国内小説 - 講談社作品一覧

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  • 賭の季節
    4.0
    映画スター・上杉悠子邸の玄関先に倒れていた死体――それは、悠子にそっくりの女であった。熱狂的なファンの「自殺」として片づけられたこの事件に、木島刑事は疑問をもつ。「捜査の邪道かもしれないが……」彼は心に殺人事件を描いてみた。悠子には幼くして別れた双生児の姉・竹村久子がいた。死体は、この久子なのだろうか、あるいは悠子その人なのかもしれぬ。刑事は、付人の西条悌子とマネージャー・藤岡謙にあたった。捜査が、華やかな女優生活の裏にひそむ「影の女」の存在を知った時、事件は意外な終末を迎える。巧妙なトリックを用い、「女の賭」を描く本格推理。
  • 影と踊る日
    3.8
    1巻1,925円 (税込)
    「おまえは出来は悪いが、うちの娘だ」 思いつめたら突き進む“跳ねっ返り”女性警察官の真情。 認知症の高齢女性を助けた青年が水死体で発見された。 鈴山澪は事件の背後に悪名高い刑事の存在を探り当てる。 不審な動きを見せる刑事は何を追っているのか? 特殊詐欺の闇を抉り出す渾身の警察小説! 心優しき青年はなぜ殺されなければならなかったのか? 新潟県警に勤務する鈴山澪は地元のテレビ番組で、特殊詐欺対策啓蒙コーナーを担当している。 共演者の麻子は、恋人を詐欺被害で亡くしていた。ある日、麻子は生放送で、未だに捕まらない 犯人への憎しみを口走って炎上する。 一方、澪の友人で、大雪の日に認知症の高齢女性を保護して表彰された青年がいなくなる。 その件に絡んで謹慎となった澪は行方を探し、富山の海岸で変わり果てた姿を目にする。 辿りついた防犯映像には地元暴力団との交際が噂される刑事の姿が……。 警察組織に背を向けて事件を追う澪は、いつしか、封印した自らの過去に踏み込んでいくことに――。 新潟を舞台にした新たなる警察小説
  • 影の凶器
    -
    女――それは男を迷わせるだけではない。会社組織をも狂わせる凶器だ。籠絡した4人の美女を武器に、高度成長の波に乗る電機業界の舞台裏に暗躍する産業スパイ・片桐七郎。俺こそが影の凶器だ、と豪語する非情の男は、アメリカ仕込みの凄腕で、着々と成果を挙げていく……。精力的な取材とダイナミックなストーリー展開で、わが国に企業スパイ小説というすぐれて現代的なジャンルを拓いた著者の代表作。
  • 影の告発
    4.0
    デパートの満員のエレベーターの中で、殺人事件が発生。被害者は、私立高の校長・城崎達也と判明。白昼、しかも衆人環視の中での大胆不敵な犯行の手がかりは、名刺と母娘の古い写真しかない。偶然、事件現場に居合わせた千草検事が、捜査の指揮をとることになった……。本格派の第一人者の代表作。日本推理作家協会賞受賞作品。
  • 影ふかき人
    -
    心ならずも神宮球場のスーパースターの妻となった冴子は、新婚旅行の途次、新郎・信三とともに事故に遭ってしまう。そして、新婚初夜にも関わらず、冴子は建築家の城田と結ばれ、子を孕んでしまうのだった。それでも、意識の定まらない状態になった信三を愛せるようになった冴子だが、奇跡的に元に戻った信三の暴君振りに、今度は家を出てしまう。そこには、独身となった城田に想いをかける3人の女たち。だが、ついに冴子は城田と……。
  • 影丸極道帖(上)
    -
    天保13年9月、江戸を襲った台風の日、怪盗・影丸が脱獄した。江戸城内、大奥にまで侵入した剽盗だけに、奉行所の召喚状をすりかえて脱獄する、前代未聞の牢破りだった。同じ日、名与力・松並白亭の養女・小夜も何者かに誘拐された。そして、白亭と配下の同心・志賀三平は、この2つの怪事件を結ぶ謎に立ち向かう。不敵にも影丸は、「目指す相手は八丁堀!」と、かれらに挑戦してきたのだ。だが、目明し伝六、紋十郎ら悪党の名は浮かんでも、当の影丸は神出鬼没。しかも事件の背後には、将軍家継嗣をめぐる暗闘までも絡んでいる……。著者が秘材を傾けた本格派時代物推理の妙。<上下巻>
  • 影 裸婦変相 喜寿童女
    -
    三品財閥の女婿である外交官の鳥栖庄五は役所の機密書類を密かに持ち帰る途中、秘密探偵社の一団に誘拐される――社会機構を痛烈に風刺した「影」をはじめ、幻想的世界と現実とが妖しく交錯する「裸婦変相」、喜寿を迎えた名妓お花が11歳の幼女に変貌する奇談「喜寿童女」ほか、「ほととぎす」「大徳寺」など、鋭い批評眼と絶妙な文体で描かれた中期作品群より7篇を収録。
  • 蜻蛉日記(上)
    -
    1~3巻550円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 その美貌と、歌才で謳われた藤原道綱の母。受領の娘に生まれ、世を時めく藤原兼家の妻となり、当代の女性として稀にみる強烈なエゴと、豊かな感受性をもって成立した、現代になお新しい告白的自叙伝。従来の、契沖本に依拠し過ぎた研究に対し、それを批判的に摂取しつつも、新規点に立った、50年余の結実。川瀬一馬の校注・現代語訳でお贈りします。<上中下3巻 上巻>
  • 蜻蛉日記をご一緒に
    3.7
    いつの世にも変わらない、女と男の愛の姿。唯一の女として永遠に愛されたい! ――女の夢は、いつの世も変わらない。ただ一人の男に出会って、ただ一人の女として愛されること。蜻蛉は、男らしい実力者の兼家に恋しているが、夫は男の常として、一人の女に満足しない。妻は嘆き、恨み、苦しむ中で、ついに深い人生観照と、不思議な安らぎの世界に入る。女の生き方、女と男のあり方を考える名著。<『田辺聖子と読む蜻蛉日記』改題作品>
  • 影を裁く日
    5.0
    その日、外務省のキャリア組は震え上がった。TOKIOサミットが終了した晩、ホテル・ニューオークラで開かれていたパーティーの会場から、朝倉外務省欧州局長の姿が忽然と消えた。ほどなく、死体が中庭の池に浮かんだ。元外交官の著者が、一見はなやかな外務省内部に秘められた、キャリアとノンキャリアの確執、権力の腐敗を描き、人間性の本質に迫る傑作ミステリー。
  • 火口湖
    -
    甲州に葡萄園と葡萄酒工場をもつ千倉家には、二人の美しい娘がいた。東京の直売所、千倉洋酒店を切り盛りしている姉の一枝と、近郷の雑貨屋に嫁いだ妹のしげ実である。一枝は薬剤師の西竜一と愛し合っていたが、勝気な彼女と消極的な西との間は、一向に進まない。詐欺事件の後始末に大阪へ出向いた一枝は、叔父の自動車販売会社に働く妻子持ちのセールスマン、染谷の行動的な性格に魅かれていく。一方、封建的な婚家を逃げ出したしげ実は、姉の店で暮らすうち西と知り合い……。 あかね色の夕映えに輝く葡萄園、そこに育った姉妹の人生行路を描き感動をよぶ長篇恋愛小説。
