死篇5-巡-』全11冊収録。 時は天明。江戸では、夜になると「鬼」と呼ばれる異形の怪物が出没するようになっていた。 強い恨みを抱いて死んだ人間の成れの果て、鬼。並の人間では歯が立たないほどの力を持ち、人々を襲う。 そんな江戸、吉原にある大見世の黒羽屋には、花魁として名を馳せる瑠璃という女性がいた。 ひとたび道に出れば、あらゆる人を虜にするほど美しい瑠璃。 しかし、瑠璃には鬼退治の闇組織「黒雲」の頭領という裏の顔があった。 四人の仲間とともに、瑠璃にしか抜けない刀「飛雷」で鬼を斬り倒し、密かに江戸の平和を守っているのだ。 だがある日、瑠璃の遊女仲間で唯一の理解者の津笠が失踪。 動揺を隠せない瑠璃に無慈悲な運命が襲いかかる。 激しい熱が迸る圧巻の滅鬼譚、開幕。 (『Cocoon 修羅の目覚め』)
  • Cocoon第二部 全5冊合本版
    -
    Cocoonシリーズ第二部 全5冊合本版。 『Cocoon 京都・不死篇-蠢-』『Cocoon 京都・不死篇2-疼-』『Cocoon 京都・不死篇3-愁-』『Cocoon 京都・不死篇4-嗄-』『Cocoon 京都・不死篇5-巡-』収録。 最強の花魁が、帰ってきた! 京都で新たな闘いが始まる! 最強の鬼・平将門を倒し、江戸を破滅から救った瑠璃。しかしその代償は生半可なものではなく、義兄を失い、友の炎を失い、自らも片腕を失った。江戸を離れ、京都にたどり着いた瑠璃は最愛の人を想わせる男性に出会う。つかの間の平穏を得たかに思えたが、京都では陰陽道を使う、不気味な集団が動き出そうとしていた。(『Cocoon 京都・不死篇-蠢-』)
  • 孤剣二十六万石
    -
    孤剣腰間にあれば天下怖るるものなし――美濃高須館・松平義行の次男・雪丸は、高田二十六万石の養嗣子への縁組と美姫を蹴って、武者修業に立つ。雪丸は、柳生新陰流の達人である。高田藩では後継ぎ争いの家内紛争が続き、江戸表では酒井大老の対藩政策で政情波瀾に満ち、市中には旗本奴町奴が走り、道場には各派の名人達がはびこっていた。男性的な若い剣士を描く大剣豪小説。
  • ここ過ぎて滅びぬ
    -
    悪の組織に男が逆襲を誓う極北の地に戦端ひらく。紀州犬と羆を連れた男が、怒りの大反撃。妻を凌辱した組織を潰せ――北海道に自治権が与えられ、道州制に移行した。その道政府を、謎の「D機関」が、転覆しようと秩序破壊工作に出た。札幌、函館などの大都市は、一気にスラム化した。D機関に妻を凌辱された連邦政府特別捜査官・法玄(ほうげん)は、紀州犬・那智及び羆(ひぐま)たちとともに、怒りの大反撃に出た。暴虐の北の大地・知床に嵐が吹きすさぶ!
  • ここで、君の隣に任意の異性を代入する
    4.5
    1巻1,562円 (税込)
    ある数学教師との出会いが、一人の非モテ少年の人生を変える!男子校に通い、色恋沙汰とは程遠い青春をおくる神原優弥。高校2年の春、新しく赴任してきた副担任・平坂龍之介の登場で、彼の世界は一変する。「クラス全員をリア充にしてみせる」伝説のナンパ師であり冷静沈着な数学教師でもある平坂の、ゲスいながらも心に響く恋愛特別講義が今、幕をあける――。
  • ここに愛がいる
    -
    潔く、しなやか。オールディズのアメリカンポップスのように。しかし、人権・性差別にコミットし続ける著者の、いまを語る鮮度100%、小気味よいエッセイーー「花持つ男」「彼女ってハンサムね」「育自期の女たち」「メークする? しない?」「ハハハと笑う」「あるがまま」……むき出しは苦手、タフを粧うデリカシーが素敵だ、という著者の、タフで心やさしいエッセイ。建前でも本音でもなく、自分と人と社会と付合ってゆく距離のとり方、見本です。
  • ここに地終わり 海始まる(上)
    4.0
    1~2巻693~748円 (税込)
    大西洋に突き出したポルトガルのロカ岬から、18年ものあいだ結核の療養生活を送っていた天野志穂子のもとに一枚の絵葉書が舞い込んだ。一世を風靡したコーラスグループ〈サモワール〉のリーダー梶井克哉の書いた言葉が、諦念に縛られていた志穂子に奇蹟をもたらす。人間の生きる力の源泉を描いた力作長編!
