小説作品一覧
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-シャルリ・エブド事件やパリ同時多発テロ事件後のフランス。パリ郊外の低所得者層の住む団地で、若者たちに取り囲まれ威嚇された警官が恐怖のあまり発砲、青年が死亡するという事件に発展したことが始まりだった。「警官による移民の虐殺」というマスメディアの報道により、すべてが誇張され、移民たちに共感を寄せる市民たちの警察への抗議、被差別意識を抱いていた者たちの復讐心からの暴力行為、それに乗じるテロリストたちの活動……。激化した暴動やテロ行為はフランス全土に広がり、警察機構も公共サービスも機能しなくなり、すべては混沌のなかに。ミシェル・ウエルベックが「明日の論客」と評価している著者による、今、世界のどこにでも起こり得る国家崩壊の危機を描いた衝撃作。
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4.4画商に修復の腕を見込まれ、ある富豪の弁護士が所有する17世紀オランダ女流画家の作品の贋作をひそかに制作し、心ならずも絵画窃盗に加担してしまった女子画学生。私立探偵を雇って彼女の存在を探り出したその弁護士は、罪を暴き、大切な絵を取り戻そうと、彼女に近づくが、彼女の絵に対するひたむきさと知識の深さに敬意を抱くようになる。そして彼女は、絵を愛する、自分とは別世界に住む大人の男に惹かれ始めたが……。40年以上の時が流れ、過去を封印し罪の意識におののきながら、美術史学者として活躍する彼女の前に、自身の手になる贋作と新作がそろって出現した! いったいなぜ? 17世紀の女流画家と現代の女性学者、それぞれの愛と喪失と苦悩が時代を超えて呼応する。絵画贋造の技法も、複雑に絡み合う人間関係も、ミステリアスで美しい光のなかに見事に描きあげられた情感溢れる物語。
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-イギリス全土で3年にわたって異常な干魃が続いているにもかかわらず、“わたし”がいる農場〈泉〉にだけは雨が降り、草木が青々と茂っている。“わたし”はここで自宅監禁生活を送ることになった。〈無個性〉〈3〉〈ボーイ〉と名付けた男たちに常に監視され、行動を厳しく制限されながら孤独に暮らす“わたし”を、殺人事件の記憶が苦しめる。なぜ家族も友人も失うことになったのか? 自分は何をしてしまったのか? “わたし”は精神のバランスを崩すほど思い悩みながら〈泉〉での生活をふりかえり、殺人犯をつきとめようとする――。異様な状況下で傷ついた女性の、追憶と再生の物語。/解説=川出正樹
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4.0マドリッドの出版社に勤める編集者マリア。独身の彼女が、毎朝カフェで見かける理想のカップルと思える夫婦がいた。彼女は二人を見ては、幸せな気分で出勤するのだった。裕福そうな夫とカジュアルな装いが似合う妻は、子供を学校に送り出してから二人で朝のひとときを過ごしているらしい。しかし、ある日、出張から帰ったマリアが久しぶりにカフェに行くと、二人の姿はなかった。そして、恐ろしい事件があったことを彼女は知る。あの夫がホームレスに突然殺されたのだ! しばらくして、未亡人ルイサと知り合ったマリアはルイサと親しい、亡くなった夫の親友だった男に恋をする。しかし、彼の気持ちはルイサにしか向いていなかった。そしてある日、マリアは、彼の驚くべき秘密を知ることになる。あの事件は通り魔殺人ではなかったのか? 三角関係の清算だったのか? それとも……? 現代スペインを代表する作家で、ノーベル賞候補と目される著者による愛と死と罪をめぐる哲学小説。
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-鳴り響くアメリカ国歌、銃声。逃げ惑う住民が辿りついたのは元大統領邸宅(モンティチェロ)だった……。近未来アメリカを舞台に、トマス・ジェファーソンと奴隷の間に生まれた女性を先祖に持つ女子学生が、暴徒化した白人至上主義者から逃れ、因縁の場所で運命と対峙する表題作をはじめ、全6編を収録したデビュー作品集。 バージニア州シャーロッツビル周辺を主な舞台に、人種差別や経済格差の問題等、さまざまなテーマを内包する中編(表題作)1本と短編5本を収録。 本書は、全米批評家協会賞ジョン・レナード賞最終候補、ニューヨーク・タイムズ紙2021年ベストフィクション10冊に挙げられた。2022年リリアン・スミス図書賞受賞。 (原題 My Monticello)
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5.02011年のドラマ「それでも、生きてゆく」シナリオ全11話と、著者あとがき、製作陣座談会も収録した決定版! 14歳の夏、友人の文哉に妹を殺された洋貴。一方、兄の文哉が殺人を犯したことで、以降、名前を変え住む場所を転々とする日々をおくる妹・双葉。 事件から15年後、ある思いを抱え洋貴のもとを訪れた双葉は、洋貴の父から兄が8年前に医療少年院を出たと聞かされる。ともに文哉を追い、事件に向き合ううち、やがて二人は互いに惹かれあってゆくのだが――。 被害者遺族と加害者家族の双方を丁寧に描きながら、彼らの日常を掬い上げることで究極のラブストーリーとして多くの視聴者の胸を打った傑作ドラマ「それでも、生きてゆく」。全11話のシナリオ完全版と、脚本・坂元裕二×プロデューサー・石井浩二×演出・永山耕三×主演・永山瑛太&満島ひかりによる録りおろしの座談会、書き下ろしあとがき、ドラマの初期の企画書まで収録した、決定版。
