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Posted by ブクログ
家族というのは、一番落ち着く関係のようで、実は一番緊張する関係でもあると思います。遠慮会釈がない分、揉めると激しい争いになったりします(と思います)。
本作でも、姉妹・姉弟の喧嘩など、相当激しいです。母息子・孫祖父もしかり。読み続けるのがいたたまれなくなるほどです。
でも、喧嘩・争いでマイナス方向に針が振り切れるほどダイナミックレンジが広い分、いたわり思いやる時のプラス方向の温かさは本当にぬくぬくホカホカで、それこそ他人が入り込む隙がないほどです。家族って良いなぁ、と思う瞬間でしょうか。
下記〔作品紹介〕(文庫版)の末尾で「家族を描く、心温まる全7編。」とありますが、そこに辿り着くには紆余曲折、先の見えない長い道のりがあるのです。
わたしのウチは人数も少なく淡白な関係だったので、本作の揉める家族にはあまり実感が湧きませんでした。なので本書の中では、「タイムカプセルの八年」が一番読みやすかったです。
今どきは家族も更に多様化が進んでいるでしょうから、今、家族の諸相を小説に書くとなると、生成AIに指示を仰いだ結果、即刻警察が家に来て、父親が逮捕されてしまうような家族も描かなければならないかもしれません。
みなさまは、本書の家族たちのお話をどのような気持ちで読まれるでしょうか?
とても興味があります♡
〔作品紹介・あらすじ〕(文庫版 2018年4月)
「家族」で起こる、ささやかな大事件。いま一番旬な作家、辻村深月の最新文庫。息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。「夢は学校の先生」という息子が憧れる熱血漢の担任教師は積極的に行事を企画。親子共々忘れられない一年となる。しかしその八年後、担任のある秘密が明かされる(「タイムカプセルの八年」より)。家族を描く心温まる全7編。
近くにいるから傷つけ合う。遠くにいてもわかり合える。
大好きだけど、大っきらい--読めばきっと、あなたの「わが家」に帰りたくなる。
弟はアイドルオタク、姉はバンギャ。趣味も性格も正反対。犬猿の仲の二人は顔を合わせれば衝突ばかり。ある日、盗み見ている姉のブログに不審な投稿を発見してしまった弟。日に日に覇気がなくなっていく姉の様子が気になって仕方ない(「サイリウム」より)。
息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。「夢は学校の先生」という息子が憧れる熱血漢の担任教師は積極的に行事を企画。親子共々忘れられない一年となる。しかしその八年後、担任のある秘密が明かされる(「タイムカプセルの八年」より)。
真面目な姉を鬱陶しく思う妹。
趣味で反発し合う姉と弟。
うまく息子と話せない父。
娘の考えていることが理解できない母……
あなたの家族もこの中に。家族を描く、心温まる全7編。
〔作品紹介・あらすじ〕(単行本版 2014年10月)
同じ中学校に通う姉は、「真面目な子」。褒め言葉のようだけど、実際は「イケてない」ことの裏返し。こんな風には絶対になりたくない――だけど、気にせずにはいられなかった。 (「妹」という祝福)息子が小学校六年生になった年、父親中心の保護者会「親父会」に入った、大学准教授の私。熱心な担任教師に恵まれて、順調に思われた日々の裏には、とんでもない秘密が隠されていて……? (タイムカプセルの八年)
同じ中学校に通う姉は、「真面目な子」。
褒め言葉のようだけど、実際は「イケてない」ことの裏返し。
こんな風には絶対になりたくない――だけど、
気にせずにはいられなかった。 (「妹」という祝福)
息子が小学校六年生になった年、
父親中心の保護者会「親父会」に入った、大学准教授の私。
熱心な担任教師に恵まれて、順調に思われた日々の裏には、
とんでもない秘密が隠されていて……? (タイムカプセルの八年)
すべての「わが家」に事件あり。
ややこしくも愛おしい家族の物語、全七編!