  • 九重家献立暦
    3.7
    私たちは、家族になれるのだろうか。 故郷に帰った私を待っていたのは、母の駆け落ち相手の息子だった。 『後宮の烏』の著者が創る家族再生の献立(レシピ)。 母がわたしと家を捨て駆け落ちしたのは、小学校の卒業式の日だった。旧家の九重家で厳しい祖母に育てられたわたしは、大学入学を機に県外へ出た。とある事情で故郷に戻ると、家にはあの頃と変わらぬ頑迷な祖母と、突如居候として住み着いた母の駆け落ち相手の息子が。捨てられた三人の奇妙な家族生活が始まる。 伝統に基づく料理とともに紡がれる、優しくも切ない家族の物語。
  • ここは静かなり
    -
    自分の恋の行方を追いながらも、教え子たちのコーラス大会への指導、高校生の恋愛問題など、数々の問題を抱え、同僚教師のストーカーまがいの行動なども起こる。また、寄宿している一家の事業が破綻しそうになり……。好感持てる新任教師物語。
  • ここはとても速い川
    3.7
    読んでいる間、ずっと幸福でした。――川上弘美 保坂委員が説明の途中で嗚咽した場面は 野間新人賞の選考の歴史に刻まれよう。――長嶋 有 選考委員--小川洋子、川上弘美、高橋源一郎、長嶋 有、保坂和志-- 満場一致の、第43回野間文芸新人賞受賞作 【あらすじ】 児童養護施設に住む、小学五年生の集。 一緒に暮らす年下の親友ひじりと、近所を流れる淀川へ亀を見に行くのが楽しみだ。 繊細な言葉で子どもたちの目に映る景色をそのままに描く表題作と、 詩人である著者の小説第一作「膨張」を収録。 選考委員の絶賛を呼び、史上初の満場一致で選ばれた、第43回野間文芸新人賞受賞作。
  • 心はいつも荒野
    -
    階段から落ちて頭を打ち記憶を喪った男。気がついた時には、重しをつけて海に沈められそうになっていた。いったい私が何をしたというのか? そして私は何者なのか? 混乱と焦燥の中で私が掴んだ複数の事実は、自分が有名人らしいと告げていた……。人間存在の根幹に迫る、ノンストップ・サスペンス。私は誰? なぜ私は命を狙われるのか?
  • 試みの岸
    3.5
    馬喰・十吉は、海への憧れを一艘の貨物船に託した。一族の悲劇はそこに始まる。甥の余一は、崖から落ちる十吉の愛馬アオに変身し、港町で従姉・佐枝子が自死したという噂を耳にした。駿河湾西岸地方を舞台に、運命に試される純粋な人間の行為を「光と影」の綾なす世界に、鮮やかに刻印する3部作。
  • 心を燃やそう
    -
    大ベストセラー『気くばりのすすめ』の著者で、元NHKの人気アナウンサーによる、元気を出して心美しく生きる人生のすすめ! 「元気を出して暮らしてみたら、そこに一人でも多くの人と仲良く握手し、手を取り合って生きていくチャンスが生まれてくる」……美しい人生の設計を説く感動の書。生きていくよろこびを説く感動の1冊――「生きることはらくではありません。しかし、不安の壁を乗り越えたところに、新しい生きる楽しみがあるはずですし、またそう信じたいものです。 他人はどうあれ、社会がどんなであろうと、まず、自分が心美しく生きてみることです……(本書第三章より)」元気と明るさを失いがちのあなたにおくる心の1冊!
