小嵐九八郎のレビュー一覧

  • 我れ、美に殉ず

    Posted by ブクログ

    初めての作家。この絵師にはこの一作という作品を据えての短編。著者の語りぶりが濃く独特で、強い印象を残した。

    0
    2014年06月21日
  • 我れ、美に殉ず

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    反骨心あふれる、アウトサイダー的な生き方をした江戸時代の代表的画家四人を扱った短編集。
    ひじょうに力作だと感ずるが、最初の章でインパクトが強すぎて、独特の言い回しにだんだん飽きてしまい、読みすすめられなかった。金や権威のために絵を描くのは邪道、自分の好きなように描くという考えは、自己表現者のもの。買い手あってこその芸術なのだから、多少の格式化もしかたないのでは、とも。

    0
    2014年09月22日
  • 真幸くあらば

    Posted by ブクログ

    映画のCMを観てこれはまず原作を、との思いで本を手に取りました。
    期待していた世界観はまだ観られていない映画に期待を残すものの、手前勝手な期待以上の感動を本作はもたらしてくれたように思います。

    ツッコミをいれたい部分も少々あったので、☆4つ。

    0
    2010年03月23日
  • 蕪村 己が身の闇より吼て

    Posted by ブクログ

    俳句を齧りはじめて、蕪村に興味があったので読んでみた。俳人の中で、俳句だけでなく寧ろ大和絵で名を成し、書にも通じていたことで知られる人物。絵については狩野派等の系統で修行しなければ職業絵師にはなれない当時で放浪ばかりしていてどうやって身をたてたのか。特に謎とされている前半生はほぼフィクションであろうが、放浪の身に至る経緯や世の中を自分の志向で過ごしていく人物像は説得力があった。当時の俳諧というものの状況も語り手を碧梧桐にしているだけに詳しくて参考になった。

    0
    2020年03月14日
  • 犬死伝 赫ける、草莽の志士

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     近年、原田伊織『明治維新という過ち』が発表されてからというもの、明治維新は日本を変えた正義の大革命ではなく、薩長、特に薩摩による血なまぐさい謀略だったと多くの人が知るところとなっている。そのあおりを受けてか、相楽総三も、「ニセ官軍の汚名を着せられた悲劇のヒーロー」から、「西郷の手先となって江戸の街を荒らしたスパイ」へと扱いが一変してしまったようだ。
     その相楽総三の人物像に一石を投じるのが本書。やはり特筆すべきは、彼の思想の根っこに農民への深い同情、もっと言えば共感があり、「年貢半減」というほとんど唯一と言っていい彼の主義主張は、これに根ざしていた……という設定だろう。
     相楽総三が安藤昌益

    0
    2017年09月18日
  • 真幸くあらば

    Posted by ブクログ

    切ない、のひと言につきます。主人公の青年の苦悩が生々しく痛かった。
    映画を観てから読んで、よかったと思います。

    0
    2010年04月27日
  • 蜂起には至らず 新左翼死人列伝

    Posted by ブクログ

    1960〜1970年代の新左翼運動を闘い、今は死んでいる27人(運動に絡んで死んだ人が中心だけどそうでない人もいる)の生涯の記録に、その時代の状況や自らも活動家であった著者の感想・感慨を交えて、クセのある筆致で記した本。
    命を懸けて理想に走る人生に「おっ」と感じつつも、結局、その動因が「若さ」(か年をとってると偏狭なイデオロギー)だと知ってがっくりきて、最後には、空しさと儚さだけが残る。庄司薫の「若々しさのまっただ中で犬死しないための方法序説」なんて言葉を思い起こした。

    0
    2009年10月07日