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-◎1999年に韓国・仁川(インチョン)で実際に起きた火災事件を題材にした著者初の長編小説、待望の邦訳刊行 ミシン会社で働くサンスと敬愛(キョンエ)。お荷物社員の二人がチームを組むことになった。すれ違い、空回りしながら距離を探り合う日々。やがて互いの過去が少しずつ関係を変えていく。そんな中、チームはベトナムへの派遣が決まり、それぞれの思いを胸に新しい地を訪れるが――。理不尽な火災事件で親しい人を失い、亡霊のように生きていた男女の転機と再生を描く。 [目次] 空白はやっかいだ E あなたと私のお別れ 空っぽの心 殺人は恋愛のように、恋愛は殺人のように 冷えきった夏 あなたには妹がいますか? 痛みにも気づかずに笑っていた 雨粒が頭上に降り注いでくる オンニには罪がない
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3.52022年度ニューヨーク公共図書館若獅子賞受賞作 大勢の平和的抗議者たちが特殊部隊ベルクトに攻撃され、負傷者や死者が出ている。ウクライナは事実上、非常事態となっていた……。 ボストンから来たウクライナ系米国人女性医師、チョルノービリ原発近郊出身の鉱山技術者、かつてFEMENに参加した青い髪の女性活動家、独立広場でピアノを弾く元KGBスパイの老人、そしてジャーナリストたち……。 冬のウクライナ、首都キーウで交錯する、それぞれに過去を抱えた人々の運命。激動の時代を背景に展開する喪失と希望への物語。 史実とフィクションで織りなす、圧巻のデビュー長篇小説。 (原題 I Will Die in a Foreign Land)
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4.080~90年代、少女小説を中心に活躍し、再評価の機運も高まる作家・氷室冴子。少女小説研究の第一人者が丹念な調査と取材から、その全貌に迫る。作家や編集者に追加取材を行い増補刊行! 少女小説の革新、「女性作家」としての活躍と葛藤、新たなジャンルへの挑戦―― 80~90年代、エンタメ小説の最前線で戦い続けた、 いま、最も再評価すべき作家の全貌に迫る。 『クララ白書』『雑居時代』『なぎさボーイ』『なんて素敵にジャパネスク』などの少女小説、ジブリアニメにもなった青春小説『海がきこえる』、エッセイ『いっぱしの女』『冴子の母娘草』などで絶大な支持を得、今も人気女性作家たちがその影響を公言する作家・氷室冴子(1957-2008)。少女小説研究の第一人者が丹念な資料調査と取材から、その功績と志に迫る。 若木未生氏、桑原水菜氏や各社担当編集者のインタビューを増補。 未完の傑作『銀の海 金の大地』第二部についての証言も収録!
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-『ゴリオ爺さん』『谷間の百合』ほか全九一篇、登場人物二〇〇〇人による壮大な「人間喜劇」を構想したバルザック(一七九九―一八五〇)。富と名声を求めて旺盛な創作活動に邁進し、天才と俗物の間を生きた。その彼を終生敬してやまなかった伝記作家が、五一年の生涯を情熱的に描いた遺作にして最高傑作。〈解説〉宮下志朗 目次 第一篇 青春と初舞台 第一章 少年期の悲劇 第二章 運命への早まった問いかけ 第三章 オラース・ド・サン・トーバン小説工場 第四章 ベルニー夫人 第五章 商業的幕間狂言 第六章 バルザックとナポレオン 第二篇 仕事部屋のバルザック 第七章 三十男 第八章 書斎のうちとそと 第九章 カストリー侯爵夫人 第十章 バルザック自己の秘密を発見す 第三篇 小説を地で行く 第十一章 未知の女 第十二章 ジュネーヴ 第十三章 ウィーンの別れ 第四篇 小説家バルザックの栄光と悲惨 第十四章 破局の年一八三六年 第十五章 イタリア旅行 第十六章 転機の年 第十七章 サルデーニャの銀山 第十八章 芝居の投機 第五篇 『人間喜劇』の作者 第十九章 ハンスカ夫人征服の戦い 第二十章 『人間喜劇』 第二十一章 最初の挫折 第二十二章 蒐集家バルザック 第六篇 事の成就と終り 第二十三章 最後の傑作 第二十四章 ウクライナのバルザック 第二十五章 結婚と帰国 第二十六章 おわり