  • 午後の微笑
    -
    神保羊子は、雑誌の編集の仕事をしている。取材で知り合った作曲家・郷雪生の、芸術家ぶらないナイーヴであたたかな人柄に魅かれ、病気で寝込んだ郷を放っておけずに、徹夜で看病する。その夜以来、郷の胸のなかにも、羊子の姿が強く灼きついて、お互いに愛しあうようになる。そして、結婚の約束をしたふたりの前に、郷が貧乏な留学生であった昔の恋人の密石麗華が、今は実業家の国分夫人となって出現する……。虚偽を許さない若い娘の心に写った「傷ついた世代」の苦悩を通じて、つねに裏切り合いながら救いを求めている、人間の魂の深部とさまざまな愛の想いを、鮮やかに、綿密画のように描きあげた長編小説。
  • 古寺再興 現代の名工・西岡常一棟梁
    -
    伽藍の修理・造営に情熱を注ぐ男の棟梁人生。ひとりの男が、己れの仕事に渾身の力を傾けて挑み成し遂げていく姿を描く! ――強固な信念に生きる、一人の日本人の生き方。宮大工として、古代工人の技能と魂を今に受け継ぎ、伽藍の修理・造営に渾身の力を傾ける、名工・西岡常一棟梁。法隆寺の「昭和の大修理」に携わり、今、薬師寺の白鳳復元に命を注ぐ! その稀有な棟梁人生を描いて、日本の心と伝統を見つめなおす、話題のノンフィクション。
  • 小次郎と武蔵の間
    -
    佐々木小次郎が宮本武蔵に敗死した後、豊前細川家では長い間、兵法者を召し抱えていない。藩主・忠利が、小次郎の死を哀惜したからに外ならぬ。10数年後に、その忠利が見出したのは、二階堂流の松山主水であった。知行800石で召し抱えられた主水は、軽捷無類、魔法としか思えぬ剣の妙手であった。忠利は、小次郎と流祖を同じくする主水を寵愛した。肥後に国替えになった細川家で、やがて忠利と父・忠興の間に、新旧の相剋が起こる。忠興の家来が主水に辱しめられた事件は、火に油をそそぐ結果となり、「主水、討つべし」と忠興は激昂するのである。武芸者の意気地を描く「小次郎と武蔵の間」ほか8篇。
  • 故人
    -
    自分を文学の世界に導いてくれた、兄のように慕う先輩作家が、原稿を郵便で出した帰途、トラックに轢かれ死んだ。理不尽な死を前に混乱、自失する家族や友人たち。青年は深い喪失感を抱えながら、社会との折り合いに惑い、生と死の意味を問い続ける。三四歳で早世した山川方夫の人生を、彼の最も近くで生きた著者が小説に刻んだ鎮魂の書。
  • コチャバンバ行き
    4.0
    安穏・安全な「生」とは何か? 読売文学賞受賞の明篇――湘南で多少の土地を持ち、家を貸して自適生活する主人公。妻は仕事で不在がち。「安全な生活」とは何か……。元上司との様々なやりとりのあと、上司は妻を失う。南米・ボリビアでのバスの乗客の、何の苦痛もない死……。ささやかな生活の描写の中に、人生の哀歓をつむぎ出す、永井龍男独自の「美学」の結晶。『皿皿皿と皿』を併録。読売文学賞受賞作品。
  • 壺中に天あり獣あり
    4.0
    1巻1,672円 (税込)
    無限の迷宮を彷徨い続ける青年・光は、有限のホテルが建っているのを発見する。光は支配人として従業員を雇い、客を呼び込むポスターを貼りに行く。迷宮の中でブリキの動物を磨き、修理しながら玩具屋で働く女性・言海は、ポスターを見て、ひとりホテルを目指すことを決意する――。人は生まれ落ちた迷宮から、外に出ることができるのか。小説の根源を問う、若き才能による大胆で緻密な野間文芸新人賞受賞後第一作。
  • 告解
    4.2
