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今まで読もうとして後回しにしていて、ようやく読んだ。とても面白かった。様々な引用も調べてもいいが、わからなくても面白く読めた。『カンディード』や『旅のラゴス』とか冒険譚を読んできて、直前にはぶっ飛んだ『みどりいせき』も読んでいて、この本も先にどんなわくわくがあるのだろうとどんどん読める、ハチャメチャな詩学的美学的衒学的宇宙的ドタバタで真面目で狂気的な楽しい本だった。まだ先が読みたいほどだ。ハードボイルドで幼稚で高尚でやらしくていたずらで面白かった。他の方のコメントに「哀しみ」という文句を見て同感です。たとえば、観覧車の自己廃棄の哀しさ。たとえば、女の。たとえば、女の子の。それから、言葉にできないこと、わからないことも書かれていて、これもたとえば、観覧車。私。教えること。それから、そういえば、美は、木星にはあるが地球にはないとか。今後は冷蔵庫を見るとヴェルギリウスを思い出しそうだが、恥ずかしながら何を書いた人だっけ、調べてみよう。気があればどんどん読書に広がりが持てる、文学入門書でもあるかも。
Posted by ブクログ
大学2年の時に友人宅で薦められて読み、冒頭数ページで心をガッツリ持って行かれ、帰り道に書店に寄り「文庫なのに高いなぁ…」と思いながら購入した記憶がある。
とにかく勢いのある小説なので読み進めるスピードのコントロールが不可能。特に授業シーンのスピード感リズム感はハイフェッツの演奏並。逆に立ち止まると内容が頭に入ってこない。そんな小説。どんな内容かと問われると説明が難しい。
愛についての小説でもあるし、死についての小説でもあるし、読み手によってどんな小説にもなり得るというまるで変幻自在なスライム状のように存在している作品。そろそろ再読してみようと思う。
Posted by ブクログ
再読。
再読、とはいっても今までは単行本、及び講談社文庫で発売されていたものを読んでいた。
今回は講談社文芸文庫として出版された版で読んでいる。
うちには三種類の「さようなら、ギャングたち」があるということだ。
もっとも多く読み返した作品がこの「さようなら、ギャングたち」だろう。
二桁、までは到達していないだろうけど、七、八回は読み返したと思う。
それほどまでに読み返すほどの魅力がこの作品のどこにあるのだろう。
すでに内容を知っている状態で読み返すと、始終切ない気持ちで読み通すことになる。
本当に切ない気持ちになってしまう。
本当に哀しい気持ちになってしまう。
何故なんだろう。
短いフラグメントが集積されてひとつの物語を形作っている、という形式。
バーセルミや村上春樹の「風の歌を聴け」やブローティガンの「アメリカの鱒釣り」「西瓜糖の日々」のような形式、と言えば分りやすいだろうか。
詩、なのかも知れないし、前衛的なのかもしれない。
たった一行だけのフグラグメントもあれば大島弓子の漫画のみによるフラグメントもある。
僕は全く前衛的とは思っていないのだけれど、やはり他の小説とは全く異なった言葉、全く異なった文章で書かれていると思う。
コクトーの「恐るべき子供たち」やコルタサルの「南部高速道路」その他過去の様々な小説へのオマージュともとれる箇所も随所に見受けられる。
きっと僕が読んだこともない作品にも触れている箇所があるのだろう。
万人向けでは決してない。
読んでみて「全く意味不明」と思われる方もいると思う。
僕もきっと意味不明のままに何度も読み返しているのだと思う。
それでもこの切なさ、この哀しみの疑似体験は得も言われぬ快楽を呼び起こす。
だから何度でも浸ってしまう。
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