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-謎とスリルとサスペンス-- 三拍子そろった北欧発の警察小説 待望の第二弾がついに登場!! 二〇〇四年十一月、異国の少女娼婦が無残な姿で発見された。少女の名はダイナ。彼女はダクトテープで拘束され、全身をナイフとかなづちで傷つけられていた。その光景を目にした警察関係者は、誰もが呪われた過去の事件を思い出した。一九七八年からはじまった連続少女殺人事件。犠牲者は激しく乱暴されたあと、指一本と女性器を切り取られていた。だが、犯人のアンデシュ・ラスクは精神病院に強制収容されている。同一犯でないことは間違いない。 ラスクは自白と有力な状況証拠で有罪判決を受けたが、最近になってクリスティアンヌ・トーステンセンという少女殺しの自白を撤回し、再審請求がなされていた。そして、ダイナとクリスティアンヌの身体から検出されたDNAが一致したため、その請求が受理されてしまう。 一連の事件の捜査を命じられたトミー・バーグマンは、手がかりさえつかめないままダイナの葬儀に参列し、そこでクリスティアンヌの母親エリザベスを見かける。同時に、クリスティアンヌが遺体で発見されたあのとき、彼女が口にした言葉を思い出す。 「わたしのせい」
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4.4【2024年本屋大賞翻訳小説部門第1位】 完璧な人生なんてないけれど、「これでいい」と思える今日はある。 ネットで人気を博し韓国で累計25万部(2023年9月26日現在)を突破した、心温まるベストセラー小説! ソウル市内の住宅街にできた「ヒュナム洞書店」。会社を辞めたヨンジュは、追いつめられたかのようにその店を立ち上げた。書店にやってくるのは、就活に失敗したアルバイトのバリスタ・ミンジュン、夫の愚痴をこぼすコーヒー業者のジミ、無気力な高校生ミンチョルとその母ミンチョルオンマ、ネットでブログが炎上した作家のスンウ……。 それぞれに悩みを抱えたふつうの人々が、今日もヒュナム洞書店で出会う。 新米女性書店主と店に集う人々の、本とささやかな毎日を描く。
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3.0映画のように書き、小説のように撮る…… のちに世界有数の映像作家となった 映画監督イ・チャンドンによる傑作小説集 待望の日本語訳刊行! 映画監督として世界中にファンを持つ韓国の作家イ・チャンドンが、かつて小説家として発表し、「映像の世界への転換点となった」と自ら振り返る小説集、『鹿川は糞に塗れて』(原題『??? ??? ???? ?? ??』)(1992)の邦訳。 収録される5作品はそれぞれ、朝鮮半島の南北分断、そこに生まれた独裁政治下の暴力、その後の経済発展がもたらした産業化や都市化に伴う諸問題などを背景にしている。すべての登場人物は、分断や社会矛盾の犠牲になって生きる「ごく普通の人びと」。膨大な量のゴミで埋め立てられた地盤と労働者たちの排泄物の上に輝く経済発展、そしてそこに生まれた中間層の生活の構造を、作家イ・チャンドンは「糞に塗れている」と看破し、そこに生きる市民たちの悲喜交々の生を問う極上の物語を紡ぎ出す。
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-雹と雨と雷鳴の狂乱とも形容すべきすさまじい嵐の夜、没落した名家バナーワース家の館の一室で眠るフローラは、ふと得体の知れない何者かが窓を破って部屋に侵入しようとしていることに気づく。恐怖で凍り付き、四肢を硬直させ、「助けて」とつぶやくことしかできないフローラが目にしたのは、血の気のない蒼白な顔、磨かれたぶりきのような目、深く裂けた唇、そしてぞっとするような瞳にも増して、なにより目を引く、白くぎらぎらした鋭い牙のような、猛獣のそれを思わせる突き出た醜悪な歯を持つおぞましい生き物であった。部屋に侵入した怪物は、不気味な咆哮をあげながらフローラに近づき、その長い髪を手にからめとって体をベッドに押しつけると、鋭い金切り声を上げるフローラの喉笛に牙のような歯を突き立てた。ほとばしる血潮が滾々とあふれ、室内にはそれを吸う異様な音が響いた…… ヴィクトリア朝時代のイギリスで、週刊の安価な媒体に連載された《ペニー・ドレッドフル》の代表的な作品であり、以後のあらゆる吸血鬼作品や吸血鬼造型の原点ともなったゴシック・ホラー小説の伝説的作品、世紀を超えて、ついに刊行開始! 装訂・シリーズロゴデザイン=坂野公一(welle design)
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3.3ストックホルムで起きた、サッカー審判員撲殺事件。地域警官のミカエラは捜査に参加、尋問のスペシャリストで心理学者のハンス・レッケと出会う。彼は鎮痛剤の依存症だった。独特の心理分析で捜査陣をかく乱するレッケだったが、ある日ミカエラが地下鉄に飛びこもうとした彼を救ったことをきっかけに、二人は被害者の裏の顔と、事件の奥に潜む外交機密に突き当たる。元ピアニストの経歴を持つレッケは、アフガニスタン移民である被害者の中に音楽の痕跡を見つけるが、そこには凄惨な過去が待ち構えていた。上流階級のレッケと移民のミカエラ。奇妙なコンビは時と国境を越え、真実に迫る――。