    罰を受けても罪は消えない。なら、どう生きていけばいい? 『天使のナイフ』『友罪』『Aではない君と』―― 贖罪と向き合い続けた著者だから描けた入魂の傑作長編小説。 「自分は運が悪かっただけだ……」 女性を撥ねるも、逃げてしまった大学生 「やらなければいけないことがあるんだ」 愛する妻を奪われ、犯人の出所を待つ男 ひき逃げ事件の加害者と被害者遺族。両者の運命が交わる先にあるものは――? 深夜、飲酒運転中に何かを撥ねるも、逃げてしまった大学生の籬翔太。翌日、一人の老女の命を奪ってしまったことを知る。罪に怯え、現実を直視できない翔太に下ったのは、懲役四年を超える実刑だった。一方、被害者の夫・法輪二三久は、ある思いを胸に翔太の出所を待ち続けていた。贖罪の在り方を問う傑作。
  • 国歌を作った男
    3.6
    1巻1,881円 (税込)
    21世紀前夜にアメリカで大ヒットしたゲーム「ヴィハーラ」。 新作が出るたびに人々を熱狂させ、夢中にさせた国民的ゲームの裏側にいたのは、一人の孤独な男、ジョン・アイヴァネンコ。 友人は少なく、幼い頃からプログラミングと音楽に親しみ、たった五年生のときに「ヴィハーラ1」をつくりあげた。 その彼がアメリカンドリームを掴むまでに一体何があったのか、そしてそれでも拭い去れなかった孤独の影にあったものとは。 やがて「国歌」とまで謳われるほど膨れ上がった「ヴィハーラ」音楽の作曲者。 その生涯を描いた一遍をはじめ、13篇を収録。 宮内悠介のつくりあげる世界は、美しいだけでなく温かい。 笑いと涙、驚きに満ちた短編集。
  • 「国境なき医師団」をもっと見に行く ガザ、西岸地区、アンマン、南スーダン、日本
    3.9
    世界の矛盾が凝縮された場所――パレスチナ。そこで作家は何を見て、何を感じたのか? 同時代の「世界のリアル」を伝える傑作ルポルタージュ! 抗議デモで銃撃されるガザの若者たち、巨大な分離壁で囲まれたヨルダン川西岸地区、中東全域から紛争被害者が集まるアンマンの再建外科病院ーー。 「国境なき医師団」に同行して現地を訪ねた作家が、そこに生きる人たちの困難と希望を伝える好評シリーズ最新刊。 文庫版では、新たに「南スーダン編」「日本編」を追加。 「見つめるほうも、見つめられるほうも、その瞬間を生きている。戸惑いの中から漏れる言葉に吸い寄せられた。」 ――武田砂鉄さん(ライター) 「いとうさんだからかけた、ニュースでは見えない人間のドラマ。最前線のリアルが立体的に伝わる一冊です。」 ――白川優子さん(「国境なき医師団」看護師)
  • 国境の女
    3.0
    エリ-ト商社員の死が招く戦慄の長編ミステリー――エリート商社員の明月達夫が、赴任先のサンディエゴで刺殺され、国境を挟んだメキシコの町でも、商社に関係していた若い女が死体で発見された。東京から飛んだ妻・奈緒子は、西海岸の美しい街に夫の足どりを探し歩くが……。海外駐在員の焦躁と激しい愛憎の渦に巻きこまれた、哀切の恋心を描く傑作推理長編。
  • 恋都の狐さん
    3.0
    1~2巻649~726円 (税込)
    豆を手にすれば恋愛成就の噂がある、東大寺二月堂での節分の豆まき。奈良の女子大に通う「私」は、“20年間彼氏なし”生活からの脱却を願って、その豆まきに参加した。大混乱のなか、豆や鈴を手にするが、鈴を落としてしまう。拾ったのは、狐のお面を被った着流し姿の奇妙な青年。それが「狐さん」との生涯忘れえない、出逢いだった――。
  • 狐さんの恋活
    3.4
    1巻1,463円 (税込)
    狐面に着流し姿の「狐さん」は、奈良公園で会った春菜に恋心を抱くが、春菜のメイド七瀬から「無職男性との交際など認めません!」と罵倒され、就活を決意。幼馴染みの烏からレクチャーを受ける。一方、以前、狐さんを振った女子大生ビンバは、その理由が勘違いだったと知り、またしても狐さんへの想いをふくらませていく。二人の女性の間で恋路は如何に? メフィスト賞作『恋都(こと)の狐さん』シリーズ完結!
