国内小説 - 講談社作品一覧
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-最愛の妻・小雪を失って、孤独感と追憶の感情にとらわれている園田順吉だったが、皮肉なことに、彼の小説が映画化され、まわりは華やいだ。小雪の父親・正造は、そんな順吉をみて、もう小雪の残像を捨てて、早く後妻をめとってくれ、と頼む。事実、後妻を彼に、という周囲の努力があったし、娘たちから順吉に接近するというケースもあった。しかし、小雪への思慕は、はるかに大きくて強いのだ。そんな折、順吉は、ユキという女性に出会った。容貌も、そして名もそっくりではないか。順吉はときめく。亡妻・小雪との愛の残光をふり払うため、順吉は、ユキとの新しい愛に生きようとする。小雪に瓜二つのユキだったが、彼女のなかには、小雪と対照的な「女」があった。話題の名作「絶唱」の姉妹篇にあたる書き下ろし長編小説。
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3.5潜在的な<妻殺し>を断罪 江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」に影響を与えたとされる怪奇的幻想小説「金色の死」、私立探偵を名乗る見知らぬ男に突然呼びとめられ、妻の死の顛末を問われ、たたみ掛ける様にその死を糾弾する探偵と、追い込まれる主人公の恐怖の心理を絶妙に描いて、日本の探偵小説の濫觴といわれた「途上」、ほかに「人面疽」「小さな王国」「母を恋ふる記」「青い花」など谷崎の多彩な個性が発揮される大正期の作品群7篇。 清水良典 『小さな王国』のような政治小説も、探偵小説も、怪奇幻想小説も、足フェチ小説も、母恋い小説も、みんな谷崎文学という偉大な大樹の、大正期の枝に生った果実である。昭和に入って谷崎文学は急速に日本の伝統に近づき、大家として飛躍的な成長を遂げた。(中略)谷崎の大正期は、決して失われた時代ではない。むしろ作家谷崎が、全力を傾けて拡大と成長に努めた時代だったのであり、その土台が彼を「大谷崎」へと押し上げたのである。――<「解説」より>
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3.8※本作品は、2020年発売の単行本版『今度生まれたら』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。 70代では人生やり直せない? 人間に年齢は関係ない、なんてウソ。 人生100年はキレイごと。 「今度生まれたら、この人とは結婚しない」70歳の主婦、佐川夏江は自分がやり直しのきかない年齢になっていることにショックを受ける。人生を振り返ると、あの時別の道を選んだらどうなっていたかと思うことばかり。進学は、仕事は、結婚は。少しでも人生をやり直すため、夏江はやりたいことを始めようとあがく。 大好評の著者「高齢者小説」シリーズ。 「元気をもらいました」「自分のことのように読みました」「もっと早く読みたかった」 など読者の声多数のベストセラー!
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4.5ツキにからかわれるのも、人生長い目で見れば悪いことではない。 年々歳々、馬とともに春夏秋冬をめぐり、移り変わる人と時代を見つめ続けた作家の足跡。 日本文学の巨星が三十余年にわたり書き継いだ名篇エッセイ、初書籍化。 編・解説:高橋源一郎 何年先のことになるやら、たとえばダービーの日のスタンドかテレビの前で、そういえばあの男、このダービーをもう知らないんだ、と生前の私のことをちらりと思い出す人がいるかもしれない、と今からそんなことを考えると、心細いようで、あんがい、慰められる気持ちになる。自分一個の生涯を超えて続く楽しみを持つことは、そしてその楽しみを共にする人たちがこれからも大勢いると考えられることは、自分の生涯が先へ先へ、はるか遠くまで送られて行く、リレーされて行くようで、ありがたいことだ。 (本文より)
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3.7恋も仕事もそこそこ、流されるままに25年生きてきたことりの転職先は「はげまし屋」。求職情報で偶然見つけた、おんぼろマンションの一室にあるオンライン専門の人生相談所だ。身近には打ち明けられないひそかな悩みが、ことりの元に次々と舞い込む。新米コーチのことりにクライアントの悩みを解決できるのか?「これは経費で落ちません!」著者によるユニークオフィス小説! 《ことりが担当する悩めるクライアントたち》 いいね探しのポリアンナちゃん ―24歳・女性・派遣社員・クリエイティブな職種に転職希望 白雪姫に恋したカサノバさん ―45歳・男性・貿易会社経営・妻子あり・初めての失恋を経験 小説家になりたいジェインさん ―33歳・女性・小説家志望・家庭は裕福で結婚願望なし 終わらないエイジさん ―36歳・男性・ネットビジネススターター・行動力はあるが非常識