  • 過去からの追跡者(ネクロポリス)
    -
    世界各国の重罪人や危険分子が幽閉された、酷寒の監獄島。無法状態の中で、莫大な報酬目当ての少年探しが始まる。娼婦、元将軍、武器商人、テロリスト、女暗殺団など、さまざまなアウトローたちの欲望がからみあう殺戮の果てに……。大恐慌の果てに監獄島と化した近未来の旧サハリンを舞台に展開する、凄絶な新冒険小説。卓抜な構想と強靭な描写力が創り上げた、スリリングなドラマ。(『ネクロポリス』改題作品)
  • かごいっぱいに詰め込んで
    3.8
    1巻1,716円 (税込)
    「いいなあ、幸せそうで」 スーパーを訪れる5編の「生活」。 寿退社をして主婦となり、子どもが手を離れた美奈子。社会に出て働こうと思い立つが、転職活動は思うようにいかない。 (「おしゃべりなレジ係」) 小学生の頃からのある癖によって痩せた、大学生の流花。しかし「ぶた」と呼ばれて受け流してしまった当時の自分を未だに許せない。 (「小さな左手」) 元彼女に二股をかけられて以来、マッチングアプリで遊ぶようになった亮。ある日会社の後輩から、SNSで自分がヤリモクの要注意人物として晒されていると知らされる。 (「気をつけてください!」) 友達の結婚ラッシュに焦り、婚活アプリで出会った貴文と結婚した咲希。出産した友達に「次は咲希の番だね」と言われ、咲希も妊活を始める。 (「なわとびの入り方」) IT化についていけず、早期退職した哲郎。ハローワークで再就職先を見つけられず、妻にも愛想をつかされ、公園のベンチで昼食をとる日々が続く。 (「不機嫌おじさん」) 「もう無理かもしれない」そんな気持ちを真下みことは掬い上げ、寄り添い、抱きしめてくれる。
  • 風花
    3.8
    帰る場所のない女と男と……。喪失と再生の物語――恋人から別れを告げられ、落ち込む廉司に、追い打ちをかけるように、会社から突然、リストラの宣告。同僚との送別会で泥酔した廉司だが、なぜか目が覚めた時、隣に寝ていた見知らぬ女=風俗嬢レモンと、一緒に旅することになった。希望を失い、自暴自棄になった男と女が、人生を取り戻していく道程を描く、感動の長篇。
  • 崋山と長英
    -
    幕末に開港論を主張した高野長英と、攘夷の非を鳴らした渡辺崋山が、ともに幕府の忌諱にふれ、鳥居耀蔵の奸計で囚われの身となり非命に死んだ、いわゆる蛮社の獄の経緯を描いた名作。一章「獄中記」は長英の投獄を、二章「檻送記」では崋山の白洲での戦いを、三章「蟄居記」は幽閉された故郷での自害まで。野間文芸奨励賞受賞作品。
  • 火山列島
    -
    大学の医学部教授・仁王慶一郎は、主治医として、国光家に行くことが多かった。彼は、国光夫人・安芸子の、憂いに耐えた姿に、惹かれることがあった。ある日、仁王は、その秘密に、かかわりを持つ。主治医としての立場に、とどまることができなかった彼が、その秘密の糸をたどって行くうちに、戦争の前後に起こった、幾つかの悲しいできごとが甦ってきた。しかも、それらは、彼自身の家庭とも、関係があった。八丈島、熱海、九州・飫肥という3つの火山地帯を結ぶ、愛と憎しみの歴史を描きながら、現代に失われた心の問題を、執拗にさぐった、清冽な美しいロマン!
  • カシオペアの丘で(上)
    4.3
    1~2巻792円 (税込)
    肺の腫瘍は、やはり悪性だった――。40歳を目前にして人生の「終わり」を突きつけられたその日、俊介はテレビ画面に、いまは遊園地になったふるさとの丘を見つける。封印していた記憶が突然甦る。僕は何かに導かれているのだろうか……。
  • カシオペアの丘で 上下合本版
    -
    1巻1,353円 (税込)
    丘の上の遊園地は、俺たちの夢だった--。肺の悪性腫瘍を告知された三十九歳の秋、俊介は二度と帰らないと決めていたふるさとへ向かう。そこには、かつて傷つけてしまった友がいる。初恋の人がいる。「王」と呼ばれた祖父がいる。満天の星がまたたくカシオペアの丘で、再会と贖罪の物語が、静かに始まる。苦しみ、傷つき、やがて輝く星になる。壮大な命の物語。上下合本版。
  • 菓子祭・夢の車輪
    4.0
    単行本『赤い歳月』から2篇、『菓子祭』から13篇、さらに、文庫初収録の名篇『夢の車輪』から全12篇、計27篇の秀作集。現実と夢の壁を、あたかもなきがごとく自在に行きかい、男と女との「関係」などを、鋭く透写する硬質な作家の「眼」が、内から硬質の光を鋭く放つ! 『砂の上の植物群』、『暗室』、『鞄の中身』の達成の上に立つ、短篇の名手・吉行淳之介の、冴えわたる短篇群の「かがやき」。
  • 花芯
    3.7
    「きみという女は、からだじゅうのホックが外れている感じだ」。親の決めた許婚(いいなずけ)と結婚した園子は、ある日突然、恋を知った。相手は、夫の上司。そして……。平凡な若妻が男性遍歴を重ね完璧な娼婦になっていく姿を描き、発表当初「子宮作家」のレッテルを貼られ文壇的沈黙を余儀なくされた表題作他、瀬戸内晴美時代の幻の傑作5編を収録。
  • 花塵
    -
    洋画壇のなかで、男たちをカンバスにして、自分の人生を描き続けた女がいた。いつも新しい玩具を欲しがる童女のように、次々と男をとりかえ、奔放な暮らしを続けた。世間からは「魔性」と呼ばれる生命の破壊力で、男たちすべてに破滅を与え、その破滅こそが愛の証しと考え、激しく生きた女が遺した、1枚の絵。破滅こそ愛の証し。魔性の愛を描く、長篇恋愛小説。
  • 佳人
    -
    一日中、子供用の肘かけ椅子に行儀よく坐って、紅殻色の出格子にはめこまれた小さなガラス窓から道路をのぞいていた、足なえの童女、その名は圓(つぶら)。薄い皮膚に「いのち」を包んで、それは幻のように美しい童女であった。女にとって、いちばん華やかで夢多い季節になっても、彼女は10歳にも満たぬ躯しかなかった。が、数奇な運命をになう彼女に、結婚の日が訪れる。それは非情な忍従を求める、おそろしい日々の明け暮れだった。清純に死を選んだ彼女が残していった紅絹の匂い袋……。直木賞作家・藤井重夫が哀切な筆でえがいた佳人の生涯。
  • 佳人の奇遇
    3.7
    最後のページを閉じたとき『ドン・ジョヴァンニ』の魔法があなたを美人に変えている。島田雅彦がおくる、問題だらけの大人の恋愛喜劇(ラブストーリー)――超問題児の天才テノール歌手・辻アンドレ、そのにわかマネージャーで元ナンバー2ホステスのまどか、現代最高の指揮者で絶倫のマエストロ、初恋の男性に偶然再会したOL・春香……。今宵コンサートホールに集う人々に、『ドン・ジョヴァンニ』の旋律が幸福の魔法をかける。軽妙な筆致でつづられる、大人の恋愛喜劇!