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4.065歳、元大学教師。リベラルで、しがらみのないインテリのつもりだった。まちがえた選択をし続けて65年。どうやら私は、社会から取り残されたらしい。 フロール賞受賞のほか、ゴンクール賞、フェミナ賞、ルノードー賞、アカデミー・フランセーズ小説賞、ジャン・ジオノ賞の6賞候補! 現代社会への痛烈な批判を込めた超弩級の注目作! かつてタレント歴史学者を夢見たロスコフは、落ち目だった。95年に「冷戦下米国のソ連スパイ事件」を巡る書籍を刊行したが、翌日CIAが機密解除、本は一夜にして紙くずに。妻とは離婚し大学を退職、酒浸りだったロスコフは、同性愛者の娘のフェミニストの恋人に刺激され、研究を再開、サルトルやボリス・ヴィアンと親交があったアメリカの詩人・ウィローについての書籍を刊行する。客わずか5人の出版記念トークショーの席上、ロスコフはウィローが黒人であることを記述しなかった理由を問われる。翌朝掲載された匿名のブログ記事が炎上し、ロスコフはレイシストだという非難にさらされる。さらに自分を擁護するツイートに返信したロスコフは、炎上を煽ってしまう。ツイートした知人は、極右政党に入党していたのだ――。
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4.0「この世界の⽣活は,⽉にとっては⼀つのおとぎ話にすぎません」ひとりぼっちの若い絵かきのもとへ,夜ごと友だちの月が訪れて,空から見たことを聞かせます.月のまなざしが照らしだすのは,悲哀に満ちた地上の人びとの風景.旅を愛したアンデルセンの詩情あふれる名作を,絵本作家・松村真依子の柔らかな水彩絵で贈ります.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.
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3.7冬になると旅行客がほとんどやって来ない避暑地、ソクチョの小さな旅館でわたしは働いている。ある日、フランス人のバンドデシネ作家が旅館にやって来る。彼の中に、わたしは未だ見ぬフランス人の父と父の国への憧憬を重ねるが――。男女の一期一会を描く長篇
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3.8彼女は、恋愛で結ばれたエリート・ビジネスマンを夫に持つ高校教師。子供が二人いて、快適なアパルトマンに暮らしているが、結婚生活に失望している。いわゆる主婦の役割を期待されて、買い物、食事の支度、子供の世話、その他の家事に明け暮れるうち、生きる意欲や、外界への好奇心が、自分のなかで錆びついていくのを感じるしかない。自由と自立のなかの幸福を志向していたはずなのに、そういう状況にはまり込んでしまうとは。自らの軌跡をたどって、彼女は、幼少時、思春期、学生時代、恋愛の時期、結婚後を語る――「女の子」として、「女性」として、どう生きてきたかを語る。 フランス人女性として初めてノーベル文学賞を受賞した著者が、自立への意欲と結婚生活への失望を描く、自伝的小説。
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4.0ウクライナの国民的作家による「マイダン革命」勃発後半年間の記録と考察。2022年のロシアによるウクライナ侵攻の根源を伝える。世界的なベストセラー小説『ペンギンの憂鬱』の著者であるウクライナの作家アンドレイ・クルコフが、2013年に起きた市民デモ「マイダン(独立広場)革命」の激動の日々――自由を求める市民側と警察や特殊部隊の武力衝突、大統領の国外逃亡、クリミア半島のロシア編入、続く内乱――を一市民の視点から書き留めたドキュメント。池上彰氏のウクライナ解説付。浅田次郎氏推薦。
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3.5“ここではないどこか”を求めつづけ、最後には日本で「移民作家・小泉八雲」となった男ラフカディオ・ハーン。彼の人生に深く関わった3人の女性が、胸に秘めた長年の思いを語りだす。生みの母ローザ・アントニア・カシマチは、1854年、故郷への帰路の途中アイリッシュ海を渡る船上で、あとに残してきた我が子の未来を思いながら。最初の妻アリシア・フォーリーは、夫との別離を乗り越えたのち、1906年のシンシナティで、ジャーナリストの取材を受けながら。2番目の妻小泉セツは、永遠の別れのあと、1909年の東京で、亡き夫に呼びかけながら。ジョン・ドス・パソス賞受賞の注目作家が、女性たちの胸の内を繊細かつ鮮やかに描いた話題作。
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3.7ミュージカル映画不朽の名作「ウエストサイド物語」でベルナルド役を演じたオスカー俳優ジョージ・チャキリス。2021年に米国で発売され、大きな反響を読んだ自伝を字幕翻訳家の戸田奈津子が翻訳。同作は60年の時を超え、スピルバーグ監督がリメイクし、2022年2月に公開予定。