  • ことのはロジック
    4.0
    書くべき言葉を見失った元天才書道少年の墨森肇は、金髪碧眼の転校生アキに一目惚れ。しかし、アキの憧れがI love youの名訳といわれる「月が綺麗ですね」を超えた告白をされることだと知り、頭を抱える。回し手紙の伝言ゲーム、存在しない幽霊文字"彁"、同人誌の不可解な改変など言葉にまつわる事件を解決し、肇は日本語史上最大級の無茶ぶりに応えて無事告白できるのか!?
  • ことわざの風景
    -
    庶民が育てた「ことばの知恵」、その深くて重い笑いの魅力と成立の背景を解く文化論――笑いで磨かれた庶民のことばには、深い「人生の知恵」が隠されている。つるの一声、にそくのわらじ、ぬすっとにも三分の理……凝縮された世相・処世訓・人間の機微をすくいあげ、生活のなかで育てられたことわざの魅力をさぐる。著者の軽妙洒脱な語り口は、成立の背景から、広い「文化の風景」へ誘う。
  • 孤独な剣客
    -
    鏡心明智流・桃井春蔵の道場に居候して、天才剣客と謳われた上田馬之助ほど、孤独に徹した剣客も稀れである。旗本小普請の伜で、生来の読書好きで竹刀をとったこともなかったが、13歳のとき母と密通していたい井蛙流の平井利兵衛に父を討たれて、父の遺言で母をその場で斬った瞬間から、虚無に生きる人間となり、13年後に漸くめぐり会った仇敵が中風で半身不随の病床にあるのを見て、さらに孤独が深まったのである……。道場破りで流浪しながら、島津斉彬の面前で魔技に等しい業を披露した上田馬之助の異常な天才ぶりを描いた「孤独な剣客」ほか、評判の時代小説集。
  • 孤独な噴水
    -
    新人王をめざす若きプロ・ボクサーの孤独な戦い! 暗い家庭を逃れてボクシング・ジムに通う〈私〉は、連戦連勝、やがて新人王の有力候補にのし上がり、小さなジムの期待の星となった。だがある日、心の支えだった恋人が、何者かに暴行された。ボクシング界の内幕をえぐり、若者の愛と孤独を鮮烈に描く長編小説。
  • 孤独の吠え声
    -
    日本狼の烈しい闘争心と、犬の賢さをあわせもつ、ハイブリッド狼・虎毛。陸奥の大自然を舞台に、虎毛は生きるため恋のために戦いつづけ、山の覇者となる。だが、狼たちの王国は人間の手で無残に侵され、虎毛もついに罠におちる。異国の空に響く虎毛の老残の吠え声、その悽愴な旋律に滅びゆく種への哀惜をこめた、動物小説の名篇。動物文学の第一人者が絶滅した種にささげる野生のロマン!