  • 幽 花腐し
    5.0
    中華街のバーで、二十年以上前に遇った女の幻影に翻弄される男の一夜を描く、事実上の初小説「シャンチーの宵」、芥川賞候補作「幽」、同受賞作「花腐し」ほか全6篇。知的かつ幻想的で、悲哀と官能を湛えた初期秀作群。社会から外れた男が生きる過去と現在を、類稀な魅力を放つ文体で生々しく再現し、小説の醍醐味が横溢する作品集。
  • 風が吹いたり、花が散ったり
    4.2
    『あめつちのうた』の著者が贈る、ブラインドマラソン×青春小説! フリーターの亮磨は、夢が持てない日々を送る。 ある日、視覚障害があるランナーから、伴走者に誘われ―― 大学生から熱い支持! 【第24回島清恋愛文学賞受賞作】 漫然と過ごすフリーターの亮磨。 バイトからの帰り道、視覚障害者の女性にぶつかり転倒させてしまう。 気が動転して無言で立ち去りかけたが、罪悪感から第三者を装って助けに戻る。 その場で、ブラインドマラソンの伴走者に誘われてしまい――。 爽やかな風が吹き抜ける青春小説!
  • 風と樹と空と(1)
    -
    雪国K町の高校を3番で卒業しながら、大学にも進学せず、会社にも就職しないで、お手伝いさんを志望。快活で健康的で人々に愛され、明るい笑いをふりまくお手伝いさん・多喜子を描いた、傑作青春小説、全2巻。青春のさわやかな息吹きが胸を打つ!
  • 風の色
    4.0
    人はなぜ生き、そして愛するのか。流氷の北海道・知床と東京。そこで生きる二組の男女。二つの世界が交錯し、結ばれる愛の先には……。映画「猟奇的な彼女」のクァク監督と気鋭の小説家・出版プロデューサー鬼塚忠がタッグを組組み、人間の存在の本質を、ミステリータッチで描き出した最高のラブストーリー。2016年映画公開「風の色」原作小説。2018年1月、映画「風の色」日本公開決定!
  • 風の絵本
    -
    色のあわい日常生活を、風のように流されていく郁子。ふと郁子は日常をぬけ出して旅に出る。いわば<風の絵本>のヒロインである。彼女の目の前に次々とあらわれるのは、時間のひだにかくされていたいくつかの思い出――。知的女性のゆれる心理を、実験的な手法と新鮮な矜情とで描いた秀作。その他二編収録。
  • 風の王国
    -
    1巻770円 (税込)
    フリーライターの速見卓は、出版社の依頼で奈良の二上山を訪ねる。尾根道で速見は、翔ぶように速く歩く女性を見かける。さらに、仁徳稜の広場で法被を着た「へんろう会」の人々の中に彼女を見出し、強い興味を抱く。へんろう会は山の民の末裔たちの集まりで、翔ぶ女はその流れをくむ天武仁神講の講主・葛城天狼の娘の哀だとわかる。そして、それらの民を国家に組み込もうとした、明治維新後の日本政府の暗部が浮かび上がる……。
  • 風の系譜
    -
    遠い先ばかり見つめていた父は、絶望している。堅実な実際家の母は、希望をかけている。父と母の半生を中心に、複雑な一族の系譜を私小説作家が揺るぎなく描ききった長篇小説。新たに発見された、著者の手の入った原稿で野口冨士男の処女作ともいえる作品を七十余年の時を経て、初文庫化。
  • 風の辻
    -
    風が辻を曲がるように、人生の辻をもうひとつ強引に曲がり、刑場へと消えていった男がいた。昭和50年8月23日午前5時過ぎ、台風6号が近づく嵐のとき、大阪・寝屋川の団地で、新婚の夫婦を斧で惨殺。その後、警察の目を逃れて豪遊をつづけていた神山隆は、12月7日、ついに刑事の来訪を受ける……。ほかに中編「風の塵」を収録。凄まじい迫力で殺人者の肖像を描き、殺人者の内部を通して人間の暗黒に迫る、犯罪小説の力作。
  • 風の中の瞳
    -
    中学校は、高校の予備校か!――現代中学生にも共通する、進学・恋愛・友情の悩み、喜び……。東京郊外の、まだ武蔵野のおもかげを残す飛塚中学の生徒たちと、新任の先生との1年間の物語。新制中学3年生が直面した問題を、作者が作者自身の子供という身近な題材をえて鋭く描いた、感動の名品。
  • 風の中のマリア
    4.1
    命はわずか三十日。ここはオオスズメバチの帝国だ。晩夏、隆盛を極めた帝国に生まれた戦士、マリア。幼い妹たちと「偉大なる母」のため、恋もせず、子も産まず、命を燃やして戦い続ける。ある日出逢ったオスバチから告げられた自らの宿命。永遠に続くと思われた帝国に影が射し始める。著者の新たな代表作。 私たちはただ務めを果たすだけ。ある日、突然やってくる終わりの日まで。 ワーカー(ハタラキバチ)は、現代で働く女性のように。女王バチは、仕事と子育てに追われる母のように。この物語は、「たかがハチ」と切り捨てられない何かを持っている。「世界が広がるはずですよ」(養老孟司―解説より―)
  • 風の牧場
    3.0
    両親がものごころつく前に離婚して母の手で育てられた美名子は、父の不在を寂しいと思ったことはなかった。母の表情からすべてを鋭敏に感じ取った幼い日、その話題を自らタブーとしたが、大人になり父がすでに亡くなっていることを偶然知ってから、その存在が大きくなって……。人と人の絆を描いた連作集。
  • 風のマジム
    4.5
    ほんとうにあった夢物語契約社員から女社長に――実話を基に描いたサクセス・ストーリー。琉球アイコム沖縄支店総務部勤務、28歳。純沖縄産のラム酒を造るという夢は叶うか!風の酒を造りたい!まじむの事業計画は南大東島のサトウキビを使って、島の中でアグリコール・ラムを造るというものだ。持ち前の体当たり精神で島に渡り、工場には飛行場の跡地を借り受け、伝説の醸造家を口説き落として――。
  • 風のラヴソング(完全版)
    5.0
