笹沢信の作品一覧
「笹沢信」の「ひさし伝」「評伝 吉村昭」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「笹沢信」の「ひさし伝」「評伝 吉村昭」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
これは「ひさし伝」というより井上ひさし文学の評論集と言ったがいいかもしれません。
しかし労作です。たとえば井上ひさし全仕事という全集をつくるとすると、ひょっこりひょうたん島から組曲虐殺までゆうに百巻は越すでしょう、史上最多巻の全集となるはずです。再読するだけで二年はかかったでしょう。
とにかく、井上ひさしさんの膨大な著作群を目の前にすると、、天才と天才ゆえの努力にだれもが圧倒されてしまいます。笹沢さんは作品群を時系列に分解整理して井上ひさしさんの思想と方法論を解き明かしています、いやはや大変なお仕事。
好子さんとの離婚話のところはちょっとつらいですね。
当時テレビでも途方にくれる井上さん
Posted by ブクログ
山形の小さな町から湧き出でた言葉の泉が戦後という時代を流れながら、井上ひさしという大河になる物語です。コント、TV台本、歌詞、小説、戯曲と言葉の流域を広げていった人ですが、自分の言葉を文字にして書きつけることより、人の声にして放つことを大切にしていたような気がします。だから小説より戯曲という一回性の表現にこだわったのでした。ストリップ劇場のコント作者出身という原点にその理由を求めることも出来そうですが、しかし、もしかしたら「時間を止める」「時間を忘れさせる」という彼独自の〈ユートピア〉感がそうさせたのかもしれません。悲惨な現実を否定するのではなくて、「いまユートピアに向かって走っている」という