武にも秀で、美にも造詣の深かった信長の背中を憧憬と尊敬の目で追い天下人となった秀吉には、すでに叱ってくれる人もなく、元来持っていたコンプレックスゆえますます頑固に頑なになってゆく。
京都など商業に関しては、都をおおいに発展させたが一旦火がつくと後戻りできなくなってしまった癇癪は、残忍な刑の執行ととも
...続きを読むに、人々から心を離れさせようとしていた。
利休と秀吉の葛藤は「利休にたずねよ」と言う直木賞作品でも有名。利休の他にも花の美の巨人、「池坊家」があった。
特に利休と活動時期を同じくした池坊専好は華道を大きく発展させた芸術家だ。
その池坊専好と、利休の親交を描き、芸術家と権力者の戦いを描いたのがこの作品。
もし手元で読む機会があったのなら、ぜひにおすすめしたい作品です。
この作家、現代小説「カルテット!」「僕たちのプレイボール」も手がけた。