    さわやかでほろ苦い感動物語が、完全版として登場! 女の子には、かならず、運命の出会いがある 家族、友情、恋愛……少女・小夜子の一生を通して描かれる、さまざまな「愛」 父と兄と別れて、新しい両親のもとへと引き取られた少女・小夜子を待っていたのは、さまざまな新しい出会いだった。家族・友だち・そして好きな男の子……彼らとのふれあいを通して、小夜子が愛を育んでいく感動物語。第45回文化庁芸術選奨文部大臣新人賞、第27回日本児童文学者協会新人賞ダブル受賞の名作に、今回、未発表の短編1編を加えて、新たにお届けする完全版です。 〈小学上級から すべての漢字にふりがなつき〉
  • 風の旅団
    4.0
    中国奥地への学術調査隊に加わった青年・早見大介が、不審な死を遂げた隊長の「密命」を受けた。早見は任務を遂行すべく、バイクを駆って、雄大な天山山脈、タクラマカン砂漠、さらに秘境の地へ……。彼を襲う謎の男たちとの闘いののちに、彼が探りあてた未踏の地の秘密とは何か? 清新、熱血のバイク冒険小説。
  • 風は思い出をささやいた
    -
    望郷の詩人・おのちゅうこうが、郷里の赤城山麓で過した幼い日の思い出を活写した、土の香り豊かな珠玉の連作集。「母と木イチゴ」「一年ぼうずの先生」「村のおばけ」「もらいぶろ」「イヌと少年」「カモシカの話」「町っ子の冬子」「こぶ吉さん」「おとなのうそ」「きびしい父の目」など16編。ほかに姉妹編の代表作『氏神さま』も収録。野間児童文芸推奨作品賞受賞作。
  • 風は緑に
    5.0
    外国映画会社宣伝部の一雄とTV局報道部勤務の圭助をめぐってる、ファッション・モデルの彩子、アナウンサーの三千代、幼稚園の先生の牧子たちとの恋模様。だが、牧子はアメリカ文学者と不倫し、彩子を狙うスポンサーが現れて……。華やかな都会の第一線で活躍する男女の、恋愛の苦悩と情熱を描いた、青春の感動的ロマン!
  • 風物語
    4.5
    30年ぶりの同窓会で再会した男女の心境は? 人生の哀歓を描く秀作集。連作短編12編。人生をそよがす風の妙。大人の寓話――中学時代、ほのかな恋ごころを燃やした美少女がいた。都会から田舎の中学へ転校し、再び都会に去った少女に対して、少年は一度だけ直接話しかける機会があったが、結局、何も話せない。そしていま、30年ぶりの同窓会で、男は女にそれを語ってみると……。時は風、風は人生。さまざまな人生の哀歓を巧みに描き出す、大人の寓話集。
  • 風よ聞け 雲の巻
    3.0
    幕末の嵐を駆けぬけた名剣士・伊庭八郎の面影――政権を朝廷に返上した徳川幕府が鳥羽伏見の戦いに敗れると、東征軍は江戸へ進撃を開始した。うろたえ騒ぐ人々の中で、江戸侍の見事な典型、心形刀流の名剣士・伊庭八郎は、信念に従って抗戦派に身を投じる。彼を慕う幼馴染の千遠、稲本楼の小稲など、女たちにも押し寄せる維新の激流。書下ろし長編小説。
  • 風よ雲よ(上)
    -
    1~2巻660円 (税込)
    明朝末期のマカオ、美丈夫の野心家・鄭芝竜と、豊臣の遺臣・安福虎之助との運命の出会い。風雲児の生涯を描く壮大なロマン――東に虎視眈々と機を窺う満洲族、西に流賊・李自成軍が迫る明朝末期、中国南部の港町・マカオで、二人の男が運命の出会いをした。美丈夫の野心家、生れながらの統領の器、鄭芝竜と、大坂落城時、脱出して蘇州の大商人の用心棒となった長身の浪人、安福虎之助である。壮絶な乱世に、南海制覇の野望に燃える男と、夢と生き甲斐を大陸に求めた男の人生の軌跡を描く、歴史長編。<上下巻>
  • カゼヲキル(1) 助走
    3.8
    1~3巻1,155円 (税込)
    山根美岬は、タータンのトラックさえ走ったことがない、田舎の中学2年生。しかし、自然に鍛えられた天性のバネを密かに見込んだ男がいた。はたして美岬は、世界と互角にたたかっていける逸材なのか!? 才能豊かな仲間たちとの出会い。初めて芽生えたライバル心。そしてほのかな初恋。いつかきっと追いつきたい! 追い抜きたい!! アスリートとしての自覚と、勝利への執着心を得るまでを描く「助走」編。
  • 風を見た人(一)
    -
    1~5巻660円 (税込)
    強い季節風の吹き下す、新潟県の石曾根で生れた真崎ちよは、幼い頃に父を失い、貧しい娘時代を過す。しかし、不幸な青春の中にあって恋を知り、やがて妊娠する。だが、愛する男は軍隊におり、男の両親はその責任から逃れようとする。「別れ」の人生を送ってきたちよが、誰にも恥じない陽の下道を選んで生きようとする、哀切きわまりない長篇ロマン。<全5巻>
  • 仮装行列
    -
    旧華族との交渉を懸念する父のすすめで、滝沢一郎と婚約した田所真木子。真木子の義父・憲介は、東洋美術館長で、重要文化財審議会の委員をしている。旧華族の東照寺公一は、徳之内元伯爵家の相続人・摂子とブルー・セックスに耽っているが、真木子の婚約を知ると、掌中の珠を失う思いに悩む。二人の結婚に執念を燃やすのは、元伯爵夫人・徳之内津留で、一郎の父・滝沢代議士は、大名華族の元家令である。この政略結婚のかげには、徳之内家所蔵の国宝絵巻屏風をめぐる、母娘の醜い争いが隠されていた……。真木子をめぐる、仮装行列さながらの上流社会の虚偽と性の腐爛を描いた大作。
  • 仮装人物
    -
    仮装舞踏会で被せられたサンタクロオスの仮面の髯がマッチを摺るとめらめら燃えあがる、象徴的な小説の冒頭。妻を亡くした、著者を思わせる初老の作家稲村庸三は、"自己陶酔に似た"多情な気質の女、梢葉子の出現に心惹かれ、そして執拗な情痴の世界へとのめり込んでゆく。冷やかに己れのその愛欲体験を凝視する"別の自分"の眼。私小説の極致を示した昭和の名作。第1回菊池寛賞。
  • 家族会議
    -
    東京の兜町で株式売買をする重住高之は、大阪の北浜の株のやり手仁礼文七の娘泰子に心惹かれている。だが、――文七はあくまで高之に熾烈な仕手戦をしかけて止まない。金の絡みと高揚する恋愛の最中、悲劇は連続して起こる。資本が人を動かし個人が脅かされる現代に人間の危機を見、「純粋小説論」を提唱実践した横光利一が、その人間崩壊を東と西の両家の息づまる対立を軸に描いた家庭小説の傑作。
  • 家族が「がん」になったら 誰も教えてくれなかった介護法と心のケア