Posted by ブクログ
竹とんぼのおじいちゃんの話は、涙が出た。
家族というのはやはり、切っても切れないもので、色んな性格や、ものの考え方を学ぶ場所だ。大人だってまだまだ未熟だし、子どもの容赦ない言葉にハッとしたりしながら、死ぬ間際まで成長を続けていく。
家族関係を「依存」と呼んで良くないもののように決めつけることもあるけれど、やっぱり身近な家族の誰かと、うまく心を通わせられたことが、他者との「共存」に、そのままつながっていくんだよね。
言葉もへたな、頑固一徹なおじいちゃん。だけど、まっすぐ正直で、平らかにものを見られる人。こういう人って本当に隣にいそう。
その存在で、静かに、そっと、孫たちの心にも「安心」が育つ。その描写がステキだなぁと思った。
いちばん最後の、しめくくりのようなドラえもんのお話も含めて、私も久しぶりに、とても懐かしい人たちに会えた気がしている。
Posted by ブクログ
辻村美月による家族をテーマにした短編集。
天才作家×家族 は外さないとは思っていましたが、やはりというか何というか、予想以上に良かったです。
家族というものに対して、万人が、家族って良いもんだよなって思っているなんてことはないと思っています。いろんな事情があると思いますし。
それでも、これを読んだ後は、久しぶりに両親に電話してみよっかなという気にさせる力がある本だと思います。
どの短編も甲乙付け難いのですが、「タマシイム・マシンの永遠」がコンパクトながら、グッとくる内容でした。
愛が不足してるなーって時に読んでみてください。最高のサプリメントですよ笑
◾︎「妹」という祝福
p36「どうして、広瀬先輩とケンカしたの。何で、わたしをかばったの」
「わかんない」姉が薄く微笑んでいた。恩に着せる様子もなく、いたって静かに。それを見た途端、すとん、と急に理解した。私はどうしようもなく妹なのだと。
→なんだろう、この優しくて切な泣ける文章は。兄弟の行いに理屈なんてないというかのような。すごくいい。
p46由紀枝のかっこいい妹でいることは、私の役目であり、姉への祝福。悪くない、と胸を張る。
◾︎1992年の秋空
名言と名シーン多めで最高の短編。読んでほっこりするし、兄弟姉妹っていいなぁって素直に思う。
はるかが自分と重なるところがあるからかな。姉はるかは、何となく周りの目を気にした行動をしたりするのに対して、周りの目を気にしない自分の考えや好きなものがしっかりとある妹。
自分の弟との関係と似てる気がしてて他人事に思えませんでした笑
p276「集合の合図がかかって、先生のもとに走り出すとき、うみかが私の腕をすっと掴んだ。柔らかい手の感触と体温を感じた途端、無性に、この子は私の妹だ、と思った。考え方が似てなくても、姉より頭がいいかもしれなくても、無条件で私の腕を頼っていいのは、この地球上で、この子だけだ。」
→この文章家族への愛が溢れてて素敵過ぎませんか?
あと、貝殻の音は海の音ではなくて、お姉ちゃん自身が奏でてる音だよ。のくだり。
好きだなぁ。
みんながみんな本編のような兄弟姉妹ばかりではないと思うけど、兄弟姉妹って心のどこかでお互いのことを思い合ってる無二の関係なのかもと考えてしまいます。
◾︎孫と誕生会
無条件で、好き、味方でいてくれるのって素敵な家族の在り方のひとつだよなって感じられる作品。
こんなおじいちゃんに憧れます。
◾︎タマシイム・マシンの永遠
p365俺は大事にされ、愛され、いろんな人に成長を見たいと、それが叶わないなら覚えていてほしいと、祈られ、祝福されながら、この家の中心にいた。
→p363のおばあちゃんがひ孫である伸太(赤ちゃん)に「覚えててね」って言ったところから綴られる本文は、本書随一の泣きポイントと思います。愛されていることを自覚できることは、愛することと同じくらい幸せなことと思います。
Posted by ブクログ
辻村深月先生の作品は、本当に不思議だ。何回も色々な人の人生を経てきているとしか思えない解像度の高さ。だからこそ、読むと琴線に触れ、考えざるを得なくなる作品を生み出すことができるのだと思う。
全7編の短編集だが、これから読む方にはぜひ、できるだけ通して読んでほしい。どの家族も「家族」だからこそのぎこちなさを抱えており、それでも色々な出来事を経て「家族」として生きていく姿が描かれている。
これはフィクションだけれども、きっとこの世のすべての家族に物語があるのだろうと想像力を掻き立てられるような、そんな本だった。
「トラブルを回避するのではなく、トラブルから何を学び何を得るのか」
頭ではわかっていても、ついついトラブルを回避しようとしてしまう(ある意味大人になったと言えるのだろうか)のだが、心にストンと入ってくる、そんな感じがした。
辻村深月はすごい
物語を伝える力がすごくいいと思う。興味のない題材でも、内容は伝わり登場人物の気持ちを考えさせられたりする。内容的には好き嫌いがあると思うが読むとホッとさせられる。
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