  • 子供たちの戦争 【小田実全集】
    -
    戦争は、戦争が始まる前と後を考えることが大事だ。満州事変、日中戦争、太平洋戦争、そして大阪大空襲で終る敗戦までの15年間、多感な少年が戦争を克明に見つづけた。子供の世界は大人の世界の鏡。最初、戦争はいつも日本の外で行われていたが、戦況が険しくなる頃、外での戦争は日本の中にも入ってきた。戦争による階級の逆転、強さへの憧憬は、いともたやすく戦争文化を鼓吹し、無垢な子供心を殺伐とさせる。9・11で幕開けした21世紀の初頭に子供の眼で「15年戦争」を描く短編集。
  • こどものころにみた夢
    3.2
    文章と絵で綴る「こどものころにみた夢」のアンソロジー。怖い夢、切ない夢、それとも、おもらしの夢……? 角田光代、島本理生、西加奈子、阿川弘之、堀江敏幸、穂村弘、高橋源一郎他、豪華作家陣が美しい絵とと共に綴る「夢」の物語。
  • 子どもの才能をぐんぐん伸ばす、「声」の魔法
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    親は、言葉を選ぶのと同じくらい、「どんな声」を発するかについて知っておくべきなのです。子育てに新しい視点を与える、エンターテインメントな手法を紹介する1冊。※本書は、2006年7月に新紀元社より刊行された『表現力豊かな子供を育てる お母さんの声』を文庫収録にあたり、改題、加筆、再編集したものです。
  • 子どものための哲学対話
    3.8
    人間は遊ぶために生きている! 学校なんか行かなくたっていい。うそをついてもいい。クジラは魚だ。地球は丸くない。……ぼくの家の猫のペネトレは、そんな普通じゃないことばかり言う。でも考えてみると、ペネトレの言うことの方が正しいんじゃないかって気がしてくる……。子どもも大人も考え方が変わる、ペネトレとぼくの40の対話。 ※本書は1997年7月、小社より単行本として刊行されました。
  • 子供の眼
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    利発な、長いまつげをした小学校3年の修。実母は病気で世を去り、新しく来た母・幸子は歯科医で、結婚後も実家の仕事場通い。父も勤め人だし、家を切りまわすのは若い叔母の喜世子だけ。黙って梨の実をかじる修の童心の四季に、父の不満や義母の気苦労、婚期にある叔母のあせりなど、おとなの生活と愛情の重みが投影する。「第二の母をもった私の経験が、この作品にいちばん入っている」と作者は自らいう。一度はこわれかけて、また作り直される善意の人々の<家庭>の中に、ひとり眼をみはる修少年のすがたを、流麗の文章にうたいあげた秀作。
  • 子供は悪魔だ
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    弁護士、売春婦、留年続きの大学生が探偵役という3つの探偵小説に、奇妙な味のどんでん返しの短篇を加えた、4つの短篇集。親のすねをかじる子供たち、雪山での死、三角関係……当時の世相や風俗が浮かび上がる背景と小道具が盛りだくさんの傑作だらけ。
  • 子供は知っている
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    大人はわかっているつもりでいるが、子供のことを本当にわかっているのだろうか。そして、子供のことを大切にしているのだろうか。だから、いつもこんな……。貧しい家庭に生まれながら肉体労働をして早大で学んだ経験を経て、「子供をよくする会」設立、更生施設建設など、自ら少年少女の救済活動をおこなった作家による、大人と子供の相容れない視点の差異を描いた、リアルな長編小説。現代の教育・子育ての課題・問題にも通じる、心揺さぶられる普遍性に満ちた傑作。
  • この愛は石より重いか
    5.0
    僕と彼女が接近すると、空から石が降ってくる!? ――啓太は、野球観戦していたスタジアムで、高校時代の同級生だった美菜子と、偶然、再会する。美しく変貌をとげた彼女にドギマギしていると、突然、空から何かが降ってきた。小石だ。しかしなぜ、二人の頭上から? という表題作ほか、3編を収録。愛とファンタジーと笑いと恐怖が融合する、傑作短編集。<『コールドスリープ』改題作品>
  • この痛みに名前をつけてよ
    3.3
    1巻1,771円 (税込)
