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Posted by ブクログ
やばい…この人はやばい……小説を読んで「やばい」しか感想がない、ってなかなかないことだけど、しかしやばい。
前から「頭のおかしそうな人いるな」と思って気にはなっていたのですが、やっと読みました。結果、樋口毅宏からかっこよさを抜いたかんじというか。舞城王太郎からさわやかさを抜いたかんじというか。会田誠の再来というか(まだ生きてます)。
まちがいなく馬鹿なんだけど、これこそが文学かも。とかいって違うかも。ただ、すごいくだらないことを書いてるのに上品なかんじがするのが見どころかなと思う。
友達が「こんなの書いた」と言ってもしこれを持ってきたなら「うん、いつか大物になる気がする!でもちょっと、店におけるかどうかは…店長にきいてみないと…ちょっと場所がないかも…ちょっと今忙しいから…」って逃げたくなるような、でも友情を誇りたいような、捨てたいような、でも次の日なんか気になってゴミ箱から拾っちゃうような作品。
いや、面白かったです。
Posted by ブクログ
饒舌でめくるめく作品世界の毛布を纏える文体かと思えば、ジャン=リュック・ゴダールの編み出した「ジャンプカット」の手法を取り入れたかのような『Tシャツ』まで。読者は著者が描く物語の眩しすぎるほど荒々しく輝く断片を両の目に叩きつけられるように提示され、軽い盲状態に陥るかのよう。しかし目が慣れてきた後に眼前に広がる作品世界に驚きと喜びを持って受け入れるのだ。
著者の持ち味である不条理な設定と現実の世界とは、もうあまり差異がないように思えてくる。木下古栗が作り出した世界の裂け目はすぐそこにあり、もはや我々読者は裂け目から向こう側へ移住している。救いようのない茫漠たる荒野が広がっていようとも、この本のこんな一文が乾いた希望を持たせてくれる。
「どう生きたって結局は苦しいことしか残らない世の中、たとえ束の間の夢であれ、こんなに気持ちのいいことがある。これがあればどうにか絶望をごまかしごまかし、余生を全うできそうだ。」
まだまだ木下古栗とは切っても切れそうにない生活が続きそうだ。
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