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絹子さんと俺がこっそり仕掛けた<小さな親切>の波紋の行方。ちょっとミステリアスで、心がほっこりする長編小説ーー三つ揃いを着て、雇主を「貴人」と思うこと……。借金まみれで自己破産寸前に追い込まれた「俺」は、住み込みの執事として雇われることに。賄いとガードマンと秘書にかしずかれて、銀杏(いちょう)屋敷に住まう謎の若き女主人・絹子さんの、無理難題に応えようとして、思いついた「波紋のチンギスハンのシマウマ作戦」の反響は?
◎(沢村さんの作品の)登場人物の多くは本作の「奥山史嗣」のように品行方正なほうなのに、「罪(黒)」に分類されるような行動もとってしまう。人間は、善悪の両方をあわせ持つものだから。共感できる心象風景と、人物の背景に広がるリアルな世界を、沢村さんは、興趣に富んだミステリー仕立てで書いている。本作ではなんと、「波」を小説にした。――<青木千恵「解説」より>
Posted by ブクログ 2012年10月16日
この現代において「執事」をやる羽目になった借金まみれの男。
何かを渡す事に苦心するも、それが叶わず苦しむサラリーマン。
それぞれの幕間に差し込まれる、ちょっとした人々の話。
「水の中に小石を落とすと、その周りに輪になって広がっていくでしょ。たとえていうと、そんなふうなものが見てみたくなった」という...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年06月20日
「シマウマは白地に黒なのかしら、黒地に白なのかしら」
思わずこの質問の答えを真剣に考えてしまった。
絹子さんの思いつきから発生した白(善意)とも(悪意)とも判別しきれないグレーゾーンの波紋。
ほんとうに、水面に広がっていく波紋のように目を凝らさないと見えないけれども、見えるところでははっきり判別でき...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年05月04日
借金のあまり、なぜか執事の真似事をすることになった男。
謎の女主人の無理難題に答える為、
「”小さな親切”ねずみ講」を試みる。
で、広がったり、途切れたり、曲がったりしながら、
小さな親切は、どこまで、どうやって広がっていくのか?
こういうおは、伏線命。
各エピソードはしっかり覚えておきましょう...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年06月07日
買って読むの忘れていたので1年経って、読み終わった。
3つのストーリー(秋庭/奥山/その他)が少しずつ進んでいく。
その中で唯一分かるのが秋庭の話くらいで、奥山が何に対してあのような状況になっているのかも不明、そしてその他(CASE○という形で毎回登場人物が違う)なんか「?」状態で進んでいく。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年04月09日
①とある貴人の執事となり、彼女の無理難題に応える借金まみれの男
②他人に親切を働くため、困った人を探す中年サラリーマン
③いろいろな人物が入れ替わり立ち代り物語を紡ぐ
この3つが順繰りに進む。
まず借金男の場面以外、よく意味がわからないまま進む。
特に③は、男に会うため田舎町に来たのにペ...続きを読む
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