作品一覧

  • 走れ、若き五右衛門
    値引きあり
    -
    1巻1,067円 (税込)
    遠江に生まれた虎太は母親・右(ゆう)に女手一つで育てられていた。『論語』や『孟子』、算術や刀槍の使い方まで教え込む厳しい母だった。ところが15歳のときに転機が訪れる。家の近所で戦ごっこをしていたところを人攫いに遭ってしまうのだ。同じ境涯の少年たちと西へ向かって連行されていく虎太。人攫いの男たちは京阪から来た盗賊のようだ。天竜川や木曽川の難所を越えて盗賊の本拠にたどり着くと、人買いに売られるのではなく命を懸けた訓練が始まった。どうやら盗賊に育て上げられるらしい。虎太は母・右に鍛えられた勉学や身体能力によってめきめきと頭角を現していった……。
  • 流浪期
    値引きあり
    -
    1巻298円 (税込)
    陣野兵馬、15歳。学校でイジメにあい、父親の浮気で家庭は崩壊寸前に陥り、女の子にも相手にされない。一念発起した兵馬は、家出を敢行し、寝台車に飛び乗る。列車内で年上の女と初体験を済ませた兵馬は、上京後、故郷のマドンナを胸に秘めつつ、ストリッパーから女子大生へ、と女難の道を歩み始めた。闘志烈々、意気軒昂の新青春小説誕生! 著者のデビュー作。
  • 諏訪青春水滸伝
    値引きあり
    -
    1巻300円 (税込)
    足掛け7年に一度、信州・諏訪で繰り広げられる諏訪大社の御柱祭りに、命知らずの男たちが集結してきた。谺襲次・21歳は、養父である的屋の谺組の親分・拓造を殺され、その無念を晴らすため、ライバル・矢頭丸騎一の待つ諏訪へ帰る。憧れの誉志子を手に入れるには、御柱の先頭ハナ切りを、決死で敢行せねばならない! 信濃に咲く恋と意地の長編青春小説。
  • 蕪村 己が身の闇より吼て
    値引きあり
    3.0
    1巻1,017円 (税込)
    享保の改革のころ、15歳の男が叔父を殺めて大坂から京へ逃れていった。河原で乞食をしたのち、僧・弁空のもとで寺男になる。寺で画と俳諧に興味を持ち始めた男は、京を発ち江戸へと向かう決意をする。江戸では俳諧の師匠・宋阿に弟子入りし、宰鳥と名乗る。だが間もなくして宋阿が亡くなり、下総の結城へ。そこを拠点に奥州や北関東への旅を繰り返す。28歳で俳号を蕪村に改め、いよいよ画と句と書に力を注ぎこみ……。
  • 犬死伝 赫ける、草莽の志士
    値引きあり
    3.0
    1巻990円 (税込)
    「倒幕」と「年貢半減」を目指す小島四郎は、江戸で「青雲隊」を結成。後に京に上って、薩摩藩の西郷吉之助(のちの隆盛)と面会し、江戸の攪乱を頼まれる。四郎は江戸に戻り、相楽総三と名乗って江戸周辺で強盗・放火を繰り返す。とどめは庄内藩襲撃と江戸城放火。幕府側の反撃に遭い京へ落ち延びるが、東征隊の先鋒隊に任じられ「赤報隊」と命名する。だが東山道を進む途中、自隊が「偽官軍」と呼ばれているとの情報が……。
  • 我れ、美に殉ず
    4.5
    1巻1,980円 (税込)
    狩野派を破門され、質朴なる農夫の絵を描き続けた孤高の絵師、久隅守景/狩野派に入門しながら吉原通いを好み、あげくに生類憐みの令で三宅島に島流しになった不遇の絵師、英一蝶/青物問屋の長男に生まれ若くして店を継ぐも、早々に隠居して生き物を描き続けるた博愛の画家、伊藤若冲/備前池田藩・支藩の大目付の役にありながら、風流の道に傾いて脱藩し、七弦琴と絵筆を手に諸国を放浪した文人画家、浦上玉堂/4人の生涯とは!
  • 真幸くあらば
    3.5
    1巻900円 (税込)
    南木野淳は、金欲しさに盗みに入り犯罪の目撃者となった男女を殺害した。刑務所の中で多くの書籍、思想に出会った淳は「新エロイーズ」読書を機に愛についての思考を重ねる。自分の犯行の愚かさを知り、深く罪を自覚した彼は、罪を償うため控訴も取りやめ、死刑が確定する。淳は、教会ボランティアの榊原茜に恋い焦がれるが、茜は被害者男性の婚約者だった……。刑務所のなかの奇蹟のような愛を描く慟哭の純愛小説。(講談社文庫)
  • 蜂起には至らず 新左翼死人列伝
    3.0
    1巻806円 (税込)
    死屍累々。60年安保の樺美智子さんから、2000年病死の島成郎さんまで。ベトナム反戦、安田講堂占拠、よど号ハイジャック、連合赤軍、三菱重工爆破、中核VS.革マル、三里塚闘争――新左翼運動の中で落命し、あるいは自死した者たち。自らも活動家であった著者が、27人の死者への祈りを込めた挽歌!
  • 我れ、美に殉ず

