作品一覧

  • 新装版 虚無への供物 上下合本版
    値引きあり
    -
    1巻1,039円 (税込)
    『ドグラ・マグラ』『黒死館殺人事件』と並び、日本三大奇書と呼ばれる問題作! 昭和二十九年の洞爺丸沈没事故で両親を失った蒼司・紅司兄弟、従弟の藍司らのいる氷沼家に、さらなる不幸が襲う。密室状態の風呂場で紅司が死んだのだ。そして叔父の橙二郎もガスで絶命――殺人、事故?駆け出し歌手・奈々村久生らの推理合戦が始まった。 誕生石の色、五色の不動尊、薔薇、内外の探偵小説など蘊蓄も満載。巧みに仕掛けたワナと見事に構成された「ワンダランド」に、中井英夫の「反推理小説」の真髄を見る究極のミステリー! 【収録作品】 『新装版 虚無への供物(上)』 『新装版 虚無への供物(下)』
  • 新装版 とらんぷ譚 全四巻合本版
    値引きあり
    -
    1巻1,617円 (税込)
    幻視者たちの見た夢……伝説の幻想文学四部作! 「読めば分る。──私はこの作品について、なにも語りたくないのである」澁澤龍彦 反地上的な夢濃密な幻想、日常世界を超えた者が見るのは反地上的な夢。濃密な幻想で構築される、妖美なる博物館ーー日常的な人間世界を超え、あるいは離脱して、幻視者たちが存在する。彼らが視るものは、反地上的な夢、濃密な幻想である。それを蒐集して構築される、幻想博物館の妖美さ。著者が熱愛する短篇形式への供物として捧げた13の幻想譚は、手作りトランプのように、装飾にみち色鮮やかに語られる。(『新装版 連作とらんぷ譚1 幻想博物館』) 【収録作品】 ・『新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館』 ・『新装版 とらんぷ譚2 悪夢の骨牌』 ・『新装版 とらんぷ譚3 人外境通信』 ・『新装版 とらんぷ譚4 真珠母の匣』
  • 夜翔ぶ女
    -
    1巻2,717円 (税込)
    聖なるもの美しいものへの憧憬を胸に秘め、彼岸と此岸の架橋たらんと志す著者が、20世紀末の哀しみを残酷華麗に奏でるレクイエム。
  • 人形たちの夜
    4.8
    1巻660円 (税込)
    夜は、夢魔が目覚める時。夜に生をうけた人形たちは、人の世の原罪を、哀しみをまた憎悪を、その糧として生きているのであろうか。……日常の営為の底に潜むもう一つの世界を、人形たちとともに旅する時、季節の移ろいは、我々をより深い酩酊へ、迷宮へ、そして破局へと誘う。著者50年の苦い想いをもこめて描く、魔術の書。
  • 黒鳥譚 青髯公の城
    -
    1巻660円 (税込)
    ぶらっくすわん。漆黒の翼の下に秘めもつ、純白の風切り翅。火星の如く緋色に燃える、嘴と眼。黒鳥の姿に、降りつむ時間を生きながらえねばならぬ、恥の想いを託したひとつの迷宮「黒鳥譚」。そして「青髯公の城」「死者の誘い」を加えた3篇が奏でる、失寵の響きもまた「虚無への供物」なのであろうか……。
  • 新装版 とらんぷ譚1 幻想博物館
    4.3
    1~4巻660円 (税込)
    幻視者たちの見た夢……伝説の短編集、復刻! 反地上的な夢濃密な幻想、日常世界を超えた者が見るのは反地上的な夢。濃密な幻想で構築される、妖美なる博物館――日常的な人間世界を超え、あるいは離脱して、幻視者たちが存在する。彼らが視るものは、反地上的な夢、濃密な幻想である。それを蒐集して構築される、幻想博物館の妖美さ。著者が熱愛する短篇形式への供物として捧げた13の幻想譚は、手作りトランプのように、装飾にみち色鮮やかに語られる。連作とらんぷ譚1。
  • 新装版 虚無への供物(上)
    値引きあり
    3.7
    1~2巻100~412円 (税込)
    昭和二十九年の洞爺丸沈没事故で両親を失った蒼司(そうじ)・紅司(こうじ)兄弟、従弟の藍司(あいじ)らのいる氷沼(ひぬま)家に、さらなる不幸が襲う。密室状態の風呂場で紅司が死んだのだ。そして叔父の橙二郎(とうじろう)もガスで絶命――殺人、事故?駆け出し歌手・奈々村久生(ななむらひさお)らの推理合戦が始まった。「推理小説史上の大傑作」が電子書籍で登場。(講談社文庫)