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 キムチを通して知る韓国の生活と文化! ソウルのキムチは辛くない! 本場でさまざまなキムチを食べて回り、その作り方を詳しく習ってきた取材チームのキムチなんでも百科。ソウルの最新ガイドも満載! 極辛の「秘密」を求めて本場を食べ歩き! ソウル観光にも絶好の一冊。キムチを知れば韓国が見えてくる! ペチュキムチ、ポッサムキムチ、ムウトンチミ……。真っ赤な辛いものから、あっさりした汁ものまで、韓国のキムチはともかく多種多様。韓国パワーの源といわれるこの過激な漬物の正体は? 本場キムチの秘密を求めて現地取材した、初めての詳図鑑。ソウル市内のホテル、ショッピング、食べ歩きなどの最新情報も満載したカラー文庫。
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-時代小説の巨匠が、江戸時代庶民の哀歓を、流麗な筆に乗せて描いた短編集。表題作、「女郎ぐも」「貞女」など、12編を収録。
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3.7傑作『日本文学盛衰史』に先立ち一九九六年に連載され、五年間の熟成期間を経て二一世紀最初の年末に単行本が刊行された『ゴヂラ』――。 二〇世紀末の西武池袋線石神井公園駅付近の一見平凡な住人たちが同時多発的に異様な状況に巻き込まれてしまう。 これは局所的ではなく、世界全体に同時多発的に起きている異変なのだ。 夏目漱石と森鴎外が結託して悪事を教唆し、詩人は石神井の町から出られなくない、火星人が石神井に襲来する…… あまりに逸脱した展開に、「作者からのお知らせ」までもが入りこむ。 そして、はたしてゴヂラは現れるのか? 世紀をまたいで書き上げられた怪作、初めての文庫化。
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3.5こんなことに付き合ってあげられるのは、自分だけだと思っていた。 夫婦ごっこ、恋人ごっこ、友達ごっこ……。曖昧な関係に振り回される女たちの、不器用すぎる恋。 野間文芸新人賞候補作『春、死なん』につづき、注目作家が「ままならない恋愛」を描く最新小説集。 ・「ごっこ」 六つ年下の恋人の浮世離れした逃避行に付き合って、あてのないドライブを続けるわたし。そろそろ逃亡資金が底をついてきた。 ・「見知らぬ人」 友人の結婚式に集う客たちの中に、夫の不倫相手が混じっているのではないか。あの女を探す那月が出会ったのは――。 ・「はこのなか」 田舎町の中学で出会った奔放な女友達タクボに思いを寄せる戸川。今の願いは、結婚したタクボの隣室に住むこと。
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4.0あたりまえを疑ってみると、知らない世界が見えてくる。 「ぼくは、先生の役割って、一つの狭い常識のなかで生きている人に、そうじゃないよと教えてくれて、でも、その答えは自分で見つけなさいよ、といってくれることだと思います。」(本書より) 〈目次より〉 1日目・たぶん、読んじゃいなよ! カリキュラムにはのらない授業/ソクラテスはなぜ自分で書かなかったのか/想像力を生む場所/「絶対にありえないこと」を疑ってみる/自分で探さなければ、先生には出会えない/「自殺をしてもいいのか?」―鶴見俊輔さんの答え/正解が見つからない問いに、どう答えるか/「外側」から考える/常識ってなんですか? 2日目・なんとなく、書いちゃいなよ! 小学校と工場の共通点は?/自由な論理は「危険」かもしれない/考えるときの基準は自分しかない/「浮かない感じ」―吉本隆明さんの戦争体験/説明できないモヤモヤを大事にする/「渋谷109方式」で文章が書ける!/自分以外の「私」を想像して書く/ほかの誰にも書けない文章ー木村センさんの遺書/「自分」という不思議なものを、ことばにする 本書は17歳の特別教室『答えより問いを探して』を文庫化の際、改題したものです。
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-川崎門下の高弟で、新婚間のない土佐藩士・権九郎は、団栗眼、獅子ッ鼻の無骨極まる男だが、藩でも屈指の無外流の達人で、純情硬骨ながら女に甘い。その権九郎が江戸勤番のため急遽、土佐から江戸まで下る道中で、襲いくる女難また女難の果てに、いまだ不本意ながら己が貞操は守られる結果に……。爆笑、哄笑、苦笑い……抱腹絶倒の東海道道中記。
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-越智さんは齢50を越えた、鎌倉の人里離れた地で執筆に追われる、人気の小説家である。結婚25年の千代子さんと2人の男の子、お婆ちゃんとお手伝いのお啓と暮らしている。一見穏やかな世間にある日々だが、酸いも甘いもかみ分ける越智さんにとっては、人生模様のドラマを垣間見る毎日でもあった。老いも若きも男も女も、町の親分も謹厳な弁護士も、動物たちも、悲喜こもごもに思いを語りだす、10篇の連作ユーモア小説。
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3.8いつか、ここに、遠くに、存在した誰か。 言葉によって、わたしたちは出会える。 ――柴崎友香さん推薦 シャーロック・ホームズの翻訳者だった父が倒れ、四姉妹の末っ子リブロは家族の歴史をたどりなおす。 時空を超えて紡がれる、風変りでいとしいファミリー・ストーリー。 「そこでは、もうとっくのむかしに死んでしまった人たちが、みんな生きていた。リブロの目の前、ここに、生きていた。」 百年前のロンドンから、戦争と震災をへて現在まで、家族の記憶とホームズの物語が鮮やかに交錯する――。 無数の喪失を超えて生き続ける言葉の奇跡を描く、注目作家・小林エリカの最新傑作小説。