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4.4句会ってなに? 句会って楽しいの? それを教えてくれるのが東京マッハ! 「東京マッハ」はメンバーの4人(千野帽子、長嶋有、堀本裕樹、米光一成)とゲストで開催される公開句会。俳句をつくらなくても誰でも参加できるライブイベント形式で、句会の面白さを啓蒙している。 各々いいと思った俳句(特選・並選)を選ぶだけでなく、一言文句をつけたい俳句(逆選)も選びながら、「どうしてその句が好きなのか?」「どうしてその句に文句をつけたいのか?」その理由について熱く議論を交わす。 誤読、脱線……なんでもあり! ! 俳句、そして言葉についてとことん考えをめぐらせる大人気公開句会、待望の書籍化! 目次 まえがき vol.1「水撒いてすいか畑にいて四人」@アップリンク渋谷 vol.4「帰したくなくて夜店の燃えさうな」@ロフトプラスワン ゲスト=池田澄子、川上弘美 vol.10「君と僕と新宿春の俳句まつり」@風林会館 ゲスト=西加奈子 vol.12「0012女王陛下の飛騨マッハ」@高山市民文化会館 ゲスト=藤野可織 vol.14「そして夏そして浅草男祭」@浅草東洋館 ゲスト=穂村弘 vol.17 大東京マッハ「窓からの家出を花のせいにする」@紀伊國屋サザンシアター ゲスト=池田澄子、村田沙耶香 vol.18「想像の月まぶしくて目をあける」@ルオムの森 ゲスト=谷川俊太郎 vol.27「梅雨晴のすいか畑の十年後」@オンライン ゲスト=最果タヒ あとがき
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-とあることから社会のアウトサイダーとなった著者が、バイオレンスとドラッグにまみれて堕ちていった過去と決別すべく、ひとつの区切りとして書いた半自伝的小説。 父性の否定と他者とのかかわりへのニヒリズム、人を愛することへの希求と諦観、そして何よりも自分という存在への絶望を描く。ある時代を投影する「個」の存在を書きつくした秀作である。正統派の作家性をもった新たな書き手の登場。
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5.0体制に抵抗する者たちの鮮烈な冒険譚 精神病院にやってきた本書の主人公ランドル・パトリック・マックマーフィ。彼の性格は騒々しく、乱暴で、陽気で愛情のあふれる、反逆者である。そして、女好きで人生に前向きな戦士でもある。 看護師長ラチェッドの独裁にうんざりしていたマックマーフィは、ラチェッドに反旗を翻した。周りの患者たちも同意し結集していった。 病院の規律を破り、病棟でのギャンブルを盛り上げ、ひそかに女性たちを連れ込みワインを調達するなど、あらゆる場面で自由に振舞った。 最初は戯れとして始まったこの反抗は、すぐに厳しい闘争へと発展する。絶対的権威を背景とする師長ラチェッドと、自身の不屈の意志に従って行動するマックマーフィ。 ラチェッド師長がマックマーフィに対して究極の攻撃を行ったとき、何が起きたか。物語は衝撃的なクライマックスを迎える。 [原題]ONE FLEW OVER THE CUCKOO'S NEST
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4.5探偵マット・スカダー・シリーズ 待望の新作+傑作短篇集 エレインの知り合いが名前も知らぬ男から脅迫を受けていた。 老スカダーは単独で調査を始める…… 堂場瞬一・解説 凝った構成も、あっと驚くどんでん返しもない。 しかし本作品は、何とも言えない味わいを残す。 【 本書収録作品 】 夜と音楽と 窓から外へ バッグ・レディの死 夜明けの光の中に バットマンを救え 慈悲深い死の天使 夜と音楽と ダヴィデを探して レッツ・ゲット・ロスト おかしな考えを抱くとき ミック・バルー、何も映っていない画面を見る グローガンの店、最後の夜 石を放つとき 原題: A Time to Scatter Stones The Night and The Music A Matthew Scudder Novella
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4.31940年、アメリカ。小さな町のお嬢様ヴィヴィアンは、大学を辞め、NYのショーの世界に飛び込んだ。華やかで刺激的な毎日。だが、それは突然終わる。彼女の過ちが、街中を騒がす醜聞になったのだ。恋人も友達も居場所も失い、彼女は初めて自分と向き合う
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-イギリスの文豪ロバート・ルイス・スティーヴンソンが遺した珠玉の短編を日本独自編纂で一冊に集成。初出雑誌からの初邦訳となる「眺海の館」を巻頭に置き、捻りの利いた掌編集「寓話」や日本初紹介となる没後掲載作品「慈善市」などを収録し巻末には英文学者・井伊順彦氏による詳細な解説を付します。
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4.3車のハンドル、コンピュータのデスクトップ、iPhone、「いいね!」ボタン…私たちの生活をガラリと変え、瞬く間に定着した数々の大ヒットデザインはなぜ生まれ、そうでないものはなぜ姿を消していったのか?現代の私たちを取り巻くすべてのモノの根底にある「人間が使いやすい=ユーザーフレンドリー」という概念が生まれて発達してきた100年余りの歴史をたどりながら、生活やビジネス、思考といった人間の営みにデザインがいかに深く関わっているのかを考察する、現代デザイン文化史の決定版。