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    初めての作家。この絵師にはこの一作という作品を据えての短編。著者の語りぶりが濃く独特で、強い印象を残した。

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    2014年06月21日
  • 我れ、美に殉ず

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    ネタバレ

    反骨心あふれる、アウトサイダー的な生き方をした江戸時代の代表的画家四人を扱った短編集。
    ひじょうに力作だと感ずるが、最初の章でインパクトが強すぎて、独特の言い回しにだんだん飽きてしまい、読みすすめられなかった。金や権威のために絵を描くのは邪道、自分の好きなように描くという考えは、自己表現者のもの。買い手あってこその芸術なのだから、多少の格式化もしかたないのでは、とも。

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    2014年09月22日
  • 真幸くあらば

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    映画のCMを観てこれはまず原作を、との思いで本を手に取りました。
    期待していた世界観はまだ観られていない映画に期待を残すものの、手前勝手な期待以上の感動を本作はもたらしてくれたように思います。

    ツッコミをいれたい部分も少々あったので、☆4つ。

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    2010年03月23日
  • 蕪村 己が身の闇より吼て

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    俳句を齧りはじめて、蕪村に興味があったので読んでみた。俳人の中で、俳句だけでなく寧ろ大和絵で名を成し、書にも通じていたことで知られる人物。絵については狩野派等の系統で修行しなければ職業絵師にはなれない当時で放浪ばかりしていてどうやって身をたてたのか。特に謎とされている前半生はほぼフィクションであろうが、放浪の身に至る経緯や世の中を自分の志向で過ごしていく人物像は説得力があった。当時の俳諧というものの状況も語り手を碧梧桐にしているだけに詳しくて参考になった。

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    2020年03月14日
  • 犬死伝 赫ける、草莽の志士

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    ネタバレ

     近年、原田伊織『明治維新という過ち』が発表されてからというもの、明治維新は日本を変えた正義の大革命ではなく、薩長、特に薩摩による血なまぐさい謀略だったと多くの人が知るところとなっている。そのあおりを受けてか、相楽総三も、「ニセ官軍の汚名を着せられた悲劇のヒーロー」から、「西郷の手先となって江戸の街を荒らしたスパイ」へと扱いが一変してしまったようだ。
     その相楽総三の人物像に一石を投じるのが本書。やはり特筆すべきは、彼の思想の根っこに農民への深い同情、もっと言えば共感があり、「年貢半減」というほとんど唯一と言っていい彼の主義主張は、これに根ざしていた……という設定だろう。
     相楽総三が安藤昌益

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    2017年09月18日

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