    4.0
    家族だから悩むこと 家族だからできること――家族は、患者さんのいちばんの味方です。だからといって、すべてを抱え込んで悩んでは、つらいもの。病院の選び方や移り方、衣食住でのちょっとした工夫、病人の気持ちへの寄り添い方、そして、家族自身の心のケア。自らも母親の介護を経験したホスピス医が、病院では教えてくれない、具体的な本音のアドバイスを贈ります。
  • 家族シアター
    4.0
    「家族」で起こる、ささやかな大事件。いま一番旬な作家、辻村深月の最新文庫。息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。「夢は学校の先生」という息子が憧れる熱血漢の担任教師は積極的に行事を企画。親子共々忘れられない一年となる。しかしその八年後、担任のある秘密が明かされる(「タイムカプセルの八年」より)。家族を描く心温まる全7編。
  • 家族写真
    3.5
    ちっちゃい赤ん坊だった準子が嫁に行くんだぞ――男手一つで育てた娘を嫁がせる「結婚しようよ」。あの主人公が同年代の54歳と知って愕然とする「磯野波平を探して」。もはや見ないふりできない肥満解消のため家族でダイエットに励む「肉村さん一家176kg」他。短編の名手による、笑って泣ける7つの家族の物語。
  • 家族善哉
    -
    1~2巻660円 (税込)
    このオカンに感動! 愛に満ちた笑撃小説――母親がナント、娘と同じ高校の同級生に!?  大阪で暮らす咲子は、高校時代に妊娠、結婚。再び高校に通い始めたが、高2の娘・美佐緒が恋した男子との三角関係に! そして、家には幼子を連れたかつての友達が転がり込んできて……。男気溢れる夫や初恋に揺れる息子も巻き込んだ、ユーモアいっぱいのナニワ人情物。
  • 家族の神話
    -
    野々村英が5歳の時、両親は離婚した。12年後、高3になった英は、スペイン料理店を営むまだ若く美しい母にうっとうしさを覚えている。母と子の微妙な隙間に女子大生・亜紗子が入って来た。英は母に内緒で彼女と同棲する。一方で、記憶の底に潜む幻であり憧れである父との、皮肉な再会が実現するのだが……。家族とは、都会人とは? 文化的で猥雑な時間の洪水のなかで豆粒的に生きる家族を描く。
  • 家族の晩餐
    -
    弓岡愛子、高校2年生。母亜美子、38歳。母娘二人暮し。愛子は毎月第一日曜日に実父(パパ)とデイトする。だがこのデイトは、もはやメルヘンではなく、陰惨さを帯び始めてさえいるのだ――家族という大都会の中のもっとも小さな単位。そこにも葛藤があり事件がある。その日常の模様を、都会の中の母娘の微妙な関係を、愛情こめて描く長編メッセージ小説。テレビドラマ化も。
  • 家族はつらいよ
    3.2
    長年連れ添った妻の誕生日の夜、平田周造は離婚届を突き付けられた。翌朝、犬の散歩に出ようとすれば、次男は結婚したい相手がいると言い出し、家に戻れば長女が亭主と別れたいと泣いている。二世帯住宅で開かれた家族会議は予想もしない展開に!? 「男はつらいよ」から20年、山田洋次監督の待望の喜劇を、「東京バンドワゴン」の小路幸也が小説化!
  • 家族物語(上)
    -
    男と女は、どのような深い縁で夫婦となるのか? ――京都の織物会社の社長・並木啓一郎は、自然の美しい嵯峨に穏やかな家庭をもっているが、取引先の女性・ゆかりに、秘かな愛情を感じていた。しかしゆかりは、婚約者の自殺で、心に深い傷を負っていた。啓一郎の妻・真穂は、夫への不信に苦しみ、脳溢血で倒れてしまう。夫婦の絆は危うく切れそうになるが……。<上下巻>
  • 寂兮寥兮
    3.4
    幼なじみの万有子と泊は、ごっこ遊びの延長の如き微妙な愛情関係にあったが、それぞれの夫と妻の裏切りの死を契機に……。ふたりを軸に三世代の織りなす人間模様は、過去と今、夢とうつつが混じり合い、愛も性もアモラルな自他の境なき幽明に帰してゆく。デビュー以来、西欧への違和を表現してきた著者が親炙する老子の思想に触発され、生と性の不可解さを前衛的手法で描いた谷崎潤一郎賞受賞作。
  • 刀語 第一話 絶刀・鉋
    3.5
    1~13巻1,078~1,210円 (税込)
    伝説の刀鍛冶・四季崎記紀(しきざききき)がその人生を賭けて鍛えた12本の"刀"を求め、無刀の剣士・鑢七花(やすりしちか)と美貌の奇策士とがめが征く! 刀語、第1話の対戦相手は真庭忍軍十二頭領が1人、真庭蝙蝠(まにわこうもり)!
  • カタナなでしこ
    3.7
    16歳女子高生が日本刀製作に挑む、青春小説!祖父の形見分けで蔵整理に駆り出された高校生の千鶴。そこで見つけたのは、一振りの刀身だけの日本刀だった。そして夏休み、千鶴は同級生の紗和子、鏡美、音々と一緒に、無くなってしまった「刀の拵え」を創作することになる。好きなことも嫌いなこともバラバラな四人の女子高生が"初めて"に挑戦する青春小説。
  • カタブツ
    3.7
    まじめさゆえに窮地に陥ってしまう愛すべき隣人たち。どこかで身に覚えのある危うい心、共感せずにはいられないミステリー集ーー家庭がありながら運命的な出逢いをしてしまった二人、人の世話ばかり焼いてしまう癖を恋人に咎められる青年、息子が事故に遭遇しても足がすくんで助けられない夢にうなされる母親、隣室の女性がストーカーに殺されたのに何もしなかったと非難される男……。誠実な人々の窮地を描いて共感を呼ぶミステリー集。
  • 片翼だけの天使
    -
    「愛してるんよ。あんたはトクベチュな人よ」――40代半ばの独身中年作家が、ふと遊びに出かけたソープランドで出会った、天使のような明るい韓国人女性。作家は、彼女の舌足らずのしゃべり方や、全身で愛情を表現してためらうことのない一途な性格に魅せられていく。現代では稀有な「純愛」を描いて、熱い共感を呼ぶ大人のための「名昨」恋愛小説。ひたむきで純朴な女性とのめくるめく恋の熱い日々!