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4.4イラン出身の母と白人の父をもつ、ペルシア系アメリカ人のダリウス。家でも学校でも疎外感を覚える彼は、母の故郷ヤズドを家族で訪れることに。そこではじめての友達を見つけ……。アメリカの様々な年間ベストブックスに次々と選出されたベストセラー! 民族、人種、性的指向、うつ病、多重のアイデンティティに悩む16歳の青春物語。
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-「ガラスの鍵賞」「リヴァートン賞」「マウリッツ・ハンセン新人賞」受賞 ――北欧のミステリ賞で三冠を成し遂げた警察小説の傑作、日本上陸!! 二〇〇三年六月八日、第二次世界大戦の英雄カール・オスカー・クローグの死体が自宅で発見された。ノルウェー貿易相まで登り詰めた老人は鳥のくちばしにつつかれたように切り刻まれ、犯人に強い殺意があったのは明らかだ。だが、手掛かりは凶器――ナチスの鉤十字が刻まれたナイフしかない。警察本部では犯人像を見いだせず、捜査は行き詰まってしまう。 そんな中、トミー・バーグマン刑事は二週間前に発見された三体の白骨死体との関連性を見出す。戦時中に殺された三人は、親ナチ派のノルウェー人実業家グスタフ・ランデの娘のセシリア、婚約者のアグネス・ガーナーとメイドだった。彼女たちはグスタフの近親者ゆえにクローグらレジスタンスの標的にされ、粛清された三人の縁者が復讐のためにクローグを殺した。そう推理したバーグマンは、六十余年前の事件の真相に挑む決意を固める。 一九三九年八月、アグネス・ガーナーは自らの手で愛犬を殺した。それがイギリス諜報部の最後の試験だったからだ。どうしてこんなことができるのか、自分でもわからない。確かなことは、ナチスを倒さねばならないということだけだ。その決意を胸にアグネスは故郷ノルウェーへ帰還する。人生を狂わせる運命の出会いが待ち構えていることも知らずに……。
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3.3まだ、いけにえが足りないんだよ――湖から戻らなくなった祖父。そして少年ナミは母を探し旅立つ。気鋭のチェコ女性作家が描く現代の黙示録!マグネジア・リテラ賞、EU文学賞受賞。
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4.5犠牲者数百万といわれるナイジェリアのビアフラ戦争。この内戦の悲劇をスリリングなラブストーリーを軸に、心ゆさぶられる人間ドラマとして描く。最年少オレンジ賞受賞。映画化。
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4.3夫を突然亡くしたアイルランドの専業主婦、ノーラ、四十六歳。子供たちを抱え、二十年ぶりに元の職場に再就職したノーラが、同僚の嫌がらせにもめげず、娘たち息子たちとぶつかりながらも、ゆっくりと自己を立て直し、生きる歓びを発見していくさまを丹念に描く。アイルランドを代表する作家が自身の母を投影した自伝的小説。
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3.5対照的な二組の夫婦と復員兵の愛をめぐる心理小説の傑作『武蔵野夫人』とその創作過程に関する「『武蔵野夫人』ノート」、南方での戦争体験を元にした思索的小説『俘虜記』から「捉まるまで」等三篇、ユーモア溢れるおとぎ話の続編「一寸法師後日譚」、花柳小説の佳品「黒髪」、神話と文学の起源をさぐる評論「母と妹と犯し」、昭和天皇重篤に際して心情を綴った「二極対立の時代を生き続けたいたわしさ」など、戦争と人間の真実を、理性と知性に基づいて希求した戦後文学最高峰の多面的な魅力を示す。 解説=池澤夏樹 月報=青山七恵・大林宣彦
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4.0東北・北陸の各地を旅し、数々の名句や研ぎ澄まされた散文による夢幻的紀行「おくのほそ道」(新訳・松浦寿輝)をはじめ、「閑(しづか)さや岩にしみ入(いる)蝉(せみ)の声」(芭蕉)、「夏河を越すうれしさよ手に草履(ざうり)」(蕪村)、「白魚(しらうを)のどつと生(うま)るゝおぼろ哉(かな)」(一茶)といった名句の数々と、連句「鳶(とび)の羽のの巻」、長詩「春風馬堤曲(しゅんぷうばていきょく)」など、江戸期俳諧三人の巨星の名句・連句を精選し、新たに評釈を付す。俳諧の文学的・詩的魅力を味わい尽くす最良の入門書。他に、鼎談形式で歌仙を愉しむ『とくとく歌仙』より「加賀暖簾の巻」なども収録。 解説=池澤夏樹 月報=:藤野可織・堀本裕樹
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4.0元山形新聞記者が『ひさし伝』(新潮社)に続き、「東京に住んでいながら顔はいつも山形のほうを向いています」と藤沢周平自身が語る、その山形にスポットを当て、69年の人生を辿った独自の伝記。 市井に生きる人々に注がれるやさしいまなざし、忘れられかけている日本の原風景の再現、端正で清冽な詩情あふれる文章などの魅力で、今なお人気の高い作家の人生が、これまでと一風異なる視点から浮かび上がってくる。 山形新聞での井上ひさしとの対談、東京の冬と比較した寄稿など、単行本未収録の作品も紹介されており、丹念な調査から、藤沢周平の「自慢はしない」「普通が一番」という人生哲学が描かれていく。 旧制中学に通いながら文選工として働き、山形師範学校卒業後中学校へ赴任するも、肺結核に罹り東京で療養。退院後は業界新聞を転々としながら小説家への志を抱き続け、ようやく生活が安定するも妻が癌で他界、昭和46年、44歳でようやく「溟い海」でオール讀物新人賞、同48年「暗殺の年輪」で第69回直木賞を受賞し、人気作家になる様子や、『たそがれ清兵衛』『蝉しぐれ』といった名作の背景も詳細に明かされていく。藤沢ファンは必携の一冊だろう。