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-新聞休刊日には大事件が生れる……というジンクス通り、9月23日の昼下り、警視庁桜田クラブの東京日報のデスクへ「女を殺して新宿の北向八幡の境内に埋めた」と、犯人だと称する男から電話が入った。捜査班も各社の記者も急行したが、本当に若い女性の腕が出てきた。バラバラ事件である。捜査一課はもちろん、各社の取材競争が始った……。やがて被害者は、キャバレーのホステスと判明、彼女のアパートからは、客となった者らしい200数十名の名刺が発見された。日報の山崎、タイムスの矢島記者の頭脳作戦! 続いて第2の殺人事件発生! 猟奇とスリル横溢の長編小説。
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3.5あのとき、わたしが黙っていなければ――。 見て見ぬふりの負の連鎖が、おぞましい悪夢を呼び寄せる。 デビュー作『スイート・マイホーム』が映画化決定! ホラーサスペンス界の鬼才が放つ、戦慄のサイコ・スリラー! 建築会社に勤める勝人は、コーヒーショップ店員の華と運命の出会いを果たす。一目で心を奪われた勝人は、彼女との距離を少しずつ縮めていく。ところが、それから勝人は奇妙な子どもの姿を目撃するようになる。自分以外の誰にも見えない幻影に苦しめられながらも、華の優しさに救われる勝人。一方、華の弟である星也は、突然様子が変わった姉が気に入らない。華の彼氏は、本当に信用できるやつなのか? 血のつながらない姉にほのかな恋心を寄せる星也は、親友の葉月とともに、勝人のことを調べ出すが……。
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-漂流する現代家族をラディカルに描く傑作長篇!――かつて姉妹漫才で鳴らした鈴子・鈴江。今はカンペキ主婦に身をやつす姉と、独身の物書きとして芸界の周辺に生きる妹。正反対のようで同じ血縁という強烈な磁力に搦めとられて彷徨う二人の日常の背後に、狂女逆髪と盲人の琵琶法師の姉弟が織りなす謡曲「蝉丸」の悽愴な光景を幻視、富岡節ともいうべき強靭な語りの文体で活写。『冥途の家族』『芻狗』など、家族や性をテーマに書き続けてきた著者の到達点とされる傑作。 ※本書は、『富岡多惠子集6 小説5』(1999年6月、筑摩書房刊)を底本として使用しました。著者の一閲を得て誤植を正し、振り仮名を多少増やすなどしましたが、原則として底本に従いました。
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4.0闘う知性が読み解く、事件としての安吾と中上――日本の怠惰な知性の伝統の中で、「事件」として登場した坂口安吾と中上健次。二人は、近代文学の根源へ遡行しつつ、「自然主義」と「物語」の止揚を目指す。安吾は、自らを突き放すような他者性に文学の「ふるさと」を見出し、中上は、構造に還元することなく、歴史の現在性としての「路地」と格闘する。闘う知性としての安吾と中上を論じた、74年から95年までの批評を集成した、伊藤整文学賞受賞作。 ◎「文学」とは、どんな秩序にも属さず、たえず枠組を破ってしまう荒ぶる魂であった。文学をやっている人がすべてそうなのではない。むしろその反対である。文学という枠組を吹き飛ばすようなもの、それが「文学」だった。私と中上は文壇において暴風雨のような存在であった。そして、われわれがともに敬愛していたのが坂口安吾である。(中略)私は安吾を高く評価していた。しかし、小説家としてではない。私にとって、彼の作品は、哲学であり、歴史学であり、心理学あり……、それらすべてをふくむ何か、要するに、「文学」であった。<「著者から読者へ」より>
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-すでに一男二女の父となった、かつてのきんぴら先生こと、坂田金平の家で、長女の縁談をめぐって起こる様々な事件。日常の悲喜こもごもを、小気味よい巧みな筆で描いた、明朗家族小説。
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-週刊誌記者の矢島が、ファニ―化粧品主催の洋上大学の取材をひきうけたのは、ハワイへ行ける楽しみより、生徒として参加する平均22歳半という100人の美女たちに惹かれた、といったほうがいい。4月中旬、豪華船セントルイス号は、5人の講師、カメラマンなどを加えた114人を乗せて横浜を出航した。しかし、生徒中1、2を争う美女・水島陽子の突然の失踪が、船内の華やいだ空気を一変させることになる。つづいて、講師のファッション・デザイナー及川弥生の変死……。華やかな雰囲気の陰の醜い愛憎の葛藤と意外な真相を、巧妙緻密な推理で解き明かしていく長篇推理小説。
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