  • 勝つ極意 生きる極意
    -
    絶対不敗の勇者はいかにしてつくられたか? 趣味尽きない歴史人物エッセイ。人生ここ一番の勝負で勝った男たち――絶対不敗の人間は、いかにしてつくられたか……。宮本武蔵、大石内蔵助、徳川吉宗、山岡鉄舟など、史上稀なる剣客、名将、大器量人の、厳しい自己鍛練。剣の奥義が処世の指針となる道理と、「勇」に尽きる必勝法。剣の実践者の著者にして初めて可能な、合理的で躍動感にみちた語り口の、興趣つきない歴史エッセイ集。
  • 勝つために何をすべきか 新日鉄釜石の「やる気」ラグビー
    -
    常勝集団・新日鉄釜石の、勝利を生み出す知略と統率。ラグビーでは、人間を中心に考えるということが大事である。選手の自発的な気持ち、ゲームや練習に自分から進んで立ち向かう「やる気」が、重要なのである。もっとも人間くさく、男くさいスポーツであるラグビーで、勝ち続けてきた組織の、哲学と実践の記録。
  • 家庭用安心坑夫
    3.6
    1巻1,463円 (税込)
    日本橋三越の柱に、幼いころ実家に貼ったシールがあるのを見つけたところから物語は始まる。狂気と現実世界が互いに浸食し合い、新人らしからぬ圧倒的筆致とスピード感で我々を思わぬところへ運んでいく。 誌上発表後、新聞各紙絶賛、話題沸騰の受賞作を緊急刊行! 第65回群像新人文学賞受賞作(選評より) 語り手、そして読む人の立つ足下が揺るがされる――柴崎友香 絶望的成長小説である――町田康 最も文章の水準、小説技術の水準の高い作品だった――松浦理英子
  • 花伝書(風姿花伝)
    4.1
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 わが国の古典中、もっとも異色である作品で、申楽者・観阿弥が、その実力を養い発揮する方法を、人間の本性を会得した立場で考究した、稀有の体系的芸術論である。その洞察は、また人間論としても、現代に生きている。校注は、世阿弥研究の第一人者・川瀬一馬博士。平易な現代語訳の決定版。
  • 家電の神様
    3.6
    街の電器屋さんvs.大手家電量販店の戦い!大手家電メーカーで働く轟雷太は長引くデフレの影響で入社三年目にして突如リストラされてしまう。転職活動を諦めた彼は実家の母が経営する店を継ぐ決意をする。そこは昔ながらの地域密着型の「街の電器屋さん」。だがそこも近所の大手家電量販店に客を奪われ、経営は風前の灯火だった!<文庫書き下ろし>
  • 金沢発特急「北陸」殺人連鎖
    -
    走行中に2つの殺人……最もあやしい人物は、列車の起点と終点にいた! ――寝台特急「北陸」の車内で男が毒殺され、同じ車中で、女がナイフで胸を刺され殺された。それぞれの犯行時刻に、第1の事件の容疑者は起点の金沢に、第2の事件の容疑者は終点の東京にいた。ニヒルな調査員、おなじみの鏑木(かぶらぎ)一行が、女を抱きながら事件を見事解決する、ハードボイルドなトラベル・ミステリー。
  • 悲しいだけ 欣求浄土
    値引きあり
    4.7
    緊張した透明度の高い硬質な文体。鋭角的に切り抉られた精神の軌跡。人間の底深い生の根源を鋭く問い続ける藤枝静男の名篇「欣求浄土」「一家団欒」を含む『欣求浄土』、藤枝文学の極北と称賛された感動の名作、野間文芸賞受賞の『悲しいだけ』を併録。
  • 愛しき哉
    5.0
    恋に破れた長女、姉の許婚者にひそかな想いを寄せる次女、陰影の濃い男性にプロポーズされた三女、そろって青春の岐路に立った可愛い三人娘に、父親はとまどう。不憫な思いをさせたくない親心とは裏はらに、嫉妬、背信に苦しむ母を知らない娘たち。それを優しく抱く父の心を、あますところなく描いた傑作長編。
  • 哀しき父 椎の若葉
    3.7
    「生活の破産、人間の破産、そこから僕の芸術生活が始まる」と記した葛西善蔵は、大正末期から昭和初年へかけての純文学の象徴であった。文学の為にはすべてを犠牲にする特異無類の生活態度で、哀愁と飄逸を漂わせた凄絶苛烈な作品を描いた。処女作「哀しき父」、出世作「子をつれて」、絶筆「忌明」のほか「馬糞石」「蠢く者」「湖畔手記」など代表作15篇。
  • 哀しみの女
    -
    1巻550円 (税込)
    エゴン・シーレの作品「哀しみの女」という作品が、わたしの心を捉えて離さない。わたしは、五つ年下のイラストレーター、章司と同棲している。ずっと昔、板倉さんという雑誌記者に銀座のクラブを紹介してもらい、上京して出会ったのが章司だった。章司は板倉さんの伝手で挿画を描かせてもらい、他社からも声が掛かるようになった。が、章司の心がわたしから離れていく。シーレのモデルで愛人だったヴァリーの人生と重なるように。
  • カナスピカ
    3.6
    少女は“地上に落ちてきた星”に恋をした――。そのとき中学生の加奈は空を見上げていた。はるか上空から落下した球体は目の前でみるみる少年に姿を変えた。異星人の地球観測衛星、それって!? 少年をかくまった加奈は、当然のごとくあやしい連中に追われる身に! ライトノベル界の雄が描くピュアな青春小説! (講談社文庫)
  • 彼方の水音
    -
    真昼のしらじらとした明るさの中にこそ闇を見つめる孤高な眼。平穏な日常の中にこそ死の気配を嗅ぎとる存在の痛み。狂暴な破壊への意志を内に秘め生きる女の虚無……。鋭利な感覚で人間存在の毒と、清冽な〈彼方〉への憧れを描き、特異な文学空間を創り上げた著者の処女作品集。「相似形」「囚われ」「渺芒」など5篇を収録。
  • 金を払うから素手で殴らせてくれないか?
    3.9
    1巻1,562円 (税込)
    「おい鈴木、米原正和を捜しに行くぞ」とその米原正和が言った──。失踪した米原正和の行方を、当の米原とともに追う鈴木。会社を休んで、米原の自宅、立ち寄り先を米原をともに捜す。果たして、米原は見つかるのか?