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-初老のフォーチュン氏は宣教師として南の島に行くが布教はままならず、美少年ルエリだけが改宗者となった。二人は幸福な日々を過ごすが……。20世紀イギリス小説個性派セレクションシリーズの第2弾。
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-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 タイトルが示すとおり、「君が代」論考から和歌の発生、阿倍仲麻呂の歌、漢詩の五言詩の起源の問題までと、和漢の文学の源流に及ぶ内容を扱う。この書で取り上げられた問題は、いずれも文学の基本に根ざす重要なものばかりで、それを斬新な切り口によって核心に迫る。 /序 第一章 「君が代」考 第二章 「君が代」九州王朝讃歌説批判―志賀海神社の神楽歌に寄せて― 第三章 阿倍仲麻呂の歌―古田武彦説批判― 第四章 和歌の発生について 第五章 漢詩・五言詩の発生について
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-「戦争は過ぎた。歴史の深刻な動乱は昨日の悪夢のやうである。……われわれは忘れてはならない――われわれの過誤と弱さとを。われわれは絶望してはならない――なぜなら人間性実現の新しい仕事が我々の心と手との営みを待つてゐる。」片山敏彦『詩心の風光』は、みすず書房が世におくった最初の出版物として、1946年7月1日に刊行されました。凸版印刷、一万部、定価は20円。当時の社名「美篶書房」は、本書の序にも、創業者・小尾俊人の名とともに記されています。1945年12月の創業から今年で60年、微力ながらも今日まで出版活動を持続できましたのも、ひとえに読者の皆様のご支援の賜物であり、心より御礼申し上げます。出版点数も3600点を数えることができました。この記念の年を締めくくるにあたり、出版の基本理念と創業時の精神の息吹をとどめたく、ここに新版を刊行するしだいです。
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4.0末満健一氏による舞台化で話題! 真実と嘘、愛と像、自由と孤独、罪と罰、善と悪、滅亡と繁栄……人間の究極の葛藤を描いた、壮大にして濃密な人間ドラマ。罪を犯さずして、大人になどなれるだろうか――。 1~9地区まで区分けされた階級社会に生きる16歳のダーウィン・ヤングは、最上位の1区に育ち、トップ校に通う。ダーウィンは官僚の父・ニースに連れられ、ジェイの追悼式に毎年参列している。父の親友であったジェイは、30年前に16 歳で死亡。9地区の人間が起こした強盗被害に遭ったとされているが、犯人は不明のまま。唯一、犯人探しに執念を燃やすのはジェイの姪・ルミだ。ダーウィンは恋心を寄せるルミから、ジェイのアルバムから不自然に消えている写真があり、それが事件の鍵を握ると打ち明けられる。ダーウィンはルミと一緒に謎を解く旅に出るが、そこで明かされたのは、ひた隠しにされていた世界の光景と自身のルーツだった…。
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3.9
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4.0
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-保田與重郎をめぐる大和文学紀行。――国のまほろば・大和の地に刻まれた、無垢なる魂の悲惨と栄光。悠久と無常の風土に、保田文学の根源をたどる、碩学の傑作評論。 「保田を読み始めた頃は旅を嫌っていた若者が、老境に入って、旅の経験もかなり積み重ねて来たその蓄積の上で、保田の大和を眺めた時どのように見えるか、そのことをたしかめようとしたのがこの本である。いうまでもなく現実にはその土地は行政区画としての奈良県であって、そこにひそむ遠い過去の追想は、所詮幻にすぎぬかもしれない。しかし幻にこそ土地の神髄があると考えれば、現実の相はかえって虚にすぎなくなるともいえる。実にして虚、このイロニーの上に保田の大和は浮んでいると見た所に表題を置くいわれがあった。」(後書より)
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-超セレブ・綾瀬ミホは、白百合女学園の高校2年生。男勝りな性格を隠し、学園のマドンナと呼ばれる完璧なお嬢様生活にうんざりしていた。そんなとき突然、現れたスーパー☆美フェイス☆イケメン!! びっくりして男を投げ飛ばし怪我をさせたことでミホの生活は一転!??? この男、実は南校6代目と呼ばれる有名ヤンキー・千里で――。破天荒な凪、フェロモン爆裂の葵、爽やか兄貴の与四郎、キューティーボーイひなた、ジョーシキハズレな千里の仲間たちも加わって、とんでもないことが起きる!!!!! ※この合本には、『お女ヤン!! イケメン☆ヤンキー☆パラダイス(1)~(10)』が収録されています。
