作品一覧 2017/04/21更新 ひさし伝 試し読み フォロー 評伝 吉村昭 試し読み フォロー 藤沢周平伝 試し読み フォロー 1~3件目 / 3件<<<1・・・・・・・・・>>> 笹沢信の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 評伝 吉村昭 笹沢信 これを読んでいたら、吉村作品を再読したいと思ってきました。 それぞれの作品(特に歴史・記録もの)の独特の文体により読者をその中に引きこませる技はすばらしいです。 また、資料を元にした緻密な世界観も他の作家にはなかなか感じることのできないものです。 なかなか陽の当たらない人物を主人公をしていることが多...続きを読むく、 歴史の中で翻弄される人々のドラマにもスポットを当てているのが興味深いです。 吉村氏の亡くなられた後、 同じように読める作家に私はまだ出会えていません。 Posted by ブクログ ひさし伝 笹沢信 これは「ひさし伝」というより井上ひさし文学の評論集と言ったがいいかもしれません。 しかし労作です。たとえば井上ひさし全仕事という全集をつくるとすると、ひょっこりひょうたん島から組曲虐殺までゆうに百巻は越すでしょう、史上最多巻の全集となるはずです。再読するだけで二年はかかったでしょう。 とにかく、...続きを読む井上ひさしさんの膨大な著作群を目の前にすると、、天才と天才ゆえの努力にだれもが圧倒されてしまいます。笹沢さんは作品群を時系列に分解整理して井上ひさしさんの思想と方法論を解き明かしています、いやはや大変なお仕事。 好子さんとの離婚話のところはちょっとつらいですね。 当時テレビでも途方にくれる井上さんの姿が放送されていたのを思い出しました。 天才井上ひさし、あえて名づければ日本のドストエフスキーでしょう。 たとえば、ここにドストエフスキーの方法論ともいっていいくだりがある。 「ぼくは、世界発見の有力な方法のひとつが物語であると思っています。 物語はコードの塊ですから、混乱している状況をある人はこういうふうに見ました、となると、自然に物語になってしまいます。 だから、物語の中には、発見と発表の方法が一緒になってるわけです。 ただ、世の中には使い古された物語がいっぱいあって、それによりかかっているとだめで、まず、こういう話です、ということをお客さんと契約していくわけですね。 もっともその通りになってしまうと、実に質の悪い予定調和のアホな芝居になってしまう。 そこでお客さんと最初に契約を取り交わしておいて、これはこういう話ですと言っておいて、お客さんがそのコードを、芝居の文法を、そうかこれだ、と呑み込んだところで少しずつずらして行く。 最初に提供した物語の文法Aを少しずつずらして行くのです。 同時に、前もって、こっそり,もう一つ文法Bを用意して、伏線を張っておき、ずらした物語の文法AをBに乗り換える。 つまりこれが例のどんでん返しです。 つまり観客と絶えず契約を結びつつ、その契約を、第二、第三の契約へ巧みに更新して行く。これがつまりは物語というものだと考えています。 この契約を価値観あるいは世界観と言い換えてもいい。」 準備なしの会話の中でこう言えるのはすごい。 Posted by ブクログ 藤沢周平伝 笹沢信 あまり藤沢周平の本は読んだことがありませんが、「雲奔る」も楽しく読めましたし、同郷の文豪としてこれからはいろいろな本を読んでみたいと思います(^^) Posted by ブクログ 藤沢周平伝 笹沢信 著作を通して周平の実像に迫っている。 改めて再読したく成る。作品が支持されるまでの努力は凄まじいものがある。 小説を読んでも、腹が満たされるわけでもないし、明日の暮らしがよくなるわけでもない 古来政治によって世の中が平和で、万民が幸福だったなどという時代がどれはどあっただろうと考えるのだ 馬も牛も姿...続きを読むを消して、かわりにトラクターが田圃を這い回った 村のそばを流れる生活排水と農薬で濁り、背骨の曲がった魚が泳いだ Posted by ブクログ ひさし伝 笹沢信 山形の小さな町から湧き出でた言葉の泉が戦後という時代を流れながら、井上ひさしという大河になる物語です。コント、TV台本、歌詞、小説、戯曲と言葉の流域を広げていった人ですが、自分の言葉を文字にして書きつけることより、人の声にして放つことを大切にしていたような気がします。だから小説より戯曲という一回性の...続きを読む表現にこだわったのでした。ストリップ劇場のコント作者出身という原点にその理由を求めることも出来そうですが、しかし、もしかしたら「時間を止める」「時間を忘れさせる」という彼独自の〈ユートピア〉感がそうさせたのかもしれません。悲惨な現実を否定するのではなくて、「いまユートピアに向かって走っている」という共感によって未来に繋げていく。最終的に語っている境地が「過去ときちんと向き合うと、未来にかかる夢が見えてくる。いつまでも過去を軽んじていると、やがて未来にから軽んじられる。」そのための今。だから井上作品は〈思い残し切符〉を持った幽霊たちのワンダーランドなのかもしれません。 Posted by ブクログ 笹沢信のレビューをもっと見る