  • 加納大尉夫人
    -
    大阪で指折りのメリヤス問屋の末娘に生まれた安代は、卒直な明るさを持つ娘であった。安代が女学校を卒業した年に、戦争が始まった。ある日、母に見せられた1枚の写真、それが海軍中尉・加納敬作であった。敬作のりりしさにあこがれた安代は、彼の妻になった。少女時代の延長のような稚なさの安代が、帝国軍人の妻らしくなりたいと努力し、緊張するほど、無邪気な失敗がくり返された。そんな妻を、敬作はいとしく思った。戦いは次第に苛烈さを加え、敬作の出征中に、安代は男の子を生んだ。そして半年の後に、敬作の戦死が伝えられた……。ほかに「猫」「山」「二人の女」を収録。
  • かの子撩乱その後
    3.0
    またとない理解者一平を夫に得、才能豊かな太郎を子として産み、恒松安夫や新田亀三を崇拝者として同居させながら、かの子はいつでも孤独感にさいなまれていた。人並外れた激情の作家を支え、大輪の花と咲かせた家族と恋人たちを鮮やかに描く、伝記的小説とエッセイ集。不滅の名作『かの子撩乱』の姉妹編。
  • 彼女たちのいる風景
    3.5
    1巻1,881円 (税込)
    私たち、38歳。全てが順風満帆にすすんでいる、はずだった。 出産によって「マミートラック」に追いやられてしまった凛。 シングルマザーとして、発達障害の子供を抱え貧困から抜け出せずにいる響子。 週刊誌のサブデスクまで上り詰めがらも、不妊治療がうまくいかない美華。 月一回のランチ会で愚痴をこぼすことでストレスを解消していた私たち。 いつの間にか「本当の悩み」は避けるようになっていた―。 相手を見下すことでしか自分の人生を肯定できない「私」は心が汚れているのだろうか。 「女」、「妻」、「母」。 役割を背負わされ、反発しながらも生き抜く、三者三様の戦い。
  • 彼女の夫たち(上)
    -
    書道家として、はなやかに生きる長女・和美、人妻の座に安住して11年、夫婦間の沈滞に悩む次女・伸子、愛し合って結ばれた夫に浮気をされて呆然とする三女・節子、独身のOLで、中年の愛人との不安定な愛に揺れる四女・竜子。美しい4人姉妹が、それぞれの宿命と愛憎とに翻弄されてゆく姿を、みずみずしく描く、長篇ロマン。<上下巻>
  • 彼女の部屋
    3.2
    ささやかなハプニング、仄(ほの)かな心のざわめき。何度か顔を合わせた程度の女友達から強引に部屋に誘われた恭子。しょうがなく訪れた彼女のマンションで見たものは……。表題作ほか「ハローウィーン」「アメリカを連れて」など6作品を収録。何気ない日常を淡々と描きながら、気にも留めずにやり過ごしている“心のざわめき”を繊細に浮かび上がらせる掌編集。(講談社文庫)
  • 彼女の夕暮れの街
    -
    由美子は旅行代理店に勤めるOL。美しく賢い29歳。何かもの足りなさは感じていて、誘いもいろいろあるのだけれど、何となく気がすすまない。ある日、ふと寄った酒場で、柳川という顎の長い編集者に出会って……。一女性の心の移りかわりと戸惑いーー男性との出会い、恋心を抱き、育てていく過程を、見事に描いた連作短編集。表題作を含め14作収録。一歩ずつ恋を育てて大人になっていく、彼女の恋の行方は……。
  • 河馬に噛まれる
    4.0
    ウガンダで河馬に噛まれたことから、「河馬の勇士」と呼ばれる元革命党派の若者。彼と作家である「僕」との交流をたどることで、暴力にみちた時代を描く。若者に希望はあるのか。浅間山荘銃撃戦とリンチ殺人という、戦後日本の精神史に深い傷を残した悲痛で惨たらしい事件を、文学の仕事として受けとめた連作集。
  • 鞄の中身
    4.3
    自分の死体を鞄に詰めて持ち歩く男の話。びっしりついた茄子の実を、悉く穴に埋めてしまう女の話。得体の知れぬものを体の中に住みつかせた哀しく無気味な登場人物たち。その日常にひそむ不安・倦怠・死……「百メートルの樹木」「三人の警官」ほか初刊7篇を含め純度を高めて再編成する『鞄の中身』短篇19。読売文学賞受賞。
  • 黴 爛
    3.8
    明治四四年、夏目漱石の推挙で「東京朝日新聞」に連載し、自身の結婚生活や師・尾崎紅葉との関係等を徹底した現実主義で描き、自然主義文学を確立、同時に第一級の私小説としても傑作と謳われる「黴」。翌々年発表の「爛」では、元遊女の愛と運命を純粋客観の目で辿り、文名を確立する。川端康成に「日本の小説は源氏にはじまって西鶴に飛び、西鶴から秋声に飛ぶ」と言わしめた秋声の、真骨頂二篇。
  • 甲比丹
    4.0
    三方を海に囲まれた、外国人特別居留地・長崎出島。商館長(カピタン)ヘンミーのもとにおくられた遊女照葉(てりは)は蘭学者の娘。オランダ語を解するがゆえに、幕府と薩摩藩との暗闘に翻弄されるのだった。 都会の恋人たちを描いて定評のある著者が、父の勧めにより壮大なスケールで挑んだ唯一の大河時代小説。惜しまれる未完の大作で絶筆!
  • カフェ・オリエンタル
    3.0
    南国の大都会・シンガポールで、日夜繰り広げられる、男と女の危険なゲーム。じっとりと湿気を含んだ、けだるい大気にからめとられるようにして、過ぎていく退廃の日々のなかで、禁断の店「カフェ・オリエンタル」へ安樹子(あきこ)を向かわせたものは、何だったのか? そして、そこで安樹子は、ゲームの結末を見たのだろうか?
  • 歌舞伎剣法
    -
    15歳の美少年・山三郎は、蒲生氏郷に召し抱えられたが……という表題作はじめ、五味康祐、柴田錬三郎とともに、剣豪小説を支えてきた著者による傑作8編。
  • カプチーノ・コースト
    3.5
    1巻1,562円 (税込)
    しんどいときほど、周りに頼れない。 早柚(さゆ)は、会社を休職中の26歳。 ふとしたことから、地元の海岸のゴミ拾いを始めた。 自分を見つめ直す、ひと月の物語。
  • 壁の鹿
    3.6
    壁に飾られた鹿の声が聞こえたとき、孤独な魂に革命が起こる。女子校の寄宿舎に暮らす少女結婚詐欺師二股の恋愛に悩む女性剥製職人彼ら、彼女らの心の解放を!あの孤高のミュージシャン「黒木渚」 初の小説刊行!