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-少女たちの知られざる戦争体験 日露戦争30周年に日本が沸いた春、その女の子たちは小学校に上がった。 できたばかりの東京宝塚劇場の、華やかな少女歌劇団の公演に、彼女たちは夢中になった。 彼女たちはウールのフリル付きの大きすぎるワンピースを着る、市電の走る大通りをスキップでわたる、家族でクリスマスのお祝いをする。 しかし、少しずつでも確実に聞こえ始めたのは戦争の足音。 冬のある日、軍服に軍刀と銃を持った兵隊が学校にやってきて、反乱軍が街を占拠したことを告げる。 やがて、戦争が始まり、彼女たちの生活は少しずつ変わっていく。 来るはずのオリンピックは来ず、憧れていた制服は国民服に取ってかわられ、夏休みには勤労奉仕をすることになった。 それでも毎年、春は来て、彼女たちはひとつ大人になる。 ある時、彼女たちは東京宝塚劇場に集められる。 いや、ここはもはや劇場ではない、中外火工品株式会社日比谷第一工場だ。 彼女たちは今日からここで風船爆弾を作るのだ……。 膨大な記録や取材から掬い上げた無数の「彼女たちの声」を、ポエティックな長篇に織り上げた意欲作。
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-失恋した瞬間を永遠に繰り返す幽霊、方向音痴の幽霊、雨となって降り注ぐ幽霊、転送装置が生み出す幽霊……イタロ・カルヴィーノ短編賞受賞作家が贈る、時に切なく、時におかしく、そして時にはちょっぴり怖い幽霊たちの物語を100編収めた、ふしぎな短編集。/【目次】[幽霊と記憶]一 注目すべき社交行事/二 進路指導カウンセラー/三 手斧(ておの)、数本の燭台(しょくだい)、針刺し、シルクハット/四 マイロ・クレイン/五 記憶喪失/六 きのうの長い連なり/[幽霊と運命]七 ヒッチハイカー/八 願い事/九 遊び方/十 運命の天秤(てんびん)/十一 どんなにささやかな一瞬であれ/十二 集まり/十三 ミラ・アムスラー/[幽霊と自然]十四 ゾウたち/十五 白馬/十六 さらなる諸動物/十七 ミツバチ/十八 風景を損なうもの/十九 木々の納骨堂/二十 空から降ってくるもの/二十一 作中で太鼓が鳴る物語/二十二 お砂場計画/二十三 再生可能資源/[幽霊と時間]二十四 十三回の出現/二十五 来世と死の事務処理機関/二十六 死亡記事/二十七 中間地点/二十八 時の巡り/二十九 ヒメハヤ/三十 前後に揺れる物語/三十一 小さなロマンスとハッピーエンドを含むタイムトラベルの物語/[幽霊と思弁]三十二 ファンタズム対スタチュー/三十三 足跡/三十四 乗客たち/三十五 新たな生、新たな文明/三十六 暗黒は震えつつ通り過ぎた/三十七 プリズム/三十八 彼の女性性/三十九 人々がいて、彼らはかつて生きていた/四十 第一一五連隊の兵士たち/[幽霊と視覚]四十一 アクション!/四十二 円(まる)い堀が魚の安らぎとなるように/四十三 スペクトル/四十四 あらゆる家の鍵、あらゆる消火栓、あらゆるコンセント/四十五 壁/四十六 遊びの時間/四十七 生涯にわたって/四十八 いっしょに連れていく/四十九 霧の向こうにちらちら見える物語/[幽霊とその他の感覚]五十 一生分の接触/五十一 二番手/五十二 かくもたくさんの歌/五十三 音響の問題/五十四 香り(ブーケ)/五十五 野原で解けていく雪の泥くさいにおい/五十六 道具学/五十七 陽射しがほとんど消えて部屋が静かなとき/五十八 男のようなもの/五十九 ささやかな感情/[幽霊と信仰]六十 現実の小さな崩壊/六十一 異常派と尋常派/六十二 不動産/六十三 どちらが結晶、どちらが溶液/六十四 無数の奇妙な結合と分離/六十五 携挙(けいきょ)/六十六 666/[幽霊と愛と友情]六十七 失われて見出(みいだ)され/六十八 鏡の中のもう一人の男/六十九 アポストロフィ/七十 鏡の中の男/七十一 回転式改札口/七十二 実話/七十三 弾丸とそれを避けるために必要なもの/七十四 膝/七十五 彼女が忘れようとしている男/七十六 永遠/七十七 遅すぎた/七十八 居残り/七十九 あなたの靴が好き/[幽霊と家族]八十 幽霊の仮の姿/八十一 困惑の元/八十二 見えない、さわれない/八十三 幽霊兄弟/八十四 第二の実話/八十五 人生/八十六 非凡な才能/八十七 遺伝性疾患/八十八 空港のターミナルからの祈り/八十九 孵化(ふか)/九十 左右対称/[幽霊と言葉と数]九十一 インコ/九十二 婉曲(えんきょく)表現/九十三 およそ八十グラム/九十四 幽霊文字/九十五 言語学の問題/九十六 夕暮れとほかの物語/九十七 電話/九十八 数/九十九 人口調査/百 かつて書かれた中でもっとも恐ろしい幽霊譚(たん)/主題の不完全な索引/謝辞/解説=勝山海百合
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