    ドラマ、映画、小説。ジャンルを超える気鋭のクリエイター最新作。 家から出たい。でも出られない。 引きこもりになってしまったわたしは、たったひとりで世界から取り残されていた。 ひとりの女性と出会うまでは。 「わたし」は40代で引きこもり。 昔ながらの考えを持ち、引きこもる自分を認めてくれない父との接触を避けつつ、 優しく寄り添う母親に頼りきる生活を続けていた。 ところがある日、何の前触れもなく、母親が「わたし」の前から消えてしまう。 そして現れたのは父から依頼を受けたという「鴨」と名乗る若い女性だった。 痛みの先へ。カウントダウンが始まる。 「痛み」のない人生なんてない。 だけど、そんなもの、ないほうがいいに決まってる。
  • この悲しみの世に
    4.0
    異父姉弟とも知らず不倫の愛におちた人妻。聖地への旅に始まる至高の愛を描く問題作。極限の愛と悲しみを描く恋愛大作! ――私たちが「この悲しみの世に」あると思うこと以外の認識は、すべて幻想です……。不倫の愛におちた人妻・節子と年下の青年・善彦は、ある日、自分たちがこれまで別れ別れに生きてきた異父姉弟であると気づく。断ちきれぬ愛の流れのままに、節子は男子を出産した。聖地への旅に始まる、至高の愛を描く、長編小説。
  • この骨董が、アナタです。
    -
    骨董と病気は人間を変える。伊万里、李朝、唐津、仏像と、骨董に狂った男の笑えて悲しいエッセイ集――李朝白磁に始まった骨董狂い。他人のモノは、よく見える。他人のモノは、欲しくなる。東に珍品あれば、目を三角にして駆けつけ、西に迷品あれば、骨折した足をひきずってでも手に入れる。二転三転、贋作に泣き、掘り出し物に笑う。骨董に翻弄される快楽の日々を、当代一流のコピーライターがつづる、傑作エッセイ。
  • この子の父は宇宙線
    -
    11人の女性だけを月に送り込んだ国と、9人の男性ばかりを送り込んだ国があったが……、という表題作はじめ、山岳小説で有名な著者が描いた、貴重な4つのSF小説。現在の電気通信大学卒で気象学者という、理系の作者だと実感できる。
  • この父にして 素顔の斎藤茂吉
    4.0
    「赤光」をはじめとする多くの歌集や評論集「柿本人麿」などの名著で、大正・昭和の歌壇に不滅の足跡を遺す斎藤茂吉。この不世出の大歌人を父に持つ、ふたりの兄弟、精神科医・斎藤茂太と作家・北杜夫が談論風発、肉親にして初めて知り得た興味ある事実を明らかにしながら、隠された茂吉の生涯を語る、異色の対談集。
  • この場所であなたの名前を呼んだ
    4.0
    NICU(新生児集中治療室)を舞台にした、 小さな命をめぐる感涙の物語。 著者の経験を元にした新たな代表作誕生! 新生児仮死で生まれてきた赤子の母、 胎児に染色体異常があると告げられた女性、看護師、臨床心理士、清掃員、医師ーー さまざまな視点から描かれる、NICU(新生児集中治療室)という「この場所」。 小さな命のきらめきに、こんなにも心を動かされる。 医療現場を舞台に著者が新境地を拓いた連作長編小説。  ずっと、18トリソミーではなかったのなら、どんなにいいだろうと思っていた。けれどもし、その願いが叶うことで、生まれてきた赤ちゃんが心(ここ)ではなくなってしまうのならば、意味がなかった。心でよかった。心がよかった。  重なっている手の指。カーブした足。何もかもが特別で、愛おしかった。心だけの形。あらゆる部分が、可愛らしい。(本文より)
  • この人を見よ ブッダ・ゴータマの生涯
    -
    真実の人生を生きるために出家し、思索し、ついに悟りを得たブッダ。孤独や弟子の反逆にも耐え、本来の生き方を説き続けたブッダ。仏教学の泰斗が、豊かな学殖のすべてと暖い心をこめて、この「偉大なる人」の生のドラマを描く。パーリ原典に依拠し、後世の虚構を排して把えた人間ブッダの真実を描く画期的な評伝!
  • この冬の私はあの蜜柑だ
    4.0
    1巻1,771円 (税込)
    高3の夏、水着姿で自転車に乗った美樹子が差し出した葡萄味のアイスキャンディーを、明彦は今もはっきり覚えている――(「愛は真夏の砂浜」)。かつての同級生、兄と妹、客と店員、編集者と作家、元夫婦。都市の一角ですれ違い、向き合い、別れていく男と女の姿を、研ぎ澄まされた文章で、譜面に音楽を刻みつけるように描く。音楽、スニーカー、ラジオ……あるテーマを出発点に想像力が鮮やかに紡ぎだす、魅惑の9篇。
  • この道
    3.5
    祖先、肉親、自らの死の翳を見つめながら、綴られる日々の思索と想念。死を生の内に、いにしえを現在に呼び戻す、幻視と想像力の結晶。晩年まで勁健な筆を奮い、文学の可能性を極限まで拡げつづけた古井文学の極点。

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