  • 神在月のこども
    4.0
    自然も人も神様も きっと昔は繋がっていたんだ。 2021年秋、アニメーション映画公開! ☆☆☆ 母を亡くした少女・カンナのもとに訪れた、神の使いを名乗るうさぎ。 曰く母は韋駄天という神様だったそうだ。 日本全国の“馳走”を集めて届けるという使命を受けて、 カンナは走って出雲を目指すことに。 追いすがる鬼の子孫・夜叉とともに、森、街、山、海と神々の美しい座所をめぐる。 縁が日本を一つにつなぐ、原風景の物語。
  • 神々の岩壁
    -
    南は、ハーケンを打つ右手に、異常を感じた。手ごたえが甘い。垂直300メートルに屹立する衝立岩にとりついて3日目、最後の一滴の水もつきていた。バランスを失って、危うく墜落しそうになる。もはや彼の心には、岩に対する憎しみだけがあった。登攀不可能といわれる衝立岩は、神々の手に守られて、人間を拒んでいるかに思える。それでも、南は危険な垂直の前進をやめようとしない! 少年の日、登山家を夢見ていらい、ヒマラヤを志して精進を続けた、天才的クライマーが、魔の谷川岳、衝立岩に挑む姿をえがいた実録小説「神々の岩壁」はじめ山岳小説4篇。
  • 神々の午睡(上)
    4.5
    1~2巻550円 (税込)
    はまったら抜けられない? 清水&宗教の世界! “開祖たち”は、詐欺師、怒りっぽい族長、世間知らずのおぼっちゃまだった? 小説より奇なる事実よりさらに奇なるもの“宗教”をテーマに、パスティーシュの天才が築きあげた大スペクタクル。世界に誇る3大宗教(アルカマ教、サライ教、ジブ教)はいかにして生まれたか。開祖が現われ、教典が編まれ、正統と異端が生まれる。嵌まったら抜けられない清水ワールド。(講談社文庫)
  • 神様ドライブ
    4.1
    1巻1,562円 (税込)
    就職活動がうまくいかない休学中の大学生・みつるは、亡き父親そっくりの男・紡に声をかけられ、全国の神社を巡る旅に出る。途中で出逢った看護師ほのかも加わり、旅はいよいよ賑やかに。旅を続けるうち、紡が神社を巡るとした驚くべき理由を聞かされる。神社は全国に8万以上あり、コンビニより多い。全国の神社は何のために、どんな神を祀っているのか? お参りの仕方から鳥居の由来まで、神社のことが好きになります。
  • 神様 2011
    4.1
    1巻1,045円 (税込)
    くまにさそわれて散歩に出る。「あのこと」以来、初めて――。 1993年に書かれたデビュー作「神様」が、2011年の福島原発事故を受け、新たに生まれ変わった――。「群像」発表時より注目を集める話題の書! 2011年。わたしはあらためて、「神様2011」を書きました。原子力利用にともなう危険を警告する、という大上段にかまえた姿勢で書いたのでは、まったくありません。それよりもむしろ、日常は続いてゆく、けれどその日常は何かのことで大きく変化してしまう可能性をもつものだ、という大きな驚きの気持ちをこめて書きました。――<「あとがき」より>
  • 神様の贈り物
    4.0
    無表情で無反応。全てに無関心な殺し屋チャンスは、バスジャック事件に遭遇し一躍ヒーローになった。だが、恩人に頭を撃ち抜かれ、死の淵から奇跡的に甦った彼の目に映る世界は、劇的に変化していた。「水は美味しく花は美しい」。脳の障害を取り除かれ「心」を手に入れたチャンスは自分の過去と対峙していく。
  • 神様のスイッチ
    3.5
    この街に降り積もる小さな偶然を、僕たちは奇跡と呼ぶんだ。ドラマ化『今からあなたを脅迫します』の新鋭が描く、一晩の奇跡の物語。同棲相手との未来に迷うフリーター、街を警らする女性警察官、恋に悩む大学生小説家に、駆け出しやくざや、八方美人の会社員。父娘の隔絶から麻薬強奪事件まで、この街は事件で満ちている!すれ違う彼らが起こす些細な波紋と、生じる驚きのドミノ倒し。気がつかないだけで、誰もが物語の主人公だ。
  • 神様の短剣
    -
    1巻1,463円 (税込)
    納屋で生まれた少年に「おめでとう」と声をかけたのは、翼の生えた少女だった。一人目の天使は、ドーム型都市ミルバの中央、セントラルタワーで数々のコードに繋がれ生きていた。「閉じている門を開けてくれれば――僕は君を殺さない」夜中、少年は毛布を抜け出した。右手に剣、左手に西洋人形を持ち、天使が眠るフロアを目指す――。第一章から極限を迎えた物語は、読み進むにつれさらに加速する!
  • カミさんと私
    -
    結婚して25年の雄三夫婦。カミさんは男8人女3人の11人兄弟姉妹の7番目で、実家にいるときは7番さんと呼ばれていた。銀行員をしながら作家をしていた著者の、ユーモアあふれるサラリーマンもの・夫婦ものの物語。
  • 神なるオオカミ 上
    4.3
    1~2巻1,705円 (税込)
    文化大革命時代、北京の知識青年・陳陣(チェンジェン)は内モンゴルのオロン草原に下放され、現地の古老・ビリグのもとで羊飼いをはじめた。天の教えを守り、草原とともに生きる遊牧民の暮らしに魅せられていく陳陣。やがて、かれの興味は、遊牧民の最大の敵でありながら、かれらの崇拝の対象であるオオカミへと向かう。オオカミにのめりこんでゆく陳陣は、自らの手でオオカミの子を捕らえ、飼うことを夢見るのだが……。
  • 神の一球
    -
    高校入学直前、野球嫌いの繭村剣の前に「野球の神様」と称する老人が現れる。老人は誰にも打てない「神の一球」を繭村に授け、この球で天才スラッガー・佐野慶司を3年間抑え込めと命令する。仕方なく野球部に入った繭村だが、そこにいたのは、一癖も二癖もある部員ばかりで、デコボコもいいところ……。
  • 神の島のこどもたち
    4.3
    奇跡のように美しい南の島 そこには、もうひとつの戦争があった―― 空をゆく特攻機の下、激しい空襲にさらされ、 戦争の最前線となった沖永良部島。 それでもわたしたちは生きる、この小さな島で。 青い空を沖縄に向かって飛ぶ特攻機、天国のように美しい海には死んだ兵隊さんが浮かぶ。第二次大戦末期、小さな島沖永良部に暮らすマチジョーとカミは、大切な家族を失い、食料にも不自由する日々を過ごしていた。それでも唄い、恋をし、ひたむきに働き、生き抜く。南の島に刻まれた知られざる戦争の物語。
  • 紙の城
    3.5
    新聞、本当になくなってもいいですか? 躍進著しいIT企業インアクティブによる、東洋新聞買収宣告。マスコミの寵児となった会長の驫木は、世論を味方に、役員会を切り崩しにかかる。“ウェブファースト“を掲げ、新聞の価値を根底から揺ぶる彼らが、本当に買おうとしているものは何か? 社会部デスク安芸と部下たちの、記者魂を賭けた死闘が始まる。 『傍流の記者』で直木賞候補となった著者だから描けた、メディアの裏側の熱き攻防! 情報化社会? 何を言ってやがんだ。本当の情報は クリックすれば出てくるもんじゃないんだ。 本城の作品には、「情報」というものの深みを教えられる。 本作は「新聞社は生き残れるか」を人間ドラマに広げた秀作だ。                       ――佐高 信 「朝日新聞」「産経新聞」「日経ビジネスオンライン」「サンデー毎日」「週刊朝日」「アサヒ芸能」「J-novel」ほか新聞25紙で紹介された話題沸騰の話題作!!

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