ユーザーレビュー

  • 新装版 虚無への供物(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    めちゃくちゃ面白かった。

    想像は時として現実をも凌駕し、新しい物語を生み出す。蓋を開けてみれば、なんだ、こんな感じ?
    なんだけど、時代の背景と相まって、なんとも言えないスカッとしない感じが底にあって面白い。

    読んだ本と知識が半端なくすごいと思うのだが、
    『黄色い部屋の秘密』なんかも、あ、犯人言っちゃうんだ…

    『現実に耐えられなくて逃げこんだ非現実の世界は、現実以上の地獄で、おれはその針の山を這いずるようにして生きてきたんだ。』

    終章の蒼司の告白が最高だった。考えて考えて考え出した答えは歪曲し、別の方向へ怒りとして矛先をかえる。自分が納得した形があれだ。
    無責任な好奇心の創り出すお楽しみ

    0
    2023年07月16日
  • 新装版 虚無への供物(下)

    Posted by ブクログ

    日本三大奇書のひとつであり、アンチ・ミステリの金字塔とも言える作品。
    探偵達の永遠に続く推理合戦に、現実と虚構が混ざり合い、一気にワンダランドへ連れてかれました。
    犯人の独白が痺れたしミステリファンには刺さるんじゃ無いかなぁ

    0
    2023年05月09日
  • 新装版 虚無への供物(下)

    Posted by ブクログ

    アンチミステリの世界
    これは…
    なるほど。

    『ドグラマグラ』とも『黒死館殺人事件』とも違う。奇書と構えて読むからか、胸に遺物が残る読後感。

    1955年が舞台。
    1年前に起きた洞爺丸沈没事故により両親を亡くした氷沼蒼司、紅司、藍司。
    ある晩、藍司はアイヌの格好をした不審者を目撃し、紅司は、アイヌの呪いや洞爺湖の蛇神の祟りだと怯える。
    藍司が働くゲイバーの客であり、蒼司の友人、光田亜利夫は氷沼家と仲を深めるが、そこで謎の密室殺人事件が起きてしまい、巻き込まれてゆく。
    家系・密室系のミステリーです。

    ノックスの十戒はもちろんだが、江戸川乱歩や不思議の国アリスの話などがポンポン出てくる。
    複数人

    0
    2022年03月30日
  • 新装版 虚無への供物(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    まず、単純に面白い。奇書とか墓碑銘とか何も気にせずに読んだとしても、不動ー薔薇ー犯罪の符号(特に黄色の薔薇には驚かされた)や、三重の密室トリックはとてもレベルが高く、珍説もあるものの、推理合戦はかなり楽しかった。

    そして”楽しんだ”後に訪れるのがあの仰天とも肩透かしともとれる真相。
    しかし、これは「肩透かし」だと思ったらもう十分に犯人たる資格を有していることになるのだ。事件が起こる前からヒヌマ・マーダーなどと騒ぎ立てている久夫たちと同じく、これは殺人事件でなにか突飛なトリックが使われているに違いないと思い込み、”楽しみ”にしているということなのだから。

    反推理小説であり、著者自身は「反地球

    0
    2022年02月02日
  • 新装版 虚無への供物(下)

    Posted by ブクログ

    再読。
    久しぶりの中井英夫文体に実家のような安心感をおぼえた。解説の出口裕弘は美文の度がすぎると思っていたようだが、シンプルではないにせよハッキリとしたスタイルを持つ文章はそれだけで読むストレスが少ない。
    探偵気取りのキャラが何人もでてきて、推理を披露するや「いやいや…」と否定され失敗していくタイプのミステリーが好きだと最近自覚したんだけど、その源流は『虚無への供物』だったんだなと。この形式の面白さは「一つの事件につき幾つもの解釈法を読ませてもらえるお得感」だと思う。けれど、この〈推理ゲーム〉がゲームであること自体に意味を持たせているのがこの作品のすごさ。推理小説が殺人事件を創り出し、探偵によ

    0
    2021年11月14日

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